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企業情報

2021.09.13

Zホールディングスのグループ会社が集結 24時間で作品を生み出す「Internal Hack Day 18」の受賞作品を紹介

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7月31日から8月2日に、社内ハッカソン「Internal Hack Day 18」を開催しました。
これは、ヤフーの社内で開催してきたハッカソンイベントを、Zホールディングスグループの各社と合同で実施するイベントです。
今年は6社(アスクル、一休、PayPay、LINE、ヤフー、ZOZOテクノロジーズ)から、会社の枠や国境を越えたチームが出場し、24時間の開発時間で約30作品が誕生しました。その中から、最優秀賞、Happy Hacking賞などを受賞したチームの作品について、特に工夫した点、使われている技術などをご紹介します。

  1. 最優秀賞、LINE賞(ダブル受賞)
  2. Happy Hacking賞 / アスクル賞(ダブル受賞)
  3. 一休賞
  4. PayPay賞
  5. ヤフー賞
  6. ZOZOテクノロジーズ賞
  7. 「Internal Hack Day 18」で行った新たな取り組み
  8. Digital Hack Day 2021について

最優秀賞、LINE賞(ダブル受賞)

チーム名:国民プロデューサーの皆さま(LINE・ヤフーの混合チーム)

作品名 ZIGZAG
利用技術 Messaging API (LINE BOT)、LIFF (MINI APP)、 Vald
概要 「ZIGZAG」は、LINEの友だちとおすすめを共有できるLINE MINIアプリ。Zホールディングスグループ各社のサービスで利用したお店や購入商品の中から、おすすめを友だちに共有できます。
すべて友だち間でのレビューなのでより信頼でき、気になった商品についてLINEで友だちに質問することも可能。また、レコメンド機能が実装されているため、表示される商品が自分にとってお気に入りかどうか振り分けながら見ていくことで、より自分の好みにあった商品が表示されるようになっていきます。
自分の好きを友だちに伝えられ、さらに友だちのおすすめから新たなお気に入りを見つけることができるサービスです。
参加してよかったこと チームメンバー全員がHackU(Yahoo! JAPANが運営する学生ハッカソン)の最優秀賞受賞者で構成されており、その実力を発揮し最優秀賞を受賞できたことです。私たちのチームはヤフーとLINEの混合チームだったので、アイデア出しの時点から多くのシナジーを生み出すことができると確信していました。
特に工夫した点 Zホールディングスグループのさまざまなサービスを取り入れたことです。
そのサービスをつなぐのはLINEミニアプリの「LIFF」です。ミニアプリ上でアプリケーションを展開することによって、Zホールディングスグループのサービスを国内8,800万人(2021年3月末時点)ものLINEユーザーにアプリインストールを求めることなくリーチできます。
LINE上の友だちは友好関係にある場合が多く、そこでおすすめされた商品はネットでのレビューより信頼性が高いものとなります。また、「振り分けUI」によって、偶然の出会いを誘発するとともにその人の好みを蓄積して、その人の好みの傾向を判定してレコメンドしてくれます。このレコメンドにはヤフーの高速なベクトル近似近傍検索エンジンのValdを使用しています。
あなたのオススメが友だちへ、さらに友だちの友だちに「ジグザグと」伝わっていくサービスとなっています。

Happy Hacking賞 / アスクル賞(ダブル受賞)

チーム名:よるがた(ヤフーチーム)

作品名 AIまとめライター
利用技術 CoreML、BERT、BertSum
iOSアプリ開発に強いチームメンバーだったため、アプリとして動かせる技術で実現することを優先で考えました。また、将来的にiOSのデバイス上ですべてが動くようになったらおもしろい! という思いもありました。
概要 動画ブームの今ですが、ときには動画ではないほうが便利なこともあるのではないでしょうか。通信状況がよくなかったり、レシピの材料一覧を探していて一時停止するのがめんどうだったりするとき、長い動画をじっくり見る時間が作れないときなど…。
こんなときに動画ではなく記事ページで見られたら便利なのではないか、と思ったのがこのサービスです。プレゼンなどの動画をこのアプリにいれるだけで、機械学習を用いて記事を自動で要約し、画像とともに見やすい記事にまとめてくれます。
解決したかった課題 会議やイベントのアーカイブ動画など、長い動画を見る時間がなかったり、見るモチベーションが上がらなかったりする時があり、それをどうにかしたいという思いから、このアイデアが生まれました。 いわゆるまとめブログのように短時間で概要がわかれば、それだけで満足できたか、もっと詳しく動画で見たいかを判断できて便利かもしれないと思って開発しました。
参加してよかったこと 普段の業務ではあまり使うことのない技術に直接ふれることができて良かったです。そして、最終的な作品の形が想像できていない状態で作り始め、デザインや実装できたコードなどをパズルのように組み合わせていくと、最後にはおもしろいものができている、というハッカソンらしい体験は何度経験しても楽しいです。
特に工夫した点 記事を生成する待ち時間の見せ方を一番工夫しました。処理に時間のかかる推論などがあったため、待ち時間が長いことが想像できていました。そこで、ソフトウェアエンジニアが見慣れているログを未来の電脳世界のようなアニメーションで表示することで、すべての時間を楽しめるようにしました。

