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2022.04.14

「多様性は可能性」一人ひとりの働き方の選択肢を増やすために ヤフーの新しい制度

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ヤフーは、経験・価値観・ライフステージ・属性の違いにかかわらず、社員一人ひとりを尊重し、活躍できる土台づくりに取り組んでいます。また、「well-being向上」と「個と組織のパフォーマンス最大化」の実現を目指して、制度や施策をアップデートしながらダイバーシティを推進しています。

今回は、2022年度春からアップデートされた制度や新しい施策、そしてオンラインを中心とした働き方で多様性を大切にしながら働くために必要なことなどを、人事担当者に聞きました。

    目次:
  1. 働き方の選択肢を増やすことが社員の力を発揮し、会社の成長にもつながる
  2. 体調の変化があっても安心して働き続けられる制度
  3. 育児や介護中の社員の選択肢を増やす制度
  4. お互いの働き方や状況を理解し合いながら働くために大切なこと
  5. リモートワークにおけるコミュニケーション課題にどう取り組むか
  6. 多様性を可能性に変えるために ギグパートナーの力も借りて、よりよい働き方をつくっていく
岸本 雅樹(きしもと まさき)
2006年新卒入社。人事部で人事制度、福利厚生、評価制度などの企画・運用や人財開発、ダイバーシティ&インクルージョン推進に関わる。現在はコーポレートグループPD統括本部ビジネスパートナーPD本部本部長として、人事制度の企画・運用、ダイバーシティ&インクルージョンなどを主に推進。

リモートワーク中のコミュニケーションで工夫していること:
リモートワークではテキストコミュニケーションが多くなりますが、テキストコミュニケーションは時々冷たく感じられてしまうので、あえて「~」などで末尾を伸ばしたり「!」マークをつけたりするなど、テキストを「。」で終わらせずに少しやわらかい印象にすることを心がけています。
オンラインミーティングでは、仕事以外のことも相手から話してもらいやすくするため、まず自分からプライベートでの出来事など業務以外のことも話すようにしています。また、自分が困っていることや助けてほしいときに、遠慮なく言えることがとても大事だと思っているので「こんなことで困っているので助けてほしい」なども伝えるように意識しています。

働き方の選択肢を増やすことが社員の力を発揮し、会社の成長にもつながる

この4月、ヤフーは働き方の選択肢をさらに拡充しました。具体的には、まず居住地についてです。社員が住む場所にこれまでは一定の制限がありましたが、それを日本全国に拡大しました。
ただ、ヤフーは今後フルリモート勤務になっていくことを目指しているわけではありません。出社して社員同士が会うことに価値がある場合もありますし、それも1つの選択肢だと思っています。
そのため、遠くに住んでいる方も会社に通いやすいよう、飛行機通勤も可能にするなど移動手段を拡充しました。また、これまでは住んでいる場所が遠い場合、通勤費の上限によって一部自己負担が発生する可能性がありましたが、それができるだけないように1日の交通費の上限額も撤廃したのが大きな変更点です。

働き方の選択肢を拡充
・社員の居住地を日本全国に拡大
・飛行機通勤も可能にするなど移動手段を拡充
・1日の交通費上限額を撤廃

この背景としてはまず、コロナ禍をきっかけに、これまで当たり前のように会社に出社するという働き方や価値観を「本当にそれがベストなのか」と見直したことがあります。ヤフーにはいろいろな社員がいて、本当に多様な組織になっていると思います。
たとえば、家族との時間が増えたなどの理由から、「リモートワークになり、会社に行かなくなってよかった」という方もいます。逆に、「やはり会社に行きたい」という方もいれば、「会社や家以外の場所で働くことでモチベーションが上がるし、発想力が高まるので、いろいろな場所で働けるのが自分にとってはいい」という方もいます。
社員にとってベストな働き方は社員の数だけあり、本当に多様だということに改めて気づくことができました。

会社が社員のみなさんに「こういう働き方をしてください」と決めるのではなく、いろいろな働き方ができるように選択肢を増やし、その中から社員の方が一番いい働き方を自分で決められることがとても大事だと感じたことが、今回の制度変更につながっています。

私たちが大切にしているのは、社員のみなさんに自分の能力を最大限発揮し、会社の成長に貢献してもらうこと。働き方の選択肢を増やすことで一人ひとりが自らの力を最大限に発揮できるようになり、そしてそれが会社の成長にもつながると考えています。

働き方の選択肢を増やすことで…
・社員が自分にとって一番いい働き方を決められる
・社員一人ひとりの力を最大限に発揮できるようになる
・結果、会社の成長にもつながっていく

ヤフーが働き方の選択肢を増やしている背景には、「社員がより自律的に働くことが会社と社員の成長につながるから」という考え方があります。
これからの働き方は、誰もが自分の人生やキャリアについて考え続け、時には働く場所を変えながら働いていくことが主流になっていくと考えています。そのような中でより自律的で優秀な人に働き先としてヤフーを選んでもらえるようにさまざまな選択肢環境を用意しています。
そして、会社と社員はイコールパートナーの関係でありたいと思っています。会社の力が強く社員に「こうしてください」と指示してしまうと、社員は自分で考えなくなり成長も止まります。ヤフーで働くことで、その人がいかに自律し、成長するかがとても大切だと考えています。

