エンジニアスキルを生かし、
デザイナーとして歩む道もある



入社前の経験について教えてください

大学では情報デザインを専攻し、心理学や色彩心理学、プログラミングなどを学びました。グラフィックスメインというよりも、工学寄りの内容で、プログラミングの技術を用いてデザインをどう構築するかといった学びが多かったです。そのため、現在手がけているデザインやUI/UX、ビジュアルに関しては独学で学びました。
大学4年生のときには「感性情報学」がテーマの研究室に所属していました。感性情報学とは「人の感性」を数値化し、分析するものです。
「抽象的で捉えにくい『感性』を数値化できるのか!」と感銘を受け、この手法をもっと掘り下げて学びたいと思い、研究室に残るかたちで大学院に進みました。
大学院では「歩きスマホ」の解消をテーマに研究を行い、歩きスマホを制限するアプリを開発しました。当時からスマートフォンなどで、ユーザーの行動を感知し「移動中の端末使用を中断させるアプリ」はありましたが、多くはユーザーの行動を正確に把握できないものでした。そこで、スマートフォンに搭載されている加速センサーやGPS、カメラによる顔認識などを組み合わせたシステムを開発したところ、高い精度で歩きスマホを検出することに成功しました。そして、その成果をiPhoneアプリとして形にし、リリースした経験があります。
ヤフーを志望した理由は?
理由はさまざまですが、決め手となったことが二つあります。一つ目は、当時からヤフーがミッションとしていた「情報技術で人々や社会の課題を解決する」という内容に大きく共感したことです。もともと、学生時代の専攻テーマも「情報分野で社会問題を解決する」ことでした。その学生時代の経験を、社会人になって生かしたいと考えました。二つ目は、ヤフーの制度「ジョブチェン(現、ポスチャレ!)」を知ったことです。これは、社内のほかの職種にチャレンジしたい場合に、自己申告でキャリア変更に挑戦できる制度です。

就活していた当時、エンジニア職かデザイナー職のどちらを選ぶか迷いがありました。デザイナーになりたいという気持ちがあったものの、独学でデザインを学んでいたため「現状、自分の力が通用するのか」という不安がありました。また、エンジニアとしての経験をもっと積みたいという思いもありました。
大学院でもプログラミングを学び、アプリを開発したり論文を発表したりしたので、まずはそのスキルを生かし、エンジニアとして活躍し、その後デザイナーにシフトチェンジしようと決めました。そんな私にとって、このヤフーの制度は大変魅力的でした。
ヤフーの面接では、エンジニアとして入社し、ゆくゆくはデザイナーに転向したい旨を正直にお伝えしました。すると、面接担当者の方に「前例がないので実現できるかどうかはわからない。でも、新しい分野に挑戦できる環境があるから、思い切ってやってみたらいい」と背中を押してもらったことが、いまでも印象に残っています。
選考中、不安だったことはありますか?
当時、学会の発表などがあり、ほかの方よりも就活を始めるのが遅く、エンジニアとしてもデザイナーとしても未熟な私を採用してもらえるかがとても不安でした。
実は、大学4年生のときにもヤフーに応募した経験があります。いま思うと、そのときはまだやりたいことが固まっていませんでした。
それから2年後に再チャレンジしましたが、何をしたいか明確になり、面接で自分の考えをしっかり伝えられました。学会で自分の論文を発表した経験も生かせたと思います。例えば、論文発表後の質疑応答で、批判的なコメントや質問をいただくこともあります。そのとき、自分の考えを理論的に述べるだけでなく、相手の方に理解してもらえるように伝え方を工夫できたことで、とても自信がつきました。
そういった経験から、ヤフーの面接では飾らず本音を伝えられ、実際にその点を評価いただけたと、後日のフィードバックで伺いました。
現在担当している仕事について教えてください

