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企業情報

2023.06.16

「ヤフーのサービスをアップデート」する新サービスを中高生が提案 リバースメンタリングMeet-upを開催

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AIをはじめとしたテクノロジーの進化、気候変動や異常気象、少子高齢化など、現代は複雑かつ予測が難しい時代といわれています。これは「VUCA(ブーカ)」時代(先行きが不透明で将来の予測が困難な時代)とも呼ばれています。

そのため、子どもたちが受ける教育においても、
・社会で生き抜く力
・学び続けながら、新たな価値を生み出していく力
・自ら課題を発見し解決に取り組む力
これらの「生きる力」を育んでいくことが求められており、新しい学習指導要領には「主体的・対話的で深い学び」が記載されています。

この課題に対応するため、ヤフーでは中高生を対象としたCSR活動「IT人財育成プロジェクト」を展開しています。このプロジェクトのミッションは「ヤフーのサービスや人財を活用して、未来世代へ新しい何かに挑戦するきっかけを提供する」。未来を担う世代が、時代とともに変化していく社会課題を自分の力で乗り越え、挑戦できるようになることを目指しています。

その取り組みのひとつとして、株式会社教育と探求社のプログラム「クエストエデュケーション ※1」の企業探究コース「コーポレートアクセス」(以下「クエスト」)に2022年度から参加しています。
「コーポレートアクセス」は、中高生が企業という仕組みを活用して、自分たちの手で未来をつくることを学ぶプログラムです。ヤフーを含む参画企業が提示する「ミッション(課題)」に取り組み、1年間の成果を「クエストカップ全国大会」で発表します。
※1 クエストエデュケーション:
2005年にスタートした、現実社会と連動しながら中高生の「生きる力」を育む探究学習プログラム。生徒たちは、企業からのミッションや社会課題、ゼロからの商品開発など、教室の中にいながら、現実社会につながるテーマに取り組みます。2022年度は全国37都道府県320校、6万2,000人の中高生が受講し、探究学習プログラムでは日本最大規模。
参照:クエストエデュケーションについて(教育と探求社)

ヤフーが提示したミッション
「どうせ…」を遊び心で大改革する
〇〇をUPDATEする新サービスを提案せよ!

このミッションには、「今は当たり前だと思うことも、それが生まれる瞬間まではあり得ないと思われていたことかもしれない。『どうせムリ』『どうせムダだ』と感じているものこそ、新しい何かが生みだせる可能性がある」という思いが込められています。

今回、ヤフーのミッションに取り組んだチームのなかから、企業賞・準企業賞に選ばれた2チームと、社員が「既存サービスのヒントになった!と」絶賛した1チームの合計3チームの企画を社員に向けて発表してもらう、「リバースメンタリングMeet-up」をオンラインで開催しました。
これは、ヤフーのIT人財育成プロジェクトが、「クエスト」参加の集大成として自主企画したものです。
サービス担当者たちが中学生、高校生の声を直接聞ける機会はほとんどないため、このイベントはZ世代の自由な発想に触れ、サービス企画のヒントを得られる時間となったようです。
中高生のみなさんは、どんなサービスを提案してくれたのでしょうか? 今回はその内容の一部をご紹介します。

リバースメンタリングとは

「リバースメンタリング」とは、「逆メンター制度」とも呼ばれる、先輩社員と若手社員の役割が逆転(=リバース)し、若手社員がメンターとして上司や先輩社員をサポートする育成手法です。最近は日本企業でも取り入れられるようになってきました。
一般的なメンタリングでは、知識と経験が豊富な上司や先輩社員がメンターとなって、メンティーである若手社員に助言や指導を行いますが、リバースメンタリングではその関係性が逆になります。
また、通常のメンタリングではベテラン社員の知識や経験を若手社員へ共有しますが、リバースメンタリングでは若手社員の知識や価値観、先輩社員よりもよく知っていることなどを先輩社員に伝えます。

リバースメンタリングとは
・メンター:若手社員 メンティー:先輩社員
・若者の知識や価値観、先輩よりよく知っていることなどを先輩社員に伝える

リバースメンタリングMeet-up 中高生からの提案は?

