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2022.07.07

「想像できない経験を、何も知らない所でしてみたい」北海道・知床へ ヤフーの新しい働き方

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ヤフーでは、2022年4月から居住地を全国に拡大し、飛行機通勤も可能になりました。この制度を使って東京から北海道・知床に移住して、「新しい働き方」を実践している木村に、移住して感じたこと、オンラインで働く上で意識していることなどを聞きました。

    目次:
  1. 家族みんなの幸せを考えて、新たな制度を率先して使いたくなった
  2. 何も知らない所で想像ができない経験をしたいと思い、北海道・斜里(しゃり)町に移住
  3. 知床は海も山も近く、世界でも有数の自然豊かな地
  4. チームメンバーに自分の動きをこまめに共有 オンラインで働くための工夫
  5. 行きたいと思ったタイミングで、いい所が見つかれば行けばいい
※斜里岳を背景に、知床のシンボルキャラクター・知床トコさんTシャツを着て笑顔の木村

木村 綾子(きむら りょうこ)
2008年にエンジニアとして入社後、主にサービスのフロントエンド開発を担当。
2012年、大阪開発部の立ち上げ時に大阪に転勤し、サービス企画に関わるように。Yahoo!占いのサービスマネジャーなどを経て、その後、東京勤務になったタイミングで異動し、人事業務を担当。現在はピープルアナリティクスラボでデータ分析をしやすい基盤づくりに取り組んでいる。北海道・知床で、夫婦そろってリモートワーク生活。

家族みんなの幸せを考えて、新たな制度を率先して使いたくなった

私は現在、ピープルアナリティクスラボでデータ分析をしやすい基盤づくりに取り組んでいます。
そのデータ基盤こそ、社員のみなさんが働きやすくパフォーマンスを発揮できる環境を整えるための根幹になるものだと思っています。これらのデータ整備をしっかりすることが、次の人事施策や人事戦略につながっていくと考えているので、ヤフーの働き方の大事なところに関わっている、という責任感とやりがいがあります。
フルリモートになってから今年で3年目ですが、今後はたとえば「リモートワークでみんなパフォーマンス発揮できているのか?」など、リモートワークでは把握が難しい変化を、データを1つの情報として定点観測していくことがとても重要だと思っています。

知床に移住したのは、2022年1月に、ヤフーが4月から「新しい働き方」に変わると知り、もともと考えていた私の実家である大阪に帰るよりも、想像もつかない経験ができるのではないか、家族がより幸せになれるのではないかと思い始めたことがきっかけです。仕事でもプライベートでも、新たな経験、新たな出会いがモチベーションとなっているので、この「新しい働き方」の制度はとても魅力的だと感じ、率先して使いたくなりました。
また、コロナ禍で多くの人が生活や働き方が変わったように、2、3年後のことを考えたら、どうなっているかわからないですよね。大阪に住む親も元気なうちに、遠方に動けるのは今だけかもしれない、とも思い、知床への移住を決断しました。

※斜里岳を背景に、木村家の3人家族

何も知らない所で想像ができない経験をしたいと思い、北海道・斜里町に移住

もともと旅行や山登りが好きで、昔からいろいろな場所に行っていました。知床にも以前から行きたいと思っていたものの、結局きっかけがなく、行けていなかったため、ずっと自分の中で気になっていました。そんな時に、人事制度が変更になり、「日本国内どこでも住める」なら知床で暮らそうとなりました。
知っている土地に行って、なんとなく事前に想像ができる生活をするよりは、何も知らない所でまったく想像がつかない経験をできるチャンスだと思ったことも、知床を選んだ理由です。また、夫は斜里に強い思い入れがあり、家族全員が幸せになれる場所は大阪より知床かもしれないと、移住先を変更しました。

娘が小学校に上がるタイミングでしたので、娘は当初、移住に反対でした。「今の保育園の友達と一緒の学校に行きたい」と泣いて嫌がったので、「(娘が)いいよと言ったら引っ越すし、嫌だったら引っ越さないからね」と伝えていました。最終的に娘が「引っ越してもいいよ」と言ってくれて、移住先を知床に決めたのが2月末です。
3月に「移住したいです」と役場やコワーキングスペースの方々に連絡をしたら、いろいろ動いてくださり、住居などを調整してくださって、なんとか娘の入学式に間に合わせることができました。特に、「知床スロウワークス(※)」のみなさんにはとても助けていただきました。

知床スロウワークス(外部サイト)
2015年の総務省ふるさとテレワーク実証事業をきっかけに、「テレワーカーに快適な環境を提供し、斜里町の魅力を伝え、町民との橋渡しをしたい」という思いを持った町内の有志で発足し、2019年7月に一般社団法人知床スロウワークスとして法人化。会社経営者、漁師、農家、行政書士、不動産業、ペンション経営者、フラワーショップ経営者など、多種多様な職業やバックグラウンドのメンバーで構成されている。

