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2019.08.21

数学好きが大集合! ヤフー新卒2年目社員が立ち上げた「数学同好会」に潜入してみた

数学同好会のザンイイヤンと上岡雄太郎、三原千尋が並んで写っている画像
ヤフーには社内交流を活発化するため、社内クラブ・同好会制度があります。会社も補助金を支給したり、社内会議室を提供したりと、積極的に活動を支援しています。
そのなかの一つに、数学同好会があります。これは数学好きな人が集まっている同好会。どんな活動を行っているのか、潜入してみました。

入社2カ月後に数学同好会を立ち上げた

この数学同好会を立ち上げたのは、2017年に新卒で入社し、現在、サイエンス統括本部に所属する湛溢洋(ザン・イイヤン)。もし数学同好会のようなものがなければ自分で立ち上げてみたいと入社前から決め、入社2カ月後に実現させました。

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▲サイエンス統括本部 湛溢洋(ザン・イイヤン)
現在、湛は機械学習された結果をプロダクションで配信するシステムの開発に携わっています。
「参加者は担当業務との結びつきとは無関係に、みんな数学好きだから集まってくれているんです。活動内容は、主にプレゼンテーションです。各々で研究したテーマについて発表し、メンバーからフィードバックをもらいます。発表者は毎回2人で、持ち時間の目安は1人1時間です」(湛)
今回1人目の発表者は2018年新卒入社の木村悠紀。発表テーマは「出生死滅過程と偏微分方程式(PDE)」。野に放った訓練用のモンスター(スライム)が1年後に何体になっているのか(線形出生死滅過程)を、偏微分方程式(PDE)を使って導くというもの。

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モンスター(スライム)の前提条件は下記のとおり。
一つの個体が一定の確率で分裂し、一定の確率で死ぬ。分裂すると自分のコピーができる。老化はしない。

Pr(A): 事象Aが起こる確率
N(t): 時刻tにおけるスライムの個体数
Pn(t) = Pr(N(t) = n | N(0) = 1):最初に1匹だったスライムが時刻tでn体となる確率

後は、どのように解いていくかをプレゼンテーションで示しながら、どんどん説明していきます。

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数学同好会の面白いところは、説明の途中でもわからないことや疑問などがあれば、すぐにその場で質問ができること。木村の発表の間も、ほかの参加者から、「なぜそう考えるの?」「こうした方がよくない?」などの質問や提案が絶えず挙がり、大いに盛り上がっていました。

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2番目の発表者は会長の湛。発表テーマは「超限帰納法入門」。
湛はまず自然数と順序数、帰納法などを簡単に説明したうえで、超限帰納法による証明方法を紹介していきました。

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もちろん、湛の発表の合間にも、参加者からのさまざまな質問が飛び交い、活気にあふれていました。

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数学に関するアウトプットをすることで理解が深まる

勉強会終了後、会長の湛、そして参加者の上岡雄太郎(サイエンス統括本部)、三原千尋(ヤフオク!統括本部)の3人に残ってもらい話を聞きました。

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▲サイエンス統括本部 上岡雄太郎(左)、ヤフオク!統括本部 三原千尋(右)

──湛さんは、なぜ、数学同好会を立ち上げたのでしょうか。
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:学生時代、数学専門の学科にいたので、会社に入ってからも趣味でやりたいなと思っていたんですね。あとは単純に数学好きの仲間を作りたいという思いもありました。
きっかけとなったのは、圏論(※数学の分野の一つ)勉強会に参加したことです。常時参加していた同期が10人ぐらいいて、「ヤフーにも数学好きな人がこんなにいるんだ」と驚きました。上岡君もその一人でした。

社内のチャットシステムで、数学について話し合う部屋を作って、同好会として活動しないかと呼びかけました。2018年3月に同好会として認められ、4月の新人歓迎会で行われる、社内クラブ・同好会紹介に間に合うよう活動実績を積み重ねました。

もともとは同期を中心にして立ち上げた同好会ですが、現在は2018年の新卒組に加え、三原さんのような中途入社者にも参加いただいており、メンバーは19人。年齢もバラバラですが、比較的若い人が多いのが特徴です。ただ、社内のチャットルームをウォッチしている人は常時200人以上いるので、実は社内には、ほかにも数学好きな人はたくさんいるのではないかと思います。

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──上岡さん、三原さんはなぜ数学同好会へ入ろうと思われたのですか?

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上岡:実は僕の場合、数学は業務に少し関係があるのですが、だから同好会に入ったわけではありません。ちなみに、学生時代の専門分野は生物(神経科学)でした。

数学同好会は自分が調べたことを発表するという活動形式なので、アカデミックに近い感覚を覚えられるのが面白いですね。業務とは関係のない活動を支援してくれるのは、体力がある会社じゃないとできないと思いますし、ヤフーは良い会社だなと思います。

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三原:実は入社前から数学同好会のことはTwitterで知っていて、入社したら参加しようと決めていました(笑)。私は物理工学科出身で、数学を専門に勉強していたわけではありません。数学は趣味に近いですね。

いまも独学で集合論を勉強しています。例えば「『定義できる』とは何か」など、何の疑問も持たずに通り過ぎてしまいがちなことが本当はどういうことなのかを考えられるのが数学の面白いところです。

