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2020.12.17

「必要とされている支援をワンストップで届ける」災害支援プラットフォーム

「必要とされている支援をワンストップで届ける」災害支援プラットフォーム

今年は、新型コロナウイルスなどの影響より、被災された方へのサポートが届きにくくなってしまうという課題がありました。
ヤフーは、災害時の情報配信から被災地へのサポート、復興支援までをワンストップで提供する「災害支援プラットフォーム」を立ち上げました。被災地の自治体などと連携しながら、災害発生直後から復旧・復興フェーズまでをワンストップ、ワンパッケージで支援するこの取り組みについて、責任者に聞きました。

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森 禎行(もり さだゆき)
2011年6月入社。Yahoo!ニュース、復興支援室、エールマーケットの企画・営業・編集などを担当。2018年10月より災害協定の企画・営業・運用業務を担当し、沖縄から北海道まで全国くまなく災害協定を提案。ニュース編集のスキルを生かして、自治体がアプリで配信するタイトルや内容の改善提案も定期的に行っている。防災士の資格も持つ。

災害支援プラットフォームを立ち上げた思い:
「2011年3月に東日本大震災が発生したとき、私は新聞記者として福島県を取材しました。あのときの経験が、現在に至るまで災害に関わり続けている原点になっています。
復興支援への思いがどれだけあっても『しくみ』がなければ継続して取り組み続けるのは難しい、という思いが、今回立ち上げた災害支援プラットフォームにつながりました。

日本は災害がとても多い国です。そのため、誰もが、いつどこで地震の被害を受けるか、水害の被害を受けるかわからない、ということを認識してほしいです。そして、災害がおきたときに自分ができること、やらなければいけないことに関する知識を事前に知り準備しておくことで、少しでも自分や家族の命を守ることにつなげていただきたいと思います」

災害支援プラットフォームが生まれた背景

「災害支援プラットフォーム」は、Yahoo!ネット募金、Yahoo!基金、Yahoo!ボランティア、災害協定、SEMA(シーマ)、エールマーケットのサービスで構成されています。
ヤフーが持っているこれらの災害支援ソリューションをワンストップ、ワンパッケージで提供し、発災から復旧・復興まで継続した支援を行うことを目的に立ち上げました。

1)発災:緊急対応、情報発信、命を守るための支援
災害協定(自治体)をハブとした適切な情報発信や、地元活動団体の資金集めサポート、SEMAを通じた物資の送付など
2)復旧:発災前の状態に戻すための支援
募金、ボランティア、物資の支援を行い復旧のためのお金・人を集めるなど
3)復興:経済的な復興の支援などを行い、元の状態以上にすることを目指すための支援
ネット募金の運用や、エールマーケットで被災自治体商品の販売を行うなど

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ヤフーはこれまで、災害で被害を受けた地域の復興支援に取り組んできました(※1、※2)。
また、2016年4月の熊本地震で物資の支援を行ったことから「SEMA(※3)」の取り組みが生まれています。
※1 愛媛県宇和島市に“平成30年7月豪雨災害”の復興支援を実施
宇和島市産商品をエールマーケットで販売、災害情報発信などに関する協定締結、募金窓口の開設などを行いました。
この取り組みでは、災害の復旧・復興フェーズで被災自治体と連携し、災害協定、Yahoo!ネット募金、エールマーケットによる支援が可能となりました。また、災害協定チームが持つ自治体へのパイプを活用するなど、早期の自治体支援を「ワンパッケージ」としてご提供できました。
ヤフー、愛媛県宇和島市に“平成30年7月豪雨災害”の復興支援を実施(プレスリリース)

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※2 令和2年7月豪雨の被災地支援を目的に募金窓口を開設
被災地域の支援を目的に、熊本県人吉市、一般社団法人RCF、ヤフーが連携し、熊本県人吉市の長期的な復興支援を見据えた募金窓口を開設しました。またその後、自治体と協力して人吉市へのボランティア募集も行い、福岡県庁ほか九州の自治体からアプリでの配信がありました。
熊本県人吉市、Yahoo! JAPAN、一般社団法人RCFが連携し 令和2年7月豪雨からの復興支援を目的に募金窓口を開設(プレスリリース)
※3 SEMA(シーマ)
民間企業と市民団体(CSO)が連携し、日本国内において災害支援を行うための仕組み。平時から加盟各社が持つ物資・サービスなどをリストとして集約し大規模な自然災害の発生時には、このリストをもとに必要な物資・サービスを迅速に提供。

これらの取り組みもきっかけとなり、「ヤフーが持っている災害支援ソリューションをワンパッケージで提供する体制を作ろう」と各サービスの代表者が集まりました。 たとえば、災害協定は全国1,700の自治体のうち1,200と協定を結んでおり、人口のカバー率は90%以上です。この仕組みを使うことで、災害時でも現地の方と連絡を取ったり情報を得たりすることが可能になります。現地からの情報を速く正確に得ることで、他サービスとの連携がスムーズになる点もメリットです。

