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2020.07.31

「少しでも多くの方に安心して楽しんでいただくために」名古屋市・東山動植物園とPassMarketの挑戦

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新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が2020年5月25日に全国で解除され、博物館や水族館、動物園などの営業が再開されました。ただ、今後も感染防止のため事前予約制、入場人数制限などの対応を行いながらの営業が続くことが予想されます。

年間約240万人が訪れる愛知県名古屋市の東山動植物園。日本一動物の飼育種類数が多く、さらに「イケメンゴリラ」と称され全国で話題となったニシゴリラの「シャバーニ」で有名です。
新型コロナウイルスの影響で愛知県が独自の緊急事態宣言を出した4月10日から休園を続けていましたが、6月2日から営業を再開。事前予約チケットの発行にヤフーのデジタルチケットサービス「PassMarket」が導入されました。
今回は、名古屋市とPassMarketの連携の経緯、デジタルチケットサービスの今後の展望などを聞きました。

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右から、PassMarketのサービスマネジャー山崎、今回の東山動植物園の案件を担当した辻井、児玉。

名古屋市・東山動植物園とPassMarketの連携

辻井:
PassMarketを使ったデジタルチケットの導入については、実は昨年(2019年)名古屋市へすでにご提案していました。ただ、その際はまずチケット受付に関する規則を改正しないとデジタルチケットを使えないという状況だったため、その調整を行っていただくという前向きなお返事をいただいていました。

今年5月に緊急事態宣言が解除され、再開園する名古屋市の施設で3密を回避するための対策をPassMarketで実現できるのではないかと思い、改めてご提案させていただきました。
その結果、ヤフーの情報技術を活用して、市有施設での新型コトナウイルス感染症の感染拡大を防止するための措置を相互に連携・協力して実施することを目的とした覚書を名古屋市と締結しました。この覚書の対象施設として東山動植物園での利用が決まりました。
6月の再開園時は、新型コロナウイルス感染症対策として以下の施策を行いました。

1. 人数制限のために事前予約チケットの発行
感染症対策による混雑回避のためPassMarketで1日5,000枚の入場予約チケットを事前に発行。来園時に受付でQRコードをスマートフォンの画面や印刷した紙で提示して入園いただきました。1日の来園者数に上限を設けることで、園内が混雑する状況を防ぐことができました。

2. 感染者確認時の来園者へのメール送信
来園者の中に、新型コロナウイルス感染症の感染者が確認された場合、名古屋市が感染者と同日の来園者にPassMarketのメッセージ送信機能を使って、注意喚起のメールを送信できる仕組みを提供しました。
また、私たちは東山動植物園に出向き、デジタルチケットの発券システムの設定や、動植物園の受付での操作方法レクチャーなどもさせていただきました。

多くの方が心待ちにしている東山動植物園の再開園に、ヤフーの情報技術を役立てていただきたい、というのが私たちプロジェクトメンバーの総意でした。2日間のプレオープンを経て、6月2日に正式再開園したところ、当初は1日5,000人が上限でしたが、デジタルチケットによるスムーズな受付が可能だったことから、1⽇8,000⼈まで増員できました。

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入場予約チケット(名古屋市での利用事例)

レジャー施設が自走できるよう、しっかりサポート

辻井:
レジャー施設の方はウェブサイトの運用について慣れていらっしゃらない場合もあります。そのため、PassMarketを導入いただく際は、チケット販売時の入稿内容について「こういう風に書いた方が見やすいですよ」とか「チケットをお客様が買いやすくなりますよ」「使い勝手がよくなりますよ」などのアドバイスを入念にさせていただいています。
また、チケット販売や受付フローの運用ガイドもお渡ししたり、施設ごとにチケットの種類が違うため、その施設に最適な販売方法のご提案もさせていただいたりもしています。運用ガイドのご説明は、現在はオンラインで行うことが多い状況ですので、オンラインプレゼンの練習会を行ったり、ウェブサイトの運営にまだ慣れていない方にわかりやすい資料に修正したりすることを心掛けています。これらのサポートはすべて無償で行っています。

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※運用マニュアルの一例(イベントページの作成:主催者情報、販売条件)

児玉:
現地でのチケット販売は、お客様がどこから来ていらっしゃるかを把握できません。以前お聞きしたところ、駐車場に停まっている車のナンバーを見て感覚で把握している、という施設もありました。お客様の情報がデータ化や可視化されていない施設がまだ多いのが現状です。

PassMarketでは、チケットの販売から受付までの運用を引き受けるのではなく、「各レジャー施設に自走して運用していただくこと」を大切にしています。
その理由は、レジャー施設にとってチケットを売るという場面がとても重要だと思っているからです。デジタルチケットの仕組みを使っていただくことで、たとえば事前アンケートを行って
・お客様がどこから来園しているのか
・お客様の来園が何度目なのか
・お客様がその施設に何を期待して来ているのか
などの声を集めることが可能になります。このような情報を得ることで、より集客するための施策にもつなげられます。そして、その一連の作業をすべて、施設の方たちの手で行っていただくことが大切です、とお伝えしています。
デジタルチケットの運用作業をすべてやっていただきますので、最初は大変と感じられることもあるようです。しかし、施設に自走していただくことが、結果的にその施設のお客様をより増やすこと、ひいてはレジャー産業全体の発展にもつながるはずだと私たちは信じているため、あえて「施設が自走できる仕組み」を提供させていただいています。