一休賞

チーム名:エンタメなシャチ(ヤフーチーム)

作品名 CLOSUS
利用技術 React、Next、Vald、画像特徴量抽出、MySQL、Dragon、Python、Golang
概要 自分のクローゼットを整理することでサスティナブルにつなげることを目的にしたサービスです。
あなたの家に眠っている服はありませんか? しばらく着ない服や、ほとんど着ていない服を捨てるのは、お財布にも環境にもよくありません。CLOSUSはあなたに代わり服の活用具合を管理・フリマに出品可能な服の推薦を行い、リユースにつなげます。
解決したかった課題 私たちはアイデア出しの過程で、全員が、
「しばらく着ない服を無意識にクローゼットにしまっていた」
「不必要に同じような服を買い込んで、クローゼットを圧迫していた」
という経験があることがわかりました。この結果「不必要なものを買わない」「使わないものは譲る」という行動が自然にできればこの課題は解決できるのではないのかと考え普段のコーディネートを管理記録するサービス「CLOSUS」を制作しました。
参加してよかったこと Internal Hack Dayの参加を通して、普段の業務ではあまり経験する機会がない「新しいサービスを考えて自ら生み出す」という経験を得られたことで、スキル向上にも大きくつながったと感じています。
また、私たちのチームは全員が新卒同期のため、オンラインを前提とした働き方に移って少しコミュニケーションが希薄になっている中で、同期のつながりを再実感することができました。
特に工夫した点 以下の三点を特に意識して開発、発表に挑みました。
1. 手間にならないUX
「記録するのが面倒なUXでは価値がない」という考え方から、ビッグデータ、AIの技術を用いて「鏡越しに自撮するだけ」で記録できるようにしました。
2. ヤフーの資産の活用
既にヤフー社内で使われているファッションに関わる類似画像検索の技術を一部活用し、先進的な機能を実現しました。
3. 当事者意識を引き込むプレゼン
発表では、「Zホールディングスがこの取り組みをやることに意味がある」という理由を強調し、審査員の方々を中心にCLOSUSの存在意義を自分ごとにできるように工夫しました。

この作品を通じて、IT業界が少しでもサスティナブルファッションに興味を持ち、貢献する取り組みが増えることを願っています。

PayPay賞

チーム名:OBI(LINE台湾チーム)

