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2022.07.28

文系社員もAI人材へ 企業内大学のAI関連講座で得た学びとは?

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昨今、企業などでDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進とともに、従業員の職業能力の再開発や再教育を行う「リスキリング」が注目されています。また、企業が今後、AI(人工知能)やデータ領域のスキルやノウハウを習得できる学びの場をどのように提供していくかは大きなテーマです。
「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」の実現を目指す、Zホールディングスの企業内大学「Zアカデミア」でも、リスキリングに力を入れています。2021年度は、グループ全社員を対象に201講座(※)を開催し、延べ約26,000名が参加しました。グループ内の豊富な人的資本を活用して、人材育成でもシナジー創出を進めています。
今回は、特にグループ社員からの関心が高かった「Z文系AI塾」の取り組みに参加して、企画コンテストで入賞したヤフオク!の文系社員二人に話を聞きました。

※セミナー形式:155講座、アーカイブ提供:46講座

Zホールディングス、“文理両軸でAI人材を育成”する「Z AIアカデミア」を発足

「Zアカデミア」と「Z AIアカデミア」とは?

企業内大学「Zアカデミア」は、2020年4月に設立されました。Zホールディングスグループ従業員をつなぎ、グループシナジーを加速させる役割を担っています。グループ会社の従業員同士が「ともに未来を創る」という意識を共有し、「ともに進むべき道」を描き、学び合い、教え合う、ベースキャンプのような場所を目指しています。

2021年7月には、ヤフー、LINE、一休、アスクル、ZOZOグループよりボードメンバーが参加し、グループ各社の最新AI導入事例の共有などを行うAI人材育成コミュニティー「Z AIアカデミア」を発足。2021年9月からは、AIを学びたいグループ各社の文系社員を対象に、半年間の実践型プログラム「Z文系AI塾」を開催して、674名のAI人材の育成に取り組んできました。

AIはこれまで、アルゴリズム開発や論文など専門の知識を持った人が「作るもの」のイメージが強くありました。しかし、プログラミングや統計の専門知識なしで、AIを活用できる「ノーコードツール」の進化の影響もあって、基礎知識や活用できるデータ、アイデアがあれば、非AI専門職も挑みやすくなった結果、エンジニアなどと連携しながら「AIを使いこなす人材」が求められるようになってきました。

「Z文系AI塾」では、3つのステップに分けて学習が行われました。土台作りとなるステップ1では、AIの機能別の分類(識別系AI、予測系AI、会話系AI、実行系AI)などの基礎知識のインプットからスタート。
ステップ2では、プログラミングや統計の専門知識がなくてもAIを活用できるノーコードツール(プログラミングをしなくてもアプリを作れるサービス)を活用したAIモデルの作成体験が行われました。
そして、ステップ3では、講師の野口が考案した5W1Hのフレームワークを踏まえて、AIを活用しながら「WHO(誰のため)」や「WHY(なぜ必要か)」などを具体的に企画に落とし込み、個々の問題意識から、約400件の企画が生まれました。
半年間で実施し、AI人材として必要な7つのスキルをほぼカバーできるプログラムとなっています。

AI人材としての必要な7つのスキル

  1. AI人材マインド
    →未来に向けてAIを自分ごととして能動的に学び、AI推進をリードする
  2. AI基礎用語力
    →AIのタイプや技術の概要理解、主要用語を網羅的に理解する
  3. AI構造理解力
    →ディープラーニングの仕組みや得意不得意を理解し、AIモデル構築フローを理解する
  4. AI事例収集力
    →国内外のAI事例を収集し理解する
  5. AI企画力
    →AIのタイプを理解した上でAI企画を立案する
  6. AI目利き力
    →AIを使うべきかの判断や、AIの評価を行う
  7. AIマネジメント力
    →AIの導入を推進し、AIと人の業務の連携設計を行う

「Z文系AI塾」はオンラインで全7回実施され、最終回には受講者が企画したAI企画の中から受講生の投票で優秀企画を決める「みんなで選ぶベストAI企画」を開催、6名の作品が選ばれました。

※グループ各社のAI領域のスペシャリストがボードメンバーとして参加

プロフィール

大野 志穂(おおの・しほ)
2017年入社。ヤフオク!やPayPayフリマのプロダクトサポートを行っている。
受賞したAI企画:「こだわりピンポイントけんさくん」(衣類や雑貨、家具などで商品画像の特徴から、気に入って印をつけた部分の要素を持つアイテムを探してくれるAI)
飯田 春嗣(いいだ・しゅんじ)
2007年入社。マネジャーとして、ヤフオク!やPayPayフリマのカスタマーサポートを行っている。
受賞したAI企画:「他社用語を自社用語に変換AI」(グループ間の異なる用語を変換して、コミュニケーションを円滑にするAI)

「Z文系AI塾」で得られた学びとは?

大野:
AIについて、「先進的な技術」という漠然としたイメージを持っていましたが、「Z文系AI塾」に参加してから、身近な課題にも取り入れられるかもしれないと、良い意味でハードルが下がりました。「AIを作る人材」よりも「AIを使いこなす人材」が不足しているという、講師・野口竜司さん(※)からの提言もあり、「使いこなす人材になりたい」というモチベーションも上がりました。AI人材としての必要な7つのスキルをじっくり学べたのは貴重な体験でした。
私は学生時代も日本文学を専攻したほどの典型的な文系なので、参加するにあたり不安はありましたが、7回の講義はすべてが新鮮で楽しく、思っていた以上に理解できました。
※講師を務めた野口竜司氏も文系出身

飯田:
私と大野が所属するヤフオク!やPayPayフリマのカスタマーサポートを行う部門でも、AIとの関わりが増えてきていますが、これまで自身のアクションになかなかつなげられないでいました。
「Z文系AI塾」は、まさにその課題にアプローチしていただいたものでした。AIに対する理解度が格段に高まり、「どうすればAIに貢献できるか」というテーマに、当事者意識をもって考えられるようになりました。

大野:
私の企画もそうですが、今回入賞した企画の多くは、私たちの生活にとても身近なテーマを扱ったものでした。
講座に参加したことで、「エンジニアさんは本当にすごい!」と改めて尊敬の念を抱きましたし、同時に「自分は作る側にはなれなさそうだ」とも感じました。今後は、エンジニアの方と話す際に、作る側、使う側、どちらの感覚も持っていたいと思っています。

飯田:
「Z文系AI塾」には、Zホールディングスグループ各社のスペシャリストが講師として参加されました。この講座を通じて他社の取り組みを知ることができたことも新鮮で、とても興味深かったです。
最終回で行われた企画コンテストの入賞者で集まる機会があったのですが、みなさんの意識の高さにも刺激を受けました。また、たとえばアスクルさんでは、今回の入賞企画の実用化に向けて、すでに動き出しているそうです。
AIについて知れば知るほど夢が広がりますが、魔法のように一気に何かが良くなるツールではありません。使いこなす人材がいてこそAIの良さが最大化されると感じていますので、今回学んだことを、現場でもしっかり取り入れていきたいと思っています。

※「Z文系AI塾」の「みんなで選ぶベストAI企画」で入賞した6名

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