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2020.01.30

ヤフーCTO藤門千明が語る、デジタルトランスフォーメーションの未来とは?

ヤフーCTOふじもんちあきの画像

いま100以上のサービスを展開し、月間5,049万IDのアクティブユーザー、1日あたり1,132億のリクエスト数(全サービス合計)、秒間1Tbpsに迫るトラフィックをさばく「Yahoo! JAPAN」。そのサービスを最前線で担うのが、ヤフーのエンジニア、デザイナーなどのクリエイター集団です。ヤフーの技術部門を率い、技術経営の司令塔でもあるCTO(最高技術責任者)藤門千明が語ります。

ヤフーだから創れる、ヤフーにしか創れない未来

──ヤフーは日本のインターネットの歴史を作ってきた会社の一つ。藤門さんとヤフーの出合いを教えてください。

私が工業高専に入学したのは1996年の4月。それと全く同じタイミングでヤフーが創業されています。私が技術の世界に飛び込んだのと同じ時に、インターネットで日本を変えようと意気込む若者たちが一つの会社を創業した。いま思い返すと不思議な偶然でした。

まさに時代は日本におけるインターネットサービスの黎明期。その後も、ヤフーを含め多くの会社が誕生し、さまざまなサービスをスタートさせていきます。インターネットの力が、世界を豊かに便利にする。学生時代の私はその可能性を強く感じ、とてもワクワクしていました。

私自身学生時代から、ヤフーが提供していた無料のウェブサイト提供スペース「ジオシティーズ」(※「Yahoo!ジオシティーズ」は2019年3月をもってサービス終了)で自分のプログラムを公開したりと、そのほかにもヤフーのサービスをたくさん使っていましたから、ヤフーは身近にあったし、面白そうな会社だと思っていました。
大学院を卒業する頃には、やはり自分もインターネットを使ってサービスを展開したいと思うようになって、ヤフーへの入社を決めました。

▲取締役 常務執行役員 CTO 藤門千明

ただ、最初に配属されたのは「Yahoo!ウォレット」のバックエンド技術を開発する部隊。サービスの表側ではなかったので、最初は意気消沈(笑)しましたが、逆にサービスを一瞬たりともストップさせず、ユーザーとの間に信頼を形成するためには、裏側にある分厚い技術が絶対に必要だということを知ることができました。

その後、社内横断的な技術サポート部隊「SWAT(スワット)」に配属されます。サービスやプロダクトの開発部門で何かトラブルが起きると、その火中に飛び込んで問題を解決するチームです。

そこで分かったのは、何かものづくりがうまくいかないときは、技術そのものの問題というよりは、技術者の組織、ビジネスモデル、人と人とのコミュニケーションなどがネックになっていることが多いという事実。それらを意識して切り分けながら、課題に取り組めるようになったのは良い経験でした。

CTOとして歩んできたこの10年を振り返って

──2005年にヤフーに入社し、その10年後にはCTOに就任します。どのような10年間でしたか。

誰でもそうだと思うんですが、会社に入って担当するのは、最初は小さな仕事です。与えられた課題を解決するのに一生懸命で、まだ全体のことは見えません。私もまた最初はサービスを支える小さな技術モジュールを担当しました。

それが複数のモジュール、複数のサービスへとだんだんと自分が関与する範囲が広がっていく。そのうち、サービスやプロダクトを超えて、ヤフー全体の技術、組織、ビジネスモデルについても関心を持つようになります。

ユーザーにより大きな価値を提供するためには、自分が関与できる幅を広げることが重要だと思っていたからです。そういう観点で、当時の宮坂学社長にさまざまな提案をしていたら、「じゃ、君がリーダーシップを取ってそれをやってみなさい」と言われ、CTOに任命されたのが2015年のことでした。

