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企業情報

2018.03.28

「不安を希望に変えていく」奥田浩美さんに聞く、自分らしく働くヒント

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「誰もが強くしなやかに活躍できる社会創出」を目指すビジネスカンファレンス「MASHING UP」が2018年2月に東京・渋谷で開催されました。

そのなかで、ヤフーは「私たちが、より自分らしく働くためにできること」というワークショップを開催しました。ヤフー社員100名のアンケートデータにヒントを得ながら、参加者が自分らしく働くための最初の一歩を見つけることがワークショップのゴールでした。
今回は、ゲストスピーカーで、株式会社ウィズグループ代表取締役の奥田浩美さんから教えていただいた「自分らしく働く」ためのヒントを中心にご紹介します。

奥田浩美さんは、IT分野のカンファレンスのプロデュースなどを手がけており、これまで3度の起業を経験。数多くの企業のスタートアップ支援も行っていることから「IT業界の女帝」とも呼ばれているそうです。

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(株式会社ウィズグループ代表取締役の奥田浩美さん)

「未来から来ました!」 

以下は、奥田さんにお話いただいた内容です。

この言葉の意味は、私が2040年とかからタイムマシンに乗ってきたということではありません(笑)。
未来は、現実の世界においてすでに「まだら」に存在しています。たとえば育児や介護の中にも。
私はすでに「こうありたい未来」が見えていますし、その未来の働き方の一部を育児や介護を通じて実践している、という意味で「未来から来ました」と言っています。

私が働き始めたころは、ITの世界にはまだ女性が少なかったので、比較的スイスイと泳いできました。たとえるなら、男性だけがいる中にビキニの女性が一人だけ混じっているような感じだったんですね(笑)。
ですが、今年18歳になった私の娘を、同じようにスイスイ泳がせる自信はありません。
そう思ったことがきっかけで、これから世の中に出て頑張っていきたい女性を応援できればと、女性ならではのリーダーシップの発揮の仕方を考える「Women’s Startup Lab」の日本人向けプログラムを共同開発。シリコンバレーで女性リーダーを育成するプログラムを行っています。

私はこれまで「ため息を全部、事業にする」ことをやってきました。
鹿児島県の、亀の卵を食べるような地域で生まれ育ったのですが、自分が地方にいることで、できることに制限を感じ「このままじゃいやだ!」と思ったんです。私のように地方に生まれた子どもにも、もっとたくさんの機会があればいいのに、という思いが、スタートアップの支援を行う原点となりました。また、5年間遠距離介護をしていますが、その経験からロボットの介護への活用にも取り組んでいます。
私が困っていることなら、多くの人も困っているのではないか? と思うことがすべての原点となっています。

自分らしく働くためには?

このワークショップの「自分らしく働くためには?」というテーマを考えたときに、自分の内側だけを掘っても何も探せないのではないか、そして「自分らしく」働く、ということがかえって自分を苦しめている方もいるのでは? と思いました。
今回、事前にヤフー社員100人に3つの質問(※)に回答してもらいましたので、その結果を少しみてみましょう。
※質問のなかで「UPDATE」という言葉が出てきますが、「UPDATE JAPAN」がYahoo! JAPANのビジョンであり、情報技術で人々の生活と社会を「UPDATE」するさまざまな取り組みを行っています。

回答者の属性(左から男女別割合、年代別割合)

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質問1:あなたにとって「自分らしく働く」とは?

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質問2:そのためにUPDATEしたいものはなんですか?

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質問3:そのUPDATEを後押しするものはなんですか?

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自分らしい働き方の上位として「プライベートも充実」や「時間・場所の裁量」、そのためにUPDATEしたいものとして「マインド」や「価値観」といった言葉が並んでいますね。

そして「自分らしく働くためには何が必要なのか?」と考えたときに、その後押しになるのが「上司・同僚の理解/支援」と考える人が多いという結果になりました。

これは、他人から後押ししてもらう場合ですが、私たち自身が後押しする場合も考えられます。「他人」ではなく「私が後押しする人になればいいんだ」という発想をもつことが大事です。
みんな、誰かの同僚であり、上司であるはずですよね。そう思うと誰にでも必ず、自分からできることがあるんです。

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(向かって左から:司会進行のヤフー大内、ゲストの奥田さん、ヤフーの後藤、GYAOの塚田)

不安を希望に変えるためには?

ここまでのアンケート結果だけを見ても、「自分らしさ」という概念が一体何なのか、よくわかりませんね(笑)。
今日は、皆さんの「自分らしさ」を引き出すために、皆さんが日ごろ抱きがちな「不安」に注目していきます。
「自分らしく働くためにUPDATEしたい」と思う気持ちの裏には「やりたいのにやれない」という不安な気持ちがあるかもしれません。
この不安には、自分が大切にしている在り方や価値観が隠れています。

だからこそ、あえて「不安」に注目して、どんな希望に変えられるかを一緒に考えていきましょう。実際に、アンケートに答えてくれた方のなかから、後藤さんと塚田さんの回答をもとに紹介します。

ヤフーの後藤さんの答えはこちら。
Q 自分らしく働くとは?
真理の探究

Q UPDATEしたいものは?
視点

Q どんな不安を希望に変えたい?
「理解されない」不安を「仲間や支援者を増やしたい」という希望に変えたい

後藤さんの、自身の分析や調査結果が「周囲に理解されない」という不安には、「仲間と分かち合いたい」「調査結果を社内でもっと活用してもらいたい」という大切な価値観が隠れていました。だから、「理解してもらいたい」と願い、「分かち合える仲間や支援者を増やしたい」と思うのです。

そして、GYAOの塚田さんの答えはこちらです。
Q 自分らしく働くとは?
いいチームを作ること

Q UPDATEしたいものは?
INPUT

Q どんな不安を希望に変えたい?
「知らないことがたくさんある」不安を「好奇心を満たしたい」という希望に変えたい

塚田さんの、社会人として「知らないことがたくさんある」という不安には「好奇心を満たしたい」という大切な価値観が隠れていました。だから、「知らないこと」や「新しいもの」を常に求め続けるのです。

こうして考えていくと、日常抱いている「不安」が「自分らしさ」(大切にしている在り方や価値観)につながっていることがわかります。

「不安」は「仲間」であり、「不安」は「希望」に変えることができる。

私自身も、そう考えながら、これまで挑戦を繰り返してきました。

会場の様子

変化そのものにあなた自身がなればいい

最後に、
「あなたが見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい(Be the change you want to see in the world.)」
という、ガンジーの言葉を共有したいと思います。

世界や社会を変えたいという思いが生まれたら、その変化そのものにあなた自身がなっていけばいいんです。育児や介護において、自分がありたい姿になること。変化の先頭になること。
「ああなったらいいな」ということは自分がそうなればいい、「ああしてほしいな」ということは、まず自分がそれをすればいい。

自分らしく働くために変えたいことがあったら、皆さん自身がその変化そのものになっていってほしいと思います。

奥田浩美さんプロフィール:
インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了(MSW)。
1991年にIT特化のカンファレンス事業を起業し数多くのITプライベートショーの日本進出を支える。2001年に株式会社ウィズグループを設立。2013年に株式会社たからのやまを創業。
情報処理推進機構「IT人材白書」検討委員、未踏IT人材発掘・育成事業審査委員、内閣府「アジア・太平洋輝く女性の交流事業」委員など。

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