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東山動植物園の案件を担当した辻井と児玉

東山動植物園にPassMarketを導入してみて感じたこと

辻井:
最初は、新しい仕組みを導入することについて、少し不安を感じた方もいらっしゃったようですが、新しい受付方法をスムーズに行うため工夫をしながら、スタッフのみなさんが前向きに再開園に向けて取り組んでくださいました。
また、来場者の方からは、デジタルチケットで予約購入することで「入園できる人数が制限されているので、混まずに見られるという安心感があった」という声をいただきました。

名古屋市・東山動植物園 寺田様:
6月の再開園の際は、事前予約制としたためお客様に安心して来園していただけました。また、先着順でなかったため、開園時に来園者が列を作るようなこともなく、問題なく人数制限を行うことができました。
コロナウイルス感染症拡大の対策が続く場合には、繁忙期にはまた事前予約制の導入が必要となることも考えられますので、今回のような対応を行っていければと考えています。また、今後は入園券の販売についても検討していきたいと思っています。

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東山動植物園の受付の様子

辻井:
デジタルチケットの受付は、スマホアプリを使ってQRチケットを読み取る方法が一番速いです。ただ、チケットを読み取るために必要な、施設が用意するスマホとお客様が持参するスマホのカメラの精度や日光の反射を防ぐこと、熱暴走やバッテリーの持ちなどについては、まだ共通の課題となっています。
東山動植物園では、このような課題に手作りのボックスを用意してうまく対応されていて、私たちも学ばせていただきました。

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東山動植物園の手作り受付ボックス

また、デジタルチケットを導入するときに、ほとんどの施設の方から懸念としてあがるのが「スマホが使えない人が多いのでは」「受付が混乱するのでは」という点です。結果的には思っていた以上にほとんどの方がスマホを使っていらっしゃるようですが、100%の利用率ではありません。
スマホを持っていない方には現地の券売機で買っていただいたり、紙に印刷したチケットを持参いただいたりなどの別のフローも最低限残した上で導入いただくこともあわせてご提案しています。

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紙に印刷したチケットで受付する様子

「安全に集客を最大化していく」PassMarketの展望

辻井:
現在、日本の主要なレジャー施設は約2,000か所で、そのうち120施設くらいがPassMarketを導入してくださっています。ただ、1年くらい前は、デジタルチケットをメインで使っていた施設はほとんどありませんでした。
デジタルチケットはお客様に安心して施設をご利用いただける3つの機能を提供できるため、施設にとって「安全に集客を最大化する」ことが可能になります。少しでも多くのレジャー施設に導入いただけるよう、今後も取り組んでいきます。

1)チケット販売数を管理できる
日時指定でのチケット販売やチケット確認可能時間の制限など来場者数をコントロールできる
2) 来場者を把握できる
全てのチケット購入者への来場前の検温の呼びかけや帰宅後の緊急連絡など、適切な予防対策が可能
※購入者のメールアドレスなど、センシティブな個人情報を知ることなくメッセージ機能を使って連絡ができる
3) 非接触化を促進できる
入場時にQRコードを利用するため、接触を最小限に抑えられる

山崎:
今後コロナウイルスの影響が落ち着いたとしても、お客様の「混雑回避をしたい」というニーズは変わらないと考えています。たとえば真夏の待ち時間の長さは熱中症の危険があり、「混雑回避」はシンプルにお客様のメリットであり続けるので、今後はデジタルチケットが主流になる世界に向かっていくのではないかと考えています。

PassMarketは今年末に向けてサービスの大きな改修を進めており、オフラインやオンラインのイベントだけでなくレジャー施設で使っていただくことに注力していく、という方向へ向かっていきます。
今後はレジャー施設や美術館など、常設施設に利用いただくための機能をしっかり作りこんでいきます。たとえば、レジャー施設では開園している日数分のイベントを作成していただく必要があるため、繰り返し同じチケットを売るという運用がより簡単にできるように改善していく予定です。

「非接触でのチケット販売や受付が可能」「同じ日に来場した人が把握できる」「お客様に伝えるべき内容をすぐに伝えられる」というデジタルチケットの仕組みを、レジャー施設のみなさまにとって、より効果的に営業できるプラットフォームとして、ぜひご利用いただきたいと思っています。
また、メディアと連携して集客に貢献する施策や、データを活用したチケットの販売促進など、ヤフーのサービスとの連携強化により、今以上に売上に貢献できるようなサービスへと成長させていきます。

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PassMarketサービスマネージャーの山崎

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