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企業情報

2022.04.27

「自分らしく、そしてお互いを尊重して生きるために」性教育において大切なこと

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朝日新聞デジタルが行ったアンケートによると「セックス(性交)という言葉と意味を知った年齢」は、過半数が小学生以下という結果になりました。
朝日新聞デジタルが行ったアンケート

そして、その約半数が「友人・先輩・後輩」から(セックスという言葉とその意味を)知ったと答えています。

インターネットの普及により、今は性に関する情報に簡単にアクセスできます。その一方で、子どもたちの発達段階を考慮した、子ども向けの学習コンテンツが不足している現状があります。

Yahoo!きっずは、小学1~6年生を対象に、クイズで性に関する知識を能動的に学べたり、解説やイメージイラストで正しい知識を学んだりできるコンテンツ「ココカラ学園」を公開しました。
今回は、このコンテンツを作成する際に特に意識したことや今後の展望について担当者に聞きました。また、監修してくださった“人間と性”教育研究協議会のみなさんにも、この取り組みへの思いなどをうかがいました。

    目次:
  1. Yahoo!きっずの「ココカラ学園」とは
  2. 「ココカラ学園」のコンテンツを作成するときに意識したこと
  3. 大人はどのように子どもたちに性教育を伝えたらよいのか
  4. 性についての正しい知識は、子どもに必要な「生きる力」 今後の展望
  5. Yahoo!きっずの「ココカラ学園」の使い方
(左から、町田、佐川)
町田 英子(まちだ えいこ)
2005年入社。広告部門を経て、Yahoo!ペット、Yahoo!ビューティー、検索部門の企画、ディレクション業務、CSR推進などを経て、2019年よりYahoo!きっずの企画を担当。今回の性に関するプロジェクトのプロジェクトマネジャーと企画を担当。

佐川 英美(さがわ ひでみ)
2005年入社。Yahoo!きっずの編集として、子ども向け検索エンジンの企画・編集、啓発全般を担当。その後、政策企画本部に異動し青少年のインターネット健全利用の促進などを担当。リテラシー教育の観点で、「ココカラ学園」の企画段階から参加。


木村 めぐみ(きむら めぐみ)
2009年入社。Yahoo!検索の品質改善業務などを経て、2020年よりYahoo!きっず編集としてコンテンツの編集・企画を担当。「ココカラ学園」コンテンツの作成、編集、校正、キャラクター設定などを担当。

水野 哲夫さん
“人間と性”教育研究協議会代表幹事、「季刊セクシュアリティ」編集長。一橋大学で「ヒューマンセクソロジー」を、白梅学園大学で「人間の生と性」を、大東学園高校で総合「性と生」を担当。

星野 恵さん
元公立小学校教員、“人間と性”教育研究協議会代表幹事、「季刊セクシュアリティ」編集委員。性教育実践や保護者への講演などを行う。現在は、性教協会員のデータ管理などをしつつ、性教育を学びたい人と学べる機会をつなげることに取り組んでいる。

あっきーさん
性の切り口から多様性と人権を考える場を提供するダイビーノン代表、“人間と性”教育研究協議会幹事。学校で性の多様性をテーマに、子どもから大人まで幅広い層に向けて、講演やワークショップを行っている。

Yahoo!きっずの「ココカラ学園」とは

町田:
Yahoo!きっずは、「未来を担う子どもたちにインターネットの楽しさを知ってほしい」という思いから、安全・安心なインターネット体験を通じて、子どもの世界がより拡がるためのさまざまなコンテンツを提供してきました。
子ども向けに特化して独自に提供している「Yahoo!きっず検索」では、性に関する検索ワード(性器に関するものや、異性の身体への興味など)は一定のボリュームがあり、子どもたち向けにどのような検索結果・情報を提供していけるのか、検討を重ねていました。そのような中、ギグパートナー制度(※)により小学校の教員経験がある方が約3カ月にわたって議論にご参画いただける機会が得られ、教育現場における性に関するテーマの重要性をうかがえたことも大きかったです。
ギグパートナー制度
ヤフーの事業などに対し、「より創造的な便利」を一緒に生み出していただく目的で募集している期間限定のパートナー。基本的にオンラインで業務を行っていただきます。

