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2016.11.08

ヤフーから情報発信をすることで日本のデータ産業を盛り上げたい ── 「D&S Data Night」主催者インタビュー

8月31日に開催された「D&S Data Night Vol.3」。データ基盤などを中心に、ヤフーでの事例を積極的に発信することで、エンジニアとしてのプレゼンスを高めたいと語るイベント主催者の小林さんと岡田さん。同イベントを開催する目的や今後の展望などについてインタビューしました。

「D&S Data Night」イベントが生まれた背景

──「D&S Data Night」を開催した背景について聞かせてください。

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小林:oTやビッグデータという言葉が注目を集めていますが、今やビジネスにおいてデータを活用するのは当たり前のことになっており、データの利活用というシーンでは非常に盛り上がりを見せています。

しかしデータを利活用するには、データをどのように集めるか、どう蓄積するか、どう処理をするか、といった基盤を整備することが非常に重要で、それが整備されていないとデータ活用は進みません。

とはいえ、データ基盤に携わっているエンジニアは非常に少ないのが現状です。どうすればより良いデータ活用基盤が作れるのか、それを1社だけで考えていくのでは、データ活用先進国である米国にスピードで追いつくことはできません。

これを解決する手法として今できることは、基盤に携わっている人たちが集まってディスカッションして共有していくことだと考えたのです。データの処理する基盤のコミュニティーを強くしたいと思い、今回のイベントを開催することにしました。

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──今回は3回目ですが、1回目が開催されたのはいつでしょう。

岡田:今年の1月ぐらいから準備を始め、3月にvol.1を開催しました。vol.2は5月、そしてvol.3は8月。2~3カ月に1回の割合で開催していくことを計画しています。

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──どのような方が参加されたのでしょう。

岡田:参加者は自社でサービスを運営している有名企業をはじめ、システム構築やコンサルティングを請け負っている企業など、企業規模も大小さまざまで、色々なところから来てもらっています。

小林:大規模なデータを保有する企業の方も多いのですが、大規模なデータは持っていないけれども、データ基盤に関心があるから参加したという方もいました。

──イベントを開催するにあたり、苦労したことはありますか。

小林:同イベントを実施するにあたり、6~8人が所属するワーキンググループを設け、毎週1時間集まって話し合いを行っています。最初は多少バタバタしましたが、ようやく慣れてきました。

岡田:ワーキンググループのメンバーは私たちデータプラットフォーム本部がメインとなり、技術基盤から数人、サポートとして入ってもらっていたりしているので、開催にそう苦労するということはありませんね。

小林:そうですね。私たちは発表者のアサインや集客の方法などを担当し、技術基盤のチームに会議室の予約やスケジューリングなど、運営面をお願いしています。

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──vol.3ではKafkaをテーマにヤフーの社員による発表でしたね。外部の方も登壇されることもあるのでしょうか。

岡田:vol.1では急遽、イベント当日にAWSの採用事例について話したいという、飛び込みがありました。

小林:vol.2ではドワンゴの方にも登壇してもらいましたね。

──発表者をアサインするのは、結構大変そうですよね。

岡田:そうでもないです。例えばvol.2では同じくD&S本部が中心となって開催しているイベント「Ambari Meetup Tokyo」で発表した内容をベースに最新の情報を加えて発表してもらいました。

小林:今ヤフーで使い始めているOSSについて、それぞれコミュニティーを作りたいと考えているんです。先のAmbari Meetupもその一つ。そのほかにも、Kafkaやストリーミング処理のところでもMeetupを開催し、盛り上げていこうとしています。そして、そこで発表している人たちに声をかけ、D&S Data Nightに協力してもらっています。

オープン技術を採用したことが、技術発進の文化を醸成

──ヤフーでは今、次世代データ基盤をOSSで構築しているんですよね。

小林:そうですね。これまではYahoo.incの基盤をそのまま活用したクローズドな技術を採用していました。しかし、これからのデータ基盤は多様性が求められます。それを可能にするために、オープンな技術を採用して、多様なニーズに応えられる基盤を構築しようということになりました。

岡田:OSSはとにかく改善のスピードが早い。Yahoo inc.の基盤に携わっているエンジニアの数は数人規模ですが、OSSは世界中に開発者がいます。他にも議論はあったのですが、最終的にOSSの方がメリットが大きいという結論に達したのです。OSSを採用するからには、OSSにコミットし、その進化に貢献していこうと。

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──だから色々なMeetupが立ち上がっているんですね。

小林:以前のヤフーはオープンな活動をする文化があまりなかったのですよ。

岡田:そう。先に紹介したMeetupはD&S Data Night vol.1を開催して以降に開催されたので。私たちがイベントを開催したことも、コミュニティー活動の醸成につながったのかもしれませんね。

