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2022.11.02

男性育休を取る? 取らない? 決断した理由【男性育休を考える】

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「多様性」について改めて考え、一人ひとりが行動するきっかけを提供する社内イベント、「ダイバーシティ&インクルージョンdays」(D&I days) の提供コンテンツのなかから「男性育休を知る・考える  先輩×後輩社員 de 男性育休クロストーク」の内容をご紹介します。

まず、スリール株式会社の堀江さんによる男性育休に関する法改正の背景や男性育休取得についてレクチャーいただきました。
<前編>キャリアや生活、企業における男性育休のメリットとは【男性育休を知る】

この記事では、男性育休取得経験があるパパ社員、育休を取らずに子育て中のパパ社員、これから結婚予定の男性社員が、育休・育児のリアルについて語り合った内容を再構成してお届けします。

講師・ファシリテーター

堀江 敦子(ほりえ あつこ)さん
スリール株式会社 代表取締役社長
2010年にスリールを設立。法人向けの女性活躍・DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進・研修・コンサルティング、行政・大学向けのキャリア教育を展開している。内閣府 男女共同参画会議専門委員、厚生労働省 イクメンプロジェクト委員などを経験。著書に『新・ワーママ入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。立教大学大学院経営学研究科(博士前期課程/リーダーシップ開発コース)修了。

座談会参加者

林 啓太(はやし けいた)
2005年新卒入社。現在は執行役員、パパママプロジェクト(※)のスポンサーでもある。もうすぐ4歳になる娘が1人いる。来年度から幼稚園に入園するため、引っ越しを計画中。
※パパママプロジェクト:
ヤフーのダイバーシティの推進、働きやすい社内風土の醸成を目的に、有志を中心とした以下の6つの社内プロジェクトを執行役員がサポートしている。
パパママプロジェクト(育児・子育て)、女性の健康支援プロジェクト(健康)、ウーマンプロジェクト(女性の活躍)、レインボープロジェクト(LGBTなど性的マイノリティー)、ノーマライゼーションプロジェクト(障がい者)、グローバルプロジェクト(外国籍社員)がある。
齋藤 直人(さいとう なおと)
2017年新卒入社。プッシュ通知プラットフォームの開発を担当。
1歳の息子がいる。夫婦共働き。育休から仕事復帰して約半年になる。
石黒 奎太朗(いしぐろ けいたろう)
2018年新卒入社。インターナルコミュニケーション室で動画社内報の発信などを担当。つきあって9年になる彼女とそろそろ結婚したいと思い、今年3月に大阪に移住。

子育てしながら働く男性社員の1日のスケジュールは?

わが家は子どもが一番起きるのが早く、6時から7時に妻と自分を起こすところから1日が始まります。ただ、今はリモートワーク中心の働き方なので、あまりばたばたせずに仕事をスタートできています。

日中はオンライン会議が多いので、仕事部屋にこもりっぱなしの日もあります。ただ、昼食や夕食はできるだけ3人で食べられるよう調整しています。業務終了後は、夕飯のあとに子どもとお風呂に入るのが自分の役割で、分担しながらやっているという感じですね。子どもは18時半ぐらいから夕飯を食べるので、自分もできるだけ19時にはいったん業務を終えて一緒に食べるようにしています。

<ある平日のタイムスケジュール>
6時:子どもが起床
仕事
12時:家族で昼食
仕事
19時:家族で夕食
20時~:子どもとお風呂

わが家も、平日は6時半までに子どもが一番に起きるので、それを合図に朝はばたばたと、夫婦それぞれ出勤の準備と子どもの保育園の準備をしています。私は保育園の送り迎えをしているので、登園の準備と朝ご飯をあげるのが、朝は一番時間を使っているところかなと思います。1歳になり、だんだん私たちと同じご飯が食べられるようになってきました。一緒にご飯を食べる時間は、子どもとの交流を深められる大好きな時間です。

保育園に送ってから8時半ぐらいから仕事を始めて、17時半ぐらいに退勤して保育園の迎えにいくというスケジュールで、チームメンバーに協力してもらいながら働いています。
子どもを迎えに行ってからは、夕食の準備をして家族3人で食べます。夕食後は子どもをお風呂に入れて、21時ごろに子どもは布団に入ります。夕食とお風呂は夫婦交代で担当しつつ、寝かしつけは私が主に担当しています。
ひととおりの家事や育児が終わって、やっと夫婦の時間が持てるのが21時ごろ。17時半から21時まではノンストップという感覚です。

<ある平日のタイムスケジュール>
6時半:子どもが起床
7時:朝食、保育園の準備
8時:保育園へ送っていく
8時半~:仕事
17時半:退勤
18時:保育園へ迎えに行く
19時:夕飯
20時:お風呂
21時:寝かしつけ(一緒に寝落ちしてしまうことも…)
21時~:夫婦の時間、自由時間