子どもたちのまわりには、多種多様な情報が混在しています。その中から必要な情報を選ぶことはまだ難しく、得た知識が偏ってしまう可能性もあります。子どもたちが性に関することを「知りたい」と感じたタイミングで、正しい情報に触れられる場所を作りたい、得た情報について自ら考え、活きた知識として身につけてほしい、という思いから「ココカラ学園」を公開しました。
性に関する知識(プライベートゾーン(※)、身体の発達、妊娠や出産の仕組みなど)に加えて、意思決定、人間関係、人権やジェンダー、多様性、暴力(いじめ、性暴力や性虐待など)などの幅広い概念を、国際的な性教育の指針に沿って正しく身につけていただける構成となっています。
※プライベートゾーン:
体のうち、性に関わる大切な場所のこと。体の水着で隠れる部分と、口も含む。

なお、コンテンツ(ココカラ学園クイズ、図書館内学習ページ)は、包括的性教育に関する国際的な指針であるユネスコ編の「国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】」を日本にいち早く紹介し、その内容を生かした実践を広げている、"人間と性"教育研究協議会(以下、性教協)のみなさまに執筆・監修いただきました。

水野さん(性教協):
国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)を中心にUNAIDS(国連合同エイズ計画)やユニセフ(国連児童機関)などいくつかの国連機関や性教育分野の専門家によって作られたガイダンスで、2009年に発表され、その後2018年に改訂版が発表されました。
5歳から18歳以上までの子どもや若者に年齢に適したカリキュラムを提供できる内容で、世界各国の性教育実践を踏まえた科学的根拠(エビデンス)と、人権に関する数多くの宣言や条約・法などを基盤として作られています。
国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】(日本語訳全文のPDF)

あっきーさん(性教協):
このガイダンスは人権をベースにしています。たとえば、人間が幸せになるためにはどういう権利があるのか、そして、その権利が侵害されているときにはノーと言ってもいい、などの内容も含まれていることが特徴です。

佐川:
近年は、子どもたちの発達段階に応じて、性に関する知識をきちんと理解させた方がよい、という考え方が浸透しはじめてきていると感じています。
特に、性についての正しい知識を得たり、親子間で話したりしておくことが子どもを守ることにつながり、子どもが自分を大切にしながら生きるために必要な力をつけられると、以前よりポジティブに受け取られるようになってきているように感じています。

町田:
ただ、親世代が受けてきた性教育が、現在の状況とはマッチしていない場合も多いのではないかと思っています。その結果、親から子どもに伝えていくことが難しく、「性に関する正しい情報」を持たずに大人になってしまうという懸念があります。そのため、Yahoo!きっずを通じて、「今」を生きる子どもたちに必要な性の知識を伝えられたらと考えました。

ですが、私たちは性教育の専門家ではありません。そのため、信頼して使っていただけるコンテンツをお届けするには、なんらかの基準が必要なのではないかと話していました。そんなときに、ユネスコが編纂(へんさん)されている「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を知り、それを翻訳された性教協さんのお力添えもいただきながらこのガイダンスをコンテンツの軸のひとつにできたことが、とても大きな転機になったと思っています。

佐川:
たとえば、本であれば興味を持って知りたいと思った人が手に取りますが、インターネット上にある情報には誰もがアクセスでき、万人が見られます。性に関することを、あえてネット上で伝えることの意義や、今の時代に子どもたちに伝えるべき領域はどこまでなのか、ということについては、性教協のみなさんともかなりの時間をかけて検討しました。

Yahoo!きっずの「ココカラ学園」は
・性に関する正しい情報に触れられる場所
・さらに人権やジェンダー、多様性などの幅広い概念を、国際的な性教育の指針に沿って正しく身につけられる

「ココカラ学園」のコンテンツを作成するときに意識したこと

木村:
性に関して、何をどこまで子どもたちにお伝えすべきなのか、というところが特に難しかった点です。たとえば、「性交」「避妊」などについても、先ほどお話した国際的な基準では入っていますが、(小学生の)学習指導要領には入っていないため、どこまで踏み込むか、というバランスをとることにはかなり苦労しました。

