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企業情報

2022.09.26

Zホールディングスのグループ会社が集結 24時間で作品を生み出す「Internal Hack Day 19」の受賞作品を紹介

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社内ハッカソン「Internal Hack Day 19」を8月6日から8月8日に開催しました。
これは、ヤフーの社内で開催してきたハッカソンイベントを、Zホールディングスグループの各社と合同で実施しているイベント。ZHDグループ会社のエンジニア、デザイナーの創造力向上、およびコミュニケーション増加のために行われています。24時間でアイデア作品を開発し、90秒で発表を行います。
Happy Hacking賞、LINE賞、ヤフー賞などを受賞したチームのメンバーに、今回の作品をどのように思いついたか、短時間で開発するために特に工夫したことなどを聞きました。

Happy Hacking賞:UPDATE お盆 / 大阪n

審査員:出場者および視聴者
審査基準:投票で最も多くの得票数を得た作品のチームに贈られます

UPDATE お盆 / 大阪n
少しでも速い精霊馬を作るために、家の冷蔵庫にある野菜の中で「どれが一番速い精霊馬になりそうかレース形式で判定」するサービスを作成しました。
使った技術:PixiJS/ Vite/ scikit-learn/ NumPy/ 画像の特徴色抽出による野菜判定

今回の作品をどのように思いついたか

私たちは、大阪のチームらしく「賞をとることよりも、おもしろいと思ってもらえる作品を作る」ことをポリシーに、「世の中ではやっているもの(や課題)」を「とにかくおもしろい方法で解決する」ためのアイデアを出し合っています。
今回は、「お盆の時期なので精霊馬で何か作れないだろうか」というアイデアと「競馬をモチーフにした育成レースゲーム」の二つを組み合わせてみました。その結果、Happy Hacking賞(最多投票賞)をとることができたので、とてもうれしかったです。

短時間で開発するために特に工夫したこと

【開発】
最初にプレゼンの流れを決めてから役割分担を分けました。全体はスタブデータ(テスト用のデータ)で大枠を動くようにして、各担当が作って完成したものを差し替えることで効率的に開発しました。
・少し試してうまくいかないものは、さっさとあきらめて他の手段を考える
・プレゼンやデモで説明しない機能に時間をかけない(作らない)
なども効率化のために意識しました。
【デザイン】
ユーザーがウマヤサイ(野菜をモチーフにした精霊馬のキャラクター)に愛着を持ってもらえるように、野菜のデフォルメと馬の動きの再現にこだわりました。キャラクター造形に時間をかけた分、レース背景画像などは色を変えて使い回すことで、作成時間の短縮を図りました。

アスクル賞:5秒ショッピング / よるがた

審査員:内山 陽介(アスクル株式会社 CTO)
審査基準:仕事場とくらしと地球の明日に「うれしい」 を届けられるサービスや価値を提供した作品に贈られます。

5秒ショッピング / よるがた
Core MLやMetal Shaderなどを使用した商品紹介動画を提供! ショート動画で多くの商品と出会ったり、 SNSなどで動画をシェアしたりできます。
使った技術:Metal Shader/ Core ML/ SwiftUI

今回の作品をどのように思いついたか

チームメンバーそれぞれの興味関心などからアイデアをいくつも出しました。
その中で、商品紹介をしているショート動画に関するアプリが面白そうと思い、アイデアが決まりました。
メンバーのスキルセット的にiOSアプリが一番早く形にでき、技術的にも実現できそうだったため、iOSアプリとして作りました。

短時間で開発するために特に工夫したこと

最初にやるべきことをMiro(オンラインホワイトボード)で洗い出して、完全に別々に作業できるようにタスクを分担しました。
お互いにそれぞれの作業をうまく進めてくれると信頼していたので、できるだけコミュニケーションコストを削減し、作業が進んだらSlackでスクリーンショットなどを共有するようにして、進めました。また、Zoomで進捗(しんちょく)や課題の共有、方向性の見直しなどをして、認識のズレがないようにもしました。
アプリは最初にCI/CD(※1)を準備して常に最新のアプリを配布、アプリのデザインやスライドはFigma(※1)でリアルタイム共有していたおかげで、聞かなくても目で見て進捗が分かる状態になっていたのも作業時間確保につながりました。
※1 
CI:
Continuous Integrationの略。一般的に継続的インテグレーションと呼ばれる。開発者が書いた新しいコードとマスターブランチ(トランク)を頻繁に統合するプロセスのこと。
CD:
Continuous Deliveryの略。継続的デリバリー、または継続的デプロイメントと呼ばれる。開発者が変更したコードを自動でテストし、リポジトリに伝送する手法。
Figma(フィグマ):
ブラウザー上で簡単にデザインできるツール。

