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2022.07.20

「対話」から学ぶコミュニケ―ションのヒント 「聴く」ための準備編

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この連載では、「話して心の棚卸しをしたい」という社員を「対話」でサポートしている「YJぴあさぽ(※)」が、よい対話にするために心がけたいことや「聴く」ためのヒントをお伝えします。
※YJぴあさぽ:
産業カウンセラーや国家資格キャリアコンサルタントの有資格社員によるボランティアプロジェクト。

    目次:
  1. 「聴く」前に 導入(準備編)
  2. 「聴く」初級編
まさみん
ZアカデミアでZホールディングス全体の組織活性、人材育成、コミュニケーション円滑化の取り組みなどを担当。
保有資格:国家資格キャリアコンサルタント、トラストコーチングスクール 認定コーチング スキルアドバイザー

私は小さいころから「おしゃべり」が大好きです。職場で同僚や後輩に相談される事が増え、「役に立つ助言をたくさんしてあげたい! でも、何かが違うかもしれない」という気持ちが少しずつ大きくなっていました。
そんなとき耳にした「キャリアコンサルタント」の国家資格で使う「傾聴」という言葉。
「聴く」ことは、実は私が一番苦手としていたことでした。ですが、資格の勉強を通じて、少しずつ「聴く」ことを実践していくうちに、少しずつ「聴ける」ようになっていきました。
しっかり聴いてもらうと、相手の表情がまず変わり、そして心の動きも変わってくるのがわかります。これは、「対話」の力だと感じています。
私たち「YJぴあさぽ」が大切にしているのも「対話」です。自分の考えを伝える、相手の話すことを聴く、「対話」の中で、相手の話していることの「意味」を分かち合う、理解し合う努力をしていくことだと感じています。
そして、新しい働き方の推進などにより、オンラインのコミュニケーションが増えてきました。「話す」ことについ意識が向きがちかもしれませんが、一度「聴く」ことにも注目してみませんか?

この連載では、「対話」の大切さをお伝えしながら「聴く」ためのヒントを、準備編、初級編、中級編に分けてお伝えしていきます。今回は準備編と初級編です。
生活のいろいろな場面で、パートナー、子ども、同僚などとの何気ないコミュニケーションの中で、ぜひ試してみてください。

「聴く」前に 導入(準備編)

1.まず、自分の心と体と「対話」する

私たちが「聴く」前に何よりも大切にしているのは、自分自身の体調、心を整えておくことです。
心身ともに健康なことが、「聴く」前に一番大切なことだと感じています。人は誰しも、一定の気持ちを保ち続けられるわけではありませんよね。
私も「なんとなく気持ちがモヤモヤする」「なんとなく、体に力が入って強張っているように感じる…」ということがあります。そんなときは、「聴いて」もあまりいい対話にはならないことも多いのです。

「聴く」ことは、とてもエネルギーが必要だからです。 そのため、「聴く」前に、必ずしてほしいこと。それは、自身との「対話」です。

2.全身を心地よい風が吹き抜けるように、ボディスキャン

では、自身との「対話」の方法についてお伝えしていきます。まずは「聴く」前の1分でもいいので、自分の心の状態、体調を感じてみましょう。
理想は仰向けになり、楽な姿勢で行ってほしいのですが、それはなかなか難しいと思います。
椅子に腰かけて、両足は拳一つ分くらい開き、足裏をしっかり床につくように、少し顎をひいて、気持ちのいい姿勢でゆっくりと目を閉じてください。
そして、足先からおなか、胸、目、頭の先まで意識を向けていきます。
もし、どこか気になるところがあったら、そこに向けて、ゆっくり息を吐くことで力みを抜き、癒やしていくイメージを持ちます。

このときに無理にリラックスをする必要はなく、あるがままの自分を感じてみましょう。
「あ、ちょっと心がざわざわしているな」「仕事のことが気になっているな」などでOKです。

次に、私が気持ちを落ち着けたい時に行っている「Box Breathing(ボックス・ブリージング)」という呼吸法をご紹介します。
これは、1.2.3.4.のステップで呼吸に意識をおくことで、副交感神経系を効果的に働かせるもので、わたしたちの体を落ち着かせるのに役立つといわれています。

1:4秒間かけて息を吸い込む。
2:4秒間息を止める。
3:4秒間かけて息を吐き出す。
4:また、4秒間息を止める。
16秒で1セット これを、8セットくらい行います。

心は整ったでしょうか?

