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2019.01.29

「部下の自発的な行動を引き出す」
1on1のコーチングとは

「部下の自発的な行動を引き出す」1on1のコーチングとは

組織力の向上を目指し、部下のために上司が行う人材育成の手法のひとつ「1on1ミーティング」(以下1on1)。ヤフーでは2012年から社内への浸透を図って取り組んできました。

1on1では、週に1度30分間、部下のためのミーティングを行いますが、その手法や考え方はさまざまな要素から成り立っています。今回はそのなかの「コーチング」について詳しくご紹介します。

コーチングとは「自発的な行動を引き出すこと」

「コーチング」という言葉を人材開発の現場で聞いたことのある方も多いかもしれません。「コーチ」とは英語の馬車が語源で、目的地へ送るというその言葉がイメージするように、対話や傾聴、あるいは問いと承認を通じて、自己実現や目標達成へ導く行為、あるいはパートナーシップそのもののことを指します。
特にビジネスの現場では自発的な答えを導き、行動を促すコミュニケーション手法を指す場合が多いようです。

教えるティーチングと、導くコーチングとの違い

「ティーチング」とは文字通り、上司や教壇に立つ先生、セミナー講師などが技術やスキル、知恵や経験などを Teach(教える)することです。
法律やコンプライアンス、基本的なビジネスマナーに関わることなど、個人個人の解釈や理解を統一したいときに適した方法だといえるでしょう。

ティーチングのメリット

  • 一度に大勢の人へ向けて教育ができる
  • スピード感をもって、価値観や意思の統一を図れる

一方で「コーチング」は、プロセスに目を向け、自発性を発揮してほしいような場面に適しています。

コーチングのメリット

  • 自発性や再現性を考える力を育める
  • 個性を生かした行動を取れるようになる

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(1on1では、週に1度30分間、部下のためのミーティングを行います)

コーチングで重要な「傾聴」とは?

ヤフーが1on1を実践する上では、「経験学習」という、経験を元に能力を向上させる学習サイクルのPDCAを回すことを重視しています。

1on1を正しく機能させるためには、部下が仕事での経験や失敗、成功から学びを得て自らの課題を認識し、次のアクションに生かせるようになることが必要です。
その際、上司には部下の話に耳を傾ける傾聴やフィードバックなどのスキルが求められます。 コーチングにおける傾聴は「部下の話を否定せずに、ただうなずき続けること」ではありません。ここには「同意」と「共感」の違いがあります。

同意とは、部下の考え方と意見を同じくすること。
共感とは、その思考や結論に至ったプロセスや部下の性格、やりたいこと、思考の背景などを理解して、共感している姿勢を態度や発言などを通じて相手に示すことです。

「同意」ではなく「共感」を目的として、話を聞くことが「コーチング」には必要です。

1on1におけるコーチングは、結論を導くために行う手法ではない

1on1を行う際に、賛成するか反対するか、という前提で部下に対峙(たいじ)していると、その姿勢が伝わってしまい、部下が無意識のうちに防御する状態になってしまいます。それでは部下の本音が分からないままですし、部下が自ら気づきを得ることもありません。

そもそも、1on1におけるコーチングでは意見の合意を目的としていません。部下との信頼関係を築き、部下が自身の考え方を整理し、気づきや学びを得られることにあります。

まずは部下の考え方の筋道に寄り添ってみる。こうしたコーチングを通じて傾聴の態度を伝え続けることで、信頼が醸成され、部下が自ら動くという関係性を徐々に築いていけるのではないでしょうか。

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