小林:いずれにしてもOSSを採用し、情報をオープンにできるようになったことが大きな転換だったと思います。

──OSSの採用を決めたのはいつのことでしょう。

岡田:去年の秋ぐらいです。

小林:まずは昨年4月1日の組織変更により、データ&サイエンスソリューション統括本部が新設されました。新設された組織でデータ基盤の強化について話していく内に、クローズドからオープンへ、ローカルからグローバルへ、UseからMakeへ、個からチームへという考え方が生まれ、OSSを採用していこうという流れになりました。

岡田:先の4つのキーワードは、今でも統括本部の朝礼などでよく発信されています。

──チームというのはコミュニティー活動のことも含んでいるのですか。

小林:チームには、OSSを使っている外部の人たちもすべて含まれています。そういった人たちとチームを組んで、コラボレーションできればいいなという意味です。こういったメッセージを朝礼などのたびに投げかけられるので、みんなのコミュニティー活動への意識も向上していったのだと思います。

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──先の4つのメッセージが常に投げられていると、組織の風土にも影響しそうですね。

岡田:プロダクトが独立しているような部署だと、どうしても横のつながりが薄くなってしまいますが、D&S統括本部は横のつながりが強いのです。だから団結力がある。また、所属しているのはほとんどエンジニアだけなのでお互いの気持ちがよくわかり、理解し合えることも団結力につながっているのかもしれません。

小林:情報共有がうまく進んでいるのも、私たちの組織の特徴です。社内のジョブチェンジ制度(*1)を利用して、異動したいという人も増えています。

岡田:そうそう、D&Sは人気がある!

小林:実はこれもD&S Data Nightを開催するなど、情報発信をしていることのおかげかなと思っています。世の中にとってデータが大事であること、そして、D&S統括本部ならそういった新しい分野にチャレンジできる、ということを周囲に知っていただいたことで、このようなイベントを開催することでできるようになりました。社内にも良い影響を及ぼせていると思います。

──コミュニティー活動はエンジニア個人の技術力向上にもつながりそうですね。

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岡田:OSSに貢献するには技術力が不可欠です。したがって全体的に技術力も底上げされると思います。

小林:自分たちも成長していかなければならないですものね。

日本のデータ産業を盛り上げ、日本を元気にする

──次回の開催は11月でしょうか。

小林:先日のイベントの懇親会の最後に『次は紀尾井町(新社屋)で開催します』と宣言したので、11月中には開催する予定です(11/25に開催決定)。新社屋では、社外の人も利用できるコワーキングスペースもあるので 、そこでもコラボレーションできたらいいなと思っています。

──コワーキングスペースは社外のエンジニアにとっても注目しているポイントなのですね。

岡田:そうみたいです。「勉強会で使いたいのですが、いつから使えるんでしょう」という問い合わせを個人的にもらったりしています(現在は勉強会やイベントで利用可能)。

──コワーキングスペースでは勉強会祭りになりそうですね。次回のトーク内容はこれから企画していくのでしょうか。

小林:そうですね。アンケートを精査して、これから詰めていくところです。次回も今回同様、テーマを絞って開催する予定です。

岡田:テーマを絞った方が参加もしやすいですし、懇親会も深い話ができて、盛り上がるので。

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──最後に、次回開催に向けての意気込みなどあればお聞かせください。

小林:個人的な思いですが、日本のデータ産業を盛り上げ、日本を元気にしたいと思っています。日本を元気にするカギを握っているのがデータだと思っています。

ソフトバンク会長の孫さんは「2018年にコンピューターは人間の脳を超える」と仰っています。シンギュラリティですね。シンギュラリティによってもたらされる情報革命を実現するには、データの蓄積、処理、結果を出すという技術も非常に大事です。それを高速に高品質で、使い勝手良く改善、改良を重ねていくことは、日本のモノ作りが得意とするところ。東京でオリンピックが開催される2020年には、多くの国からたくさんの人が訪れます。

そのとき僕らは「日本のデータ環境はこんなにすごいんだ」とアピールできるモノを出したい。そういった夢へのチャレンジの一助に、D&S Data Nightというコミュニティー活動が役立てばいいなと思っています。

岡田:D&S Data Nightに参加した人たちにとって、価値のあるものにしていきたいですね。また、この場を自分のプレゼンスを高めることに活用して欲しいとも思っています。

小林:今は頭にD&Sが付いていますが、そんな冠も不要かなと考えています。データに関心のある人たちのための、Data Nightにしていきたい。いろんな人と出会え、コラボレーションする場にしていきたいですね。

プロフィール

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インタビュアー :干場 未来子

ヤフー株式会社 コーポレート統括本部 人財開発本部 人財採用部 採用企画


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小林 直哉

ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発1部 部長


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岡田 幸大

ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発1部 データセンサー



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