星野さん(性教協):
小学生の子どもたちに、性に関わる科学的知識、からだの権利、性の多様性などを、可能な範囲でもれなく、楽しく学べるようにしたいと思いました。
コンテンツ内の説明やクイズの解答などは、子どもたちの悩みや思いにできるだけ寄り添ったわかりやすい表現になるように工夫しました。このコンテンツを何度も見ることで、性に関することは、お互いのプライバシーや価値観を尊重しつつ、オープンに語り合い、学びあうものだと感じとってもらいたいです。そして、自分の選択を信じ、行動し、困ったら、信頼できる人に相談していい、ということも知ってもらえればと思います。そして、この学びが、世界にたった一人しかいない自分をまるごと肯定することにつながることを願っています。

あっきーさん(性教協):
「教科書みたい」「学校の授業みたい」よりも、主体的に取り組みやすい仕掛けの方が子どもたちに受け入れてもらいやすいかなと思い、クイズの形をご提案しました。楽しく自然に学びを積み重ねていく子どもたちが増えることで、性教育がもっと子どもたちに自然に届けられる学習になってほしいという思いもこめました。一方で、現代の子どもたちが触れるゲームの世界はもっと拡張的で、たとえばオンラインで仲間とともにステージをクリアしていくようなものなど、学びの仕掛けそのものにもアップデートが必要かもしれないとも思います。

町田:
このコンテンツは、「ココカラ学園」という学校を舞台に、「こころ」や「からだ」の事で困っている友だちを助けていく、というゲーム性のあるものとなっています。Yahoo!きっずをご利用いただくのは小学生1年から6年生まで、また、性に関しては未就学児から学ばないといけないこともあります。そのため、できるだけ幅広い層に届けるためにどうしたらよいのかという点は特に意識しました。
特に、「ネットや友だちからの情報で性のことは知っている」と思っていたり、興味がなかったりする子どもたちにこそ届けたいと思っています。被害者にも加害者にもならないために、まだ性を「自分ごと化」できていない子どもたちにも知識をしっかり身につけてほしいからです。

性教育がどんなものなのかまだ分かっていない低学年も含めて「なんだか面白そうだからやってみよう」と使ってもらい、少しでも考えてもらうきっかけになればと思っています。
小学校の6年間で変化、成長する子どもたちに、何度も見てもらうためにはどのような世界観や構成にしたらよいかというところはかなり時間をかけて検討しながら作っていきました。

佐川:
子どもたちが自分から知ろう、学ぼうという意欲を受け止め、さらに「気軽に触れてみよう」と思ってもらうきっかけになればと思ったことも、ゲームの見せ方にした理由の一つです。学びの中にゲーム要素を入れ子どもたちの動機づけをするゲーミフィケーションを取り入れることで、最終的に子どもたちに身に付けたい知識を定着させることを意識しました。

木村:
また、ゲームに登場するキャラクターの人物像やデザインにはかなり気を配っています。
一番意識したことは多様性です。ココカラ学園は「いろいろな人がいる学校」をイメージしました。
たとえば、背の高い子がいたり、低い子がいたり、細身の子がいたり、普通の体形の子がいたり、髪の毛の色がカラフルだったり。服装も、女の子だからスカートをはかせるのではなく、ボーイッシュな服装にしたり、男の子もちょっとがっしり体形だけど、かわいい絵柄のワンポイントがついたパーカーを着せたりしています。
また、たとえば「はる」というような、男女どちらでも使えるような名前を中心に持ってくるなど、名前も多様性を意識してつけています。

ココカラ学園にはいろいろな人がいて、「この中にちょっと自分に近いタイプがいる」と感じてもらえることを意識し、性格も加味したキャラクターを設定しました。

町田:
他に意識したのは、高学年の頭身にすることです。理由は、高学年が見たときにキャラクターが自分よりも下の設定だと、物足りなく思われてしまうのではないかと思ったためです。
低学年にとっては、高学年のちょっと背伸びしたキャラクターは憧れの対象になるので、そのようなことも考えながらつくっています。今回、木村がかなり詳細にキャラクターを設定してくれたので、それが固まってからはスムーズに進んでいきました。

「ココカラ学園」を作成・監修するときに意識したこと
・子どもたちに受け入れてもらいやすい、楽しく学べる仕組み
・子どもたちの悩みや思いにできるだけ寄り添ったわかりやすい表現
・ゲームに登場するキャラクターの人物像では多様性を意識

大人はどのように子どもたちに性教育を伝えたらよいのか

あっきーさん(性教協):
国際セクシュアリティ教育ガイダンスでふれている「包括的性教育」では、科学的に正確な情報を幼少期から文化・年齢に応じて与えながら、子どもたち自身が考え、さまざまな考え方にふれることが重要なポイントとなっています。

