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2022.07.21

Yahoo!ニュースと気象庁が連携 ニュースをわかりやすく届けるためのグラフィックを活用した取り組み

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首都圏では酷暑が続いていますが、今年の夏(6から8月)は気象庁の発表によると「暖かい空気に覆われやすいため、気温は北日本、東日本、西日本で高く、沖縄・奄美地方で平年並か高い」という予想が出ています。また、全国的に「夏の降水量は、ほぼ平年並の見込み」とのこと(※1)。
節電の呼びかけもあるなかで、熱中症、近年深刻化する水害などから身を守るために、より正確でタイムリーな情報が必要になっています。
Yahoo!ニュースでは、これまでも重要なニュースをよりわかりやすく伝えるため、図やイラストなどを工夫して届けてきました。
また、6月30日からは、みなさんの生命に直結する防災知識をよりわかりやすく伝えて、一人でも多くの方にくらしや命を守る知識を身につけてもらうため、気象庁と連携してグラフィックによる防災情報などの普及啓発の取り組みを開始しました。今回は、プロジェクトのキーパーソン3人に、取り組みの経緯について話を聞きました。

※1 気象庁:夏の天候の見通し(6から8月)

三宅 真太郎(みやけ・しんたろう)
2019年ヤフー入社。気象予報士。Yahoo!ニュース編集部で編集業務全般を担当。現在は、Yahoo!ニュース トピックスの詳細ページのわかりやすさ改善を検討するPJのプロジェクトマネージャーを務めている。
金原 洋子(かねはら・ようこ)
2007年ヤフー入社。広告企画、メディアのプロダクト企画などを経て、現在、Yahoo!ニュースなどで活用するグラフィック制作のPJでプロジェクトマネージャーを務めている。三宅と連携し、トピ詳細のわかりやすさ改善にも取り組む。
奥田 めぐみ(おくだ・めぐみ)
2020年ヤフー入社。現在、Yahoo!ニュースなどで活用するグラフィック制作のPJでデザイナーを務めている。天気系をメインで担当。

より適切な情報を、よりわかりやすく、よりタイムリーに届けられる!

三宅:
気象庁が公募した「インターネットを通じた防災情報等の普及啓発への協力事業者の募集」(※2)を通じて、Yahoo!ニュースが図解コンテンツの作成とインターネットを通じた普及啓発活動を行う事業者として選定されたことが、今回の取り組みのきっかけです。
生命に直結する災害情報は言うまでもなく、専門性が高く、同時に小さいミスも許されないものですから、気象庁の監修を受けて、より専門性が高い正確な内容のコンテンツを作れることは、この上ないメリットがあります。ユーザーの方に、これは正しい情報だということが端的に伝わりますよね。結果、ヤフーのサービスに対する信頼度がより高まって、災害時により多くのユーザーに利用していただけると思います。
※2 気象庁 インターネットを通じた防災情報等の普及啓発への協力事業者の募集について

金原:
Yahoo!ニュースではユーザーに情報をわかりやすく届けるために、さまざまな工夫を行ってきました。たとえば、各分野の専門家や有識者であるオーサー(書き手)が執筆・発信を行うプラットフォーム・Yahoo!ニュース 個人では、2020年1月からオーサーに対して、グラフィックのパイロット版の提供をスタートさせました。具体的には、オーサーからのオーダーを受けて、ニュース記事を図解によってより伝わりやすくするために、オリジナルのグラフィックを作成して提供しました。
その後、すぐに新型コロナウイルス感染症の感染拡大が社会課題になりましたが、より正確な情報をわかりやすく伝える上で、グラフィックの価値や有効性が認識できました。
現在は、Yahoo!ニュース トピックスの詳細ページの下にある「ココがポイント」欄や、Yahoo!ニュースのオリジナルコンテンツ記事内に掲載するためのグラフィック制作全般を行っています。特にYahoo!ニューストピックスページでは、ニュースの基本情報や背景を理解するためのグラフィックを提供しています。

