ヤフーでは、ユーザーのみなさまに適切な広告をお届けするため、登録情報や行動履歴などのパーソナルデータを、個人が特定できない形に加工した上で広告を配信しています。
ユーザー情報の広告への利用範囲をより詳細に選択・設定いただける「アドパーソナライズセンター」を7月26日にリリース(※)しました。これは、プライバシーに対する取り組みの一環として、Yahoo! JAPAN IDでログインしている方にご利用いただける機能で、広告の配信における興味・関心や属性などの情報を、ご自身でより細かく管理することが可能になります。
※アドパーソナライズセンターで設定した内容は、8月23日(水)より広告配信に適用されます。
今回は、この機能で実現したいこと、アドパーソナライズセンターを利用する際に知っておいていただきたいことなどを担当者に聞きました。

- 山本 裕亮(やまもと ゆうすけ)
- 2008年にYahoo!グルメの企画職として中途入社。Yahoo!グルメからYahoo!ロコを担当後、Yahoo! JAPANトップページの企画職を担当した。2017年より広告部署に異動、現在はディスプレイ広告におけるデータマネージメント領域のサービスマネージャーを担当している。

- 大橋 恒平(おおはし こうへい)
- 2009年新卒入社。広告のシステム開発を約9年担当。その後、ユーザーデータをどのように広告配信において扱うかなど、システムの部門のプロダクトマネジメントリーダーとして企画施策などを担当している。
アドパーソナライズセンターとは
アドパーソナライズセンターとは
・Yahoo! JAPAN IDでログインしているユーザーが利用可能
・興味がないトピックの広告配信を減らす設定ができる
・広告配信に利用される属性データを確認、利用するか選択できる
大橋:
アドパーソナライズセンターは、Yahoo! JAPAN IDでログインしていただいているユーザーにご利用いただける機能です。ヤフーの広告システムで興味があると判定されているトピックの中から「このトピックの広告は必要ない」と思うものを選択することで、不要な広告の配信機会を減らせます。
また、広告配信に利用されているご自身の属性情報を確認し、広告配信へのデータ利用をするかどうかも選択できます。

アクセスいただくとヤフーの広告システムがどのような興味・関心を持つ人だと推定して広告を配信しているのかをご確認いただけます。その内容が間違っていたり、興味がない情報なのに「興味がある」と判定されていたりすることがあれば、ご自身で「このトピックはあまり配信しなくていい」と設定できます。
これまでは、あまり興味のない広告を受け取りたくないユーザーの方のコントロール手段としては「自分の興味・関心などのデータを一切利用しないでほしい=行動ターゲティング広告を表示しないでほしい」という設定方法(オプトアウト)がありました。
ただ、この設定をした場合は、全くターゲティングされていない広告が表示されるため、本当に興味のないものばかりになってしまう可能性があります。


ユーザーと信頼関係を築きながら広告をお届けしていきたい
山本:
ヤフーではユーザーのみなさまの行動データなどをプライバシーに十分配慮したうえで利用させていただき、最適な広告配信に努めていますが、まだまだ一方的なおすすめになってしまっている部分もあるのではないかと感じていました。
先日、データ利用についてのユーザーアンケートを実施したところ、「自身のデータが活用されて興味ある広告が表示された方がよい」という声が思っていたより多い結果になりました。
特に、若い世代には「興味・関心のデータを使ってより興味があるものを届けてほしい」と思っている方が多い傾向でした。若い世代のユーザーは、自分の興味に合った情報が表示される体験に慣れていることが理由なのかもしれません。
このように、広告の受け取り方も、人それぞれ、年代や価値観などによってかなり違います。アドパーソナライズセンターを使っていただくことで、よりご自身に合ったコントロールができるようになったため、よりよい広告の体験をしていただけるのではないかと考えています。
データ利用の前提として一番大切なのは、やはりユーザーのみなさまとの信頼関係です。たとえば、道を歩いているときに突然知らない人からあれこれ聞かれたら嫌だと思いますが、友だちだったら信頼関係があるので、比較的プライベートな話もできるのではないでしょうか?
今回の取り組みを通じて、「ヤフーは、このような情報に興味がある方としてあなたを捉えています」ということをしっかり開示し、お伝えできればと考えています。そして、設定されている興味・関心についてご自身で確認・変更することでフィードバックできる機能を提供することも、信頼いただくためにはとても大事なことだと思います。
アドパーソナライズセンターを利用する上で知っていただきたいこと
・アドパーソナライズセンターは、ターゲティング広告に対する制御のみ可能
・ヤフーの全ユーザーに配信している広告については、トピックの設定は反映されない
・ターゲティング広告をすべてブロックしてしまうと、興味がある広告も受け取れなくなる
アドパーソナライズセンターは、あくまで行動ターゲティング広告に対する制御なので、たとえばヤフーのユーザー全員に配信している広告(例:車の広告など)は、トピックで「車関連の広告の配信機会を減らす」と設定をしても広告が配信されます。これらの広告は、特定のユーザーに向けて配信されているわけではありません。
行動ターゲティング広告をすべてブロックしてしまうと、興味がある広告も受け取れなくなってしまいます。そのため、興味がないところは配信機会を減らす設定を、そして興味があるトピックを設定いただくことで、より良い広告を受け取っていただきたいと思います。
また、たとえば、見ると少し楽しくなるクリエイティブ、自分にとって好きなデザインなど、広告自体がコンテンツになり得るものもあると思います。その商品自体に興味がなくても、広告を見たことをきっかけにその商品について少し知りたいと感じたら、それは「良い広告」だと言えるのかもしれません。
山本:
Yahoo!ニュースなどのメディア系サービス、コンテンツなどはユーザーにとって有益なもの、その一方で広告はユーザーにとっては不要なものと感じている方が多いかもしれません。ただ、本質的には広告もコンテンツも、「情報」という意味では違いがないと考えています。
たとえば、車を買おうと考えていたときに自分好みの車の広告が表示されたら、探す手間が少し減らせるかもしれませんよね。そう考えると、表示された広告がその方に合っているかどうかは、とても大事なポイントだと思います。
また、その情報には興味があっても広告としては要らない、など、受け取りたい情報はそれぞれ異なると思います。そのようなこともあわせてフィードバックいただいて、広告をより良くしていくための改善につなげていきたいですね。
個人によって興味・関心は違いますが、それに加えて「この広告は不快だと感じる」という感覚についても人それぞれです。ヤフーのアドポリシーでは、不快感を与えるような広告は広告掲載基準で制限をして配信をしないようにしていますが、「どのような表現を不快と感じるか」を、一律で判断するのは難しいため、好みが分かれるような広告についてもカスタマイズできる機能も検討していきたいと考えています。
ユーザーのみなさまに、より有益な情報になり得る広告を届けられるよう、今後はコンテンツと広告のユーザー体験の差をなくせるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。