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2021.07.19

社員の運動不足解消への秘策 1日4,000歩達成で支給されるボーナスとは?

社員の運動不足解消への秘策 1日4,000歩達成で支給されるボーナスとは?

コロナ禍で在宅時間が増えたことで運動不足や「コロナ太り」などを気にしている方も多いのではないでしょうか? リモートワークが進んでいるヤフーでは、この課題を解決するため、1日の目標歩数達成でボーナスを支給する施策を実施し、一定の効果が上がっています。この取り組みについて担当者に聞きました。

石下 美保(いしげ みほ)
2003年入社。メディアサービスの企画などを経て、2014年から社内レストランなどの運営担当。人事部門の「グッドコンディション推進室」で、社員のコンディショニングサポートを担当している。

リモートワークで生じるさまざまな健康課題

ヤフーでは、2016年に「UPDATEコンディション」宣言し、健康経営を行っています。社員のパフォーマンスを最大化するため、心身の健康状態を重視し、東京・紀尾井町オフィス内に備えた社内レストランで栄養バランスの取れた食事を提供するなど、さまざまな施策に取り組んできました。
働く環境が大きく変化したコロナ禍の現在も、石下が所属する「グッドコンディション推進室」では社員のコンディション作りをサポートしています。

石下:
「ヤフーでは、月に5日までリモートワークを行える制度がありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2020年2月から一時的にこの制限を解除し、2020年10月からは新しい働き方に関する人事制度として『無制限リモートワーク』に移行しました。その状況下で実施したアンケート(2020年6月15日~19日に実施)では、運動習慣の減少や体重の増加傾向が顕著に現れました」

石下:
「さらに、通勤がなくなったことによる歩数の減少傾向がはっきりと見られました。1日の平均歩数が1,000歩未満の人が3割近くで、4,000歩未満の人は過半数を超えています。そして、実に8割を超える社員が『運動不足を感じている』と答えたのです。そこで、社員の運動不足を解消する施策として考えたのが『グッドコンディションボーナス』です」

コンディションもセルフマネジメントが重要

「グッドコンディションボーナス」は、健康保険組合が契約している株式会社JMDCの健康管理アプリ「Pep Up」に歩数・体重を記録した社員に対して、会社が達成インセンティブを翌月の給与として支給するものです。

石下:
「昨年から、どういった指標やインセンティブが理想的なのか探っていて、さまざまなトライアルを通じてインセンティブの額は調整してきました。現在は、体重が毎月1件以上、歩数が1日4,000歩以上で達成としていて、翌月に最大4,000円を給与として支給しています(※)」 ※2021年7~9月は、月内の達成回数に応じて最大6,000円のインセンティブを支給

※給与明細はイメージです。
社員の健康を推進する施策にはスポーツジムの補助やセミナーの開催などいろいろなものが考えられますが、ヤフーではなぜ給与でインセンティブを支払うことにしたのでしょうか。

石下:
「ヤフーでは、20代・30代の若い社員が比較的多く働いています。若い人ほど、将来的な健康リスクに対する認識が低くなりがちで、啓発だけでは行動変容につながらないと考えました。 これまで実施した、インセンティブで行動変容を高める施策は実績があります。たとえば、社員食堂で唐揚げなどの揚げ物に『揚げ物税』としてプラス100円、お魚定食は『お魚還元』としてマイナス150円にした際は大きな効果をあげました」

石下:
「アイテムやポイントなどではなく、給与支給するのは、あまり他社でも例がない施策だと思います。給与支給であれば当然、汎用性が高いですから、プラスで支給されるお金でジムに通うなり、健康グッズを買うなり、コンディションをさらに高めるものに使ってもらえたら理想的ですね」

ヤフーの社内レストランは、栄養を第一に考えられたメニューも豊富で、美味しいという評判もあり、コロナ禍前は3食を社食で済ませる一人暮らしの社員もいるほどでした。しかし、リモートワーク前提になったことで、食事を含め、自分自身で健康を考えて行動する必要があります。つまり、新しい働き方に合わせて、「UPDATEコンディション」を従業員のセルフマネジメントによって実現するものにシフトすることが求められています。

リモートワーカーもそうでない人も、まずは1日4,000歩から!

石下:
「本施策の実施から約10カ月たち、現在は1日4,000歩以上歩く割合が約6割と、最初のアンケートに比べると4割近くも増加しています。達成率はまだまだ上げたいと思っていますが、順調に推移していると言えるのではないでしょうか。まずは、多くの社員に毎日4,000歩を達成する習慣付けを行えたらと思っています」

本施策で目標としている4,000歩は、ヤフー社員だけでなく誰でも4,000歩が健康に効果的と言えるものなのでしょうか。どのような根拠に基づいて目標を設定したのか聞いてみました。

石下:
「実は、国が推奨する歩数は1日8,000歩以上(※1 厚生労働省の提唱する成人の歩数目標値は男性が9,200歩、女性が8,300歩)なのですが、前述のアンケート状況を踏まえると、いきなり目指すにはとてもハードルの高い山でした。
年間の1日平均の身体活動に関して、4,000歩の達成で精神疾患(うつ病)の予防を期待できるというエビデンス(※2)もあり、私たちもまずは現実的な4,000歩を目指すのが良いと考えました。ゆっくりペースだと10分で1,000歩のイメージですから、4,000歩の場合、40分程度かかる計算です」
※1(厚生労働省
※2(スポーツ庁広報マガジン

石下:
「また、会社の健康保険組合では、社員がチームを組んで行うウォーキングラリーイベントなども実施しています。これは、3人以上10人以下でチームを組んで、チームで4,000歩×期間×参加人数でトータルの歩数を追うというものです。今年5月から6月にかけて実施した際には約半数の社員が参加しました。複数回実施しましたが、歩数アップ施策を知らない人もいて、同僚から口コミで知って取り組みを始めるという効果もあったそうです。また、チームで数字を追うので『他の人に迷惑をかけられない』と歩数アップをがんばった社員も多いようです」

コロナ禍で運動不足を感じている人に伝えたいこと

石下:
「まずは自分の歩数を理解することから始めてみてほしいです。iPhoneユーザーなら最初からインストールされている『ヘルスケア』、Androidユーザーなら『Google Fit』などで簡単に歩数が計測できます。そして、習慣化して、継続することが大事です。その意味で、1日4,000歩は最初のステップとしておすすめです。次は、5,000歩、6,000歩というように山を段階的に高くしていくのが良いのではないでしょうか。
私は、気温が上昇して暑くなる前に毎朝、ウォーキングしています。気持ち良いですし、オンオフの切り替えになっています。ルームランナーを使っている社員もいると聞きます。人混みや熱中症に充分気をつけて、工夫しながらやってほしいですね」

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