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2021.01.29

あなたの街の「危険箇所」は? 災害マップの危険箇所情報

あなたの街の「危険箇所」は? 災害マップの危険箇所情報

災害発生時にユーザー同士が現在地や周辺の状況を共有できる機能、Yahoo!防災速報アプリ(iOS版、Android版)の「災害マップ」。
2020年9月から、被災地で救助活動を行うNPO団体や、被災状況を取材する報道機関などからの投稿を開始しました。事前にYahoo! JAPANとの「災害マップパートナー」に関する契約を締結した団体や企業のみがパートナーとして投稿できるため、信頼性の高い情報として災害時の行動に役立てていただけます。
さらに今年からは、防災に関して一定の知識や経験を持って地域で活動している防災士の方々と連携を開始して、危険箇所を収集していきます。

企画担当の竹内に、災害マップで収集を始める危険箇所とはどういうものなのか、災害マップのパートナーがどのような参画をしていくか、今後の展望などについて聞きました。

竹内 美尋(たけうち みひろ)
2004年入社。Yahoo!商品検索、Yahoo!モバイル(検索)の企画・運営、Yahoo!知恵袋のサービスマネージャー、Yahoo! MAP企画、Yahoo!防災速報の責任者などを経て、現在はYahoo!天気・災害の企画デザイン部長を務めている。「災害マップ」の立ち上げに携わる。

危険箇所とは?

大雨や台風の時に冠水しやすいアンダーパスや低い橋、大きな地震の際に倒壊の恐れのあるブロック塀、足場のわるい道や見通しのわるい交差点など、危険が発生する可能性がある場所のことです。普段から街中や近所の危険な箇所をあらかじめチェックしておくことで、実際の避難時に避けたり、注意して通ったりする箇所として把握しておくことができます。

みなさんが通勤・通学・買い物などでふだん通る道には、危険箇所はないでしょうか? ご自身だけではなく、ご家族(お年寄りや小さなお子さんなど)の目線でもぜひ確認してみてください。

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(危険箇所の例。ブロック塀すべてが危険箇所に該当するわけではないため、該当するかは自治体などにご確認ください)

アンダーパス ガード下のアンダーパスは、大雨のときに水がたまりやすく注意が必要です。徒歩や車・自転車などで避難する際に通るのは避けましょう。
用水路・側溝 田んぼの横を通る道沿いでは、大雨で道路が冠水した際に、柵のない用水路やフタのない側溝に落ちる可能性があり危険なため、近づかないようにしましょう。
小さな河川・小川 普段は水の流れが少ない浅い川ですが、大雨が降ると急に増水して勢いよく流れることがありますので鉄砲水に注意しましょう。
周囲より低い道路・土地 低い土地では、道路上を水が流れたり周囲から流れ込んでくる水がたまったりしやすくなりますので、近づかないようにしましょう。
海沿いの道路・低地 海岸沿いの道は、台風接近時などに高波が打ち寄せたり冠水したりする恐れがあります。
急な坂 道路が冠水したときに水の流れが速くなり、歩くのが困難になり危険です。お年寄りや車いすの方などは、余裕をもっての行動が必要です。また、積雪時や路面の凍結時は滑りやすくなるため注意が必要です。
道の途中の段差 濁った水で冠水していると、足元がわからずつまづく恐れがあります。
マンホール 大雨の際に水が噴き出すことがあります。また、ふたが外れて穴に転落する危険もありますので近づかないようにしましょう。
ブロック塀 大きな地震の際に倒壊する恐れがありますので、すぐそばは歩かないようにしましょう。
自動販売機など転倒しそうな設置物 大きな地震や暴風雨の際に転倒する可能性があるので気をつけましょう。
崖・露頭 土砂がむき出しになっている場所は、崩れる危険がありますので近づかないようにしましょう。
見通しの悪い交差点や曲がり角 急いで避難する時や夜に歩く際には、出会い頭の事故に気をつけましょう。
狭い道や袋小路 十分な道幅がないため車いすなどでの避難が困難です。また、大人数での避難する際も注意が必要です。
街灯のない道 夜の避難時には複数名で通るようにするなど気をつけて歩きましょう。
ビルの多い通り 暴風雨や大きな地震後は、ビルの窓ガラスや看板などの落下物に注意しましょう。
足場の悪い道 舗装されていない道は、大雨や雪解けのときなどはぬかるんで滑りやすくなるため注意が必要です。

NPO、報道機関の投稿を可能にして変わること

パートナー連携を開始した2020年の出水期から現在までは、NPOや報道機関の方々に実際に災害マップを活用いただくような災害が発生していない状況です。
今後、NPOの方々からは避難所の状況や給水所や炊き出しなど、災害が発生してしまった後の支援情報を投稿いただける想定です。NPOでは現在、ARROWS(※1)さんにパートナーとして参加いただいています。
※1 ARROWS
被災地にいち早く駆けつけ、救助・救命活動を行う、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト。国内外で豊富な災害支援の経験を持つ組織が協力体制を構築しています。また、経済・政治・医療など各界のリーダーがアドバイザリーボードのメンバーとして参画しています。

