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2022.04.12

オンライン環境でのポスターセッションの開催方法、運営のコツ

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ヤフーでは、技術をテーマにしたポスターセッションを年1回開催しています。
これは、日頃開発している技術内容の共有をしたり議論したりする機会を作る目的で、幅広い領域での研究成果、取り組みなどをポスターにまとめ、発表者と参加者が発表・ディスカッションを行うイベントです。発表者にとっては自分たちの成果を自分たちの言葉で説明できる場に、参加者にとっては他の部門・プロジェクトの取り組みやプロダクトを知る場となっています。
2022年2月のセッションはオンラインで、オーラル発表(発表者がステージで発表する形式)とポスター発表の2つを開催。各領域から約100件が発表されました。

今回は、オンライン環境でのポスターセッションの開催方法、運営する際に心がけたこと、発表のコツ、オンライン開催で発表者と参加者が心がけたいことなどを担当者に聞きました。

    目次:
  1. オンラインポスターセッションの開催方法
  2. ポスターセッションを運用する上で工夫したこと
  3. オンラインポスターセッションで発表するコツ
  4. オンライン開催で発表者と参加者が心がけたいこと
  5. 今回の発表テーマの特徴
  6. 次回に向けて改善できそうな点、新たにチャレンジしたいこと
弦間 奨(げんま すすむ):2019年新卒入社。
熊谷 俊宏(くまがい としひろ):2016年新卒入社。
田中 貞治(たなか さだはる):2010年入社。

オンラインポスターセッションの開催方法

ポスターセッションを開催するにあたり、今回は新たな取り組みとして、
・バーチャルオフィスツールの利用
・オーラルセッションとポスターセッションの開催
を行いました。

今年はバーチャル空間「oVice(オヴィス)」というバーチャルオフィスツールを利用して開催しました。
oViceはテレワークのデメリットを解消するビジネスメタバースで、ウェブ上で自分のアバターを自由に動かすことで、現実空間と同じような感覚で使えることをコンセプトとしたコミュニケーションツールです。
今回、このツールを選んだ理由は、前回開催した際に挙がった、
・気軽にポスターの聴講がしづらい
・発表の状況がわかりづらい
・発表が盛り上がっているかわからない などの課題を改善したいと思ったためです。

oViceを利用することで、バーチャルオフィス空間にポスターが設置され、各会場の人の流れがアバターとして可視化され、リアルイベントに近い形の開催が可能となりました。
そのため、どこの会場で盛り上がっているのか発表状況がわかり、参加者が発表者に話しかけるハードルを下げ、オンラインでのディスカッションの活性化を図ることができました。

オンラインポスターセッションの会場の様子

ポスターセッションを運用する上で工夫したこと

準備

今回は初めての取り組みが多かったため、以下の3つを徹底して行いました。

1)スケジュール管理、リマインドの徹底
週1回、タスクの進捗確認を必ず行い、発表者や部長陣、バーチャル空間「oVice(オヴィス)」の製品関係者に期限までに必要な確認をすることで、事故なく開催の準備を進められました。

2)マニュアルの整備
資料作成方法、バーチャルオフィス空間での発表方法などをマニュアルとして作成し、運営メンバー間でレビューを行いブラッシュアップすることで、スムーズに利用できるようにしました。

マニュアルの例:オーラル発表を聴く際は固定オブジェクトのMTGスペースに入っていれば、発表者の声を聞いたり共有画面を見たりが可能。質問する際はオブジェクトに黒い線をつなげる必要があります。

3)入念な当日運営リハーサル
当日の動きを再現し、開催に当たっての不安な点を洗い出しておくことで、当日の事故を最小限になるように進めました。また、当日スムーズに発表できるよう、発表者向けに会場を事前開放してバーチャルオフィス空間に慣れてもらう期間を設けました。

ポスターセッションの準備で特に心がけたこと
1)スケジュール管理、リマインドの徹底
2)マニュアルの整備
3)入念な当日運営リハーサル

また、ポスターは作成者に自由に作成してもらいましたが、オンライン開催での発表では横画面表示になるので、ポスター形式で発表用の横書きテンプレートを用意するなどの準備をしました。

オンラインポスターセッションで発表されたポスターの例

当日の運営

会場へ入場すると、参加者のアバターはまず画面左上に配置されるため、ここを会場入り口と見立てて付近に「問い合わせ窓口」「注意事項」「お知らせ」などを設置したことが工夫した点です。
問い合わせ窓口には運営スタッフが常駐し、何か不明なことがあったら声をかけてもらえるようにしました。運営スタッフはあらかじめ決めておいた絵文字をアバターの上につけ、アカウント名にも「運営」であることを明示して、スタッフであることを少しでもわかりやすくするよう心がけました。