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マイナスをゼロではなく、プラスにするための支援

災害による被害を受け、それをただもとの状態(ゼロ)に戻すだけでは現状維持になってしまうと私たちは考えています。そのため、復旧・復興期では、たとえばエールマーケットを通じて、その地域のおいしいものなどの魅力を広く知っていただくことで、その地域がさらに活性化していくところまでを目指しています。この「災害支援プラットフォーム」のゴールは、世界一、日本の災害支援に貢献することで、災害による被害のマイナスをゼロにするだけではなく、プラスに持っていくところまでだと考えています。

災害発生直後は、まずYahoo! JAPANトップやYahoo!ニュースなどで情報を得ていただく方が多いと思います。そして、被災されていない方には、ヤフーが提供するさまざまなサービスを通じて発災直後から復興期まで被災地を支援し続けることが可能だと知っていただきたいと思います。発災直後は、まず募金をすることで現地にお金や物資を届けたいと考える方が多いですが、ボランティアでの被災地への貢献も可能ですし、復旧期以降もネット販売を通じて被災地の商品を買うことによる経済的な支援も可能です。
今後は、ヤフーのサービスを通じて可能な支援についてもしっかりお伝えしていきたいと思っています。

災害を風化させない、支援を止めない

過去に発生した災害も、まだ「終わった」とは言えないものがほとんどです。災害の支援の形や関わり方の変化はあっても、プラスに転じたと思えるまでは被災された地域と関わり続けていきたいです。また、今後はヤフーのサービスだけでなく、Zホールディングスグループ全体でもこの取り組みを広げていくことも視野に入れていきたいと思います。

日本は自然災害が多く、各地で発生した過去の災害の復旧・復興の段階もさまざまです。そして、過去の災害については年月がたつと記憶が薄れてしまう面もあると思います。ヤフーのサービスなどを通じ、災害の復旧がまだ終わっていない地域についての情報をお伝えしていくことも、しっかりと続けていきたいと思っています。

阪神・淡路大震災のときにボランティアという支援の形が生まれたり、新潟県中越地震のときにヤフーが募金サービスを立ち上げたりなど、災害に対応するものとして生まれた新たな支援の形や仕組みが積み重なって今があります。
ヤフーがこれまで生み出してきた災害支援の仕組みやサービスの効果をさらに最大化していくことで、「発災から復旧・復興フェーズまで止めないワンパッケージの支援」を可能にしていきます。

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災害支援プラットフォーム参加サービス

SEMA
民間企業と市民団体(CSO)が連携し、日本国内において災害支援を行うための仕組みです。SEMAは、平時から加盟各社が持つ物資・サービスなどをリストとして集約。大規模な自然災害の発生時には、このリストをもとに必要な物資・サービスを迅速に提供します。

災害協定
災害発生時に自治体から発表される避難に関する情報、自治体が指定する避難所の開設情報、そのほかの災害関連情報や注意喚起情報などに住民が「いつでもどこからでも」アクセスできるようにするため、全国の自治体と「災害協定」を結んでいます。

Yahoo!基金
持続可能な社会の実現を目指すため、2006年に設立された任意団体です。「災害被災者および災害被災地への支援」と、インターネット社会の健全かつ安全な発展に貢献するために、「インターネットやIT技術の利活用を通じた市民活動の支援」をテーマに活動しています。

Yahoo!ネット募金
2004年に発生した新潟県中越地震をきっかけに開始した、ネット上で気軽に寄付ができるサービスです。国内外を問わず甚大な災害に対して寄付を行う“緊急災害募金”と、NPO等の団体が寄付を募る形態があります。緊急災害募金の中で、東日本大震災に対する寄付額は過去最高額の13億7,000万円以上にのぼりました。

Yahoo!ボランティア
全国のボランティア情報を掲載。ボランティア活動をしたい人、してもらいたい人がコミュニケーションする場として提供しています。

エールマーケット
2011年12月、東日本大震災後の東北から新たな販路モデルを作ろうと、「復興デパートメント」として東北の商品のネット販売を開始。震災から5年、「本当にいいもの&ほしいもの」が買えるモール「東北エールマーケット」に。その後、2018年10月には東北を含む全国のこだわり商品を対象にリニューアルしました。

災害支援プラットフォームメンバー

災害支援プラットフォームの各サービス責任者に、発災、復旧、復興各フェーズで行っていること、これから新たに行っていきたいこと、解決したい課題について聞きました。

SEMA:安田 健志(やすだ たけし)
大規模な自然災害の発生時に、加盟各社が提供できる支援物資を迅速に被災地に届ける緊急災害対応アライアンス「SEMA」のメンバー。防災士の資格も持つ。

「緊急災害対応アライアンスSEMAを通じて、発災時~復旧時に『必要なときに必要なものを必要なだけ』支援しています。広域災害における支援エリアのカバー率が高くないこと、また、支援物資のリクエストに100%応えることができていないことが課題です。
今後は、SEMAの知名度を向上させ、企業加盟数を増やし、より多くの支援物資リクエストに応えていきます」
災害協定:関口 和明(せきぐち かずあき)
ヤフオク!、Yahoo!ショッピング、決済サービスなどの営業・企画・運用業務、サポート部門の管理業務、地方創生案件を担当。2016年より災害協定プロジェクトマネージャーとして、災害協定の企画・営業・運用業務を担当している。2020年12月7日時点で、1,201自治体と協定締結し人口カバー率は90.7%。

