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2022.02.04

NFTグラフィックアドベントカレンダー企画で体感したNFTの可能性

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「初ツイートが約3億円」「デジタルアートが約75億円」で取引されるなど、非常に話題になっているNFT(Non-fungible Token、代替不可能なトークン)。NFTと言われても、まだ、よくわからないという方も多いと思います。
ヤフーと外の産業との接点を創出し、情報技術を組み合わせた新しいものづくりによってイノベーションの促進を目指しているオープンコラボレーションハブ「LODGE」を中心に、NFTのグラフィックアドベントカレンダー(クリスマスイブまでの日めくりカレンダー)を実施しました。

NFTグラフィックアドベントカレンダーは、ヤフー有志のデザイナーがグラフィックデザインを制作し、作品をNFTとして出品する企画です。2021年12月6日から12月24日の間に、15名のデザイナーが参加し、平日1日1点作品を出品。12月25日時点で7作品が購入されました。今回はこの経験を元に、NFTが普及することのメリット、期待されることなどを担当者に聞きました。

    目次:
  1. グラフィックアドベントカレンダーについて
  2. 「NFT」の可能性
  3. NFT作品を「出品する」とは
  4. NFTが普及するメリット、期待されること
  5. NFT作品と可能性について
  6. LODGEの役割、ビジョン
市川 大翔(いちかわ たいしょう)
2016年新卒入社。デザイナーとしてYahoo!プレミアムなどを担当後、LODGEにてデザイン、企画などを主に担当。
中島 慎太郎(なかじま しんたろう)
2016年新卒入社。デザイナーとしてPayPayフリマを担当後、現在はLODGEの企画とデザインを担当。

グラフィックアドベントカレンダーについて

市川:
世間的にNFTが注目されている一方で、社内ではNFTを活用する機会や、議論する機会が不足していると感じていました。そうした課題感を元に、毎日1点、グラフィック作品がNFTで販売されていく企画を考えました。LODGEとしても社内外のヒト・モノ・コトをミックスして化学反応を起こすというミッションがあるため、今回の企画を実施しました。

また、NFTだから売れるのではなくて、価値があるものがNFTとして売れる。グラフィックアドベントカレンダーの作品自体が魅力的なものになるように社内のデザイナーと相談しながら進めました。

「NFT」の可能性

中島:
「NFT」を技術的に説明すると「Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)」の略で、ブロックチェーンを活用することで、デジタルデータに対して「これはこの人が発行(ミント)したもの」であると証明できるテクノロジーです。これによって、アート作品やデジタルトレカなどのデジタルデータに資産価値を持たせられるようになり、取引が行われるようになりました。

中島:
これまでは、グラフィックや写真などの作品をプリントした物や、実際に絵の具などで描かれた作品そのものが売買されるのが一般的でした。個人のデジタル作品を誰かに売ったり、買ったりすることを行うことはあまりなかったと思います。

NFTが普及することで、個人のデザイナーが制作したグラフィック作品をデジタルデータとして販売・流通することが以前よりも多く行われるようになりました。デジタルデータを鑑賞や投資目的として購入し自分のコレクションにする楽しみ方は、新しい感覚だと思います。これまでもデジタルの写真素材やグラフィック素材を売買することはありましたが、消費・鑑賞する側面が強かったのが最近の傾向とは違うところですね。

市川:
ものの価値の重要な要素に「発行元がどこ(誰)であるか」があります。たとえばブランドTシャツは当然「ブランドが作ったもの」なので価値があります。NFTによってデータで「発行元」を証明し「ブランドTシャツ」のような価値をデジタルデータでも実現したところがすごく革新的な点だと思います。

NFT作品を「出品する」とは

中島:
今回、私たちがNFT作品を出品した「OpenSea」は、デジタルデータ版のフリマのようなものです。NFTのマーケットプレイスと一口に言っても、他のマーケットプレイスとの互換性の有無、2次流通の可否などでさまざまな種類にわかれますが、「OpenSea」はユーザー数の多いことが採用の決め手になりました。

デジタル作品をNFTとして出品するときは、ブロックチェーンへの書き込み(Mint)を行い、作品にまつわる情報の証明書を発行します。証明書の規格はさまざまあるのですが、制作者の名前(アドレス)、作品のURL、いつブロックチェーンに書き込まれたか、証明書が作られた日付、そして、制作者コメントなどを記載する項目などの情報で構成されています。

NFTが普及するメリット、期待されること

中島:
NFTが持つ可能性のひとつに、制作者への還元があると思います。制作者は、初回に作品が購入されたときに収入を得られますが、2次流通での取引では収入が得られないケースがほとんどです。NFTでは2次販売があったときに著作者にお金が入る仕組みにすることも可能です。

市川:
クリエイターにとってはファンから支援してもらえる機会が増えたと言えます。そして世界規模のマーケットへの参加が平等に開かれていることもすごいことです。こうしたクリエイターへの可能性やメリットを、今回のNFT企画に参加してくれたデザイナーたちに共有していきました。
前提知識や準備が必要な部分はチュートリアル動画を作成し、気軽に流通体験をしてもらえるように工夫しました。

今回NFT作品を出品した、デザイナーの岡にも話を聞きました。

NFT作品と可能性について

岡:
今回の題材はクリスマスツリーでしたので、単純にクリスマスツリーをグラフィック化すると他のデザイナーと被る可能性があり、またインパクトに欠けると思い、クリスマスツリーを軸に別のモチーフを使おうと決めて制作しました。工夫したのは、たくさんの作品が並んだ中で埋もれないことです。そのため、あえてクリスマスカラーを一切使わずに、白黒で表現しつつ、クリスマスらしさを出すところに特にこだわりました。

思っていたより簡単に出品できて、気軽に取り組めることがとても魅力的だなと思いました。NFTの出現によって、今まで日の目を見ることがなかったアーティストの方や作品に注目が集まりやすい環境ができて、これまでアート作品制作に興味はあるけどハードルが高くてなかなか活動できていなかったような人にとっては絶好のチャンスだと思いました。

また、NFTは思っていたよりも難易度が高くなく、作品が実際に売れることがわかったので、プライベートでもNFT作品を出品しようと考えています。
落書きやアイデアのラフなど、自分以外の人にはなんの価値もないと思っていたものでもNFTの世界では価値が付く可能性があるため、アウトプットの価値観が変わると感じています。NFTの世界が今後、どう進化していくか個人的にも楽しみです!

LODGEの役割、ビジョン

市川:
Yahoo! JAPANのオープンコラボレーションハブ「LODGE」では、社員の関心などと会社を結び付けて、社員の挑戦を後押しする場として推進していく役割があります。
「リサーチするだけではなく、実行することで、学びをより深いものにして、組織に浸透させる」という考えのもと、今回行ったNFT出品の経験を通じて知見を広げていき、ヤフー全体がさらに成長していくことを目指します。今後も先進的な実験活動を外部とコラボレーションしていきますのでご期待ください。

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