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企業情報

2022.12.15

人流データの利活用と知的財産の取組み

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ヤフーは、「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」というミッションのもと、インターネットを活用することで人々の生活における利便性をより高めることを目指し、多種多様なサービスを展開しています。
また、ヤフーのサービスを多くのユーザーやパートナーに安全安心に利用いただけるようにするため、特許や商標、意匠を中心とした知的財産ポートフォリオ(※1)の構築と活用に注力しています。

※1 知的財産ポートフォリオ:
企業(出願人)が出願・保有する特許網。特許件数や技術分野、製品分野、出願・登録年別などで分類することで、経営戦略の策定や、競争力の評価に役立つ。

今回は、ヤフーの注力領域であるデータ・AI(人工知能)分野における知的財産の取組みをご紹介します。

ヤフーの位置データ利活用 ~人流データ分析~

政府による「経済財政運営と改革の基本方針2022(通称:骨太方針2022)」でも、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が重点投資分野とされるなど、ビッグデータ活用を含むデジタル化は課題解決と経済成長に不可欠な要素となっています。

近年、新型コロナウイルスの感染拡大により人々の行動様式が大きく変化する中で、人流データへの注目が高まっています。
人流データとは、人がいつどこに何人いるのかを把握できるデータのことで、防災やまちづくり、観光などのさまざまな分野における活用が期待されています。
人流データの活用は、国土交通省が「人流データ活用拡大方策検討会」での検討を通じて、今年「地域課題解決のための人流データ利活用の手引き」(※2)を公表するなど、今後の活用の可能性が期待されている分野です。

※2 国土交通省「地域課題解決のための人流データ利活用の手引き」(外部サイト)

11月8日、幅広い分野でのデータ活用事例や展望を語るオンラインカンファレンス「Yahoo! JAPAN DATA CONFERENCE 2022 Autumn」を開催。
「DS.INSIGHT Place」の新機能として、人流データを分析する「施設来訪者分析機能」の詳細を発表しました。

施設来訪者分析機能とは?

商圏分析(※3)の一機能として提供する「施設来訪者分析」は、利用許諾を得た1000万人以上のGPS位置データとYahoo! JAPAN ID登録情報をもとに統計化した人流データを分析できる機能です。
ユーザーは、調べたい店舗・施設名を入力するだけで、4つの切り口から来訪者を分析することが可能です。

※3 商圏分析:
国勢調査データなどの統計指標や顧客データを活用して、自社店舗や出店候補地周辺の市場ボリューム、地域の特性を把握するために行う分析のこと

1)店舗・施設へ来店した人々がどのエリアから来ているのか、どのエリアに居住しているのかがランキング形式でわかる「商圏エリア」

2)店舗・施設へ来訪しているユーザーが他にどのような店舗・施設へ訪問しているか、その導線がランキング形式でわかる「店舗外行動」

3)店舗・施設の来訪者数と性・年代がわかる「来店者数」

4)店舗・施設への来店頻度がわかる「来店頻度」

従来のPOSデータ(※4)だけではわからない、来訪者の数や属性、居住エリアやリピート数を分析できます。さらに、自社では取得できなかった競合他社や他業界の来訪者情報も確認が可能です。
※4 POSデータ:
Points of Salesの略。レジでの商品販売時に記録される、購入商品・個数・価格・店舗・時刻などのデータのこと。

参考)ヤフー・データソリューション、飲食店やスーパーなどの小売店を対象とした、店舗の人流データ分析機能「施設来訪者分析」を年内に提供開始(プレスリリース)

人流データ分析に関連する特許

施設来訪者分析を含めたDS.INSIGHTの各種機能は、知的財産権(特許権・意匠権)で保護されています。

特許事例 特許第6702626号

コンテンツの閲覧要求情報と、閲覧要求した際にユーザーが位置するエリア情報をもとに、そのエリアにおけるコンテンツの内容に対する需要を予測する特許です。
ユーザーが「どこで」「どういう情報の閲覧要求をしたか」の情報をもとに、そのエリアにおける需要を予測する特許です。

たとえば、「街中のとあるエリアで、塩ラーメンについて多く検索されている」「みそラーメンも検索されているが、塩ラーメンよりも少ない」ことがデータから判別できた場合、そのエリアでは「みそラーメンよりも塩ラーメンの需要が高まっている」と予測し、分析結果として表示することが可能です。
また、エリアごとに需要を予測するだけでなく、昼・夜の時間帯ごとにも需要を予測します。これにより、店舗のオーナーやマネージャーはメニュー戦略を検討したり、今後の出店計画などの参考にしたりできます。

特許第6702626号

地図上に一定期間の人の数や商店の数の大小を色で表現したヒートマップを表示し、エリアごとの人流データ分析(商圏分析)を行う技術を特許にしたものです。

利用者は、ヒートマップ上の分析したい色(レベル)を選択すると、そのレベルを有する地図上の区画を分析対象として設定でき、簡単な操作で分析対象を絞り込んでいくことが可能です。
また、分析対象とする人の属性の指定、分析対象とする期間の指定も可能です。そのため、地図上の区画における居住者や、施設の来訪者数の推移を属性に応じて直観的に把握できるようになります。
※本特許は実際にDS.INSIGHT Place で実装されています。

ソリューションパートナー向けに特許を無償提供

ヤフーでは、さまざまなシーンでYahoo! JAPANのビッグデータを活用いただき、より多くの企業や自治体の課題解決につなげることを目的として、2022月11月より「ソリューションパートナープログラム」を開始しました。
このプログラムでは、ソリューションパートナー限定で、Yahoo! JAPANが保有するデータソリューション関連の100件以上の特許を無償で提供します。これにより、特許技術を小売店向けのソリューションに組み込んで提供するなど、ソリューションパートナーの皆様にデータ活用ビジネスを展開していただくことが可能になります。

ヤフーとしても初めての取組みで、ビジネスパートナーにご利用いただくことで、ビッグデータの利活用がより一層促進されることを願っています。

今後もお客様にサービスを長くご利用いただき、またビジネスパートナーのみなさんにも安心して連携・協業いただくため、知的財産を活用する取り組みを進めてまいります。

【関連リンク】

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