※本レポートについてはヤフー・データソリューションで公開済みレポート「新型コロナウイルスは住みたい街や空間にどんな影響を与えたか」もぜひ併せてご覧ください
新型コロナの感染拡大がはじまってから、あっという間に2020年が過ぎていきました。その中では新型コロナがライフスタイルや社会に与えた影響やその変化も数多く取り上げられました。
その一つに「新型コロナの感染拡大によるテレワークの拡大や自粛による外出機会の減少、広い家などのニーズによって郊外に住もうと考えている人が増えている」というものがありました。
また上記レポートなどでも紹介していますが、コロナ感染拡大が増えると、その動きから1ヶ月遅れて「中古一戸建て」といった住宅関連のニーズが高まる傾向にあるということも過去の分析から判明しています。
そこで、実際に新居探しは都心から郊外へと移っているのかを、ヤフーのデータから検証してみました。
住みたい街の関心傾向マップを作成してみた
具体的には「〇〇 賃貸」や「〇〇 マンション」といった検索キーワードをすべて対象とし、検索数が日を追って増えていれば関心が高まっていたエリア、検索数が徐々に減っている場合は関心が減少していたエリアと規定して、スコア化し地図上にプロットして「住みたい街の関心傾向マップ」を作成してみました。
まずは東京23区を中心に「〇〇 賃貸」の関心傾向のプロットを見てみましょう。色が赤いほど半年間の関心が伸び続けており青いほど減少し続けているエリアです。円の大きさは検索ボリュームとなっています。
関東、関西ともに都心ほど検索がじわじわと減少にあり、郊外はじわじわと上昇傾向にあることが見えてきました。とくに関西よりも関東でその傾向がはっきりと出ているように思われます。
さらに、「〇〇 マンション」も見てみましょう。
マンションに関してはそもそもとして都心から離れると数そのものが少なくなるためか検索数があまり増えないため、プロットが集まっているエリア部分のみの可視化をしていますが、基本的には賃貸同様、都心部ほど関心が漸減している一方、郊外に向かい程関心が増加傾向にあることが見て取れます。
その中においても、関東では都心部に青が多い中でひときわ赤くなっている「勝どき」が目立っています。「パークタワー勝どき」などの同時期に話題性があったマンションなどの影響もあると考えらます。関西では千里中央を中心に周り一帯が関心の高いエリアとなっていることが見て取れます。
最後に一戸建ての関心傾向マップです。
こちらはマンションよりも多少広域に関心が広がっているため、広めに可視化をしています。こちらは関東では都心部が青い傾向は同じですが、郊外でも青いエリアと赤いエリアが散らばっており、特に赤いエリアは一帯としてまとまっている箇所がいくつかあるように見受けられます。
また関西は大阪の北側のエリアよりも南側に関心が上昇している場所が多いように見受けられます。
このように、賃貸、マンション、戸建てそれぞれ傾向は若干異なるものの、住む場所の関心がより郊外へ向き始めていることはデータの面からも実証されたといえるのではないでしょうか。
より自然と空間を求めて
さて、さきほどの関心傾向マップを日本全体で見ているとあることに気が付きます。
このように、海や山といった自然味が溢れるような場所の関心が増加傾向にあるというスコアになっている点です。
このことから、もしかすると新型コロナの感染拡大という経験が、より広い空間やより自然に近い環境を求める傾向に影響を与えたのではないか、と推測されます。
その結果、それらに関連するキーワードの対昨年比での上昇率を調べたところ、それを裏付ける結果がでてきました。
これらの詳細に関しても前述のレポートにて触れておりますので関心がありましたらぜひご一読ください
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