ヤフー株式会社は、2023年10月1日にLINEヤフー株式会社になりました。LINEヤフー株式会社のコーポレートサイトはこちらです。
当ページに記載されている情報は、2023年9月30日時点の情報です。

企業情報

2022.11.21

無理にまとまらない。出自の異なる7人組アイドルFRUITS ZIPPERの「いいところを伸ばし合える関係性」

画像

他者は全員、自分とは違う心を持った別の人。育ってきた環境や経歴がまったく違う者同士であればなおさら、あらゆる考え方が違うはず。そんな人同士で手を取り合うとき、どのようにしてお互いを認め合い、心地よい関係を築いていけばよいのでしょうか。

2022年2月に結成し、4月に本格的に活動をスタートさせた7人組アイドルグループ「FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)」の特徴のひとつは、メンバーそれぞれの経歴がバラバラなこと。

芸歴10年以上のメンバーがいる一方、デビュー間もないメンバーもいて、これまで過ごしてきた境遇は大きく異なります。ですが、「とにかく仲がいい」「移動の車中や楽屋が異常なほどに騒がしい」というメンバーたち。結成から現在にいたるまで、どのようにコミュニケーションをはかってきたのでしょうか。7人全員にうかがいました。

FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)

2022年、「原宿から世界へ」をコンセプトにASOBISYSTEMの新アイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」より誕生した新星アイドルグループ。
2ndシングル『わたしの一番かわいいところ』がTikTokで5億再生を突破。2022年8月からは4カ月連続で新曲をリリース。2022年10月には初の海外遠征でバンコクへ。東京都内を中心にライブ公演を毎月多数行う。

月足 天音(つきあし・あまね)
福岡県出身。博多を拠点に3年半、アイドルとして過ごす。
FRUITS ZIPPER加入にともない上京。
鎮西 寿々歌(ちんぜい・すずか)
2009年デビュー後、タレント・俳優として活動。『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』(Eテレ)に出演中。芸能歴はグループ最長だがアイドルは今回がはじめて。
櫻井 優衣(さくらい・ゆい)
2013年にアイドルデビュー。複数のアイドルグループに所属した経験のほか、アーティスト、モデルとして活動していた経歴も持つ。
仲川 瑠夏(なかがわ・るな)
絶対音感を持ち、歌唱力に定評がある。2021年までは別のアイドルグループで活動していた。
真中 まな(まなか・まな)
幼少期から続けているダンスでチームのパフォーマンスを引っ張る。
原宿「KAWAII MONSTER CAFE HARAJUKU」のモンスターガールとして活動していた過去を持つ。
松本 かれん(まつもと・かれん)
音楽短大のピアノ専攻を卒業したばかりでピアノが得意。吹奏楽部に所属していた経験があり、ドラムの演奏もできる。芸能活動は今回がはじめて。人見知りをしない。
早瀬 ノエル(はやせ・のえる)
メンバー最年少。日本語のほか、ドイツ語、英語、簡単なフランス語が話せる。DTM(Desk Top Music)で音楽の制作を行うほか、動画編集も得意。

3人から4人、4人から6人……少しずつ集まったメンバーたち

まずは、はじめて顔合わせをしたときの印象をうかがいたいです。最初にメンバーに決まったのは、真中さん、松本さん、早瀬さんの3人ですよね。

真中まな(以下、真中)
そうです。私たちは、事務所の地下にあるダンススタジオで顔合わせをしたんですけど、スタジオに入ったらすでに(松本)かれんちゃんと(早瀬)ノエルちゃんがいて。しかも、かれんちゃんがノエルちゃんの腕にぎゅっと抱きついて「わ~緊張するね!」って言っていたんですよ。それを見て、「あれ? このふたりも今日が初対面なんだよね?」とびっくりしました(笑)。

「かれんちゃんすごいな!」と思ったのと同時に、緊張がほぐれたのを覚えています。

松本さん、すごいですね。

松本かれん(以下、松本)
ふふっ(笑)。私、全然緊張しないんです。

仲川瑠夏(以下、仲川)
まつかれ(松本さんの呼び名)は、ナチュラルに世渡りがうますぎるんです。たとえば目上の方と会話するときに、「どう返答したらいいんだろう?」と感じるような難しいことを言われると、私はとりあえず笑っておこうって思っちゃうんです。