作品名 OMO Behavior Integrator
利用技術 LINE Messaging API、LINE LIFF
コンセプトビデオにLINE CLOVAを含めたのは、オフラインの消費者の行動を記録する上で、最も効率的でベストな方法だと思ったからです。実際の作品デモには下記の技術を利用しました。
・Gather:より良いデモ体験のため
・Puppeteer:OBI上のキャラクターを動かすため 
・Quagga:バーコードスキャナー
・LIFF:ユーザーに商品スキャナー(+LINE公式アカウントとひもづけ)を提供する入り口ページとして
・React admin:CRMシステムのため
・Parse:プロがつかうデータストア
・Next.js:ウェブサーバー用
・MongoDB:データベース用(無料)
概要 OMO Behavior Integratorは、広告主が顧客の買い物行動を記録するのに役立つ、強力なマーケティングツールです。
解決したかった課題 インターネット広告において、Appleによるトラッキング防止機能(Intelligent Tracking Prevention)の提供や、Google によるプライバシーを保護しながらCookieと似た役割を果たす機能(Privacy Sandbox)などの提供からもわかるように、サードバーティクッキーや識別子の時代が終わろうとしています。そのなかで、ファーストパーティデータをほとんど(もしくは全く)持たない広告主は取り残されてしまいます。
そこで、OBI (OMO Behavior Integrator)のコンセプトを思いつきました。この課題に直面している業界として、まず頭に浮かぶのは消費者行動のほとんどがオンラインではなくオフラインで起こる小売業です。小売業者が活用すべき重要なファーストパーティデータはCRM(顧客管理)システムで記録している購入履歴だけではなく、買いもの履歴です。OBIを利用することにより、小売業者はより多くのファーストパーティデータを収集し、よりパーソナライズされた体験を消費者に提供できます。
参加してよかったこと 初めての参加だったので、みんなワクワクしていました。全体として、素晴らしい経験ができました。国を越えたハックデイということで、最初の段階で登録手続きや日程を調べるのに少し時間がかかりました。また、プレゼン時間が90秒しかないと知ってとても不安になりました。それだけの時間でアイデアを包括的に伝えるのは発表者としてはかなりのチャレンジです。でも、ショートフィルムを作ることで、時間に対するプレッシャーはなくなりました。
別の班の人たちと会うことができたのはプレゼンテーションと展示会の日が初めてでした。運営の方々は本当に素晴らしく、リアリティー番組を見ているようでした。どこのチームのアイデアもクールでしたが、展示時間内にプロジェクトルームを見てまわる時間があまり取れなかったことが残念です。
PayPay賞を受賞した瞬間は、本当に信じられない気持ちでした。受賞したなかで唯一の海外チームということでとても光栄です。審査員の方々に気に入っていただき、感謝しています。
特に工夫した点 1)作品について
OBIには商品スキャナーとCRMシステムという二つの主要機能があります。消費者は、店舗内に設置された端末、もしくはLINE公式アカウントのスキャナーページから、商品スキャナーを利用できます。そして、どちらの方法でもLINE CLOVAやメッセージングAPIを使って消費者を特定できます。
商品スキャナーを使うことで商品詳細の検索、商品の比較、またおすすめ商品の閲覧が可能です。「どの商品をスキャンしたか」「どの商品を比較したか」といった消費者の行動はOBIの第二の機能であるCRMシステムに記録されます。広告主はこうしたデータをリターゲティング広告に活用でき、さらにファーストパーティデータを使ったフラグメンテッド(分散された)戦略を実現することが可能です。

2)プレゼンやデモについて
OBIは実店舗での提供を想定しているため、オンラインでどのようにデモをすれば良いか考えました。「デザインコンセプトを伝えるために動画を撮影する」というアイデアは最初にでました。限られた時間のなかで、デモを通して皆さんに作品を体験してもらいたいと思いました。リモートワーク期間中にウェブサイト「Gather.Town」が評判になりましたので、私たちもこのサイトでバーチャル店舗を構築しました。バーチャル店舗での買い物シミュレーションを終えると、足取りや好みがCRMシステムにばっちり記録されていることにお気づきいただけると思います。

ヤフー賞

チーム名:TAKKYU(ヤフー新卒チーム)

作品名 Rally
利用技術 Django, Word2Vec, Slack API, Slack Proxy, YJUtils, 全社PaaS, Screwdriver.cd
私たちのチームが単語の分散表現を取るのに利用したWord2Vecですが、こちらは自然言語処理の定番手法として広く使われるものです。今回は人の持っている価値観の違いを算出するために使用しました。
概要 コロナ禍のリモートワークが続いて、「普段なかなか話せない人と話してみたい!」と思うことはありませんか? 「Rally」はそんな思いをかなえる1on1ミーティングマッチングサービスです。私たち新卒社員は、入社初日からリモートワークということもあり、先輩や違う部署の人など、さまざまな経験や価値観に触れることはとても貴重な経験になると感じています。 このRallyを通じて、オフィスで偶然出会うようなきっかけを提供したいと考え、あえて趣味や好みの離れた人とマッチングしやすい環境を作れるようにしました。
解決したかった課題 私たちの作品 Rally は新しい価値観の獲得を実現できるような人同士の接点を提供するシステムで、コロナ禍の影響を受けている全社的なコミュニケーションの向上にも貢献できると考えています。
参加してよかったこと 新卒メンバー5人による参加で、全員で作りたいものを何度も協議しました。
話し合いの結果、メンバー同士で作りたいものの価値観が一致した時は、本当に気持ち良かったです。2日間という開発期間はあっという間にすぎ、完成を目指して時間を共有できたことは良い思い出になりました。Internal Hack Day にまた参加したいと思います!
特に工夫した点 一貫してアイデアの本質を崩さないようにしました。開発したい機能などはいろいろありましたが、限られた時間の中で最低限アイデアが達成できるように取捨選択しながら開発しました。 開発期間中も何度もチームメンバーで話し合い、アイデアの達成に必要なものを見極めました。