今回のクエストカップでヤフーのミッションに取り組んでくれた中高生から、対象となったサービス担当者に企画を直接プレゼンしてもらうという形で「リバースメンタリングMeet-up」を実施しました。
(通常とのリバースメンタリングでは若手からベテランへ伝えますが、このイベントではサービス担当者から企画内容に対してフィードバックする時間も設けました)

若年層による発展途上国への継続募金を促したい 「どねろぐ」(天童市立第三中学校 チーム名:YAHOOワールド)

アップデートしたいサービス:Yahoo!募金
解決したい課題:
世界で問題になっている貧困や人種差別を少しでも解決し、先進国の人に進んで募金してもらう
「どねろぐ」とは ※2 どね(ドネーション=寄付)ろぐ(ためる)
・アプリで簡単に寄付ができる
・寄付、途上国のサイトを見ることでポイントが付与される
・たまったポイントとフェアトレード商品(途上国で生産された、公正な取引の下で販売されている製品)を交換できる
※2 募金した金額の5%分がポイントとなり、1ポイントは1円分となる
・募金後、途上国のPRサイトを見ることで、魅力を知ることができる

鈴木哲也(Yahoo!ネット募金 サービスマネージャー):
「わくわく」を考えた上で新サービスを提案してくれた点が素晴らしいと思います。「募金とポイント」で、募金するときちんとユーザーにもメリットがあり、そして募金だけではなく途上国の情報や貧困や差別の状況はどうなっているのかまで知ることができるというのも素晴らしいですね。
知ることで人々の意識が変わり、意識が変わると行動が変わるので、良い未来をつくっていくためには「情報を知る」ことは非常に重要だと思います。

特に良かった点
1)ポイントをフェアトレードの商品と交換できる
寄付は困っているところに直接お金を渡すというシンプルな行為ですが、それだけだと寄付された側は持続可能にならないのです。フェアトレードの適正価格できちんと交換するということによって収入を得るという経済活動の中に入れ込んでいる点が素晴らしいと思います。
2)ログインボーナス
私たちにもこういう視点が大事だなと思いました。わくわくしながら毎日ログインして、日常的にサービスを使っていただくことでサービスはどんどん良くなっていきます。今回の企画で毎日見てくれる仕組みを入れたのもよかったと思います。

パーソナライズの世界に偶発性をもたらし、新しい発見やコミュニケーションにつなげたい「webでwave」(京都市立西京高等学校附属中学校 チーム名:パエディ)

アップデートしたいサービス:Yahoo! JAPANトップページ
「webでwave」とは
・広めたい内容をボトルメールでヤフーサービスを使う誰かに届けられる
・ヤフーサービスの各ページに設定しランダムな仕組みで届くため新しい発見を得られる
・受け身の姿勢でも楽しめる
・問題のある内容は、ヤフーの画像認識技術などを使って削除するので安心
・ネットサーフィンという「日常」をより楽しくアップデートできる
・人と人との遊び心を生かした新しい交流の形をつくることができる

Yahoo! JAPANスタートページ サービスマネージャー 河野優子:
Yahoo! JAPANトップページのタイムラインというサービスでは、「セレンディピティ」と呼ばれる偶発的に出会うコンテンツを表示し、多様性を広げるためのコンテンツとパーソナライズしているコンテンツを混ぜることでバランスを取っています。この企画は、その考えに近いと思いました。
完全にランダムに送られる情報と、「同世代が喜びそうな情報」など、少し方向転換させる観点もあると、さらに魅力的なサービスになりそうです。

Yahoo! JAPANスタートページ企画デザイン本部 本部長 間宮 直樹:
「現実にあるけど実際は経験していない、なかなか経験できないものがインターネットで経験できる」というのは、とてもいいインターネットの使い方だと思います。
この企画は誰かが送らないと始まらない仕組みなので、「こんなことを発信するといいですよ」というサンプルが豊富にあると送りやすくなりますし、受け取る人も増えるので、さらに利用されると思います。ただ、制限をかけ過ぎるとサービスが大きくならないという弱点にもなりかねないので、うまくバランスを取っていくと、よりいい企画に仕上がっていくと思います。

時間もお金もないけど、有意義に遊びたい! をかなえる:Yahoo!トコトコ(安田学園高等学校 チーム名:ハチカゼ)

アップデートしたいサービス:Yahoo!トラベル(連携サービス:Yahoo!マップ、Yahoo!乗換案内)
サービスの目的:
遊ぶ場所や費用、時間に困っている人たちがもっと気軽に、簡単に行き先や場所の選択肢を増やし、新しい体験ができるようにしたい。

Yahooトコトコの3つの特徴
1)行った場所を記録できる
以前のプランをそのままアプリ内のカレンダーに記録しておける
2)ユーザー同士でコミュニケーションを取れる
自分のプランをユーザー同士で共有でき、他のユーザーのプランをフォロー、イイネ、コメントできる。ほかのユーザーのお薦めを参考に、新しいスポットを見つけやすくなる
3)企業提携によるメリットがある
スポットを掲載することでその企業だけの宣伝よりも人が集まりやすくなる。ヤフーには新しいスポットの情報を手に入れられるのに加え、広告掲載費用も得られるというメリットも

