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2022.11.21

会社員と動画クリエイターの両立 「自分らしい企画」の発想とアウトプットのポイント

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世の中に向けて何か情報発信を行う場合、誰でも気軽にできるため、自分の強みをどう認識して、自分をどう表現するか。そして、他者とどうやって差別化をするか。
Yahoo!知恵袋のウェブフロントエンドの開発リーダーを担いながら、プライベートでは動画クリエイターとして活動している森本に、心がけているポイントなどを聞きました。

    目次
  1. 他者との差別化や自己プロデュースにおいて、どんなポイントを意識しているか
  2. 自分らしい企画の発想術 自分の強みや弱みをどう捉えて、アウトプットにつなげるか
  3. 会社員とYouTuberの両立で大変なこと 仕事のプラスになったこと
  4. 若い世代とのコミュニケーションで意識していること
  5. オンラインコミュニケーション、ZoomのTips
森本恭平(もりもと きょうへい)
2014年ヤフー入社。現在はヤフー知恵袋のウェブフロントエンド開発リーダー。全社のウェブフロントエンド技術の取りまとめやデザインシステム構築などに携わっている。

他者との差別化や自己プロデュースにおいて、どんなポイントを意識しているか

まだスタートして4年ほどですが、YouTuberとしても活動しています。主にパソコンや周辺機器、スマートフォンなど、お気に入りのガジェットをウェブエンジニア視点で紹介する動画を制作しています。
制作の際は、主に以下の3つのポイントを意識しています。

1)1秒でわかる「ギーク感(オタク感)」

まず1つ目は、パッと見て1秒でわかるオタク感というか、ギーク感です。最近、「タイムパフォーマンス」という言葉をよく聞くように、ユーザーの判断スピードはどんどん速くなっています。
YouTubeではまさに1秒の勝負になるため、まずは1秒で「私がどんな人で、どんなチャンネルなのか」端的に伝わるよう工夫しています。

2)大人の男性がメインターゲット

2つ目がメインターゲットです。私と同じくらいの30から40代の男性、落ち着いた大人の方をイメージして動画を制作しています。具体的には、派手なテロップなどを使わず、場面をガチャガチャと展開させないことを心がけています。
その一方で、大人が子どもの頃に持っていたガジェットに対する憧れやワクワク感、無邪気感みたいなものも大切にしています。ここはねらい通りのターゲット層ともフィットしているのか、コンバージョン率から見ても良い結果につながっています。

3)回数を重ねながら改善していく

3つ目が、長期的に回数を重ねる作り方です。いきなり結果を求めず、回数を重ねる中で、改善を繰り返して、長期的なスパンで、自分なりのチャンネルにしていこうと試行錯誤しながら制作しています。

この3つを意識しながら、撮影も編集も全て、自分でやっています。制作しながら覚えたり、修正したりしていったので、制作を始めるまではカメラの使い方もわからなくて、一から覚えました。

編集は「Final Cut Pro」というソフトを使っています。初期の頃は起動して、「さあ、どうしよう?」という状態でしたが、「習うより、慣れろ」という感じで覚えましたね。
他の配信者と同じことはできないと思っているので、他のチャンネルは意識せず、参考にしたり、まねたりということもしていません。約4年続けてやっと、自分らしいチャンネルになってきたという手応えがあります。

YouTubeで公開している動画の1シーン

自分らしい企画の発想術 自分の強みや弱みをどう捉えて、アウトプットにつなげるか

他でもよく聞く発想法かもしれませんが、私は掛け合わせで企画を考えています。
このチャンネルは、私が好きなガジェットを紹介したいというところから出発しました。
リサーチをしてみたところ、ウェブエンジニアでそういうことをしている方はまだいなかったので、エンジニアの視点で紹介しようと思いました。つまり、「ガジェット好き×エンジニア」という掛け算です。

スタートした2018年当時は、ハードウェアとソフトウェアが連携して高い価値を生み出すものが増えたタイミングだったというところもあります。発売されるガジェットというハードウェアをウェブエンジニアというソフトウェア的な視点で解説できそうだなと考えました。
さらに、見てもらいたい対象を自分と同世代の大人「ガジェット好き×エンジニア×大人の男性ターゲット」に設定しました。今度は、3つの掛け合わせです。
このように、自分が得意なもの、好きなものについて時間をかけて、少しずつ探っていきました。

強みは「サラリーマン」であること

また、最初は気づかなかったのですが、サラリーマンであることは結構強みになったと感じています。YouTuberはたくさんいますが、働いている経験のある方、現役の方は、あまりいないように感じています。
私の動画ユーザーは会社員が多いので、会社員としての知見も生かしながら、ユーザーの課題を解決できると共感を得やすいのかもしれません。

「笑い」を取るのは苦手

私は基本的にテレビを見ないので、バラエティー番組のような演出はできません。笑いを取るタイプでもないため、いわゆる「笑い」を取る動画を作ることはあまり得意ではありませんが、できないことを認識して、どこで勝負するかを考えることは大事だと思っています。

アイデア出しはあえて「紙のノート」で

頭の中を整理したり、アイデアを出したりしていく際は、紙のノートで書き出していきます。気になっているキーワードをどんどん出していって、そこからピックアップしていく流れです。
パソコンで文字やキーワードを打つときは予測変換もあり、一瞬です。でも、紙のノートで書こうとすると数秒かかります。その時間で思考がめぐるので、あえて時間をかけるその過程が大事だと感じています。人に聞いてもらったり意見を求めたりする方法もありますが、私は自分だけで判断しています。

会社員とYouTuberの両立で大変なこと 仕事のプラスになったこと

週に2本くらいの制作と公開ですが、全然苦にならず、楽しくやっています。
無理なくやれる予定表を作って、制作日は「今日は絶対に早く退勤するぞ」と意識して、朝から仕事をします。