LINE賞:AI Media Reminder / 龍宮城旅団

審査員:池邉 智洋(LINE株式会社 上級執行役員CTO)
審査基準:LINEのミッションである「CLOSING THE DISTANCE」世界中の人と人、人と情報、サービスとの距離を縮められると感じた作品に贈られます。

AI Media Reminder / 龍宮城旅団
AI Media Reminderは、あらゆるメディアをAIで分析し、ストック/リマインドする機能です。飲食店や商品のスクリーンショットを撮ると、その内容をストック。ユーザーの必要なタイミングで再提示します。
使った技術:CoreML/ LINE Bot/ iOS16日本語OCR

今回の作品をどのように思いついたか

私たちは「未来妄想会議(※2)」の「未来のメディア」で受賞したアイデアを実装しました。 「面倒くさがり&忘れっぽい人間でも楽しく生活できるようなツールを」と思い、考えたのがAIメディアリマインダーです。
メディアを取得するデバイスやツール、サービスなどが多岐にわたり、一元化がむずかしくなっている昨今、ストックした情報を整理せずに、ちょうど良いタイミングでリマインドしてくれたら楽で幸せな世界になるのでは、という妄想から思いついたイデアです。
※2 未来妄想会議:
ヤフーの全社員が制約に捉われない自由な発想・妄想で未来のヤフーのサービスをさまざまな角度から提案できる取り組み。

短時間で開発するために特に工夫したこと

アイデアを形にするため、事前に実装の道筋・タスクを洗い出しており、またそれらを元に各々が何をやるかを明確にしていたのが大きかったと思います。
それにより、たとえば今回でいえばドメインの判定に用いられるモデルの学習のために必要なデータを事前に収集しておくことができたり、やりたいことが提供されているAPIで可能かどうかを精査することができたりしていたので、開発中に大きな障害が発生することがなくスムーズに完了できました。
実装に関しては、実際に業務で使用されているAPIのコードやDB(データベース)環境などを参考にすることで効率的に開発し、今回のメインとなる実装に注力できるように進められました。

PayPay賞:ドキドキ☆Yahoo! ガチャショッピング / 第33.4新大阪市

審査員:森 俊介(PayPay株式会社 Head of Product)
審査基準:日本のキャッシュレス社会構築に向けて、最も貢献する作品に贈られます。

ドキドキ☆Yahoo! ガチャショッピング / 第33.4新大阪市
PayPayポイントを活用して購入するものをガチャで決めるガチャを作りました。利用するポイント数やガチャをする商品のカテゴリーを選択して、ランダムに商品が決まるドキドキを味わえます。
使った技術:React/ Swift/ Python/ Flask/ AWS/ Redis/ MySQL/ Yahoo!ショッピングAPI

今回の作品をどのように思いついたか

一時期SNSを中心に話題となった「サイゼガチャ」から着想を得ました。
「ドキドキ☆Yahoo! ガチャショッピング」はユーザーが保有しているPayPayポイントで購入できる商品を、ガチャ形式でリコメンドするサービスです。
「PayPayポイントを貯めたものの使いみちに困っている」というユーザーへ、新たなお買い物体験を提供します。
また、ガチャの結果から商品ページに案内するという、今までにないYahoo!ショッピングへの新たな導線になるのではないかと考えました。

短時間で開発するために特に工夫したこと

今回は挑戦的な試みとして、スクラムという手法を用いた開発サイクルを導入。1日を2スプリント(※3)に分割し計4回のスプリントを回しました。
※3 スプリント:
スクラム開発の基準となる考え方で、細切れにして開発を行うこと

