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2022.11.04

国内最大級の大規模開発とデータ量を誇るヤフーが描く、日本中のユーザーに愛されるインターネット広告の未来とは

広告事業はヤフーを支えるコア事業の一つ。広告プロダクトはヤフーの収益における重要な柱となっています。 クライアント、広告代理店、ユーザーなど多方面のステークホルダーのニーズに応えるために膨大なトラフィックデータ量を処理し、最新のアドテクノロジーを活用して、 日々サービスの革新を続けています。今回は、そんな広告事業に携わるエンジニアの醍醐味と求める人財像について、VPoEの石川直樹が語ります。

プロフィール

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石川 直樹
メディア統括本部 開発本部長 兼 MP統括本部 VPoE
メディア事業と広告事業のVPoEを兼任。

ヤフーの広告事業で求められるエンジニアの四つのミッション

ヤフーには広告プロダクトとして、大きくディスプレイ広告(YDAと略称される予約型・運用型の二つのタイプ)と検索広告(YSA)があります。

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エンジニアが担当する仕事は大きく分けて四つ。一つ目はYahoo! JAPANのトップページをはじめとしたヤフーが提供するサービスや、パートナーサイトに広告を掲載するための配信システムの開発です。 この広告配信システムはヤフーが長年培った経験を生かし、内製で開発しています。

二つ目は広告主や広告代理店などに向けて、広告の運用・管理を行うための業務システムを開発する仕事です。 この広告管理システムに関しては、13,000社以上の広告主から「もっと簡単に使えるようにしてほしい」「このデータを分析してより効果アップしたい」など、要望が常に寄せられています。

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私たちはそうしたクライアントの要望に応えながら、日々顧客体験を向上させています。B to Bの業務システムではありながらも、B to C的にユーザーへダイレクトに届くシステム開発ともいえます。

三つ目は、膨大な配信データを活用した、広告主、ユーザー双方にとってより良い広告の最適化。エンジニアに加えて、データサイエンティストたちが担当しています。

そして四つ目は、入稿された広告をヤフーの広告掲載基準に沿って審査するシステムの開発です。AIを活用しながら、ルール違反やユーザーにとって不快と感じる広告を排除することも、安心・安全なインターネットサービスを提供するうえでは重要なミッションです。

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自社サービスへの膨大なトラフィックを最適化するコア技術

開発全体を通してベースになるのは、ウェブサービス技術であり、バックエンド、フロントエンドの両方で求められます。また、スマホアプリの画面にも広告を配信していますから、そのためのアプリ開発なども行っています。

Yahoo!広告の最大の特徴はトラフィック量が膨大であること。一日あたりのインプレッション数(広告が表示される回数)は、数百億にも達します。これだけの大容量トラフィックを支えるシステムを持っているのは国内企業でも多くはありません。 日々のトラフィック量に立ち向かい、それを最適に処理する技術は、ヤフーでこそ身につけられるものだと思います。

さらに、こうした技術をダイレクトに自社サービスに生かせることも魅力の一つ。エンジニアが自ら企画・提案ができるし、システムの要件定義も自分たちで行える。 もちろん、実際の開発もヤフーのエンジニアが行っています。新しい機能をリリースした際は、すぐに効果を測定し、次の改修につなげていく。このサイクルが自社だけで完結するのです。

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▲メディア統括本部 開発本部長 兼 MP統括本部 VPoE 石川 直樹
自分たちが開発した機能が、広告効果にどう反映されているか。また、ヤフーの売上にどう貢献しているかも日々確認しています。こうしたダイレクトなスピード感が、エンジニアの成長のモチベーションにつながっています。

特に広告事業は、ヤフー全体の収益を支える「マネタイズ・エンジン」ですから、その責任は重大です。サイトの信頼や品質の保証、事故に対する考え方も確実に学べると思います。 本事業に携わるエンジニアとして、インターネット広告の経験があることは望ましいのですが、それ以上に私たちが求めるのは、大規模なウェブシステム開発における要件定義から実開発まで関わった経験です。社内でどんどん提案をして、成功も失敗も含めて、その開発を担ってきた人たちですね。

もちろん、自社サービスの開発ではなく、クライアントからの案件をシステムインテグレーターやソフトハウスとして受託してきたエンジニアの活躍の場もたくさんあります。
例えば、広告出稿を管理するパフォーマンスレポートや、業務系システムのアップデートもきわめて重要です。クライアントの要望や課題に向き合いながら開発する仕事は、SIerでの開発経験が生かせるのではないでしょうか。

収集、分析、ロジック開発──データ系エンジニアが活躍するフィールド

配信を最適化するための技術領域は二つ。一つはデータ環境を整備するデータエンジニアリングです。ビッグデータの分散処理に不可欠なHadoop環境での開発業務もその一つですね。

さらに、そのデータを使って新しい配信アルゴリズム、ロジック、モデルなどを開発するデータサイエンティスト寄りの仕事もあります。 ヤフーのサイエンス本部にはデータエンジニアやデータサイエンティストの専門部隊がいるので、連携しながら広告事業部内でそれらの業務を担うチームもあるのです。

