日本人は腰が重い?旅の選択肢を広げるダイナミックパッケージ
「スイス人は日本人の10倍以上――」。
この数字は、ある統計による国民1人当たりの1年間の海外旅行回数の一例です。
実は日本人はおしなべて旅行にあまり行かない人種といえます。国内旅行であっても帰省や出張を除くと年間平均2~3回、まったく行かないという人も少なくないのではないでしょうか。
旅好きも一定数はいるものの、海外諸国と比べるとその少なさは歴然です(注1)。
しかも、ゴールデンウィークや年末年始など時期が集中するので、混むし、費用がかさむし……というのが実情。旅行を必ずしも楽しいものというイメージで捉えていない人がいるのもまた事実です。
そんな日本の観光産業に、よりユーザーに寄り添った旅の提案を実現するサービスが登場しました。それが、2018年12月にローンチしたダイナミックパッケージの「ヤフーパック」です。

倉本:個人的にも旅行が大好きです。これまでに 50カ国近く訪ねていますし、国内は全都道府県へ行きました。
そう語るのは「Yahoo!トラベル」のサービスマネージャー倉本穏。「ヤフーパック」やグループ会社の一休やダイナテックとの連携も含むヤフーのトラベル事業責任者です。

倉本:「ヤフーパック」では、航空券と国内宿泊施設の宿泊プランを自由に組み合わせた予約が可能です。大手航空会社 2社と連携し、ユーザーの目的や予算に合わせてお好みの旅をつくることができます。
個々の希望に合わせてプランを構築するダイナミックパッケージは、ユーザーに寄り添った旅のスタイルとして注目が高まっています。
Yahoo!トラベルでは、グループ会社の一休と連携し、ほかの国内オンライン旅行予約サイトでは扱っていない高級ホテルの予約も可能。幅広い選択肢をそろえることで、ユーザーファーストな旅の提案を実現しました。
同サービスのデザイナー松浦 絵梨は、今回のプロジェクトにおいてデザイン面のマネジメントを担当しています。

松浦:旅のニーズは十人十色。ダイナミックパッケージはその多様なニーズに多様な選択肢を提案するサービスです。航空券会社は JALと ANAから、 LCCは外部サービスと連携しており、国内宿泊施設は自由に選択できます。個別に予約されるよりもお得にご予約いただくことが可能なんです。
その浮いた費用で、現地で別の楽しみをしていただくのも良いですし、次の旅行に備えるのもよろしいかと。ユーザーの方が、旅行がより身近になるようなサービスだと思っています。
より多くの人に旅の魅力を知らせ、実際に動いてもらいたい。そして、旅を楽しんでほしい――。そんな想いを原点として生まれたのが「ヤフーパック」でした。
One more Travelという御旗のもとにローンチまで駆け抜け

今回のダイナミックパッケージの企画・開発は、総勢200名近い関係者が動く大規模なプロジェクトとなりました。

倉本:私は責任者として、プロジェクト全体を統括する立場で携わりました。具体的には外部連携先とのアライアンスと、社内外のリソース確保。外部委託先の選定はダイナミックパッケージの仕上がりにも深く関わってくるので、慎重に進めていきました。
また、今回のローンチでは、大手航空会社2社との同日リリースを実現させました。
倉本:当社事業への期待もあってアライアンス自体はスムーズに進んだものの、プロジェクト進行の足並みを揃えるのは大変でしたね。「 2社同日リリースなんて日本初ですよ」と周囲から言われましたが、だからこそインパクトも大きい。そこは、譲れないポイントとしてこだわりました。

松浦:私はデザイン周りの進行管理を担当しました。何もかもが初めての経験で、非常に大勢のステークホルダーがいるなかで、プロジェクトを遅延させずに進行するのは苦労の連続でした。
スケジュールと機能性のせめぎあいが続くなか、大切にしていたのは“ユーザーにとってわかりやすく、不利益が出ないように仕上げること”。ユーザビリティーを死守するため、ローンチ直前まで改善を行うなど「ギリギリの状況下でもユーザー目線だけは大切にしていました」と松浦は振り返ります。
松浦:このプロジェクトは、常にユーザーを見据えた共通の目標があったからこそ完遂できたと思っています。すべてのメンバーが「ユーザーが不便や不利益を被ってはいけない」「絶対に事故がないように仕上げる」という想いを持ってプロジェクトに臨みました。
これだけの想いを持ってつくりあげられた「ヤフーパック」。そのコンセプトは“One more Travel”です。実は、これはもともと倉本が社内向けに生み出した合い言葉でした。
“自分たちは何のためにこの事業を運営しているのか? ”と考えたときに、 One more Travelという言葉が浮かんだんです。この言葉の主語はユーザーです。もっと旅行を好きになり、もっと旅を楽しんでいただければ、それが結果的に観光事業の振興や各地の魅力発信にもつながります。
それはYahoo!トラベルとしてぜひ打ち出したいポイントでもあったので、サービスコンセプトに掲げました」
Yahoo!トラベルのサイトで、「ヤフーパック」で、ユーザーにOne more Travelを――。
この想いこそ、大勢のスタッフを導く大いなる御旗となりました。
徹底したユーザー目線の根底には 「旅が好き」という熱い想いがあった