深呼吸して、心と体を落ち着かせましょう(写真はイメージです)。

3.無理をしないこと

もし、ここまで進めてみて、体調が良くなかったり、急ぎで気になる仕事があったりする時は、「聴く」ことをおすすめしません。
「今日は、しっかり聴くのは難しいので、別の日にしてください」と相手に伝えることも、選択だと思います。

4. 「整った」ら、聴く準備を進める

「整った」方は、このまま「聴く」準備を進めていきましょう。
マスク着用が日常となり、顔の筋肉(表情筋)を使うことが極端に減っているこの頃。
特に、オンラインのコミュニケーションでは「無表情」に見えがちなので、目を「イキイキ」させたいですね。

実は、目の周りにはたくさんの「眼力」を発揮させるツボがあります。
1. 目頭
2. 眉頭
3. 眉の中心
4. 眉の尻
5. こめかみ
をじんわりと中指で抑えてから、思い切り目を見開いてみます。
これで眼力が発揮されるはずです。

5.和施顔(わげんせ)で接する

「和施顔」は仏教の教えの1つで、「やさしいほほえみをもって人に接する」ということだそうです。それだけで、周りの人の気持ちを和らげる効果があります。
「聴く」前には、まず自分のためにも「にっこり」してみましょう。
オンラインミーティング中もやさしい笑顔でいることで、画面からもたくさんの情報が相手にも伝わります。

聴くときは笑顔で(写真はイメージです)。

ここまでが、「聴く」準備です。
準備が整ったら、さっそく「聴く」を始めましょう。

「聴く」初級編

ヤフーの社員は、オンラインでの業務がメインです。YJぴあさぽの活動も「オンライン」が主流なので、「聴く」ときにはZoomを利用しています。
この活動を通じて気づいたオンラインのコミュニケーション、「対話」を円滑にするヒントをお伝えしていきます。

6.オンライン上で話すときの表示名を変える(一個人になる)

YJぴあさぽの2on1やオープンダイアローグの会では、「呼ばれたい名前」を聴きます。
私たちぴあさぽは、国家資格キャリアコンサルタントや産業カウンセラーという有資格者ではありますが、この場は、参加者と同じ目線でいたいという思いがあります。そして、もう一つ大切なのは、お互いが一個人になることです。

相手を、その人が呼ばれたい名前で呼ぶことは、仕事や業務上の役割ではない「その人」として接することを意味すると思います。
仕事の上では、「●●部の〇〇さん」ですが、ぴあさぽのように「しっかりと聴いてもらう場」で話す時は、そこから離れて、一個人として呼ばれたい名前に設定してみましょう。

YJぴあさぽの2on1では、「YJぴあさぽの〇〇です。この対話の中では◎◎と呼んでくださいね。●●さんは、今日は、どのような名前でお呼びしましょうか?」と冒頭でお伝えします。
そして、その名前をきちんと呼ぶのは、相手を「人として認める、大切にする」ことだと思います。私は、名字ではなく名前で呼ばれる方がうれしいなと思います。

7.Zoomのセルフビューを「非表示」にする

対面のコミュニケーションでは、相手の顔しか見えませんが、Zoomでは自分の顔が見えるので気になってしまう…という方も多いかもしれません。
私たちYJぴあさぽもオンラインでの対話がメインなので、Zoomのセルフビューを非表示にして、自分の顔が見えないようにしています。
セルフビューを表示するのは、そこに鏡があって自分の顔が見えているのと同じ状態なので、髪形や服装をついチェックしたくなり、相手の顔よりもつい自分の顔を見てしまうことがある、という声も聞こえてきます。
身だしなみはできるだけZoomに入る前に確認しておき、入室後はセルフビューを非表示にして、相手に集中しています。

8.安心して話してもらう

YJぴあさぽと話す場に来てくれる人は、勇気があると思います。なぜなら、自分のプライバシーに関することや、悩みを話すのは簡単なことではないからです。
私たちと話す場に来てくださった方には冒頭で必ず、
「今日は、来てくれてありがとうございます」
「ここでの話は、ここだけの話なので安心して話してください」
「話したくないことは話さなくてもいいですよ」
などと伝えています。

これは有資格者として当然のことですが、打ち明けてくれた相手へのリスペクトでもあると思います。みなさんが何か相談を受けたときはぜひ、安心して話してもらうことを意識してみてください。

安心して話してもらう雰囲気をつくることも大切です(写真はイメージです)。

9.もし「聴く」のが難しい…と感じたら?

なかには、「この相談は自分の手に負えない」と感じる場合が出てくると思います。たとえば、「もう何日も寝られていない」「自分はいなくてもいい人間のように思ってしまう…」などの、深刻な内容です。
そんな時は、無理せず「話してくれてとてもうれしい」とまず伝えて、「でも、自分の胸にしまっておくのは難しいので、他の人に相談をしてみませんか?」と率直に伝えてください(YJぴあさぽでは、そのような場合は、相談者のご了解のもとで社内のしかるべき窓口につなげることがあります)。
また、聴く側が健康な状態であることもとても大切なので、これは「聴く側」の心理的負担を軽減するためでもあります。

10.「よく聴いてもらっている」と感じるときは?

「この人は私の話をすごくしっかり聴いてくれている」と思うことは、一日の中でどれくらいありますか? 
もし、そんな時があったら、どんな気持ちになりますか?
その人は、どんな様子で聴いてくれているのでしょうか。

逆に「聴いていない」ときのイメージはつきやすいかもしれません。
腕を前で組み、足を組んでのけぞり斜に構えている、目線が空を見ている、時計を何度も気にする…そんな人には話したいと思えないですよね。でも、人は意識しないと興味のない話、気が乗らないときに無意識にやってしまいがちです。

しっかり「聴く」ためには、自分が人の話をどのように聴いているかを時折、確認してみるといいですね。
録画がOKだったら、自分の対話している様子を後から見返してみるといいと思います。

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