・社会の中で、どのように自分の性やジェンダーのあり方を選ぶのか
・自分がいつ、だれと性行為を行うか、どのような避妊法を使うか
・いつ子どもをもつか、そしてどのような家族をもつか
・自分と相手を大切にするためにどうしたらよいのか

性教育は、たとえば上記のようなことについて子どもが自分で考え決められる力を育むために必要な知識でもあります。そして、これらについて正解はなく、そのあり方は多様です。

ただ、保護者の方をはじめ大人たちは包括的性教育を受けていない方が多いため、子どもから性について聞かれたときに、包括的性教育の知識をベースに伝えることは難しいかもしれません。そのため、保護者の方も子どもと同じ目線で情報得て、対話しながら「一緒に勉強しよう」と歩んでいくのがよいと思います。
そのためのツールとして、これまで絵本や書籍、またはテレビ番組などが中心だったと思います。性教育的な情報を網羅して作られているコンテンツもかなり出てきましたが、どちらかというと高校生や大学生に向けたものが多くなっています。

「ココカラ学園」は、幼少期から小学生年代のお子さんにフラットに触れていただけるコンテンツになったと思っています。
思春期向けのコンテンツになると、お子さんも保護者の方も少し恥ずかしいと感じることもあるかもしれません。低学年向けのコンテンツでは、まず自分のからだを大切にする権利などを知ってもらうことからはじめます。まずはそこから一緒に見ていただき、クイズを一緒に楽しんでいただければと思います。

町田:
性に関する正しい知識を学ぶことでリスクもあわせて知ることができ、その結果、性に関する行動がより慎重になるということが、ユネスコのガイダンスの中で示されています。性についての正しい知識を得ることは、子どもたちが自分の行動を選ぶ力を身につけることにもつながっていくと考えています。
「ココカラ学園」を、ぜひお子さんと一緒に使っていただけたらと思っています。ただ、お子さんがすでに高学年になっていて、一緒に見るには少し恥ずかしいと感じる場合は、お子さんにそれとなく「見てみたら?」とすすめていただけたらと思います。

今回、「ジェンダーの理解」や「からだの権利や同意」についてより深く学んでいただく際のヒントとなる動画やワークシート、授業プラン案もご用意しています。知識やスキルを得るだけでなく、いろいろな意見に触れて自分の考えを深めたり、自分の考えを人に伝えたりすることが、より深い学びにつながるのではと考えており、教育関係者の方には授業でご利用いただいたり、親御さんがお子さんと話す際の参考にしていただければと思っています。

佐川:
性に関することは、親子間でもまだまだ話しにくい話題です。ですが、それ故に、子どもたちは「性に関することをどう相談していいのか」がわからず、本当に何か悩みに陥ったときに誰にも相談できなくなってしまう可能性があります。必要な知識を必要なタイミングで身に着けて、「こういうときはどうしたらいいのか」と周囲の人に相談できる環境をつくっていくことは、結果的に子どもたちを守ることにつながっていくと思っています。
また、最近は性を子ども向けにわかりやすく解説されている本も増えていますので、それらを親御さんに手に取っていただき、「この部分から子どもと一緒に話してみよう」と思っていただけたらとうれしいです。

2008年に、ヤフーでは子どもたちを守るために、保護者の方に対して、インターネットやスマホのリテラシー教育のアプローチをどのようにしていくべきか有識者と検討を開始しました。そのときも、やはり正しい知識を、発達段階に応じて必要なタイミングで使いながら学んでもらうことが大事だし、きちんとした知識がなければ正しい判断ができない、と提言を行いました。
あれから10年以上たった今、ネットのリテラシーについて学校で学んだり親子で話をしたりすることはもう当たり前になっています。性教育についても、当時のように今が一番過渡期なのではないかと感じています。性に関する知識を知ることは、子どもたちが成長していく中での必要な力であり、大事な知識なので、性教育も今後、5年後、10年後には今以上にスタンダードな教育になっていってほしいと思っています。

木村:
特に、低学年の保護者の方はぜひ、クイズをやってみたり、図書館をのぞいてみたりしてみてください。相談室の「知っておいてほしい3つのこと」だけでもいいので、保護者のみなさんが子どもと一緒に見て確認し合うところから始めていただければと思います。