確固たるユーザーファーストの原点を振り返ると、倉本も松浦も根底には“旅行が大好きだから”という想いに行き着きます。

倉本:私は新卒で入社した半導体の専門商社を退職し、留学したカナダでマーケティングを学びました。ヤフー入社後は外部企業とのアライアンスなどパートナー開発事業に携わり、 2014年に Yahoo!トラベルへ異動。 2016年から現在のポジションになります。
無類の旅好きな倉本。自らの強みを生かしつつキャリア形成にもつながると考え、Yahoo!トラベルでの仕事を志願しました。過去には、サービス提案するも「マニアックすぎる」との理由で挫折した経験もあるそうです。

倉本:詳細は未定だけど旅に行くことだけは決めている人に、キーワード検索で旅の提案をするサービスを考案しました。でも、そもそもあまり旅行に行かない日本人にはニッチ過ぎるということで見送りに(笑)この経験も、もっと気軽に自由に旅を楽しんでほしいという One more Travelにつながっていくんですけどね。
一方、松浦がデザイナーになったのは、もともと絵を描くのが好きだったから。
それに気づいてすぐに、働きながらデザイン学校に通い、上京。ウェブデザインの仕事に就いて経験を積み、ヤフーにもウェブデザイナーとして入社しました。昔からヤフーメールを中心に、検索、路線、天気……自分の日常に馴染んでいたサービスをもつ企業でしたので、入社が決まったときは上京して来た甲斐があった!と強く感じたことをはっきり覚えています。
入社後最初に配属となったYahoo!ショッピングではコーディングを担当していた松浦も、旅行好きだったので、Yahoo!トラベルへの異動を聞いたときは嬉しかったと言います。

松浦:でも、実は異動するまで Yahoo!トラベルのサイトはあまり利用していなかったんです。正直、他のサイトの方が使い慣れていたので……。それで、当時の上司に対しサイト改善案を提案しました。今にして思うとあまりに無知な提案でしたが(笑)それは純粋なユーザー視点から。自分が旅行好きだからこそ、ユーザー視点は必ず意識しています。
ところが倉本同様、松浦の旅行好きにも変わった一面がありました……。
松浦:わりと気まぐれで、日にちも行き先も決めず “どこでもいいから、どこかへ ”という観点で検索するんです。予算内で行けるところに行きたくて。『変わった調べ方だね』と言われて、逆に驚いちゃって(笑)ですので、人はどんなとき旅行に行きたくなるのか、どうやって行き先や宿泊施設を決めるのか。ユーザー心理にはすごく興味がありますね。
自由度の高いダイナミックパッケージには、個々の“旅行観”をも包括する懐の深さがあります。旅好きならではのユーザーへの思いやりは「ヤフーパック」にもしっかりと息づいているのでした。
観光需要を掘り起こす起爆剤に―― ヤフーから創出する新しい価値

2019年現在、国内外を問わずインターネット旅行予約サービスは多数存在しています。そのなかで、Yahoo!トラベルならではの強みや魅力は、いったいどこにあるのでしょうか?
たとえば、別に旅に行きたいと思っていなかった人が、Yahoo!ニュースなどを見て『ここに行ってみたい』と感じたら、そこに観光需要が生まれる。そして Yahoo!トラベルのサイトで予約まで可能。こうした導線こそが我々ならではの強みなので、観光庁などからも大いに期待されているポイントです」
また、ユーザー目線を重視したサービスや機能改善にも余念がありません。

松浦:現在も機能改善プロジェクトとして日々試行錯誤し、改善パターンをリリースしていますが、デザイン性もサービスもユーザビリティーも、もっと良くしていきたいです。

倉本:旅行の準備が面倒だとストレスフルですよね。行き先や宿泊施設を選ぶにしても、いろいろ比較したり膨大な選択肢を検討して選んだり……。費用をかける以上は妥協したくない。旅自体は楽しいのに、行く前に疲れてしまう状態をなくしたいんです。
いかにストレスなく旅に出られるか。検討段階から満足度を高められるか。それは、これからも追求し続けていくべき命題です。

松浦:旅行のモチベーションって必ずしも目的ありきじゃなくて、目的そのものが『ここではないどこかへ行きたい』というあいまいなものだっていい。潜在的なニーズを掘り起こしてカスタマージャーニーを実現するなど、もっとユーザーファーストな旅のスタイルを生み出していきたいです。
旅にまつわるさまざまな考え事や行動がストレスなく楽しめるものになれば、その先にはおのずとOne more Travelが実現されていくはず――。
ユーザーに寄り添う旅の実現をめざして、まだまだ倉本や松浦の想いは広がります。

倉本:これからの日本経済にとって、観光産業は非常に大きなファクターになります。インバウンド需要への注目が高まっていますが、国内旅行の需要も活性化させていきたい。需要を喚起することも観光庁など行政とコミュニケーションしていてヤフーに期待されていることのひとつです。
旅の価値や楽しさをよりわかりやすく示し、予約や検討段階のストレスを減らしてスムーズに旅行を楽しめるようにすること。想いを込めてつくりあげたサービスでOne more Travelを実現していくこと。倉本や松浦が思い描く理想の在り方までは道半ばです。
旅への想い、ユーザーへの想いがあふれているYahoo!トラベルの進化は、これからも終わることなく続いていきます。
(注1)出典:観光庁作成「観光白書」(2018年)
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