動画を制作するようになり、「どう伝えたらより相手に伝わるか」より考えるようになったことで、プレゼンスキルが確実に向上したと感じています。
社内で何か自分の企画や要望を通したい時などに、「絶対この言葉を言えばこの人は口説ける(説得できる)」ということが見えてくるようになりました。

また、動画で紹介している仕事を進める上でのTipsなどは、会社員としての経験が生かせているのを実感します。見てくれている方の役に立っているという感覚もあって、モチベーションにつながっています。自分は、説明を端的にまとめるのが好きだと実感し、そこをさらに強化できたのも、動画クリエイターになってよかったことですね。 他の方のYouTubeは、あえて見ないようにしています。他者と話し方が似てしまうかもしれませんし、自分にはまねできないことも多いので、そこに時間を割くのはもったいないと感じます。
毎週予定通りに、ちゃんと新しい動画を出すこと。それを一歩一歩進めていくことが大事だと思っています。再生数は後からついてくるはずなので、後から振り返るスタンスです。周囲に引きずられてしまうのは良くないなと感じています。

これからも「かっこよく製品を撮って、紹介すること」をやり続けたいと思っています。
見返しながら修正していく、そういう反復練習みたいなものが重要なのかなと。撮影手法の専門用語で、「B-Roll(※)」という撮り方が私は好きで、以前からよく使っています。
でも、日本人は基本的にB-Rollを撮らないため、「やめてほしい」なんて反応もありましたが、続けた結果、自分の個性になったと感じています。
やはり「やりたいこと」は続けやすいですね。「好きなものにこだわり続けること」が自分の個性だと感じますし、今後もブレずにやっていきたいと思います。

※B-Roll(ビーロール):
本来は「サブカット」の意味。A-ROLL(メイン映像)にプラスアルファで入れる映像のこと。本編の動画に補足的に加えることで、映像にメリハリをつけるなど、本編をより魅力的にみせる効果もある。

若い世代とのコミュニケーションで意識していること

若い方と社内やSNSなどで接するときはなるべく、相手の脳に負荷をかけない存在になるように意識しています。(私が)年上ということで、威圧感があるような、相手を萎縮させてしまう存在になりたくないからです。
また、自分のキャラを最初から見せることで、「この人は、こういうキャラなんだ」というのがわかれば、相手もコミュニケーションを取りやすいのではないかと思っています。

Z世代のみなさんは「早く答えがほしい」と思っている人が多い印象です。それを踏まえて答えると理解が早いですね。これは世代を問わずコミュニケーションの基本ですが、良いところを積極的にほめることを意識しています。
ただ、「アウトアップに意識が向きすぎている」と感じることもあるので、そういうときは「インプットが大事じゃないかな?」と話すことも。スピード感を大事にするあまり、努力する過程を飛ばしたくなってしまう人も増えているように感じます。

たとえば、ダンス動画がはやっていますが、クオリティーを上げるためには当然、練習が必要ですよね。自分の見え方を含めて、冷静に判断して、時には、「冷酷に」見つめる必要もあるかなと思います。つまり、できないことを理解するということです。
その上で「ここなら勝てる」というところを見つける努力をするのが「インプット」の時間です。

どのようなことでも習得するには、ある程度の時間がかかるものです。効率とは努力の量を減らすことではなく結果を出すまでの時間を早めることだと思います。結果を出すまでの効率をいかに上げていくか、という視点でアドバイスをしています。

もちろん、彼らの思考パターンも理解できます。特に、動画の世界にいるとそういう思考になりがちです。たとえば、憧れの人たちが、毎日のようにライブ配信していて、投げ銭すると直接自分の悩みに即答してくれることもあるわけです。スピード感が早く、焦りも感じてしまうのかもしれません。
SNSを見ると憧れを抱きたくなるような人がたくさんいて、それらの方が様々なアドバイスをしています。それら全部を自分でもやろうとするとアウトプットが過多になり、苦しくなってしまうのではないでしょうか。
何かにチャレンジするとき、きっかけは憧れの人でいいと思います。でも、そこからは、自分には何が合っていて、どこに時間を使うかという「自分との戦い」です。

「世の中」というマスの評価ではなく、自分が信頼する人たちからSNSを通じて1対1で認められる方が承認欲求を満たされるというように、心の満たされ方が変わってきているのを感じます。

オンラインコミュニケーション、ZoomのTips

若い世代のみなさんの方がZoomは使いこなしている印象がありますが、たまに聞かれて、喜ばれたTipsをいくつか紹介します。

1)聞くのが中心の時はiPadやスマホを使うと快適

もしお持ちであれば、聞くのが中心のオンライン会議はタブレットかスマートフォンを使うことです。Zoomはよく重いと言われているので、こうすることで、PCの作業効率を落とさずにすみます。

2)自分にあった音質を設定する

ほとんどの方が、最初にデフォルトで設定されている音質の「自動」で使っていると思いますが、実はZoomではいろいろと設定の調整ができます。たとえば、お子さんや、ペットなどの声が気になる場合は「高(タイプ音、犬の鳴き声)」にすると少しだけ音質が良くなります。設定の「オーディオ」→「背景雑音を抑制」からできますので試してみてください。

3)画面共有時、Shiftキーを押せば複数画面を展開できる

画面共有する際に、Shiftキーを押すと複数の画面を共有できます。また、デスクトップの一部だけ表示したい場合、詳細から範囲設定を選ぶとその範囲だけ共有できます。ぜひ、活用してみてください。

ZoomのTips
1:聞くのが中心の時はタブレットやスマホを使うと快適
2:自分にあった音質を設定する
3:画面共有時、Shiftキーを押せば複数画面を展開できる

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