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2020.07.09

2020年東京都知事選をビッグデータで振り返る 〜新型コロナや五輪への関心は?〜

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こんにちは、Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームです。
2020年7月5日(日)に東京都知事選挙(以下、都知事選)が行われ、現職の小池百合子氏が他候補に大差をつけて再選を果たしました。
新型コロナウイルス禍の状況下、令和初の都知事選はどのような意味を持っていたのでしょうか。ヤフーのビッグデータで振り返ってみました。

主要候補関連の注目度推移

図1は、ヤフー検索データを元に主な候補者4名へのインターネット上の注目度を6月以降の日別推移(東京都データのみ)で表したものです。現職候補である小池氏は公示前から継続して高い水準を保っています。山本氏は立候補表明した6月15日に大きく関心を集め、その後も多くの関心を集めていました。いずれの候補も選挙直前に注目度が上昇しており、特に新人候補はその傾向が顕著です。

図1:候補者別注目度の日別推移

2020年6月以降の候補者別注目度の日別推移を表した折れ線グラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)

図2は、図1のデータを元に公示前17日間の注目度平均を基準とした公示後の盛り上がりを指数で表したものです。もともとの注目度合いが大きい現職の小池氏を除き、新人候補は軒並み公示後に増加しています。特に小野氏は選挙直前に山本氏・宇都宮氏をしのぐ盛り上がりであったことがわかりました。

図2:候補者別注目度 公示後の盛り上がり

候補者別注目度の公示後の変化を指数化したグラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)公示前6月1日~6月17日平均を100としたときの指数

続いて関心層の属性の傾向を確認してみます(図3)。小池氏が年齢層高め、山本氏が男性比高めなどの傾向はありますが、おおむね大差はなかったようです。

図3:候補者別の関心層の比較

候補者別関心層の性別と世代別の構成比を表した棒グラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)

注目度と得票数との関連

インターネット上の注目度と実際の得票数の関連はどうでしょうか(図4)。「得票へのつながりやすさ」という観点で見ると、注目度は大きかったものの得票にはつながりにくかった山本氏と、注目度はさほどではないが得票を多く集めた小池氏の特徴がわかります。宇都宮氏と小野氏は両者の中間に当たる傾向でした。
注目度が得票にどれくらいつながったのかを表す「得票コンバージョン(指数)」では小池氏が突出して高く、2位の宇都宮氏とはダブルスコア、山本氏とは7.5倍の差が開いていました。コロナ禍にあって街頭演説などの主な選挙活動が普段よりも困難な中、新人候補には戦いづらい状況であるとともに現職の小池氏には潜在的支持層が多く存在したことが伺えます。

図4:候補者別注目度と得票の関連

候補者別注目度と得票率の関連を表した散布図
資料:ヤフー検索(2020年6月18日~7月4日、東京都データのみ)、選挙結果データ

都民の選挙争点への関心度合いは?

次は、主な選挙争点についての都民の関心を見ていきます。ここでは、以下の6カテゴリーの関連検索ワードを元にした注目度を日別に集計しています。

争点カテゴリ 内容
コロナ:医療 感染者、感染防止、医療体制、PCR検査、抗原検査 など
コロナ:経済 給付金、助成金、休業要請、自粛要請、ニューノーマル など
オリンピック オリンピック、パラリンピック、東京五輪、IOC など
成長戦略・働き方・学び方 5G、ICT、リモートワーク、時差出勤、オンライン学習、ペーパーレス など
まちづくり・防災 防災、首都直下地震、温暖化対策、空き家問題、新都心ルート など
ダイバーシティ・くらし 就労支援、非正規雇用、待機児童、女性活躍、シニア活用、介護問題、バリアフリー、ジェンダー、動物福祉 など

東京都民の関心は新型コロナウイルス関連に集中しています。6月初旬は「経済」系が多く、その後「医療」系と「経済」系が拮抗しており、感染者数の増加が報道された6月28日以降は「医療」系への関心が高まっています。

図5:争点別注目度の日別推移

2020年6月以降の選挙争点別注目度の日別推移を表した折れ線グラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)

関心層の違いはあったのか

続いて争点別の関心層です。性別傾向では、男性比が高いのは「オリンピック」「コロナ:経済」、女性比が高いのは「ダイバーシティ・くらし」「まちづくり」でした。年代別では、シニア世代の比率が高いのは「コロナ:医療」で、感染リスクが高いとされる高齢者が特に関心を寄せているようです。
一方、若年層の比率が比較的高いのは「ダイバーシティ・くらし」や「成長戦略・働き方・学び方」となっています。若い人たちは仕事や学業に関連する領域への関心が高い傾向が見てとれます。

図6:争点別の関心層の比較

選挙争点別関心層の性別と世代別の構成比を表した棒グラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)

では、各候補の関心層がどの争点に関心が高かったのか、両軸をクロスさせてみましょう。いずれの候補者の関心層もコロナ関連に集中しています。中でも山本氏の関心層は「コロナ:経済」が高めなどの傾向はあるものの、候補者による大きな差はありませんでした。各候補の政策の違いがわかりづらく、目の前のコロナ対策に終始した選挙戦であったと言えるかもしれません。

図7:候補者関心層の選挙争点の注目度

候補者別関心層の各選挙争点への注目度合いを表したグラフ
資料:ヤフー検索(2020年6月1日~7月4日、東京都データのみ)

最後に、政党別の関心層がどの候補に興味を持っていたのか調べてみました(図8)。山本氏と小野氏は所属政党の関心層が注目していたようです。他にも、自民の関心層は小池氏、共産の関心層は宇都宮氏への関心度合いが多めであったこともわかりました。

図8:政党関心層の各候補の注目度

政党別検索者の各候補への注目度合いを表したグラフ
資料:ヤフー検索(2020年1月1日~7月4日、東京都データのみ)

まとめ

・新人候補が注目を集める中、得票コンバージョンの差により現職の小池氏が圧勝
・都民の関心は新型コロナに集中し、その他の争点が見えづらい選挙だった
・政党関心層により、候補者への関心度合いには違いが見られた

Withコロナ時代のあらたな生活について、私たち一人ひとりが関心を持ち考え続けることが重要です。その材料のひとつとして、ビッグデータで出来ることを提供していきたいと思います。
今後ともYahoo! JAPANビッグデータレポートをよろしくお願いいたします。

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