「災害協定では自治体が持つ災害に関する情報を、ヤフーのインフラを活用し一人でも多くの方にお届けするための支援をおこないます。自治体ホームページのアクセス分散を目的としたキャッシュサイト、避難場所を地図上に表示した避難場所マップ、ヤフー防災速報(アプリ)へ緊急情報を配信する自治体からの緊急情報を提供しています。
課題と感じていた、全国の自治体に対して災害協定の提案を行っていくため、地域毎にオンラインセミナーの開催を始めました。全国の自治体への提案が実現できそうです。
災害協定による人口カバー率は90%を超えましたが、100%を目標に引き続き取り組みます。
住民のみなさまが必要とする情報が届くよう、情報の種類や量を増やす、質を上げるなど、情報の価値をさらに高めていきます。また、災害時に住民のみなさまが正しい避難行動ができるよう、自治体と連携しながら防災教育にも取り組んでいきたいと考えています」
Yahoo!基金:鈴木 昭紀(すずき あきのり)
前職で自治体営業をしていた経験から、ヤフー初の自治体向けサービス、官公庁オークション拡大に努める。その後、災害協定、ふるさと納税、公金支払いSMなど経てCSR推進室長。2020年10月よりYahoo!基金事務局長兼務。災害時の募金立ち上げや寄付、非営利団体への助成事業の企画・設計・運営・審査・団体サポートを行っている。

「災害発生時に募金の立ち上げ、ユーザー及びヤフーからのマッチングによるお金を集め、寄付、あらかじめ活動を特定して行う助成など集まったお金を届け、寄付の使い道や支援先活動を知らせることに取り組んでいます。まだ、知らせる、についてはが十分ではないため、今後は外部連携なども検討していきたいと考えています」
Yahoo!ネット募金:鈴木 哲也(すずきてつや)
Yahoo!ショッピング、ヤフオク!でコンサルティング営業、法人ストアのカンファレンス(ベストストアアワード)の企画運営などを担当後、復興支援で3年半、石巻に常駐。IT技術を活用した地方創生に関わったのち、Yahoo!ネット募金のサービスマネージャーに就任。

「Yahoo!ネット募金では、発災、復旧時に被災地域支援に迅速な支援をするため、復興期には被災地の復興に関わる中長期の募金プロジェクトの立ち上げを行っています。
今後は、発災したときに地域の団体などと一緒に迅速に動き出しができるようにするため、平常時に関係強化をより進めていきたいと思います」
Yahoo!ボランティア:杉本 康裕(すぎもと やすひろ)
Yahoo!ニュースの企画に関わったのち、現在はYahoo!ネット募金、Yahoo!ボランティアを担当。

「Yahoo!ボランティアでは、復旧、復興期には被災地でニーズがあるボランティアを集めるために情報をユーザーに届けています。発災直後はボランティアの受け入れ態勢が現地でないために、復旧から関わらせていただいています。 今後は、ボランティア参加者の経験、スキルが生かせるように被災地での内容とマッチングさせることにより取り組んでいきます」
エールマーケット:小玉 弘子(こだま ひろこ)
Yahoo!ショッピング企画職とし担当後、モバイル/スマートフォンリーダー、プロジェクトマネージャーとして活躍。その後、東日本大震災の販路支援のために立ち上がった復興デパートメントのサービスマネージャーを務める。2018年には、復興支援含むエシカル消費をテーマに現在のエールマーケットにリニューアル。

「エールマーケットが主に復興期に担当しているのは、『災害で失われた販路の拡大のためのECと、それに伴うプロモーション』です。具体的には被災した方々の商品を売ることで、被災者への収益拡大の支援をしていきます。
いざ復旧に向けて商品を売ろう!となると、まずECで商品を売っていることが前提かつ、商品がYahoo!ショッピング、PayPayモール、ロハコのどこかで売られている必要があります。それがない場合は、エールマーケットでお付き合いのあるストア様経由で商品を出していただくか、Yahoo!ショッピング、PayPayモール、ロハコのいずれかで新規出店いただくかとなってしまい、ECで商品が売っているか売っていないかによって、準備に時間がかかってしまうことは課題です。
上記の課題を解決するためにも、今後、新たに行っていきたいことは以下2つです。
1)初動を早める体制づくり
どこの地域で何が起こっても、すぐに販売支援できるように、Yahoo!ショッピング、PayPay モール、ロハコのどこかで、すぐに商品が売れる状態をつくっておくために、各地の自治体、メディア関連と連携した体制づくりを今現在整えています。
2)被災後、すぐにモノを売ることでの支援ができる仕組みづくり
販売支援とは別に、災害が起こってすぐに被災地の商品を売ることで、その金額を支援に役立てられるような仕組みを新しく検討していきたいと思っています」

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