広告審査に関わる技術も、必要とされるスキルセットは広告配信システムと、広告管理入稿システムと大きな違いはありません。 ここで特徴的な技術としては、一般的な法規やヤフーの広告ポリシーに反したり、ユーザーにとって不快と思われたりする広告を検知するための技術開発です。 広告審査は人間が目視して定性的な判断が必要なものと、技術を活用して定量的に自動判定ができるものの両面がありますが、エンジニアが活躍するのは後者です。

サイエンス本部と連携しながら、広告画像を機械学習モデルで学習させ、不適切な画像を指摘させたり、審査専用のロジックを強化したりすることで、不正を未然に防いでいます。

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また、インターネット広告やマーケティング業界では、近年、「Cookieレス」時代の到来が課題となっています。ユーザーの情報や行動データの取得に制限がかかり、リターゲティングと効果測定に影響が出るといわれています。

ヤフーの場合は自社媒体を持っているため、メディア事業と広告事業の双方向で協業することで、プライバシー保護を徹底しながら、それでも有用な広告配信ができるというメリットがあります。

具体的にいえば、ユーザーがログインした状態であれば、どんな広告に対してユーザーがどんなアクションを起こしたのかを把握できますし、最適化された広告を表示するような仕掛けを講じることもできます。

もちろんユーザーのデータ活用については、きちんとユーザーにご説明し、その理解を受けたうえで、プライバシー保護を最優先に考えています。サービス的にも技術的にもさまざまな選択肢があることが、ヤフーの利点です。

基盤技術のモダン化進む。新しい環境で気持ちよく仕事する

ヤフーの広告事業は、開発においても長い歴史を持っています。そのためレガシーなシステムの中には「負の遺産化」しているものもありましたが、この数年で、それらを大規模に刷新しています。 例えばGo言語の活用や、Dockerと呼ばれる仮想化技術を使って配信システムを再構築するなど、テクニカルなプロジェクトにも成功しています。

これらのシステム基盤の刷新を通して、新しいアーキテクチャを設計したり、配信システムを最適化したり、いままでにない広告プロダクトを開発するといった新しいことがどんどん進められるようになりました。 これまで複雑だった広告プロダクトのプラットフォームを一つにまとめるワンプラットフォーム化も、その流れで出てきた動きです。

レガシーなシステムをメンテナンスしながらサービスを開発することは、エンジニアとしてあまりモチベーションの上がる仕事ではありません。ある程度、システム基盤がモダン化されているところで新しいサービスを開発する方が、仕事のやりがいという意味でも気持ちがいいはずです。

ですから、これからヤフーの広告プロダクトの開発をするエンジニアは、以前に比べて格段に良い環境で仕事ができると思います。

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Cookieレス、プライバシー保護、フルファネル化へのアプローチ

広告事業の「フルオートメーション化」や「フルファネル化」といったさらなるプロダクト改善にも取り組んでいます。これは近年の広告・マーケティング業界のトレンドでもあるのですが、私たちもまさに取り組んでいるところです。

これは、簡単に説明すると、認知、検討、購買、リピートといった消費者の購買プロセスに対して、広告配信やクリエイティブの最適化を行う取り組みになります。

フルオートメーション化によって、これまでさまざまに必要であった広告運用を、我々の配信システムで自動的に最適化できる。フルファネル化の取り組みにより、広告主にとっては広告予算配分の意思決定がスムーズになります。 ヤフーにとっても、フルファネルでのマーケティング活動を任せてもらうことで、広告事業の存在意義をさらに高めることができるわけです。

一方で、Cookie レス時代に代表されるように、広告効果とプライバシー保護の両立も欠かせないミッションです。こうした新しい取り組みをシステム化していくうえでは、エンジニアの活躍が欠かせません。

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広告事業でヤフーのエンジニアとして最初の一歩を踏み出す

この先、ヤフーのトラフィックはさらに巨大化し、信頼性が常に求められ、それゆえ仕事はタフではあるけれども、ヤフーのコア事業に携われるチャンスでもあります。その意味では、広告事業はヤフーで最初の一歩を踏み出すうえで最適だと思います。

広告事業を経験してから、メディアや検索、コマースなどほかの事業に移っていく人も多数います。私も経歴的にはその一人なのですが、広告に関わったという経験は、ヤフーのエンジニアとしての自信につながっています。

広告産業自体が新聞・テレビなどの紙媒体から急速にデジタルシフト化する現在、インターネット広告はまだまだ伸びしろのある領域であることも魅力の一つです。 新しいテクノロジーや資金がこの領域に注ぎ込まれ、技術開発の余地がまだまだある。そこで力を発揮したいという人を、ヤフーでは歓迎しています。ぜひ、一緒に日本中の人々に愛される広告テクノロジーをつくっていきましょう。

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さらに、ヤフーには年齢・経験を問わず、熱意のある人が活躍できる風土があり、広告事業も例外ではありません。先日も、事業貢献したチームを表彰する社内イベントで、広告事業の開発チームが表彰を受けました。

ユーザープライバシー保護と、データ活用による広告効果の改善を両立した素晴らしい成果でした。技術者が事業にもしっかり貢献できることを示すことができた瞬間だったと思います。

そうした活躍の場がヤフーの広告事業には無限にあります。エンジニアとして市場価値を高めたいと考えている人には、ぜひこれを体験してほしいと思います。


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