──それ以降も、執行役員兼CTOとしてヤフーのさまざまな課題に取り組むわけですが、あらためてインターネットの技術は世界の何を変えてきたと思いますか。

インターネットやAIがもたらす変化を最近は「デジタルトランスフォーメーション」という言葉で総称するようになりましたが、その本質は、単に人がやっていた作業を機械が置き換えるということだけではないと思います。

例えば、インターネット検索エンジンを使って、世界の図書館よりもはるかに大きなサイズの情報を一瞬で検索できるようになりました。
「Yahoo!知恵袋」も日本全国の集合知を一瞬のうちに集め、そこで何らかの問題を解決する仕組みですが、こうしたことはインターネットがなければできなかったこと。

単に古い技術を新しいものに置き換えるというだけでなく、技術の力でこれまでできなかったことを実現する、人類に新しい価値を提供するというのが、デジタルトランスフォーメーションの本質であると思います。

ヤフーの技術的優位性とは何か?

──そうした時代に、ヤフーの技術的優位性はどこにあると考えていますか。

ヤフーはいまデータセンターを自ら設計することから、ユーザーのタッチポイントとなるインターネットサービスまで、幅広い領域の技術を駆使し、さまざまな課題解決に取り組んでいます。

創業の1996年から20年以上の歴史の中で、100以上のサービスを生み出し、現在は月間5,049万IDのアクティブユーザー、1日あたり1,132億のリクエスト数(全サービス合計)、秒間1Tbpsに迫るトラフィックを処理するまでになっています。
近年は、情報技術の急速な発達によって、オンラインとオフラインの境目はなくなりつつあり、その両者を結びつけることで従来では考えられなかった新しい生活スタイルが生まれつつあります。その一例がスマートフォンによるキャッシュレス決済でしょう。

ヤフーも、スマホ決済サービス「PayPay」を2018年から開始。いまでは(2020年1月時点)ユーザー数2,300万人超、加盟店申込数185万カ所超、決済回数単月1億回超を達成するサービスへと急成長させてきました。これは望外な結果ではなく、そのぐらいの規模のサービスを実現するんだと信じていました。

インターネットを利用することで、人々のライフスタイルが変わる。その未来を最初から予測することは難しい。ただ、アラン・ケイ(※米国の科学者)が言うように、未来を予測する一番いい方法は、自分たちでその未来を創ってしまうことです。ヤフーもまた、未来を自分たちで創ることができる会社だと考えています。

膨大なデータを駆使し、自社開発でサービスを創るヤフーの強み

──ヤフーの技術力を、自社開発という観点でみるとどうなりますか。

ヤフーの発展を支えてきたのはまず技術力です。その技術の最大の特徴は、国内最大級のオンライン顧客基盤と100以上のサービスを通じて、100ペタクラスの規模でデータを蓄積し、それらをオンプレミスで運用できる利活用基盤をもっていることでしょう。これらの技術のほとんどを私たちは、自ら開発してきました。

これもまた、ヤフーの技術的優位性の一つだと思います。インターネットの世界では、技術開発はアメリカで行い、日本では単にサービスを提供するだけという会社もありますが、私たちはそうではない。

もちろん海外の技術も積極的に取り入れ、それをマージすることにも熱心ですが、それ以上に魂を込めて、自社開発の技術を育てることをやってきた。ときには失敗もありましたが、その経験を次に生かすことができます。自分たちで手がけるからこそ、技術の良し悪しもわかるのです。

もう一つ、ヤフーの技術者というのは、技術の狭い世界に閉じこもるのではなく、つねにサービスを通してユーザーにどんな価値を提供するかということを考えている。私も「Yahoo!ウォレット」を担当していたときは、サービス導入期に営業と一緒に店舗を回り、Yahoo!ウォレットの便利さを伝え、ユーザーの声を直接聞いたりしました。

新しいプロダクトを世に送り出す前には、社員全員がユーザーとなってそのテストをやる。その声を開発の現場に伝える。そういう取り組みも特色の一つといえるかもしれません。

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