忙しいですね! 自分は独身生活が結構長いので、「あれ、ひとりの時間はいつあるんだろう?」と思いながらおふたりの話を聞いていました。

たとえば妻がマッサージに出かけるときに自分が子どもと一緒に過ごしたり、自分は趣味のゴルフの練習に夜、家族が寝てから行ったり、やりくりしながら時間を調整しています。

ただ、突然そのような予定を組むのは難しいので、共有カレンダーで、あらかじめ「この曜日にこういうことをしたい」というのはお互い言えるように日頃からこまめに話していますね。

私も、趣味の時間や1人の時間をあまり取れなくなったなという感覚はありますね。もうちょっと取りたいですが、今だと平日30分ぐらい、寝る前に本読むなどの時間が取れているくらいでしょうか。家族と一緒に過ごす時間がほとんどになったなという感覚です。

たまに友だちとオンラインでゲームをしたいときなどは、「この時間だけ子どもを見ていてほしい」とお願いして時間を取らせてもらっています。わが家もカレンダーで予定を共有しているので、事前に伝えて、大丈夫そうだったら、入れておくという感じです。子どもを寝かしつけたあとの2人の時間にそのような話もしていますね。

男性育休を取る? 取らない? 決断した理由

では、育休取得についてもおうかがいしたいと思います。
林さんは、育休は取得されずに育児に関わっていらっしゃって、齋藤さんは5カ月間の育休を取られたということですが、そのように決めた背景を教えてください。

2018年に子どもが生まれたので、当時はまだコロナの影響もなく、基本的に100%出社という形でした。当時はすでにサービス責任者という立場もあったので、まとまった休みを取るというところは、今に比べると「その発想がそもそもなかった」というのがリアルなところです。

妻が里帰り出産だったので、生まれてから2、3カ月は実家で両親のサポートを受けていたので、週末に自分が妻と子どもに会いに行くという形で、育休は取りませんでした。

私は育休を去年2021年8月から今年1月まで5カ月間取りました。取る前の正直な気持ちとしては「取って大丈夫かな」。ですが、「取らないとやっていけないんじゃないかな」という感覚もありました。
取得前は、育休についていろいろ調べました。IT業界には育休取得者がかなり多く、いろいろな方がブログでアウトプットもされていたので、取ったらどういうイメージになるのだろうと考えながら読みました。
最終的には、「仕事は他の人にお任せできるけど父親業は誰にも任せられない」と思い、育休を取るという決断をしました。

5カ月という期間にしたのは、子どもの夜泣きが落ち着いて、長く寝られるようになってくるのが4カ月くらいからと聞いていたからです。子どもは夜泣きするとは聞いていたのですが、実際、3時間ごとに起きるリズムだったので、それに合わせて起きていたら私も常時睡眠不足になってしまいました。仕事に合流するころには子どもも少し続けて寝られるようになっていました。

育休取得中は夫婦で交代しながら昼間に少し休むこともできますし、お互い助け合えるかなとも思ったのですが、結果、5カ月という期間は正解でした。

おふたりの話を聞いていたら、育休を取れそうだと思えました!
もう一つ、先ほどの堀江さんのお話にもあった「パパスイッチ」についてですが、おふたりが、育休を取ったり、働きながらできるだけ育児にも関わったりしようと思えるきっかけやタイミングについて、教えてください。

スイッチが入ったのは出産後に妻が病院で入院している期間ですかね。当時はコロナの影響もなく病院に行きやすかったので、出産後に5日間ぐらいお休みをいただいて、妻と同じ病室で5日間泊まりました。

そのときに生まれた直後の子どもを近くに見たとき、「ここからの成長スピードはものすごく速いだろうな」と思いました。この先の人生の中でも、小さいときの子どもの成長はそのときしか見られないとも思ったので、積極的に育児に参加したいという思いが強くなったと思います。

将来子どもが産まれるときは絶対、出産に立ち会おうと思いました!

妊娠がわかったときは、正直ほとんど実感がわきませんでした。でも、安定期に入って妻のおなかが大きくなっていくのを見ながら、少しずつ「パパになるんだな」という実感がわいてきました。そのときの気持ちが、育休を取ろうと決めたときの後押しにもなったと思います。

私も生まれる瞬間に立ち会うことができたので、そのときに本当に、「パパになった」という実感が湧いて、「家庭のために頑張ろう」と強く思いました。

育休を取ったことは、どのように仕事に生きた?

おふたりが育児に関わる中で、仕事にも生きたと感じていることはありますか?

