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2017.01.19

たった1%の狭き門。黒帯制度とは?

ヤフーには、「黒帯」という制度があります。
これは「ある分野に突出した知識とスキルを持つ第一人者」として、実績を上げている優秀な人財を称賛し、新たな活躍の場を提供するための任命制度です。社外のイベントなどで黒帯の社員と遭遇された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、その「黒帯制度」とはいったいどんな制度なのか? どう選ばれ、どんな活動をするのか? について、ご紹介したいと思います。

「黒帯」制度とは?

この制度は、エンジニアやデザイナーの才能と情熱を解き放つことを目的に、2012年7月から始動しました。上述の通り、黒帯は「ある分野に突出した知識とスキルを持つ第一人者」として実績を上げている優秀な人財を称賛し、新たな活躍の場を提供するための制度であり、2016年10月で6代目(2012年度は年2回、以降は年1回の任命で、任期は1年)となりました。現在では黒帯には大きく以下の三つの役割が任せられています。

  1. 誇りを持ってこの称号を引き受け、特定の領域・分野において高い専門性を発揮すること。
  2. Yahoo! JAPAN全体の社内旗振り役として、Yahoo! JAPANを背負った対外活動(情報発信など)や、社外の課題解決に貢献すること。
  3. 後進への技術や能力の伝承や、育成の役割などを行うこと。

これらの役割を通し、黒帯自身のスキルアップや世の中への啓発活動などを推進します。
そしてこれらの活動を支援するため、会社からは

  • 任命一時金として10万円を付与(初回任命時)
  • 年間上限100万円の個人の活動予算枠を付与
  • 特別デザインの名刺・ノベルティなどの贈呈

などのサポートが用意されており、さらに普段の業務との両立が成り立つよう、黒帯活動自体も評価の対象とすることが認められています。このように黒帯活動を会社としても全面的にバックアップしています。

黒帯の分野選出や審査については、CTO藤門をはじめ、該当領域のボードメンバー(技術領域の役職者)が主体となって執り行います。2016年10月の第6代黒帯ではインフラストラクチャー、ソフトウエア、方法論、セキュリティ、デザイン、データサイエンスなどの領域から22名の黒帯が誕生しました。これはヤフーの全エンジニア・デザイナーの、たった1%程度の狭き門とも言えるのです。

多岐にわたる技術領域、そして決意の任命式

2016年10月24日、第6代黒帯の任命式が開催されました。代表取締役社長の宮坂 学、CTO藤門 千明、CMO(チーフモバイルオフィサー)村上 臣なども黒帯Tシャツを身に着けて参加。任命式は宮坂によるあいさつから始まりました。

「黒帯就任、おめでとうございます。今回で黒帯制度が始まって5年目に入りました。黒帯の役割として期待しているのは、ヤフーの技術を外部に発信していくこと、そして社内エンジニアのサポートです。今回のあいさつに先立ち、改めて『黒帯とはなんぞや』と調べてみました。そのなかでいい言葉だと思ったのが、『黒帯は鍛錬の象徴である』というもの。黒帯に任命された人は、日々、鍛錬を重ねて今に至ったはずです」

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「そして鍛錬はし続けることに価値があります。なので黒帯になった後もしっかり鍛錬をしていってほしいです。まず1番は自分自身の鍛錬を怠らないこと。鍛錬する姿勢を社内の人に見せ続けてほしいのです。柔道の黒帯同様、みなさんも鍛錬をし続けていってほしいと思います」

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続いて、黒帯を統括するCTO藤門が壇上に立ち、あいさつをしました。
「黒帯就任、おめでとうございます。私も初代黒帯を務めたのでわかりますが、この役割はどんどん追いかけてくる若手に追いつかれないよう、鍛錬し続けなければならないので、本当に大変です」

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「ですが、エンジニアリング、デザイナーのスキルを上げていく要素として大事なのは、好きという気持ちです。したがってその気持ちを維持して、『開発面白いね』『デザインすごいね』と心から思っていただくと、1年といわず、2~3年と頑張れると思います。『好きこそ物の上手なれ』ではありませんが、とにかく技術・デザインを好きでいてください。Love技術、Loveデザインです」

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宮坂、藤門のあいさつのあとは、記念品贈呈を経てCMO村上も壇上にあがりました。
「プレゼンテーションが苦手という人がいるかもしれませんが、慣れてもらってヤフーの技術力を発信していってほしいです。そして『あの人みたいになりたい』という、若手の目標になってほしいと思います。黒帯の人たちがヤフーの技術力、デザイン力を発信していくことを期待しています」

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その後は乾杯を挟み、黒帯の活動宣言です。黒帯たちが今後1年間、どんな活動をするのか、その公約とも言える宣言を披露しました。

任命式での黒帯の活動宣言を、一部ご紹介します。

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ネットワーク 村越健哉
「利用者・運用者にとって優しくモダンなネットワークを目指します。ネットワークを利用する側にとってはあふれない、止まらない、設置に悩まないネットワークが利用できるよう頑張っていきたい。またぼくらサイトを運用している側にとっては、夜、安心して運用できるようなネットワークにしていきたいです」

プログラミング言語(JavaScript) 穴井宏幸
「JavaScriptを書いているエンジニアは、課題を持っている人も多い。その課題を抽出するような場、JavaScript道場(仮)を開設し、自分がコードを書くことでその課題を解決していきたいと思います」

アプリグロースハック 松下三四郎
「後継者を5人と言わず、500人育て上げたいと思っています。プロダクトマネージャーは全員、グロースハッカーになるべきだと思っているからです。マーケターが製品を手に入れて、製品自体が自発的に成長していくような仕組みを作り、社内、社外にも発信していきたいと思います」

アクセシビリティ 中野信
「アクセシビリティの黒帯は2年目。昨年1年間は黒帯活動を通じて、障がい者がサービスやアプリを実際にどのように使うかについて知る機会を増やせました。しかし、アクセシビリティは障がい者のためだけのものではなく、多様なユーザーに多様な使い方を提供できる手段なので、今年は私たちが作っているサービスやアプリはいろんな使い方ができるということをたくさんの方に啓発していきたいと思います」

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UIデザイン 宇野雄
「経験が長いデザイナーの多くは、Webの混迷期からPC、ガラケー、スマホと色々なデザインの経験してきました。その間に無くなっていった技術もあります。例えばFlashデザイナーで食べられていた時代があったことを、今の新卒の人たちに言うと信じてくれません。特定の技術に固執していると時代に置いていかれますが、一方でUIデザインの根幹はあまり変わっていません。ユーザーのモチベーションを上げていけるという成功則を教えてあげられるのは、私たちおじさん(!?)の役割です。VRやAIの時代が来ようとも働いていけるUIデザイナーを育てていきたいと思います。」

UXデザイン 瀧知惠美
「UXの次のエクスペリエンスデザイン領域をこの1年をかけて⾒いだしていきたいと思います。2016年4⽉から⼤学院に通いながらデザインの勉強をしているので、その内容がどうデザインの仕事に活かせるか考えながら社内に貢献していきたいですね」

機械学習 田頭幸浩
「黒帯活動も4年目に入りました。国際学会や国内学会で、ヤフーの技術力をアピールしたいと思います。本年度の新たな目標としては、後継者を育てていくことです。黒帯活動により、優秀な社員が入ってくれるようになりましたが、社外発表をする人が少ないのが現状です。そこが解消されるよう、後押ししていきます」

このように、参加した黒帯全員がこの1年の活動にかける思いを宣言しました。今後の黒帯の活躍にご期待ください!

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