──みなさん、学生の頃から数学が得意だったんでしょうね。

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:いえ、実は僕の場合、高校のときはむしろ苦手だったんですよ。センター試験では30点台だったくらいですからね。普通、大学に入るまでの数学の勉強法といえば、ひたすらたくさん問題を解くことで、できるようにするといったもの。

たとえば、九九を覚えることとかもそう。でもかけ算の成り立ちなどの根本的なところまでは教えてくれません。僕はそういったところが気になってしまうので、それを理解していないまま目の前の問題を解くということが高校生のときはできなかったのです。

でも、大学の教科書にはゼロから書いてある。だから大学に入ってからの数学は楽しかったし、今も大好きなんです。同好会のメンバーは19人ですが、僕みたいな数学専門の学科の出身者は4~5人。そのほかは生物系や物理系の学科などさまざまです。

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上岡:僕も数学は好きですが、数理系出身の方と比べたら知識も経験も全然…(笑)。第1回目の集まりで、湛君が話した無限の話の内容は正直ちんぷんかんぷんでした。「線形代数は実世界の話なのでわかるんだけど、無限はフィクションだから……」と話をしたら、湛君が「『集合と位相』をなぜ学ぶのか」(藤田 博司、技術評論社、2018年)という本を紹介してくれました。それを読んだら、だいぶ理解できるようになりましたね。

生物系は理系とはいえ数学をあまり使わない人は多いですが、三原さんのような物理系の人は数学が得意な人が多いような気がします。

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三原:いえ、私も社会人になってから趣味でやり始めたので、まだまだです(笑)。

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──同好会に参加してよかったことについて教えてください。

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:同好会の活動を続けることで、数学に思いをはせる時間が自然にできる。それが一番良かったと思っています。音楽が好きだからバンドを組んで楽しんでいる、というのと同じ感覚です。

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上岡:数学について話せる場所、アウトプットする場所があることですね。自分が学んでいる内容に数学が関係すれば、ここでアウトプットすることを目標に勉強することができます。

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三原:勉強したことを誰かに聞いてほしいと思うことってありますよね。そういう場があることがいいなと思っています。実は私、同好会に入って初めての集まりで発表したんです。

そのときのテーマはカーネル法。カーネル法を数学的に考えるとどういうものなのかを調べて、それを発表したんですが、いろんな反応をもらえて、すごく楽しかった。また、みなさんの面白い話を聞くことで、時間のあるときに自分も試してみようというネタも増えます。本当に楽しい集まりです。

──これまでで一番盛り上がったのはどんなテーマですか?

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上岡:グレブナー基底(多変数の連立代数方程式の解を求めるときなどに利用される多項式の集合)をテーマにした発表ですかね。

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:とにかく発表者の熱意がすごかったんです。

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上岡:「私とグレブナー基底」の話から始まりました(笑)。発表者は数学の勉強は好きなようですがつらいと思うこともあるらしく、とにかく発表することで、このグレブナー基底を昇華させるんだという気持ちにあふれていたんです。

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:話自体も面白かった。ですが、一番は、彼の熱意にやられました。


──面白そうな集まりだということがよくわかりました。今後、数学同好会をどのようにしていきたいですか?

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:個人的には規模を拡大させることよりも、継続することが大事だと考えています。テーマを決めた勉強会は、そのテーマについてある程度満足するとそれっきりで終わってしまいます。一方、数学同好会の良い点は、月1回集まることだけ決めて、発表者はそのたびに決めています。だからテーマを特に設けているわけではありません。

これはこれからも継続していきたいので、新入社員には「こういう同好会があるんだ」ということは伝えていきたいですね。新たな参加者が増えると、スピーカーも増えるので、話題も増えると思うんです。

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上岡:以前の発表では、神経科学の話をしたこともあります。さまざまな分野が数学と繋がってきている昨今、多様なバックグラウンドの人が気軽に参加し、質問できる雰囲気は守っていきたいですね。

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:そう、ハードルは上げたくはないです。だから数学の学部出身者だけで固まる同好会にはしたくないし、「数学に興味がある」という人もちらりとのぞいてもらえるような、ゆるいテーマも増やしていきたいですね。


──社外とのコラボレーション企画などは考えていたりしますか。

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三原:私は入社前に他社との交流会のツイートを見て、いいなと思ったので、今後もそのような交流ができれば楽しいですね。

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:お祭り的なイベントも年に数回は実施したいと思っています。社外から講師を招くということもしてみたい。私のなかではすでに候補は何人かいます。

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上岡:いろんな人がいろんなテーマを話すことで、裾野を広げることもできる。数学は一種の芸術のようなもの。美術館に行くような感覚で数学同好会にも参加してほしいですね。

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三原:湛さんが先ほど言ったように、大事なのはいかに数学同好会の活動を継続していくかだと思います。数学はしばらく触ってないと抜けていってしまうので。毎月、数学モードになれる時間をこれからも維持していけるよう、活動していきたいと思っています。

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:頑張ります。

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上岡:僕も頑張ります。


──ありがとうございました。

「数学が好き」「数学に興味がある」、その条件さえ満たしていれば、誰でも歓迎とのこと。今後も数学好きの興味を引く話題がたくさん展開されていきそうです。

ヤフーにはこうした社内クラブ・同好会制度が活発に行われています。現在、一緒に働いてくれる仲間をさまざまな職種で絶賛募集中ですので、ヤフーに興味をもってくださった方はぜひコチラから応募してみてください!

※社員の所属は取材当時(2019年3月)のものです。

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