また、今回新たに工夫した点として、バーチャルオフィス空間を利用することで、コミュニケーションの気軽さ、盛り上がりをオンラインでも実現できたので、今後もよりブラッシュアップしていきたいと思います。
今回は通常のポスターセッションだけでなく、スライドで成果を発表するオーラル発表も開催してみましたが、こちらも参加者と発表者のディスカッションの場として盛り上がっていました。

オンライン開催で工夫したこと
・バーチャル会場の入り口を決め、問合せ対応や注意事項・お知らせを伝えた
・アバターに共通の絵文字をつけ、運営スタッフだとわかりやすくした
・バーチャルオフィス空間を利用したことで盛り上がりを実現
・ポスターセッションだけでなくオーラル発表という新しい発表方法にもチャレンジ

オンラインポスターセッションで発表するコツ

ポスターセッションの形式でも、発表についてはZoomを使ったものとほとんど変わらないのですが、以下のようなことに気をつけるとよいと思います。

・画面共有や音声が発表中に途切れないようにするために安定した通信環境で発表する
・声が十分に出せることや周囲の音が混じらないよう、周囲の環境にも気をつける
・画面共有や自身の音声が聴講者に届いているか、発表前に一言確認をする

また、オーラル発表では、そろそろ出番となる発表者が会場に来ているかの確認や準備の中で困っていることがないかの確認など、運営メンバーが事前に発表者とコミュニケーションをとる必要がありました。
そのため、オンライン環境においても発表者に待機場所を明示しておいて、出番が回ってくる10分前にはそこで待機してもらっておくというルールを設定したことで、スムーズに発表してもらうことができました。

オンライン開催で発表者と参加者が心がけたいこと

リアルイベントでは、相手の表情を見ながら、相手の理解に合わせて補足して話すことができますが、オンラインイベントでは相手の表情が見えづらいためそれが難しく、一方的なコミュニケーションになってしまう課題があります。
そのため、参加者は、わからないことや簡単なことでも直接伝えることが大切です。そして発表者側も、質問がしやすい雰囲気づくりや、資料をよりわかりやすく図を使って説明することなどがリアルイベント以上に求められると思います。

また、感情が伝わりづらいので、リアルよりも大げさにリアクションしたり、言葉やメッセージなどの形にして相手に称賛や感動を伝えたりするように意識するのがお互いに大切です。これはオンライン開催ならではの大事なポイントだと思います。
通信が安定していないとコミュニケーションが取りづらいなどの問題もあります。相手のリアクションがリアルと違い、タイムラグが生じてしまうため、そういった面で通信の安定化、負荷の軽減は課題となると感じました。

オンライン開催で発表者と参加者が心がけたいこと
発表者
・質問しやすい雰囲気づくり
・図を使うなど資料をよりわかりやすく作成
参加者
・わからないことがあったらできるだけ具体的に伝える
発表者・参加者
・リアルなイベント以上に大きくリアクションしたり、言葉で伝えたりする
・できるだけ通信が安定した場所から参加する

今回の発表テーマの特徴

前回までと同様に「データ利活用」「要素技術」「コマース」「メディア」「金融・決済」「広告」「全社プラットフォーム」など、多岐にわたる領域からの発表がありました。
その上で今回新たに見えた傾向は、ヤフー内製のAI(人工知能)プラットフォーム(※)を利用した施策紹介が多く出展されていたことです。
AIプラットフォームはデータサイエンティストが各自で開発環境を構築する手間を省力できるため急速に利用が進んでおり、ポスターセッションのエントリー数増加にもつながったのだと思います。

ポスターセッションでは毎回ポスター賞を独自に表彰していますが、このような背景から今回についてはAIプラットフォーム賞も新設しています。
ヤフーのAIプラットフォーム紹介~AI開発をより手軽に

次回に向けて改善できそうな点、新たにチャレンジしたいこと

オンライン開催2回目となった今回は、以前よりオンラインでの開催がブラッシュアップされ、参加者からのフィードバックも良い内容が多かったです。
特に、バーチャルオフィス空間の利用は評判が高く、気軽なコミュニケーション、盛り上がりがオンラインでも実現できたことは、今後の運営に向けての自信にもなりました。

今後は、運営タスクの効率化や標準化を行い、継続的にイベントを続けていきたいと思います。セッションによっては、もっと盛り上げられる場面もあったと思うので、発表の形態や会場設営など、さらに盛り上がるイベントになるようブラッシュアップしていきたいと考えています。

オンラインで開催したことで、距離の制約が無くなり、参加できる人が増えた点は大きなメリットだと感じています。
これまでのポスターセッションの参加者はサイエンス領域の方が多かったため、今後は参加対象をサービス部門にまで広げることで、より有益なイベントにしたいと思っています。

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