知っておいてほしい3つのこと

また、「図書館」のコーナーでは、子どもたちが興味を持つキーワードで記事を調べられるようになっています。見ていただくことで、子どもたちはこういうワードに興味を持っているんだな、こういう質問がもしかしたら子どもから飛んでくるかもしれない、などとインプットしておけると思います。
子ども向けのコンテンツではありますが、大人にも見ていただくことで、「(子どもに)どのように説明するか」「いつ、このことを伝えるか」などの参考にもしていただければと思います。

大人も正しい知識を得た上で、「何をいつ、どのように子どもに伝えるか」決めなければならないのは、スマホの使わせ方を決めることにも似ています。スマホは、親によっては小学校から持たせているお宅もありますし、中学卒業するまで持たせないと決めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
性に関することもこれと同じように正解がないため、親が方針を決めて子どもに伝えていく必要があると思います。

性についての正しい知識は、子どもに必要な「生きる力」 今後の展望

星野さん(性教協):
このコンテンツを利用した子どもたちが、何を学び、何を感じとったのかをぜひ聞いてみたいです。また、教員・保護者など大人からの反応も知った上で改善できるところは改善し、より内容が充実したコンテンツにバージョンアップしていきたいと考えています。

水野さん(性教協):
性に関する情報は、医学や脳科学などの分野においても、政治・社会的な分野においても、日々更新されています。今後も、このコンテンツを通じて正確な情報を子どもたちに届けていきたいと思います。

あっきーさん(性教協):
性教育は、生きるために誰にとっても必要な、「ライフスキル教育」の根幹だと思います。このようなライフスキルに関する情報を、インターネット上で誰もが見られるようになったことは、とても素晴らしいと思います。
子どもたち、そしてそれを見守る大人がどうしたらより没頭して学びたくなるか、「教えられる」のではなく、もっと考えたくなる、もっと知りたくなるような仕掛けを、これからも考えていきたいです。

木村:
今後は、多様性やジェンダー、LGBTQなどの理解を深める特集を出す予定です。また、ココカラ学園全体を通して、身につけた知識を人に話せるぐらい自分のものにしてもらいたいと思っています。そのために、今ある6問のクイズからもう少し数を増やしたクイズを予定しています。
全部やり終えたら、「自分は性教育を一通りは学べた」と思えるようなものをつくっていきたいです。

佐川:
子どもたちの育っている環境や心身の発達段階によっても、性に関する知識の必要なタイミングは違うので、だからこそ親御さんも悩んでいらっしゃるのではないかと思います。
「性教育」はどうしても注目を集めやすい学びのテーマです。その状況の中で、私たちがなぜこのコンテンツを公開したのかもあわせてていねいに伝えていくことが、このコンテンツが子どもたちの手に正しい意図で届くことにつながるのではないかと考えています。

町田:
まずは今回公開した「ココカラ学園」にみなさんがどんな反応をしてくださるのか、そのお声を真摯(しんし)に受け止めたいと思っています。私たちは子どもたちをファーストプライオリティーに置いていますので、今後もそこに常に立ち返りながら、子どもたちに向けて出すべきコンテンツは何なのかを考えて判断していきたいと思っています。

「こころ」や「からだ」に関する幅広い知識を得ることは、誰もがより良く生きるために必要不可欠です。活きた知識は生き抜く力になり、万が一何らかのトラブルに見舞われても対処ができたり、意図せず加害者になってしまうことを避けられたりと、自分自身を守ることにつながると考えています。
私たちがこれからも、教育関係者の方々や保護者のみなさまとともに、子どもたちがより良く生きていくための後押しができればうれしく思います。

インタビューの様子。木村は青森県・八戸オフィスからZoomで参加。

Yahoo!きっずの「ココカラ学園」の使い方

1)学年を選択

入学前のお子さんは、1年生を選択してください。

2)性別を選択

3)ゲームスタート

4)困っている友だちのなかから、誰から助けるかを決める

「マップをひらく」を選択すると、助けに行く友だちを選べます。

5)助ける友だちを決めたら、クイズに答える

クイズを解くと、解説が表示されます。

困っていた友だちを笑顔にできたら成功です! 

このように、クイズに答えながら自然に性に関する内容を学ぶことができます。ぜひ、お子さんと一緒に挑戦してみてください。

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