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企業情報

2016.09.28

「大切にしていたモノを、大切にしてくれる人に」街をあげてのリユース作戦!

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リユース(再利用)を通じて夢や未来を応援できる「reU funding from ヤフオク!」の仕組みを使い、福井県鯖江市がYahoo! JAPANとの協定にもとづき、自治体として初の取り組みとして開始した「サバオク」

これは、鯖江市内の家庭や会社などにある不用品や掘り出し物を集め、リユース商品としてヤフオク!に出品するもので、一般の店舗などでは入手が難しい、年代物の機器や珍しいアイテムがあるのが特徴です。

たとえば……。

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「東海道五十三次」の屏風(びょうぶ)。とても人気があったそうです。

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こちらは「赤ちゃんかぐら」。わらを編んで作った容器で、保温のために飯櫃(めしびつ)を入れたり、幼児を入れたりしていたそうです。
昭和30年代ごろまでは、田植え時期はこれで赤ちゃんをあやしながら仕事をしていました。

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ブリキラジコンカー (外車) 。
コードがついているのがちょっと衝撃でした。

今回は、この取り組みについて、ヤフオク!カンパニー ユニットマネージャーの一条、ヤフオク!のリユース推進部の渡邉、萱畑(かやはた)に話を聞きました。

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(左から萱畑、渡邉、一条)

- 今回の取り組みの目的や仕組みを教えてください。

渡邉:
以前より、自治体と一緒に、もっとリユースへの認知を高め、さらに活動を広めていけないだろうか、と検討していました。

通常の処分の流れですと、自治体に集まった不要品は、そのままゴミとして処分されてしまいます。
もっと、一般の方が気軽に不用品を出品できるようにしたいと思い、自治体公認のヤフオク!ストアをつくって、そこを経由して出品していただく、という仕組みをつくりました。

これは、全国の自治体で初めての取り組みです。

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(渡邉)

- 具体的にはどのように進めていったのでしょうか。

渡邉:
不用品があると連絡をいただいたお宅に、鯖江市環境教育支援センター指定管理者である「認定NPO法人エコプラザさばえ」の方が事務局としてうかがい、不用品を蔵などから出したり、ヤフオク!に出品したりしてくださいました。

たとえば蔵からは、その家にお住まいの方が捨てられずに持っていた、いろいろなモノ出てきました。また、イベントなどで告知したことで、持ち込んでくださる方も増えて、結果的には300品くらいが集まりました。

鯖江市は、越前漆器という漆器が有名な街ということもあり、お盆と食器のセットがまとめて出てきたこともありました。あとは、掛け軸や、黒電話などの昭和40年、50年代に活躍していたようなものがたくさん出てきましたね。

萱畑:
蔵には、きっといろいろなものが眠っているんですけど、それらを取り出したり片づけるきっかけがなかなかないのだろうなと思います。 

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 (萱畑)

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陶器大鉢(青花柄) 。

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旧電電公社製の黒電話。
平成生まれのみなさんはきっと知らないのでしょうね……。 

- 自治体からのフィードバック、利用者からの反応はどうですか?

渡邉:
みなさん、「こんなものでも売れるんだ」とか「価値があるんだ」という意外な発見があったようです。
具体的にどのようなモノがヤフオク!で売れるのかを写真つきで見せて説明したところ、「これ、うちにある」などと、出品できるモノについての基準を理解いただけたのもよかったですね。
たとえ壊れているモノでも、「動きません」ときちんと明記すれば、出品には問題ありませんし。

「こういう感じならうちでもできそう」と、すでにいくつかの自治体からご連絡をいただいています。
まずは地方都市と呼ばれる地域を中心にやっていきたいですが、機会があればもっと大きな規模の都市や東京都内の区の自治体とも組んでやってみたいですね。

- この取り組みで達成したいことを教えてください。

一条:
この取り組みが、地域の住民の意識が変わるきっかけになればと思っています。
「リユースすることはいいこと、そして難しくない」と思って欲しいですね。
取り組みによって集まったお金はその自治体の教育資金に使われます。蔵の整理もできて、そこで得たお金が自分の愛する街のために使われるというのは、より地元への愛着につながるのではないかと思います。

萱畑:
まず、これまでだったら捨ててしまっていたものについて、「これは捨てなくてもいいんだ」「こんなものも買ってもらえるんだ」とわかることで、「個人でヤフオク!に出すのはちょっとめんどうだけど、自治体が集めてくれるなら出します」という方が増えるのではないかと。

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(自治体に説明する際に使用した、落札参考商品リストの例)

また、自治体にとっては住民のリユース意識を高めたり、エコロジーに対する考えを定着させたりできるというメリットがあると思っています。また、一度ヤフオク!にストアを出していただけたら、今後もこの仕組みを使っていただけるので、住民が楽に不用品を出品できるというメリットもあります。

もちろん、個人が地域のために、ネットからも簡単に出品できるようにしたいと考えています。

一条:
個人宅の片づけに、ヤフオク!がもっとお役に立てるような仕組みをつくりたいですね。
蔵に保管されているような歴史のあるモノを片づけるのは本当に大変です。そして、それらへの思い入れがある方も多いため、いくら手放したいと思っていても、なかなか捨てられないし、捨てるにはしのびないと思い、手元に残し続けてしまうんです。

それなら、捨てるのではなく「価値を知っている人に使ってもらう」とすれば、それなら渡せる、という気持ちになってくれやすいのではないかと思います。
「使わなくなったモノを、捨てるのではなく使ってくれる人に譲る」という考え方は、日本の「モノを大切にする」という文化にも合っていると思うんです。

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(一条)

渡邉:
自分が大切にしていたものを、同じように大切にしてくれる誰かに引き継ぐという感じかなと思います。

萱畑:
この「reU funding fromヤフオク!」は、モノや資源を循環させながら、地域のための資金集めもできる三方良しの仕組みです。また、より多くの方に地域のことを知ってもらえるきっかけにもつながる取り組みなので、今後は地域創生の一環としても全国の自治体へ展開していきたいです。
たとえば、複数都市で同時に開催できたら、地域ごとに出品されるモノの特性がでたりして面白いですよね(^^

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