けど、まつかれは思いもよらないような言葉を返せる。見た目はバブ(赤ちゃんのように無垢(むく)で可愛らしい雰囲気)だけど、たぶん人生 2周目だと思う! ハイスペックベイビーですね。

松本かれんさん(写真左)真中まなさん(写真右)

松本
ありがとう(笑)。私はおしゃべりするのが好きだから、初対面の人と話すことを怖いと思ったことがないんです。ネイルサロンや美容院でも、お店の人とずっとしゃべっています。
……でも、メンバーと会って間もないときは不安でした。ダンスも歌も芸能活動もすべて未経験だったので、「なんでできないの?」って思われないかなって。

足を引っ張りそうだなと。

松本
そうです。実際何もできなくて、ダンスレッスンのときも緊張してしまって。わからないことを「わかんないです」とも言えませんでした。でも、言わなくてもみんなが教えてくれたんです。「えっ、優しい!」ってうれしくなって、メンバーのことがもっと好きになりました。

早瀬さんはいかがですか?

早瀬ノエル(以下、早瀬)
私も不安でした。人と付き合うことがあんまり得意じゃないから……。でも、これからはFRUITS ZIPPERでの活動が自分の軸になるから、仲良くしたいと思って心を開きました。みんな私より歳上で、お姉さんみたいに接してくれたので距離も縮まりやすかったです。

早瀬ノエルさん

そして、その後は仲川さんが加わり、しばらくしてから櫻井さんもメンバーに加わります。仲川さん、櫻井さんは過去にもアイドル活動の経験がありますが、加入時はどんな心境だったのでしょうか?

仲川
私も最初は不安でした。このグループのメンバーは、それぞれに得意分野があって「自分流」を極めようとしていると思うんです。それに歌やダンスに関しても、たくさん経験している子もいれば、はじめての子もいます。何をきっかけにして仲良くなるのがいいんだろうと考えていました。

櫻井優衣(以下、櫻井)
私は、これまでにもグループでの活動を何度か経験していたので、ある程度の心構えはできていたつもりです。加入を決断してからは、「どんなメンバーとやっていくことになっても、絶対ここでやっていく」という気持ちにブレがなかったから、不安もあまり感じていませんでした。

私が顔合わせに行ったときには、すでに4人(真中、松本、早瀬、仲川)がいて、会って間もないはずなのに、もう仲が良くて。4人でこれだけチームとして見えているのであれば、あと何人加わったとしても大丈夫だろうと思いました。

長年の経験と勘というか。

櫻井
そうですね。「あ、この子たち、悪い子じゃないな!」って。このメンバーとだったら頑張れるという安心感がありましたし、心で会話ができる予感がしました。

櫻井優衣さん

そして直後に月足さんも加入するんですよね。そのときの心境はいかがでしたか?

月足天音(以下、月足)
私は、不安でしたね。初対面のときって、みんな猫をかぶってるじゃないですか!

一同
(爆笑)

月足
どうしてもよそ行きにならざるをえないから、本当の顔が見えない。なので、ふわふわキラキラした雰囲気の5人を見たときは不安になりましたね。自分はそうじゃないから溶け込めるかな、大丈夫かなって。

櫻井優衣さん(写真左)月足天音さん(写真右)

真中
しかも月足は、地元の福岡から上京してきたその日の夜にすぐ顔合わせだったらしいんです。だから、すごく寝不足だったんですよ。

月足
そうそう(笑)。前日の夜から一睡もせずに荷作りして、そのまま東京に出てきたから。

真中
24時間以上起きている状態で顔を合わせたから、本当に無口でした(笑)。私が感じた不安といえばそこですね。月足がしゃべらないこと(笑)。
ただ、2度目に会ったときにはちゃんと寝た状態の月足だったから、すごくしゃべってくれて。別人すぎてびっくりしましたけど、こっちが本当の姿なら大丈夫だと思いました。

月足
いやぁ……正直、初日のことはあんまり覚えてないんだよね(笑)。確かその日に個々の担当カラーを決めたんですけど。めちゃくちゃ眠くて頭が全然回らなくて……。たぶん、相当そっけなかったと思う。

真中
どんな話を振っても、「いや、別に」みたいな感じだったよ。今考えるとおもしろいけど(笑)。FRUITS ZIPPERとして半年間活動してきましたけど、はじめて会った日の月足がたぶん一番疲れてました!

(笑)。そんなこともありつつ、最後に鎮西さんが加入しました。鎮西さんは、不安はありましたか?