奥田:
難しい情報をよりわかりやすく届けて、ユーザーの理解を助けられるのがインフォグラフィックの強みだと感じます。イラストが入るだけでも、かたいニュースが理解しやすくなる効果もあると感じています。災害のニュースの場合、どうしてもネガティブになりがちな側面もありますが、デザイナーとしては、なるべく印象が怖くなりすぎないように、ビジュアルを有効に活用したいという思いもあります。
また、ニュースを図やビジュアル化することで、「画像1枚でそのニュースに関するユーザーの疑問を解決できる」ほか、「画像のみを切り出して活用できるため、ニュース以外にも、SNSや検索結果などさまざまなところに掲載・活用できる」といったメリットもあります。

ユーザーに寄り添う工夫を行いながら、届けるべき情報とのバランスをとる必要も。

三宅:
実は2021年度に、6回に渡って、毎回1,000人程度のユーザーに対して図やイラストのサンプルをいくつか見てもらいながら、グラフィックのわかりやすさに関するアンケートを実施しました。このアンケートで得られた知見が現在、グラフィックを作成する際の一つの参考データになっています。
我々、Yahoo!ニュース トピックスの詳細ページのわかりやすさ改善を検討するPJのメンバーがどんな内容にするかを企画して、グラフィックPJのメンバーにビジュアル化を任せる。そして、気象庁に監修してもらい、気象庁とヤフー側で文言やイラストなどの表現の修正を行うという役割分担になっています。
作成や確認作業に手間はかかりますが、災害情報は絶対に間違ってはならないので、この手間は必要不可欠なものです。
この取り組みにおいて難しいのは、ユーザー視点を踏まえて、正確に届けるための情報量と、わかりやすくするための情報量のバランスを取るという部分です。情報を詰め込みすぎると見えづらくなりますし、見えやすさを優先してむやみに省くこともできません。ここがもっとも骨の折れる作業と言えるかもしれません。

グラフィック作成の流れ

  • Yahoo!ニュース トピックスの詳細ページのわかりやすさ改善を検討するPJが内容を企画
  • グラフィックPJがビジュアル化
  • 作成したグラフィックを気象庁に監修してもらう
  • 気象庁とヤフーで文言やイラストの表現を修正、確定

金原:
情報の正確性や質はもちろん、スピード感も重要です。グラフィックPJはYahoo!ニュースやYahoo! JAPANトップページに関わるさまざまな掲載面にグラフィックを提供している横断プロジェクトです。関わる人もつくる量も多いため、はじめた当初はグラフィックの制作にも時間がかかっていました。現在は、体制や制作フローのブラッシュアップを続けて、制作スピードをかなり改善できています。
また、グラフィック制作のノウハウが社内で分散せず、このプロジェクトに集約されていることもスピードアップにつながっていると思います。気象庁の案件では、確認に時間がかかる分、制作のスピードは落とさず、できるだけ早くユーザーに届けられるようにしています。

キキクルでの図解を手始めに、今後も防災情報をさらにビジュアル化!

三宅:
取り組みの第一弾として、大雨による土砂災害、浸水害(※3)、洪水災害など、災害が起こる危険度を地図上の「色」で確認できるサービス、通称「キキクル」(※4)についての図解を公開しました。
キキクルの認知度はまだ高くないですが、いろんなニュースやコンテンツでこの図解を使うことで、多くのユーザーの目に留まるといいなと思います。災害が起きた時に「ああ、あれか」と思い出してもらえるようになるといいですね。

※3 大雨などが原因で地表の水が増加して排水が追いつかず、用水路、下水溝などがあふれて氾濫して、住宅や田畑が水につかる災害
※4 キキクル(気象庁)

金原:
グラフィックを活用することで、危機が迫りくる状況に応じて、どう行動すれば良いかを表現できたかなと思います。これをきっかけに、改めて災害時には身を守るためにキキクルを見て、被害を減らすための行動をとってもらえたらと思っています。

キクルに関するグラフィックの事例

三宅:
今後も、線状降水帯、地震、津波、熱中症など、さまざまな災害の防災情報を順次、図解にしてお届けしていきます。
この取り組みを通じてYahoo!ニュースが作成したグラフィックは、Yahoo!ニュース トピックスだけでなく、Yahoo! JAPANの各サービスおよび気象庁のSNSや講演会などでの活用を予定しています。
Yahoo!ニュースでは、引き続き、信頼できるファクトに裏付けされたグラフィックを活用しながら、大雨、地震、津波などの防災情報をわかりやすく、スピーディーに届けるために、アップデートを続けていきます。

線状降水帯に関するグラフィックの事例

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