※左はオシンコシンの滝(斜里町)を家族で訪れた際の1シーン。右は神の子池(清里町)

知床は海も山も近く、世界でも有数の自然豊かな地

知床は、海も山も近い、世界に誇れる自然が豊かな所だと思います。「今日は海が見たい」と思ったら海まですぐ行けますし、「今日は山が見たい気分だな」と思ったら山側をすぐに歩ける、ぜいたくな環境です。
娘には、現地でしかできない体験を積極的にさせています。浜辺や山のごみ拾い、植樹といったボランティア活動や、斜里の土を使った陶芸、斜里産のそば粉でのそば打ちなど、文化活動もたくさん行われているので、積極的に参加しています。土日は、知り合いのアスパラ畑で初めての農業に挑戦しています。今年の収穫は終わったのですが、来年の収穫が今からとても楽しみです。
知床では地域のネットワークが密で、とにかく人との出会いがたくさんあります。コロナの規制緩和後は毎月、地元の方や、知床にゆかりのある企業の方々との交流会が開催されていますし、何かちょっと困っていることがあれば、誰かが誰かを紹介してくれたり、ご近所の方からとれたての野菜や魚をいただいたり、都会ではあまりなかった人付き合いが充実していると思います。移住者をとても歓迎して迎えてくれます。

また、ここでは自分たちで発想して作り上げていくことが当たり前になっていて、1人1人が本当に多能で多才で、エネルギッシュです。それに加え、全国からさまざまな企業の方やアーティストの方々、個性豊かな才能をお持ちの方々が知床に来られて、多種多様な取り組みが行われています。これは移住していなかったら触れられない文化だなと思いましたし、多様な価値観に触れられて、私もとても刺激を受けています。

※左は、木村家が参加した町民植樹祭で「北海道の木」に選定されているアカエゾマツを300本植樹した際の一枚。右は、知人のアスパラ畑での娘さんとの収穫シーン

チームメンバーに自分の動きをこまめに共有 オンラインで働くための工夫

業務の特性上、データと向き合う時間が長いので、ミーティングは少ない方かもしれません。チームメンバーに確認したいことがあったときは、その人へのダイレクトメッセージではなく、なるべくチームのslack部屋に送るようにしています。
他のメンバーにはあまり関係ない会話でも、動きが見えるようにすることを意識しています。また、社内や社外の各所で開催されているオンラインセミナーや交流会にも積極的に参加するようにしていて、まだ会ったこともない方々との接点を意識的に作るようにしています。

勤務中は1人でデータに向かっていると、どうしても煮詰まってしまう時があるので、仕事から抜ける時間を意識してこまめにとっています。天気がいい日は、自宅の窓から見える斜里岳を眺めるのが今のお気に入りです。すてきな無料のコワーキングスペースが町内にあり、気分転換にそこで業務することもあります。就業前の朝は、浜辺でのんびり海を眺めたり、原生花園を散歩したり、都会では味わえなかった、何も考えない時間を過ごせるようになり、とても良い気分転換になっています。
また、野菜や魚がとてもおいしいので、知床で暮らすことで食生活も自ずと充実し、働く活力になっています。

※左は、家族で収穫したアスパラガス。右は、ご近所さんからいただいた豪華なケガニ。

行きたいと思ったタイミングで、いい所が見つかれば行けばいい

今はまだまだ斜里のことがわかっていないので、いろいろな人と話をしたり、アクティビティに参加したりして、斜里のことを知っていこうと思っています。ゆくゆくは地元の方々と一緒に何かやってみたいですね。
「移住」と聞くと、なんだかとても大変なことのように聞こえるかもしれませんが、「引っ越し」と言われたら、「ああ、引っ越しか」と感じるのではないでしょうか? 実際、私も引っ越しのような感覚で、「うまくいかなければ大阪に帰ればいい」という気持ちで知床に移り住みました。
私が移住したと言うと、「自分も移住したいと思っているけど、まだ行動に移せていない…」と、焦りを感じる人もいるようでした。個人的な事情や、家庭の事情などもそれぞれあると思いますし、移住に適切なタイミングがあると思います。移住することが正解ではなく、「新しい働き方」の選択肢の1つと思っています。

ただ、もしいつか移住をしてみたいと思っているなら、可能なタイミングでぜひ一度チャレンジはしてみてほしいですね。現地でしかできない経験や出会いがたくさんあります。失敗も含め、貴重な経験が必ずできると思います。

※さくらの滝(清里町)でのサクラマスの滝越えの様子

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