鎮西寿々歌(以下、鎮西)
不安でした。というのも、私が加入する前、6人の時点で既にグループとして成立している気がしたんです。何度もレッスンを重ねていたみたいだし、みんなかわいくてキラキラしてる。そんななかに、真っ黒な服を着た私が入っても大丈夫だろうかと思いました。

鎮西さんは、俳優やタレントとして10年以上キャリアを積んできていますが、アイドルになるのは今回がはじめてなんですよね。

鎮西
はい。だから雰囲気も違ったのかなって。そこから気になっちゃって、「みんなに比べてポップさが足りないなあ……」と落ち込む部分もありました。6人の空気にどう自分を溶け込ませて、色を足していけばいいんだろうと考えていました。

鎮西寿々歌さん

異常なほどにぎやかなFRUITS ZIPPERの楽屋

7人はどんなふうに仲良くなっていったんでしょう?

仲川
みんな、最初からいろいろと話しかけてくれました。(真中)まなふぃは「これはこう使うんだよ」って丁寧に教えてくれたし、かれんちゃんも「どこの人なの? 沖縄の人なの?」って急に聞いてくるし(笑)。

松本
スマホにジンベエザメのキーホルダーが付いていたから、沖縄出身なのかなと思って聞いたんです。「違います」って言われちゃいました(笑)。

仲川
そういうラフに話しかけてくれる雰囲気が常に流れているのは、いいなって思いました。

仲川瑠夏さん(写真中央)鎮西寿々歌さん(写真右)

早瀬
しかも、ただ楽しくしゃべるだけじゃなくて、指摘もちゃんとしてくれるんです。私は最年少ということもあって、意識しているつもりでも敬語がなかなか抜けませんでした。
だけどあるとき、(仲川)瑠夏が「もう敬語やめようよ」と言ってくれたんです。それがぐっときて、今でもはっきり覚えています。

真中
いつの間にか使わなくなってたもんね。瑠夏に敬語を使わなくなった頃から、みんなにも使わなくなった気がする。

早瀬
うん、そうだと思う。

月足
でも私、鎮西さんだけはずっと「鎮西さん」って名字に「さん」づけで呼んでましたけどね!

一同
(爆笑)

敬語ではないけれど?

月足
はい(笑)。

鎮西
今でも「鎮西さん」じゃん(笑)! 「おすず」って呼んでくれないんですよ、「月足さん」は。

月足
ふふっ(笑)。

櫻井優衣さん(写真左)月足天音さん(写真右)

鎮西
あ、あと。この前、ミディアムバラードのレコーディングをしたとき、うまく歌えなくてすごく苦戦していたんです。そうしたら瑠夏が「こんな風に歌うといいよ」ってボイスメッセージを送ってくれました。
確かに「私があとで教える」とは言ってくれていたけど、こんなに律儀に送ってくれるんだと思ってすごくうれしかったです。

全員が全員とちゃんと向き合っているんですね。では、「私たち、仲いいな」と感じる瞬間はありますか?

一同
(顔を見合わせながら)……車?

鎮西
移動車のなかですね。

早瀬
クラブみたいだよね(笑)。

真中
DJ月足天音、演者・仲川瑠夏で、あとのみんなはフロア……みたいな。

7人全員で盛り上がっていると(笑)。

月足
楽屋も毎回騒がしいです。毎日会っているのに何かしらしゃべって盛り上がっています。フェスに出ると、同じ部屋の仕切りの向こうに別のアイドルさんがいることもあるんですけど、私たちは本当に申し訳なくなるぐらいうるさい。

真中
私たちが楽屋を出ると、一気に静かになるんですよ。そこで「あっ、本来はこんなに静かな部屋なんだ」と思います。

真中まなさん

意見の食い違いや、ケンカはありますか?

真中
ケンカはないけど、「あれれ?」みたいな空気になることはあります。だけどそうなると絶対誰かしらがふざけ始めて、その空気が消えちゃうんですよ。

月足
不穏な空気も、結局笑いに変わるよね。だからケンカをしたことがない。

真中
ごくたまにささいな言い合いはありますけどね。「なにそれ?」くらいの小さいやつ。

チャンネルの奪い合いのような。

真中
そう、そんな感じです!

ちなみに、不穏な空気になったときふざけはじめるのは、主に誰なんですか?

真中
月足が多いよね。空気を読まずにグイグイ来るから助かっています。

月足
「やばいんじゃね」って思うんだよね。

それはある種、空気読んでいるともいえるのでしょうか?