希望通り、エンジニアとして入社し、現在はデザイン職が主務でエンジニア職を兼務しています。具体的な業務としては、Yahoo!ショッピングのUI/UXデザインの構築を担当し、ウェブページのデザインなどをしています。また、UIデザインや情報設計のルールなどをまとめた「UIガイドライン」管理のプロジェクトを立ち上げ、ガイドラインの策定や構築、プロジェクトのマネジメントも行っています。
このプロジェクトの立ち上げが、デザイン職を主務にするきっかけでした。
以前は、Yahoo!ショッピングに明確なガイドラインがない状態で、担当者によってデザインに少しずつズレが生じていました。エンジニアとして、基準を定める必要性に気づき、整備を提案しました。その経験を通して「デザインを主務にしたい」と感じ、上司に相談したところ「UI/UXデザインをやってみないか」とのお話をいただきました。大変ありがたいことに、当時「エンジニアでありながら、UI/UXデザイナー目線でガイドラインを考えられる社員がいる」と、デザイン部署内で私のことが話題になったそうです。
仕事のやりがいや醍醐味、面白さは?
ユーザーがサービス利用時に必ず目にする重要なデザイン部分を担当できることです。また、デザインだけでなく使い勝手の良さなど、さまざまな視点から提案できることも魅力ですね。Yahoo!ショッピングは日常的に利用されるサービスなので、肯定的な意見をいただき、ユーザーの助けになれたと感じたときは、とてもうれしいです。UI/UXデザインは仕様に沿いつつ、ユーザーの使いやすさも反映する必要があります。難しい業務だと感じる方もいるかと思いますが、さまざまな要件をかなえたり、いかにデザインをきれいに見せるかを考えたりするのはとても面白いです。

今後の目標を教えてください

これまで通り、デザイナーを続けつつ、開発などの分野にも携わりたいと思っています。プログラミングの知識を持ちながら、デザインをメインに仕事をする、デザイナーとエンジニアという二つの顔を持つ自分だからこそ、見えるものがあると思います。
具体的には「UI/UXと言えばこの人に聞けば間違いない」というような存在を目指しています。そのために、一つ一つの技術や知識をさらに深め、安定した力を身につけるべく、日々業務に取り組んでいます。
一日のスケジュール
- 10:00
業務開始。メールやSlackなどを確認します。
- 10:30
チーム朝会。メンバーの一日の活動予定や相談事項を共有します。
- 11:00
チーム定例。チーム内で相談内容を共有し、課題解決を目指します。
- 12:00
リモートで同期とランチ。
- 13:00
関係者とのミーティング。
- 14:00
部署内の定例ミーティング。全体への共有事項や、各チームの進捗報告などの共有を行います。
- 15:00
デザインの制作作業とデザインレビュー。
- 16:00
プロジェクトの定例に参加。各領域の共有内容や、進捗を確認します。
- 17:00
引き続き、デザインの制作作業とデザインレビュー。
- 18:00
チームメンバーとデザインについて議論。
- 18:30
新規ページデザインについて打ち合わせ。サンプルを見ながら議論します。
- 19:00
業務終了。退社後は趣味の時間に切り替えるなど、自宅でゆっくり過ごすことが多いです。
学生へのメッセージ、アドバイスをお願いします
学生という立場を有効活用して、勉強や遊びを全力で楽しんでください。興味を持ったことは、自分が納得するまで調べ、実践すると将来何かと結びつき、自分の糧になるはずです。
私の場合は、大学の授業で学んだアプリのルールと、実際のアプリのルールが異なることが気になり、Appleのドキュメントを見て、自分なりに答えを導き出すということをしました。大学でUI/UXを学ばなかったにもかかわらず、この経験によってUI/UXの知識を深められ、いまの自分があると感じています。

このように、さまざまなことに挑戦すると視野が広がり、新たな発見があります。未知の領域や経験が浅い分野でも「やってみたい!」という気持ちがあれば、怖がらず、ぜひチャレンジしてみてください。
※内容は取材時のものです
社員インタビュー
linotice
ヤフーの人・仕事・働き方を
伝える採用メディア