体調の変化があっても安心して働き続けられる制度

「生理休暇」を「F(エフ)休暇」に変更

今年度から「生理休暇」を「F(エフ)休暇」と名称変更しています。(生物学上の)女性の体は生理、妊娠・出産など生涯にわたって対応しなければならないことがとても多く、そのために業務に支障が出たり、仕事の機会を諦めたりしたことがある人の割合も決して少なくないということは事実です。そうした現実をふまえて、体調に不安があるときにはしっかりと休んで、何かを諦めることなく働き続けることができるように、適用対象を拡大するなどの改定を行いました。

体調に不安があるときにはしっかり休める環境を整えることは、先ほどお話した「社員に最大限能力を発揮してもらう」ことをサポートする意味でも必要だと思っています。
具体的な病名がある病気にかかっていない場合でも、何か心身の不調があった際にはこの「F(エフ)休暇」を使ってもらいたいですね。

不妊治療のための「プレグナンシーサポート休職制度」

また、ヤフーでは1年前から不妊治療のための「プレグナンシーサポート休職制度」を導入しています。これは性別や未婚・既婚にかかわらず取得が可能です。不妊治療に取り組む際に、女性は特に身体的な体調不良や、いつまで続くかわからないことから心も不安定になってしまう場合もあると思います。男性も、パートナーが治療を受けているときに自分は何もできないというようなつらさを感じる可能性もあるのではないでしょうか。そのような際に女性も男性も休んでいただけるような制度になっています。

社員にとって、もっとも大切なことは、「良い人生を送ること」だと思います。ご自身の体と人生を大切にしながら、長くヤフーで健康に働いていただくためにも、人生における大きな決断をしたり、治療などに取り組んだりしているときにもしっかりサポートしていきたいと考えています。

体調の変化があっても安心して働き続けられる制度(一例)
・生理休暇→F(エフ)休暇に変更、女性特有の不調でも取得できるように
・不妊治療のための休職制度は、性別や未婚・既婚にかかわらず取得できる
体調に不安があるときにはしっかり休める=「社員が最大限の能力を発揮」をサポート

育児や介護中の社員の選択肢を増やす制度

また、主に育児や介護、看護をしている方の環境に合わせた多様な働き方の選択肢を増やす目的で、2017年に「えらべる勤務制度(※1)」を導入しました。
※1 えらべる勤務制度:
小学生以下の子どもの養育、または家族の介護をしている社員が休日に加えて、1週あたり1日の休暇(無給)を取得できる制度(選択的週休3日制)。

それまでは、小学校に上がるまでの子どもを育てている方やご家族を介護、看護されている方にも、週5日働いた上でそれ以外の時間で育児や介護、看護をしていただく形でしたが、その枠だけでは仕事との両立が難しいこともあると感じていました。
「えらべる勤務制度」は、プライベートで抱えている事情と仕事を両立しながら能力を発揮していただくにはどうしたらいいか考えた結果、生まれた制度です。ご家族の状況に何か変化があったときにはこの制度を使えるということが働く上での安心につながるという意味でも、導入してよかったと思っています。
また、この4月からは子どもの看護休暇の対象を「未就学児」から「小学校第6学年修了前(12歳到達後最初の年度末)まで」に拡大しました。この看護休暇は時間単位でも、「時間看護休」として取得できます。

育児や介護中の社員の選択肢を増やす制度(一例)
・1週あたり1日の休暇(無給)を取得できる「えらべる勤務制度」(選択的週休3日制)
・看護休暇の対象を「未就学児」から「小学校第6学年修了前まで」に拡大
・看護休暇を時簡単位で取得できる「時間看護休」
これらの制度を使うことで、ライフスタイルにあわせて働き方をカスタマイズできる

お互いの働き方や状況を理解し合いながら働くために大切なこと

社員のみなさんが自分の働き方をよりよくするために制度を選び、そして周囲への遠慮や迷いなく使ってもらうためには、制度の選択肢を増やす以外にも取り組まなければならないことがあると思っています。
まず、お互いが仕事以外の部分も含めてどういう状況か理解し合うことが大切です。たとえば、ご自身だけでなくプライベートな事情も含めて一緒に働いている人と理解し合うためには、そのような内容もしっかり話せる環境にしていくことが大切だと考えています。
もちろん、毎週実施している上長との1on1ミーティングで話せればいいのですが、「上司にはこのことについては話しにくい」という場合もあると思うので、ただストレートに「対話してくださいね」ということが解決策だとは思っていません。
ただ、多様性を力に変えていくためには、お互いの働き方や状況、価値観を理解し合うことは絶対に必要です。一緒に働く人にご自身の状況も伝えやすい環境づくりに、今後はしっかり取り組んでいく必要があると思っています。