隼田 正洋(Yahoo!トラベル サービスマネージャー):
今日提案いただいた、大まかな人数や時間、場所からおすすめプランを提案するというのは、これまでは旅行会社の窓口でやってきたことですよね。でも、これはインターネットでやろうとするとすごく難しいのです。
ですが、そういうニーズがあるのなら、希望の条件をインターネット上に入力して、旅行会社の人がウェブ上で条件を確認してプランを作って回答することもできそうだと感じました。私たちもぜひこういうニーズに応えていきたいと思います。

田口 雄毅(企画デザイン本部 部長):
設定した課題の共感度、サービスとの親和性がとても高くて参考になる内容も多かったので、わくわくしながら聞きました。最初の検索だけで提案が終わるのではなく、実際に遊びに行くところで、Yahoo!マップやYahoo!乗換案内を使うという、遊び終わるところまでの全体の体験まで考えられているのがとても良かったと思いました。ユーザー同士のコミュニケーションについても、使う人の発見を手助けする機能として考えられていたので、そこも素晴らしかった点です。また、テーマの設定という条件の絞り込みは、ありそうでない機能だと思いました。

設定する項目が多いので、たとえば何回か検索したら、その内容をトコトコが覚えておいて「今日あなたはこういうところへ行きたいのでは」と提案してくれるなど、2回目以降の利用シーンも考えてみてください。
また、「お金や時間、行きたい場所がない」とどれぐらいの人がそう思っているのかアンケート結果もあわせて提案すると、より説得力が増し、聞く人も納得しやすくなると思います。

世代をつないだ「リバースメンタリング」を実施してみて

IT人財育成を担当している小谷、竹安、宮本に、クエストカップ、リバースメンタリングで感じたことを振り返ってもらいました。

竹安:
クエストカップでは、ヤフーの課題に取り組んだ中高生の授業にヤフーのボランティア社員(以下 Yahoo!アンバサダー)が参加してフィードバックする機会があります。参加したYahoo!アンバサダーからは、大人にはない中高生の新鮮な視点や、価値観、斬新とも言える柔軟な企画に驚いたという声が寄せられました。

宮本:
Yahoo!アンバサダーは、中高生と直接関わったことで多くの刺激を受けたようです。どんな立場でも、入社何年目でも、誰でも、必ずそれぞれの立場で気づきが得られる機会になると感じました。
普段なかなか関わることのない世代の価値観を知りたいと感じている社員には、特に良い刺激になったのではないかと思います。

小谷:
まだ社会に出ていない中高生だからこそ、企画に制限をかけることなく自由に発想できるのだろうと感じました。私たち大人は、ここまで突き抜けた発想はなかなかできなくなっていると実感しました。
クエストカップの審査に参加したYahoo!アンバサダーへのアンケートでもそのような感想が多く寄せられました。また、「普段の自分のままで中高生の役に立てる」と感じられることが、モチベーションアップにもなっているようです。

Yahoo!アンバサダーの声
・真剣にサービスを考えてくれる学生たちの視点が刺激になった
・中高生がサービスを使いたいと思うきっかけなどのヒントを得られた
・新たなサービスの芽を見つけられた
・自分たちが考えてもみないような自由な発想に触れる機会になった
・良い意味で型にはまらず楽しむことも大切だと気づいた

竹安:
クエストへの参加をきっかけに、「中高生とヤフーがお互いに支え合うこともできるのではないか」と考えるようになり、台湾のデジタル大臣オードリー・タンさんが取り入れたリバースメンタリングを思い出しました。
ヤフーは、老若男女にご利用いただいているサービスなので、そこに若い世代のアイデアが入ることで、新たな視点を得るきっかけにもなったらいいなと思い、サービス担当者へのリバースメンタリングとして企画しました。

担当者たちからは、「未来世代の感覚を知ることができた」「どこに課題感を持つのかがわかり興味深かった」「事業状況や売上などに捉われず素直な課題解決方法を提示してくれているのでアイデアが小さくならないのが良かった」などの声があり、良い刺激を受け取ってもらえたと感じています。

また、今回リバースメンタリングMeet-upに参加した中高生からは、「企画を直接サービス担当者に提案できてうれしかった」「企画を練り上げられた達成感があった」「広い視野を持って考えることの重要性を知った」「この経験を生かして、もっと挑戦していきたい!」などの声をいただきました。
ヤフーが目指している「新しい何かに挑戦する」きっかけを楽しみながら、それぞれの「何か」に挑戦してもらえたのではないかと感じています。

クエストへの参加、そしてリバースメンタリングMeet-up!の実施は、ヤフーの人財(企業人)と、未来に向かって今を感じながら生きている中高生の交流により、双方がそれぞれ新たな何かに挑戦するきっかけを生み出せたと思っています。

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