ななめ会議では、ファシリテーターが参加者に、対象者について「知っていること」、「続けてほしいこと」、「やめてほしいこと」、「やってほしいこと」の4つの質問をしていきます。
「ななめ会議」でチームビルディングを高めるための4つの質問 で出てきた、上司にやめてほしいことは「たまに寝ぐせがすごいことがある」でしたね。
でも、本当にそれだけなのでしょうか…? 前回からの続きです。

ななめ会議では、上司に「やめてほしい」ことはなかなか出てこないことも多くあります。
こんなときこそ、ファシリテーターの腕の見せどころ。
ななめ会議の質を左右するといっても過言ではない、重要な役割を果たすファシリテーターにおすすめなのは、以下のような人です。
1)隣のチームの管理職
その組織でやっていることや、その上司のパーソナリティーもある程度知っていることが多いと思いため、そのような人がファシリテーションを行うことで参加者の発言のハードルが下がることも。
2)部門付の人事担当者
ヤフーでは、その部門の人事担当者がファシリテーションを担当することも多くあります。
部門の人事担当者も、その組織が何をやっているか、メンバーがどういう人たちなのかもある程度知っているからです。
このマンガのファシリテーターのように、メンバーの心の声が聞こえたら楽ですが、現実はそうはいきませんよね。
そのため、たとえば発言してくれそうな人をまず指名して、回答しやすいよう誘導してみましょう。そうすることで、他のメンバーからも発言が出やすい空気になるかもしれません。
どうやら、このチームのメンバーは上司に対して、
「意見なのか、指示なのかがはっきりしないことがあって、困ることがある」
「大事な会議なのにドタキャンが多い…」
など、仕事を進める上で課題に感じていることがあるようですね。
ただ、
「こんな風に思っているのは自分だけかもしれない。みんなの前で言うのはちょっと…」
「あとで上司に伝わるし、無難なことしか言えないよね」
などと感じているのか、沈黙の時間が流れています。
そして、「自分から発言するのはちょっと…」と全員が思っているようです。
ななめ会議では、メンバーもいる中で発言しなければいけないこと、そしてその内容があとで上司本人にフィードバックされるとわかっていることもあり、ネガティブなことはなかなか言えませんよね。
ですが、「ななめ会議」では、上司にとって耳の痛い内容もしっかり伝えることがとても大切です。
また、ななめ会議で出てきた意見をそのままフィードバックするわけではありません。
ここで出てきた意見を、正しくフィードバックできるよう「何をどのように伝えるか」を検討する時間もななめ会議では設けられます。そのため、この場ではいったん、「やめてほしいこと」を率直に伝えてもよいのです。
ただ、その内容は、上司にとって改善できる材料になっていることが大切です。
たとえば、口下手な上司に「話すのが下手」ということだけ伝えても、本人が傷つくだけになってしまいます。
このような場合は、たとえば「もう少し情報を足して話すことを意識してもらえるとより意図が伝わります」などの「提案型」のフィードバックを心がけてみてください。
【関連リンク】
- 上司と部下の相互理解を深める「ななめ会議」 ファシリテーションとフィードバックのコツ(コーポレートブログ)