ZOZOテクノロジーズ賞

チーム名:大阪n(ヤフーチーム)

作品名 Z-card
利用技術 LINE Blockchain 、LINEログイン、React.js、WebRTC、Firebase、MediaPipe
動画制作のスキルに長けたメンバーを入れることができたので、これらの技術を使いました。
概要 リモートワーク環境でもグループ企業同士が楽しく交流できるよう、トレーディングカード化された社員情報を見ながら、対戦カードゲーム風に1on1ができる「Z-card」を開発しました。交流情報は「LINE Blockchain」で管理されます。
解決したかった課題 同じグループ企業とは言え、見ず知らずの人と交流するハードルは非常に高く「企業間シナジーのきっかけ」が生まれないという課題を解決したいと考えました。
参加してよかったこと 完全リモートではありますが、好きなメンバーと好きなものを、好きなやり方で作れるのは、いつも通り非常に楽しかったです。また、いつもは大阪オフィスのメンバーのみで出場していますが、今回は東京のメンバー(元大阪オフィス)にも入ってもらって、オンラインならではの開発ができました。
特に工夫した点 作品発表を「新作ゲームのPV風」の動画にすることで、「90秒間」一切しゃべらないプレゼンに挑戦してみました。

「Internal Hack Day 18」で行った新たな取り組み

善積 正伍(よしづみ しょうご)
今回のInternal Hack Day 18責任者。ヤフーではHack Dayプロデューサーを務めている。
「今年はZホールディングスにグループインしたLINEが加わり、計6社で開催、約230名の方に参加いただきました。LINEからは日本法人だけでなく韓国や台湾、タイなどからも出場がありました。
「ZHDのシナジー創出」をテーマとして、あらゆるサービスを組み合わせたり、サービスに新機能を追加してみたり、さらには今回のイベント用にグループ向けに提供されたテクノロジーを使って、さまざまなシナジーを生み出していただけたと思います。

今回は新たな取り組みとして、下記の3つを行いました。
1)アイデアソン
アイデアソンは持ち寄ったアイデアを収束・発展させた後に発表という形式で実施しました。結果、このアイデアソンからグループ内の混成チームが3チーム生まれています。
チームメンバー探しや、アイデア磨き、Zホールディングスグループ内のエンジニアとつながる機会としても活用していただけたようです。

2)Hack Lunch
計24時間の開発とは別に、懇親を目的としたランチタイムを設置しました。Hack LunchはZoomのブレイクアウトルームを利用し、さまざまなテーマで懇親が行われていました。なかでも「各社の開発文化を知りたい」というテーマに多くの出場者が集まり盛り上がっていました。

3)テクノロジー提供
LINEから「CLOVA OCR」「LINE Blockchain Developers」「LINE Messaging API」を、PayPayから「PayPay for Developers」を提供いただきました。
Internal Hack Dayでは、オープンな技術はもちろん、クローズドな社内技術についても基本的には自由に活用して開発できます。結果、15チームで提供テクノロジーが活用されました。

今回のイベントのように会社を横断してチームを組むことで、開発スタイルを共有してスキルアップする機会にもなります。また、各社のテクノロジーをうまく組み合わせてよりおもしろいものを作ることも可能になるので、今後はさらに多くのグループ会社の方ご参加してほしいと思います」

Digital Hack Day 2021について

デジタルについて定期的に振り返り、体験し、見直すことを目的にした「デジタルの日」(10月10日~11日)。この日に合わせて、「日本のデジタル化」をテーマに、ハッカソンイベント「Digital Hack Day 2021」を開催します。日本の課題を解決できるアイデア作品を作ってみませんか?

審査基準
課題解決:多くの人に求められる課題を発見し、誰も取り残さないデジタル化を進められる作品であること
Hack:テクノロジーやデータを有効活用し、独自の価値を発揮できる作品であること
Fun:日本のデジタル化を前向きに捉えられる作品であること


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