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企業情報

2022.09.20

オンライン上でも先輩デザイナーに気軽に相談できる「ペアデザイン」とは

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ヤフーは2020年から、オンラインを前提に、社員一人ひとりが時間や場所にとらわれない働き方を実現しています。
それに伴い、社内のデザイナーはコロナ禍前のように「近くに座っている同僚や先輩からアドバイスをもらいながら」デザイン作業を進めることは難しくなりました。
そのため、ヤフーではメンターや先輩デザイナーからの技術的な学びを得ることや品質向上を目的に「ペアデザイン」の取り組みを実施しています。
ペアデザインのメリットや進め方、実施する際に心がけたいことなどについて、担当者に聞きました。

武田 香奈子(たけだ かなこ)
2008年入社。Yahoo!ニュース、Yahoo!ファイナンス、Yahoo!検索、Yahoo! JAPANアプリなどのビジュアルデザイン、GYAO!のアートディレクターを経て、現在はCTO室デザイン横断部にて主にデザイン業務を効率化させ、デザインの品質向上につながる取り組みを担当している。

ペアデザインとは、そのメリット

私が所属しているデザイン横断部では、ヤフーがオンライン主体の業務となっても、先輩デザイナーに気軽に相談や情報交換ができること、そして、技術的な継承や教育、スキル向上、プロダクトの品質向上につなげることを目的に「ペアデザイン」の取り組みを開始しました。
これは、Zoomなどのツールを使いオンライン上でメンターから意見をもらいながら2人以上のデザイナーが一緒にデザイン作業を進めていくというものです。

今回は、「自分が担当しているサービスのデザイン案件を、メンター(先輩デザイナー)にアドバイスをもらいながら(ペアデザインで)進めていく」方法をご紹介します。

ペアデザインのメリット
・一緒に作業することで集中力が増す
・ペアの相手から技術・手法を学び、吸収する機会が増える
・意思決定までの時間が凝縮され生産性が上がる
・気になった点をその場で修正できるため、デザインの質を短時間で高められる

オンライン上でのペアデザインの進め方

ペアデザインを行う際は、事前に以下の3つを準備しておくとスムーズです。

1)メンターに案件の概要を端的に伝える

ペアデザインを実施し短時間でデザインをブラッシュアップしていくためには、まず、メンターに案件の内容やデザインの意図などを端的に伝えることが大切です。たとえば、そのサービスの全体像からその案件までの導線を含めた説明もしなければなりません。
ペアデザインは2人で行うこともあり時間が限られているため、伝えたい内容を事前にしっかり準備しておきましょう。

2)サービス観点から自分のデザインを俯瞰(ふかん)的に考えておく

メンターからの質問を想定し、事前に数字を把握しておくと、よりよい議論につなげることができます。
今まで意識していなかった数値やUX(ユーザーエクスペリエンス)の気づきなどがあるかもしれません。導線などに関係する数値なども事前に調べておきましょう。

3)メンターに一緒にデザインをしてほしい内容の課題をあらかじめ整理しておく

自身の技術的な課題でも、案件のKPIに即した課題でも構いません。ただ、時間が限られているので、課題の優先順位を3位ぐらいまでつけて事前に共有しておきましょう。そして、その課題解決をゴールとしてペアデザインを行うことをおすすめします。

上記3点を、そのサービスを知らないメンターにいかにシンプルに伝えるかが重要です。それによってメンターも事前準備ができ、さらに質の高いフィードバックを行うことができます。
また、可能ならデザインデータも事前に渡しておくと、当日スムーズにデザインを進められると思います。

ここまで準備できたら、Zoomなどで同じ画面を共有してペアデザインを進めていきます。


ペアデザイン時は、お互いの顔の表情を見ながら意見が言い合えるように、なるべくビデオオンにすることをおすすめします。使用するツールは、お互いが気持ちよく作業できる画面共有の環境があればどんなツールでも構いません。

案件概要などを説明したあと、実際のデザインについてメンターからアドバイスをもらったり、意見交換したりしながらデザインをブラッシュアップしていきましょう。
アドバイスを受ける人がデザインを進めていき、メンターは同じ画面を見ながらフィードバックを返す、といった形で進めていきます。時間は限られているので、その日のゴールまでの作業をいくつかに分解しておき、それぞれに制限時間を設けて進めるのもよいでしょう。

実際のペアデザインの様子(ビジュアルデザイン / Yahoo! JAPAN おもてなしきせかえ 節分)

ペアデザイン導入のコツ
1)相談したい案件を手短に説明できるようにしておく
2)事前にUXの導線、概要(サービス概要と案件概要)、課題(優先順位3つ程度)を整理しておく
3)ペアデザインで使用するデータを事前にメンターに渡しておく
4)ペアデザインを実施するときは、できるだけビデオオンにする

ペアデザインを進めるときに意識したいこと

1)アドバイスを受ける側

・課題になっている部分についてできるだけ具体的に伝える
・ペアデザイン中はテキストにメモはとらず、実際のUIパーツやビジュアルを動かしながら話すのが効果的

2)メンター側

・相手が緊張しているかもしれないので、話しやすい雰囲気作りを心がける
・そのデザインになっている理由を聞き、理解した上でフィードバックする
・一方的にUIやデザインを提案するスタイルではなく、アイデアのひとつとして伝える
・アドバイスを受ける側が考える時間やデザインを試してみる時間の余裕を持たせる

今後の展望

現在、社内デザイナーのペアデザイン(&別記事でお伝えするモブデザイン)の取り組みに対する認識率は9割と高めであり、実際に実施している割合は5割という状況です。
ペアデザインは、現在ヤフーの黒帯(ある分野に突出した知識とスキルを持っているその分野の第一人者)にメンターを担当してもらい進めていますが、今後はチームなどの先輩デザイナーとのペアデザインも推進していく予定です。
もっと気軽にペアデザインを取り入れて、デザインの品質アップにつなげてほしいと願っています。

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