また、報道機関の方々からは現地を取材する中で得られた被害の状況を投稿していただけるようになります。報道機関は現在、東海3県を放送対象地域としている中京テレビ放送さん、福島県の福島テレビさん、鹿児島県の鹿児島テレビ放送さん、長崎県のテレビ長崎さん、長野県の長野放送さんにパートナーとして参加いただいています。
中京テレビ放送さんがパートナーになっていただいた際に、テレビのインターフェースに合った画面で災害マップを出力できる「プレゼンテーションモード」をユーザーの皆さんにご提供できるようになりました。また、プレゼンテーションモードを報道番組上で取り上げていただくことで、より多くの方々にサービスを活用してもらう機会ができることにもつながります。
この仕様は、中京テレビさんと一緒に検討させていただいて実装しました。次の出水期に向けて1つ1つできるところから改善していこうと、現在もご意見をいただきながらサービスの改善に努めています。

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(プレゼンテーションモードの画面例)

NPOや報道機関の方たちは、災害発生時にはその対応に追われますので、本業とは別に災害マップへの情報提供に協力いただくという点については、どのように協力をお願いするのが良いのか、という難しさはありました。
ヤフーで取り組んでいる「SEMA(※2)」の参加加盟団体の方々に九州北部豪雨の際にお会いしてお伺いした時は、やはりリアルタイムでの投稿はハードルが高いというお話でした。その後、災害マップの公開に至り、あらためてパートナー連携のご相談をさせていただいたところ、NPOとしても情報発信を積極的に行っていきたいとの賛同をいただき、まずは、支援活動の最前線から集まってくる情報を、事務局のご担当のかたにまとめて投稿いただくというところから始めてみようということになりました。
報道機関でも、まずはNPOと同じく現地の取材者から集まった情報を、局内のご担当がまとめて入力する方法からスタートしようと検討しています。
このようにNPOや報道機関の方々にご協力いただくことで、より正確で価値のある情報をお届けできるようになります。最終的には、全国どこに住んでいらっしゃる方にもこうした情報をお届けできるよう、パートナーのネットワークを形成していきたいと考えています。まずは来月の3.11に向けては東北エリア中心にお声がけをしていますし、次の出水期までにはさらにエリアを全国に広げていく予定です。

※2 SEMA(シーマ):
民間企業と市民団体(CSO)が連携し、日本国内において災害支援を行うための仕組み。平時から加盟各社が持つ物資・サービスなどをリストとして集約し大規模な自然災害の発生時には、このリストをもとに必要な物資・サービスを迅速に提供。

2021年からは防災士の方々がパートナーに

防災士は、日本防災士機構による民間資格を保持して地域の防災活動に取り組まれている方たちで、現在日本全国に約20万人いらっしゃいます。今回は、防災士の資格を有する有志で構成されたNPO法人「日本防災士会」さんに、会員の防災士の方々へ災害マップ参加の呼びかけにご協力いただきました。
防災士は、地元やご自身の居住地に根差して活動されている方が多く、地域で防災イベントを実施するなど、住んでいる方たちやそのご家族や友人など、住民みんなで防災力を高めていこう、という活動をされています。そのように普段から地域の防災に関心が高い方たちに、災害マップに協力いただけることはとてもありがたく、心強いです。

危険箇所の投稿は、2月上旬の開始を予定しています。パートナーになってくださった防災士の方々に、ご自身が住まわれている地域や外出先などで気づいた、災害時に危険になる可能性がある場所を投稿していただきます。
平時から災害時にわたって地域の防災力を高めていくためのキーとなるのは、やはり防災士さんや自治会のような、日頃から防災意識を高く持って活動されている方々です。防災士の方々に危険箇所を投稿いただくことで、地域生活により役立つ災害マップにしていきます。

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(危険箇所の投稿イメージ)

今後の展望

パートナー投稿を広く収集して素地ができれば、「こういう内容を投稿すればいいんだな」と求められている情報がどういうものなのか、ほかのユーザーにも分かりやすくなります。いずれは一般のユーザーのみなさまにも危険箇所を投稿していただけるようにしたいと思っていますので、そのためにも、まずは防災士をはじめとしたパートナーのみなさまと、そうした理想の形を一緒につくっていきたいですね。

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災害タイムラインで言うと、危険度が上がってきた発災手前の段階から発災中については、一般のユーザーの方々から投稿をいただけます。そしてNPO、報道機関にパートナーとして参加いただけることで、発災後もカバーできるようになりました。
そして今回、防災士の方々の参加によって、平時の防災意識を高めていく取り組みが可能になりました。全国を網羅した情報を提供するため、今後は参加していただくパートナーを広く募っていきます。

今回、まずは2月に危険箇所を収集して可視化し、危険箇所をどのように共有していくのかをイメージしていただくことで、協力していただけるパートナーを増やしていければと考えています。
今でも、小中学校の授業では、まち歩きをしながら防災マップを作ったり、危ない場所を探してみたりするような取り組みをされているところは少なくないと思います。同様の取り組みを災害マップで行うことで、インターネットでの情報共有を広く展開していきたいと考えています。もし、興味をもってくださった防災士の方がいらっしゃいましたら、まずはぜひ日本防災士会までご連絡ください。パートナーとして参加いただくための手続きをご案内いただけます

そして、ユーザーのみなさんには、平時から災害マップを見て危険箇所を把握しておいていただき、避難の際などいざという時に役立てていただければと思います。

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(開発中の画面イメージ)

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