スクラム in ハッカソンの結果としては、スプリント終了ごとに何かしらの動くものができるというメリットが大きかったです。
そのため、ハッカソンでは最後まで動くものができないといったことも珍しくないのですが、今回その心配はほとんどありませんでした。
さらに、スクラムではスプリントの計画を最初に立てるので、ゴールがより明確になったように思います。他の人が何をやるかも明確なので、ヘルプに入りやすかったです。
その一方で、通常のスクラム通りのサイクルも回せないことがわかりました。
レトロスペクティブ(Retrospective)という振り返り会は疲れてしまって実施できませんでした。アイデアソンの段階で、リファインメント(Refinement)というタスク検討はやっておくべきだったなと思います。

ヤフー賞:れすぽたん / れすぽたん製作委員会

審査員:小久保 雅彦(ヤフー株式会社 取締役 常務執行役員 CTO)
審査基準:創造力を存分に発揮し、最も遊び心のあふれる作品に贈られます。

れすぽたん / れすぽたん製作委員会
発表を行っている人の画面にレスポンスをするボタンが「れすぽたん」です。
Webからクリックしても専用デバイスからもポップに「わかった!」「わからん…」とリアクションを送ることができます。
使った技術:Chrome Extension, GCP Clound Run, M5Stamp, Fusion 360

今回の作品をどのように思いついたか

Zoomで話しているときの
「みんな理解してるのかな?」
「もしかして…寝てる?」
こんな瞬間を解消しようと制作しました。

短時間で開発するために特に工夫したこと

新卒から元黒帯までバラエティー豊かなメンバーがそろっていたので、それぞれが得意な分野を分担して開発しました。
まず初めにUIやバックエンド・ハードウエアのチームに分けて、それぞれの接続部分の取り決めを行いました。
これにより、
・UIの人は動きや見た目のみを考えた開発
・バックエンドはAPIのインターフェースが決まっているため中身だけを考えた開発
ができる状態になります。

ハードウエア開発では先に3Dモデルを仕上げ、東日本のメンバーから西日本のメンバーへデータを送り3Dプリンタで出力・塗装を行なった見せる用のモックを作る。東日本側では動態デモ用の筐体(きょうたい)を作る。といった日本の東西をまたいだオンラインならではのやり方で制作しました。

ZOZO賞:CTO ~コンピューターがつくりあげたおえかき~ / CelisWhite

審査員:瀬尾 直利(株式会社ZOZO 技術本部 本部長 兼 VPoE)
審査基準:ZOZOの経営理念「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」のように、世の中を笑顔にできるような作品に対して贈られます。

CTO ~コンピューターがつくりあげたおえかき~ / CelisWhite
長い文章を読む時に、文章からAIが画像を生成することで理解を促進させます。
使った技術:DALL・E mini/ MeCab/ Google Translate API/ Text Summarization API

今回の作品をどのように思いついたか

みんなで集まってアイデア出しをする中で「最近、画像生成AIが話題になっているよね」「何か活用してみたいね」というところから思いつきました。

短時間で開発するために特に工夫したこと

お互いに知っていたり、これまでも一緒にハッカソンに出ていたりしたメンバーで参加したのでコミュニケーションには苦労はなかったと思います。
開発は、
・基本はZoomをつなぎっぱなし
・Slackでやりとり
・担当分けしてコードは社内githubで共有
・必要な情報はwikiにまとめる
という形で進めました。
時間の使い方については、今回はアイデアが事前に決まらずに、当日も3時間くらいアイデア出しに使ってしまったので、発表までに開発が間に合うかかなりドキドキしました。できれば開発前に作るものは決めておいたほうが安心だと思います。

Digital Hack Day 2022について

Yahoo! JAPANでは、エンジニアやデザイナーの才能と情熱を解き放ち、モノづくりの楽しさを世に広めることを目的に「Yahoo! JAPAN Hack Day」を毎年開催しています。
2022年は「Digital Hack Day 2022」として、日本のデジタル化の課題や最新技術を踏まえた作品の開発を行っていただきます。
予選を勝ち抜いた計10チームは、デジタルについて定期的に振り返り、体験し、見直すことを目的にした「デジタルの日」である10月2日に決勝を行います。

審査基準

課題解決:多くの人に求められる課題を発見し、誰も取り残さないデジタル化を進められる作品であること
Hack:テクノロジーやデータを有効活用し、独自の価値を発揮できる作品であること
Fun:日本のデジタル化を前向きに捉えられる作品であること

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