月足
どうなんだろう? とりあえず「やめさせなければ!」とは思っています(笑)。話に割り込むことにはなりますけど、このメンバーの間でなら気にならないですね。

仲川
あとは、もし変な空気になりそうなときは、周りにいる誰かがそれを察知して、冷静になれる言葉を投げかけるようにしています。たとえば、ふぃちゃん(真中さんの呼び名)がイライラしていると感じたときは、「ふぃちゃん、いまちょっとイライラモードになってるよ」みたいに伝えると、「ハッ!」って我に返ってくれるんです。呪いが解けるような感じで。

「イライラしないの!」って強い口調で言ってしまうと、相手も「うるさいな!」ってなっちゃうじゃないですか。やわらかい語感の言葉や声色で伝えることで、角を立てることなく届きやすくなるんです。

話を聞いていると、メンバー同士の問題をメンバーで解決している感じがしますね。日頃から、それだけコミュニケーションがとれているんだなと感じます。

仲川
アイドル活動に限らず、人間同士が付き合っていく上でコミュニケーションは特に大事なことじゃないですか。ちゃんと意思疎通をはからないと、相手の本質は分からないし、少しの言い回しの違いで傷つけてしまうこともあります。

だけど、常にコミュニケーションをはかってお互いのことを知っていれば、仮にちょっとキツイことを言われても、「いま、この人はあえてキツイ言い方をしてくれたんだろうな」と思うこともできるはず。だからちゃんと向き合うし、話をする。私たちが移動車や楽屋でしょっちゅうおしゃべりをしているのは、そのためでもあると思ってます。

鎮西寿々歌さん(写真左)仲川瑠夏さん(写真右)

グループは「まとまっているようで、まとまっていない」

メンバー間の関係性が、一段階深まったと感じる出来事はありましたか?

一同
(顔を見合わせながら)……夏じゃない?

仲川
今年の夏、FRUITS ZIPPERは国内で開催された主だった夏のアイドルフェスにすべて出させてもらったんです。

真中
夏の時点ではまだデビューして3カ月くらいだったのですが、2ndシングル『わたしの一番かわいいところ』がTikTokで2億回以上(※2022年夏時点での数値)再生されたことで、いろんな方に興味を持っていただけて。だからこそ、一つひとつのステージにプレッシャーを感じていたし、猛暑のなかでハードなステージをこなさなければいけない大変さもあったので、「みんなで乗り切ろうね」という気持ちがものすごく強かったです。

9月には初めてのワンマンライブも控えていたので、「この夏をどう過ごすか」が重要で。毎日のように7人でステージに立って、より良いステージにするために改善策を練って次に活かすという努力を続けた夏でした。

全員で集中して乗り越えたからこそ、仲も深まったと。

真中
「7人の集合」だった私たちがひとつのグループになれた気がしています。

まとまっているなと実感する瞬間はあります?

仲川
うーん……まとまっているようで、まとまっていないんですよ、私たち。

鎮西
というか、まとまらなくていいんだよね。

そこも共通認識なんですね。

月足
まとまったらおもしろくなくなっちゃいます。

真中
うん。良い意味で収拾がついたことはないです。それが良いのかなと思います。

とすると、FRUITS ZIPPERらしい人間関係とは、言葉にするとどういうものなのでしょうか。

松本
なんだろうね?

早瀬
難しい……!

鎮西
「ファミリー3歩手前」みたいな……?

櫻井
親戚ってこと?

真中
私は以前別のインタビューで「おゆまるくん」と答えたのですが、誰もあんまりピンときていないみたいでした(笑)。
「おゆまるくん」は、お湯につけると柔らかくなって何度も自在にかたちを変えられる粘土です。そのくらい自由で好きなようにフィットできる関係性。

6人
うーん……。

真中
やっぱりわかんない?

櫻井
言いたいことはわかるんだけどね(笑)。

真中
誰か「おゆまるくん」以外のワードで言ってほしい……。23年間生きてきて、この関係になったことがはじめてなので、なかなか言い表せないですね。

櫻井
「仲間」ではあるけど、それだけじゃないんです。もっとつながりの強い……「家族」「きょうだい」が近い気がしますね。今の関係は私にとっての理想形です。もしケンカをしたとしても、わだかまりが残らないケンカができると思っています。

櫻井優衣さん(写真左)月足天音さん(写真右)

仲川
私は以前インタビューを受けたとき「アベンジャーズみたい」と言っていました。あとは映画『ワイルド・スピード』シリーズの主人公たち。それぞれ持っている力は違うけど、チームになるとひとつのことに向かってワーッとなれるところが近いですね。

悩みつつもポンポンと出してくださいました。そこまでの関係を短期間で築きあげることってなかなかできない気がします。自分たちの中で、秘訣は何だと思いますか?

