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2016.07.05

Yahoo!ネット募金開設団体が、熊本益城町のいまをレポート

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現在、Yahoo!ネット募金では、熊本地震の被災者支援に関連する募金を複数開設しています。
今回は、現地で子どもたちの支援を実施している認定NPO法人「カタリバ」の今村さんと、震災によりチーム存続の危機にあるプロバスケットボールチーム・熊本ヴォルターズ代表の湯之上さんに、熊本県益城町の今を伺いました。

カタリバから見た、益城町の子どもたちのいま

- カタリバはどのような活動をしている団体なのですか?

今村:
認定NPO法人カタリバは、高校生と大学生が対話する「出張授業カタリ場」をつくる活動からスタートしたNPOです。東日本大震災以降は岩手県大槌町と、宮城県女川町で学習支援の拠点をつくり、小中高校生の学習指導と心のケアなども実施してきました。
現在は熊本県益城町で、安心して勉強できる場所を失ってしまった中学生を対象とした「学習機会」と「居場所」の提供をおこなっています。

- 熊本への支援を始めたきっかけを教えてください。

今村:
私の地元が熊本県なので、地震発生後に実家に戻り、避難所の手伝いをしていました。学習支援をやろうと思ったきっかけは、宮城県女川町の保護者から「女川と同じように、熊本の子どもたちの力にもなって欲しい」と言われたからです。
まだ支援を必要としている女川町の方から言っていただいたことは私たちの大きな力になりました。

実施するにあたり、5月に、5つの自治体で教育に関するニーズ調査をしました。風に揺れるこいのぼりを見ながら、5年前の東北のことを思い出しました。
ニーズ調査の結果も踏まえ、熊本でも長期の支援が必要だと判断し、翌週から学習支援をスタートしました。今までの参加生徒は130人、彼らを職員2人とボランティア大学生約30人で教えています。

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- 益城町の子どもたちはどんな様子だったのでしょうか。

今村:
益城町は人口3万人弱の中、いまだに2千人ほどの町民が避難しています(6月25日時点)。
避難生活をしている子どもたちも多くいます。小学生には多くの支援が集まっていますが、中学生への支援が少ないと感じていました。そこで私たちは中学生を学習支援の中心としました。
中学校では、6月1日からやっと通常授業が始まったところです。それまでは給食センターが全壊してしまったため、給食も提供できませんでした。今は、全食お弁当をデリバリーしていて、通常授業もできるようになりました。

子どもたちは、それぞれ避難所生活や、テント生活、車中泊など放課後の状況がバラバラです。お互いの生活については、子どもたち同士気をつかってあまり話しません。
そのような状況の中、まずは一人ひとりにとって安心安全な居場所をつくることを目指しました。中学生が安心して、自分の状況について話ができたり、勉強ができたりする場です。

また、運動部の中学3年生にとっては、7月の中体連(中学校体育連盟)の試合が終わると受験勉強の本番に突入します。勉強が遅れており、受験生は特に進路の不安があります。学習支援を通じてその不安を早く取り除いてあげたいと思っています。

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(震災直後の益城町の様子)

- 熊本地震と東日本大震災との違いはありますか?

今村:
熊本は被災状況がまばらで、被災格差がとても大きいため、先ほどもお話したとおり、お互いがかなり気を使いあうような雰囲気があります。
ただ、子どもも教職員も亡くなった人はいないので、今回の地震を少しでもポジティブに捉えようとしている雰囲気があると感じています。

- 今後必要な支援は何でしょうか?

今村:
生活に必要な物資は足りています。今後は、腰をすえて中長期に子どもたちに寄り添っていく人への支援が必要だと思っています。

私たちも、来年の春の高校入試を見届けるまでは活動を続ける予定です。そのために募金などを通じて活動のご支援をいただけるとうれしいです。

【ネット募金】熊本の子どもたちに、居場所と学習の機会を

熊本ヴォルターズから見た、益城町のいまとこれから

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(熊本ヴォルターズの選手と地元の子どもたちの交流会)

まず、熊本ヴォルターズについて教えてください。

湯之上:
私たちは益城町をホームタウンとするプロバスケットボールチームです。日本バスケットボール協会でトップリーグに位置付けられるNBLに九州で唯一参入するチームとして2013年に誕生しました。
ホームアリーナとして益城町総合体育館を使用させていただいていましたが、震災で天井がすべて剥がれ落ち、現在も避難所となっています(6月20日時点)。

そのため、選手たちはボールを使った練習がほとんどできていません。熊本市内のジムが無償で選手に施設を貸してくれていますが、多くの選手は県外にある地元に帰ったりして練習をしている状況です。
また、もともとは試合のチケット収入や広告収入で活動費用を賄う予定でしたが、地震により試合が行えなくなったため、支援が必要な状況になっています。

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(震災直後の益城町総合体育館の様子) 

- 震災直後から、車中で寝泊まりした選手もいたとお聞きしました。

湯之上:
はい、5月末まで避難所生活していた選手が数名おり、その中には車中泊の選手もいました。やはり睡眠をとるのが難しかったと言っていました。数日後には選手の友人が大きい車を持ってきてくれなんとか寝ることができたようです。今は自宅に戻っています。

- 現在の益城町はどのような状況なのでしょうか?

湯之上:
多くの人に支援していただいていますが、まだまだ厳しい状況です。9割近くの家が半壊または全壊の被害にあったため、瓦礫(がれき)の撤去が全く進んでいません。日常をとりもどすためにはまだまだ協力が必要で、特に、瓦礫の撤去など、多くの人手(ボランティア)が必要だと感じています。
また、避難所の方々への食事のサポートもまだまだ必要です。炊き出しはとても喜ばれます。ヴォルターズの選手たちもこれまでに炊き出しを手伝っています。

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- ヴォルターズが存続するために、あとどれくらいの金額が必要なのでしょうか?

湯之上:
目標額は3000万円で、現在2000万円集まっています。そのうち1000万円がみなさんからの寄付、1000万円がリーグからの支援です。残り1000万円が必要なので、引き続きみなさまからのご支援を求めています。

バスケットボールを通して被災されたみなさんを勇気づけ、また、試合に足を運んでもらうことで、ひとときでも笑顔になってほしい。
「熊本ヴォルターズ」が「復興のシンボル」になることを強く願っています。

【ネット基金】よみがえれ 熊本ヴォルターズ プロジェクト 

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