エンジニアという仕事をしているからかもしれないですが、他のチームメンバーでも同じことができないと、たとえば人員が入れ替わったときに困ってしまいます。そのことが本当に夫婦生活にも子育てにも通じていると思いました。

たとえば、妻が風邪で寝込んだときに、どうやって離乳食を作ればいいのかわからず困りました…。これまで一緒に子育てをやってきたはずだったのですが、細かいところで「(妻は)どうやっていたんだろう」とわからないこともありました。
このときに、子育てに関してお互い、相手が普段担当していることをできないといけないなと強く感じたので、仕事を進める上でも「いつ誰がどうなってもいいように」すごく意識するようになりました。

仕事でも育児でも、チームワークやタスクマネジメントが大事だと改めて実感しましたね。また、立てたスケジュールが思いどおりにいかないことも多いので、事前に準備時間を考えるなど、仕事の時間管理にも子育ての経験が役立っていると思います。

子どもは自分でできることの範囲が小さいので、日々の変化に対応していくという、サポート力がすごく必要だと思っています。そこで焦らずに対応するとことは、子育て中は頻繁に起こるなと感じました。

そして、仕事でも全てが思いどおりにいくことは少ないと思うので、何かイレギュラーなことが起きたときに、「ちょっとやそっとのことでは慌てない」という感じの構え方はできるようになったかなと思いますね。

また、子どもが小さいうちは、言葉もしっかり通じ合うわけではないので、まずはやっぱりちゃんと聞いてあげることを心がけています。マネジメントは、やっぱりまず相手の気持ちを考え、言葉を聞いてというところから始まるということを改めて感じた気がします。

今後、自分が育児と仕事をどうやったら両立できるのか、まだあまりイメージができていないのですが、おふたりが両立をするために意識されていることを教えてください。

子育てをしていると日々変化がありますし、予期せぬことも起きるので、コントロールしようと思うと逆に難しいと思います。その起きたことに対して、いかに会社の皆さんにそれを共有して理解してもらうか。逆もしかりで、仕事で何かトラブルが起きているときは「どうしても手が離せない」と家族に理解してもらう必要があります。
育児も仕事も、「思いどおりにいかない部分もある」という理解を職場でも家庭でも進められるといいのではないかと思います。

今は特に、リモートワーク中心の働き方ということもあり、雑談や近況報告のときに、「実はきのうから子どもが熱出ていて」などとこまめに話すようにしています。
たとえば、勤怠連絡では「子どもの体調不良で」と連絡して終えるのではなく、できるだけ普段から育児の状況についても言いやすい関係性でいることがとても大事なのではないかと思います。

育休を取得する際には、妊娠がわかって3カ月くらいの時期に上長に育休を取りたいと伝えました。そのときに、育休取得したメンバーが隣のチームにいるよとつないでいただくなど、上司からウエルカムだよ、という反応をもらえたことがとてもありがたかったですね。その後、チームメンバーにも「ここからここでちょっと休ませてもらう予定です」と伝えて、だんだんと準備していきました。

復帰後は、朝と夕方の決まった時間に保育園の送迎があるので、そうなるとわかった1カ月前ぐらいにチームメンバーに伝えました。また、たとえば子どもが突然体調不良で仕事を休むことになったら、今日やる予定だった部分の続きは私が翌日やるのか、誰かにお願いするのかはっきりと伝えるようにしています。

育休を取るのか、そして復帰後に育児をしながらどのように働くのか、具体的なスケジュール感も伝えてもらえると、受け手としても、「なるほど、そういうふうに取っていくのね、こういうふうに業務をやっていくのね」と不安感がなく進めていけそうですね。

先ほど、林さんが事前に言っておく、受け止める準備をするところをチーム全体でつくっていくとおっしゃっていたのは、本当に重要な部分だと思いました。

子どもの成長スピードは本当に速くて、日々どんどん変化していきます。生後間もない間に育休を取って子どもとしっかり向き合う時間はかけがえのないものだなと感じました。
子どもの成長とともに変化する生活スタイルに適応するための、最初の準備期間という意味でも、男性も育休を取って、その間にしっかり子育てに慣れていくことは、経験としてすごく大事なのではないかと思っています。

そして、子どもが産まれて家族が増えたことで生活スタイルが変わっていくことに順応していくと、結果的にそれが仕事のパフォーマンスにもいい形で反映されていくような気がします。
積極的に育休を取りやすい環境と、取ったときに周りがしっかりサポートやフォローできるような職場にしていけるかということも、とても大切だなと思いました。

育休を取らなかったとしても、誰もが自分にとって子育てをしながら働きやすい形を探しながら、働き続けられるような変化を社内の中でもどんどん起こしていきたいですね。そういう動きに、今後も積極的に参加していきたいと思います。

最後に 人事責任者からのメッセージ

湯川高康(ゆかわ たかやす)
常務執行役員 CCO(チーフ・コンディショニング・オフィサー) 兼 コーポレートグループ ピープル・デベロップメント統括本部長

私たちが働き始めてから定年を迎えるまで多くのライフイベントがありますが、育児や子育てはその代表的なものの1つです。
ヤフーには、パートナーの出産に伴う出産休暇や育児休業をはじめ、仕事と育児を両立するためのさまざまな制度や選択肢があります。休業して育児に専念する、もしくは仕事を続けながら育児をするなど、みなさんそれぞれの状況に応じて制度を活用しながら両立を実現してほしいと願っています。

育児や子育ては、少なくとも約20年続く長いライフイベントです。ヤフーで働くみなさんが安心してキャリアもプライベートも両立していけるよう、応援しています。

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