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2018.04.11

「出品者にも落札者にもやさしいアップデート」ヤフオク!の画像10枚対応

画像

2017年10月10日、ヤフオク!は出品時に画像を最大10枚まで、しかも高画質で登録できるように変更し、従来の3枚から大幅に機能を改善しました。

SNS上では、この改善について「ハンパなくうれしい」「ここ10年で一番の改善」「マジで感動した、早く教えてよ」「出品者にも落札者にもやさしいアップデート」などの感想が多く飛び交いました。
今回の改修についての背景、開発中のエピソードなどを、開発担当者に聞きました。

-まず、それぞれの担当について教えてください

新倉:
フリマの10枚対応と、オークション、フリマの画質アップ対応を担当しました。

馬場:
バックエンド全般の画像保存や、商品詳細ページなどで表示するためにダウンロードさせるなどの部分を担当しました。

三宅:
オークションの10枚対応で、フロント側の対応をメインに行いました。新倉さんが担当されていた部分を、途中から引き継ぎました。

-今回のリリースによる一番のメリットは何ですか?

三宅:
出品時に画像を多く掲載することで、今までは文章で説明していた部分を画像で伝えられる点だと思います。例えば、キズや汚れについても画像で伝えることで、安心な取引ができます。
また、出品後に画像のリクエストがあった際に、追加でアップできるという点もメリットですね。

リリースまでは、画像が足りないため、商品説明に画像のリンクをはっている出品者もいました。しかし、買う側にとっては、リンクをクリックしてわざわざ見にいくのは体験的にあまり良くないですよね。今回のリリースによって、画像がそのページ内で見られるようになったのは、大きな改善点だと思います。

写真

-リリースは、ユーザーからのリクエストが多かったことが一番大きいですか?

馬場:
そうですね。登録画像枚数を増やして欲しいといったリクエストは以前からあがっていました。
「簡単に出品できる世界観を作りたい」「より安心・安全を強化したい」「より細かく材質を見たいというニーズに応えたい」というような思いもありました。

また、バックエンドのストレージは、ヤフオク!ができたときから変わっていなくて、すごく古かったのです。今回の10枚対応をするために、ストレージも一緒に変えることにしました。
今の時代に画像が3枚というのは少なすぎると思っていたので、何枚でも耐えられるようにしたいと思っていました。
バックエンドのストレージが古いままだと、運用者の負担など、ランニングコストがすごくかかってしまうというのも理由の一つです。
ヤフオク!が始まったときからずっと、20年近く同じシステムを使っていたというのは驚異的ですよね(笑)。

新倉:
フリマ10枚対応をしたとき、フロントサーバーも増設しています。
今まで出品用のフロントサーバーが20台だったのを、画像登録機能だけ切り出し、専用サーバーとして30台追加しました。

-何か苦労したポイントはありますか?

三宅:
画像10枚対応の引き継ぎの際、新倉さんからパフォーマンスの問題が気になると言われました。
3枚から10枚に増えることで、情報量が単純計算で2倍以上になります。出品者全員が10枚登録してもちゃんと耐えられるバックエンドが必要なので、リリース後もアップロード枚数などの数値や負荷を見ながら、きちんと処理できているかチェックし続けています。

画像をアップロードする際にバックエンドが負荷に耐えられない状況になると、そもそもアップロードできなかったり、すごく時間がかかってしまったりする問題が起こるので、そうならないよう注視していました。
おかげさまで反響はすごくいいです。それだけ待ち望んでいた人が多かったのではないでしょうか。

-リリース後、SNSの反応は気にしていますか?

三宅:
リリース後は開発チームもリアルタイム検索を見ています。「できるようになった!」「やった!」というツイートを見て、個人的にもうれしかったですし、やって良かったなと思いました。

画像10枚対応のリリースが10月10日だったのですが、Twitterで「10月10日で10枚対応、そういう日なんだね」というのを見て、自分たちも「そういえばそうだ」と気づきました(笑)

Twitterでの反響

-ちなみに、なぜオークションより先にフリマでリリースしたのですか?

新倉:
いくつか理由はあります。1つは、オークションにだけある「下書き機能」のリニューアルが7月にあったので、それが終わった後でないと画像10枚対応の開発を進められなかったことです。フリマは下書き機能がないので、先に着手できました。

もう1つの理由は、フリマの出品フォームのほうが新しいことです。今後オークションもフリマのフォームに寄せていきたいと思っています。それもあって、まずフリマでリリースしました。

-開発中のエピソードを教えてください

馬場:
バックエンドの入れ替えについては以前から10枚対応に向けて動いていて、サーバーの負荷などを見ながら快適に使っていただけるよう細かい改善を続けて、今回のタイミングでのリリースになりました。

少し前のことになりますが、ピーク時になると画像が出ないという致命的な不具合がありました。負荷が原因で、検索画面では画像部分に「No Image」と表示されてしまって、商品詳細ページには、そもそも画像が出ないという状況でした。
実はその時期はバックエンドのシステム移行中に起きた事故で、その新システムが思ったより処理できなかったために、画像をダウンロードできなくなってしまうという事故が連日起こっていました。

イベントも何もない通常の負荷で、ピーク時に画像が出てこないというのは致命的ですが、システムをチューニングして何とか処理できるようにしました。
その頃から、10枚対応は必須といわれていたのですが、このシステムで実装するのは無理だと判断し、もう一度システムを入れ替えるきっかけになりました。

-バックエンドシステムの入れ替えは、やはり大変なのでしょうか?

馬場:
ヤフオク!の画像が全部そこに集まっているので、アップロードされたものはそこからダウンロードしなければなりません。

そのシステムがかなり古かったため、コードは古いし多いし、入れ替えることによる影響範囲を調べるのが非常に大変でした。

-改修したことで、オークションとフリマの全ての出品者が10枚登録しても大丈夫ですか?

三宅:
全員が最大10枚、最大サイズで登録することを前提に設計すると、今以上に膨大なサーバー台数を用意しなければならなくなってしまいます。
現在、新規で出品している人と再出品している人が1日あたり何人いて、そのうち4枚以上で出品している人が何人いて、平均は何枚か、というような数値をまとめています。

今後は、1日あたり何枚登録されているかの数値を取りながら、必要なタイミングで増設していくつもりです。
みなさんに快適に出品していただけるように、かつ安心・安全な取引に画像の登録機能が貢献できるよう、引き続き数値を見ながらチューニングしていきます!

写真
(左から馬場、三宅、新倉)

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ヤフオク!は、歴史ある大きなサービスだけに、多種多様なユーザーのみなさまがいます。みなさまのご意見を実現するのに、ほかのサービスより時間がかかってしまうことも多いかもしれません。

「自分で商品を売ったお金でまた新しい価値を手に入れるワクワク体験」さらには「売りたいものが想像以上の価値だったことを知ってワクワクする機会」をより多くの方に提供できるよう、ヤフオク!は今後もひとつずつ改善を続けていきます。

※記事内容および、社員の所属は取材当時のものです。

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