こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。
1月より国内でも影響が出てきた新型コロナウイルスはひたすらに拡大を続け、いまだその終息への道筋が見えない中、それでもこれ以上の感染を防ぐため、外出自粛要請などによる、いわゆる三密(密閉、密集、密接)を避けるための行動が全国で行われています。
しかし、自粛といっても実際にどれぐらい外出自粛しているか、またテレワークや店舗、施設の自主休業による影響などを把握するのはかなり大変です。そこでヤフーが保有するいくつかのデータから、その影響をさまざまな角度で見てみましょう。
なお、本レポートで紹介するデータはYahoo! JAPANおよび各サービスのアプリにおいて位置情報の提供に同意いただいたデータのみを利用し、個人情報がわからないように加工・フィルタ・情報のあいまい化をするなどの処理を行ったうえで使用しています。
自粛要請で繁華街の人口は?
まずはヤフーが保有する位置情報データを活用して繁華街エリアの変化を見てみましょう。「北海道:すすきの通り」「東京都:歌舞伎町」「東京都:センター街」の三つのエリアに関して、1月末の金、土、日(1月24日~26日)から4月の3日~5日までの各週末の推定人口推移を時間帯別に出力してみました。
すすきの通りに関しては、鈴⽊北海道知事から緊急事態宣⾔が発表された2⽉28⽇に⼤きく減少し、3⽉19⽇に宣⾔が解除された後も訪れる⼈は減少したまま増加していないことが判明しました。
歌舞伎町、センター街は2月27日の小池知事による休校要請や外出⾃粛要請をうけて大きく減少、さらに3月25日の都知事緊急会見を受けて3⽉27⽇からは2段階⽬の減少となり、4⽉に⼊ってもその傾向を維持、1⽉末と⽐較して訪れる⼈の減少幅は最大で78.3%減少し、21.7%という大きな下げを記録する時間帯もありました。
次に、「愛知県:栄」「大阪府:道頓堀」「福岡県:中州」の三つのエリアを見てみます。
栄もほかのエリア同様、2月28日週より大きく下がる一方、東京などとことなり、3月27日週ではさらに一段階下がるようなことはなかったものの、4月3日週に入ると明らかな減少が見られました。
道頓堀、中州も同様ですが2月28日週に大きな下げのタイミングがあり、道頓堀では吉村⼤阪府知事が外出⾃粛要請を要請した3⽉27⽇以降から2段階⽬、翌週4月3日週にはさらに減少する動きを見せ、中州では4月3日週に大きな下げ幅を見せています。
また全体的に見た時に、繁華街においては3月20日週の3連休で急激に人が戻った動きは見られませんでした。
次に全体の減少率を比較してみましょう。金、土、日ぞれそれの18時における、1月24日週と4月3日週の推定人口差を比較してみました。
比較してみると、東京都の減少率が突出していることがわかります。歌舞伎町、センター街ともに1月24日週比で30%を下回る数値となっており、ほかの都道府県と比べてもとても人出が少なかったことがデータからわかりました。
引き続き「自粛要請によって人々の動きはどう変わったのか? ヤフービッグデータから見えた動態変化 その2」(近日公開予定)ではYahoo!乗換案内とYahoo!カーナビのデータから見えた変化を紹介いたします。
Yahoo!ビッグデータレポートではこれからも世の中の課題についてデータを元に検証し、データが持つ可能性や力強さをお伝えしてまいります。今後ともビッグデータレポートをよろしくお願いいたします。
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