仲川
お互いを認めあっているのが一番大きいと思います。たとえ好きな相手であっても、「ここはちょっと嫌だな」と感じる部分はそれぞれにあるはず。でも、そこすらも認め合う。そういう考えを7人全員が持っているから、いがみ合うことがないんだと思います。

月足
譲り合いの精神もすごくありますね。FRUITS ZIPPERは「自分はこうでなくてはいけない」って、とことん自分流を突き詰めている個性の集まりだけど、メンバーに対しては「あなたがそうしたいならいいよ」みたいな譲り合いができるんですよ。

真中
それこそ、認め合ってリスペクトしているからだよね。

真中まなさん(写真左)早瀬ノエルさん(写真右)

相手の言動を見て「良いな」と思ったところがあったら、ちゃんと口にするということですか?

早瀬
言いますね。「すごいね」「すごいね」とお互いにほめ合っていて、いつもいろんなところから聞こえます。

櫻井
内輪で言っているだけじゃなく、SNSなどで外にも発信しています。これができているのはすごく良いことだと思いますね。SNSはたくさんの方の目に留まる場所だから、本当に認めていないと書けません。

真中
お互いに感謝を伝えあえるのも大きいです。たとえば誰かがライブで歌詞を飛ばしてしまってそれを誰かがフォローしてくれたときや、鎮西がMCで頑張ってくれていたときなどにすぐ「ありがとう」と言えるのはいい環境です。

それは、みなさんのなかでの決まりごとなのでしょうか?

月足
いや、決まりごとは作っていないです。どれもいつのまにか浸透していて、普段からやっていることですね。

松本
誰がリーダーというのも特に決まっていません。

松本かれんさん

メンバーは「まさにいま一緒に幸せになるべき人」

改めて、素晴らしい人間関係です。友達との付き合い方とも、全然違うんでしょうね。

真中
友達関係との違いは、お互いの“芯”がしっかり見えているかどうかだと思います。私たちは全員「お客さんを喜ばせたい」という芯を持ってステージに立っています。だから手を抜かない。これも、言葉にしなくても7人共通の思いだと思うし、みんなも私と同じように思っていると確信しています。

あと、全員が「これが人生最後の挑戦」くらいの気持ちで集まっているとわかっているから、友達だったら「もう縁を切る!」と言いかねないようなことでも傷つかないんですよね。

鎮西
メンバーのことは「まさにいま、一緒に幸せになるべき人だ」と思っています。だから心の距離は絶対的に近くなるし、私もその子の人生を背負う責任ある。

確かに、責任があるかどうかって大きいですね。

鎮西
友達関係であっても、「私の言葉でその子の決断が変わってしまう……」みたいな状況はあるのでけっして責任がないわけではありません。でも、グループでの活動は仕事であって、お金をいただいている訳だから、そこに対する責任感は確実にあります。

覚悟を持って集まった7人なのですね。

月足
おかげで、いまではここが一番素でいられる場所になっています。「これが自分だな!」みたいな。自分を偽ってしまうと後々困ってしまうだろうから、最初からなるべく素を出していこうという思いはありました。結果、楽しく過ごせているので、これで良かったのだと思っています。

櫻井
私もそうかも! 長年アイドルをやってきた私にとって、これまではステージに立っているときの自分が素の私だったんですけど、FRUITS ZIPPERに入ってからは、ステージ以外の場所でも素でいられるようになりました。大きな変化です。

真中
私は以前個人で仕事をしていたときには、人を頼ることを知らないまま過ごしていて。オーディションで「できますか?」と聞かれたら、ウソをついてでも「できます」と言って、自分をよく見せることに徹したこともありました。

いまはそうじゃなくていい。全部を自分でカバーしなくても、グループとして最強になれたらいい。安心感がある環境だから素を出しやすいと感じます。お客さんに楽しんでもらえるのは「作っていない状態」だと思うんです。素でいられることでお互いの良さが際立って、お客さんにも喜んでもらえたらそれが一番です。

【関連リンク】

このページの先頭へ