たとえば、上長はメンバーに「どこまで(体調や家族の状況などを)聞いてもいいのだろう」「どういう聞き方をしたらいいのだろう」などと迷うこともあると思います。メンバーの変化をどのように察知しコミュニケーションしたらいいのかについては、産業医の先生に定期的にセミナーを実施していただいています。今後もそのような機会を積極的に提供したいと思っています。 また、メンバーにとっては、働き方の選択肢がいろいろあることは、逆に言うとその中からしっかり自分で選ぶ責任があるということでもあります。自分が選んだ働き方や自分の状況を上長だけでなく一緒に働いている人にもしっかり伝えていくことも、この「責任」の中には含まれています。

ヤフーの制度では会社から社員のみなさんに向けて「このように働いてください」ではなく、「あなたにとって最適な働き方を選んでください」と伝えているので、決して自由なだけではなく、ある意味、厳しさもある制度だと思っています。

お互いの働き方や状況を理解し合いながら働くために大切なこと
・お互いが仕事以外の部分も含めてどういう状況なのか理解し合う
・会社から提供された環境・制度から自分にとって最適な働き方をしっかり選ぶ
・いろいろある働き方の選択肢から、自分が何を選んでいるのか周りにも伝える

リモートワークにおけるコミュニケーション課題にどう取り組むか

社員向けに定期的に実施しているコミュニケーションに関するアンケートでは、半分以上の社員が「(リモートワーク中心の働き方は)コミュニケーションの課題がある」と感じているという結果になっています。
「コミュニケーションが限定的になってしまう」「新しい人が入ったときにつながりや信頼関係をどうつくればいいのか悩んでいる」など、コミュニケーションの課題を解決するための制度や施策をどのように整えていくかは、今、私たちが最も考えている点です。とはいえ、雑談の機会を増やせば解決するわけではないと思っています。本当の意味で「コミュニケーションを良くする」ということがどういうことなのか、この働き方をしていく上でベストなコミュニケーションはどういうものかを、これから改めて考えていきたいと考えています。

たとえば、あるチームに「リモートワークになったことでオフラインのコミュニケーションが減ってしまいつらい」と感じているメンバーがいたとします。このようなときにはどうしたらよいでしょうか。
まず、そのメンバーはその状況について上長に伝える必要があります。その結果、上長から「週に1回くらいは、チームで予定を合わせて出社してみんなで話す時間をつくろう」とチームメンバーに呼びかけて他のメンバーが同意するのであれば、そのような働き方をしてもいいかもしれません。

ただ、「週1回はチームで集まりましょう」ということを会社としてルール化してしまうと、それは働き方の選択肢を狭めてしまうことになりかねません。
選択肢がたくさんある環境においては、個々が選びたい働き方が働いている人の数だけあります。そのため、一緒に働いている人がどういう働き方をベストだと思っているのかお互いに認識していることが大切です。困っている人がいた時に、上司と当人だけがそのことを知っていればいい、というわけではありません。
先ほどの例のように、あるメンバーがコミュニケーションの課題を持っていることを残りのメンバーも知っていたら自然と「あの人が困っているのなら、みんなで1回会社に行って集まろうか」という動きになるなど、チーム全体で解決方法を考えられるようになっていくことが理想です。

多様性を可能性に変えるために ギグパートナーの力も借りて新しい働き方をつくっていく

私たちは、「お互いの多様性をしっかり理解し、可能性に変えていく」ことがとても大事だと思っています。多様な組織だからこそ、多様な価値が出せると考えているからです。
今回の制度変更では、改めてダイバーシティに力を入れていこうと思ったのですが、自分たちだけで考えると視野が狭くなってしまうと考え、ギグパートナー(※)として外部の社会起業家の方に入っていただきました。
※2 ギグパートナー
ヤフーの事業などに対し、「より創造的な便利」を一緒に生み出していただく目的で関わっていただく期間限定のパートナー。基本的にオンラインで業務を行っていただきます。

ヤフーのミッションは「UPDATE JAPAN」です。多様な価値を生み出し「日本をアップデートする」ためには、まずヤフーで働く私たちも多様である必要があります。
これまで、ヤフーのダイバーシティの基本方針では「ヤフーは多様な組織になります」ということを示していました。ですが、「多様な組織になった上で、多様な世の中に対して価値を発揮していく」ためにも、方針をさらに具体的な方向へ変えたほうがいいのではないか、というアドバイスをギグパートナーの方からいただきました。これは、私たちだけでは思いつかなかったことです。

働き方の選択肢を増やしたことで、ヤフーで働いている社員だけなく、ユーザーをはじめ今はまだヤフー以外で働いている方にも外部から関わっていただける可能性があります。こういう分野で外から少しヤフーに関わってみたいと思ってくださる方の力をお借りしたり、価値観を受け入れたりできる土壌も、ギグパートナーの制度をきっかけに作ることができました。
これからも、働き方の選択肢を広げることで、多様な価値を生み出すことに取り組んでいきたいと思っています。

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