ヤフー株式会社は、2023年10月1日にLINEヤフー株式会社になりました。LINEヤフー株式会社のコーポレートサイトはこちらです。
当ページに記載されている情報は、2023年9月30日時点の情報です。

企業情報

2016.03.07

【3.11から5年 〈1〉】  「防災を生活の一部に」 Yahoo! JAPANアプリの災害通知機能

画像

「もしもの備えに 安心を、ダウンロードしよう」――3月1日からテレビ放送している、俳優の本木雅弘さん出演のYahoo! JAPANアプリのCMはご覧になりましたか?

今回は、CMで紹介されているYahoo! JAPANアプリの災害通知機能の開発の裏側について、Yahoo! JAPANアプリの災害/検索サービスマネジャーの奈須川と、開発チームの柏木、倉持に話を聞きました。
(左から奈須川、柏木、倉持)

災害プッシュ通知開始から3年、基準は常にアップデート

- CMでは震度5弱以上の地震や避難情報の災害通知機能が紹介されています。Yahoo! JAPANアプリの災害通知機能にはほかにどんなものがあるのでしょうか?

奈須川:
Yahoo! JAPANアプリでは、2016年3月現在、気象庁や自治体からの情報を元に、下記の7種類の災害系情報をプッシュ通知しています。

  • 地震情報
  • 津波情報
  • 避難情報
  • 特別警報、気象警報
  • 土砂災害警戒情報
  • 豪雨情報
  • 噴火速報

2013年2月に地震、津波の災害通知機能がスタートしてから現在まで、都度見直しながら種類を増やしてきました。

- これらの災害情報の種類はどのような基準で選んでいるのですか?

奈須川:
避難など、災害の危険を避けるための行動の判断になるものを優先的に選んできました。たとえば、2015年6月に提供開始した土砂災害警戒情報は、自治体が避難情報を出すかどうかを判断する元になる情報です。また、御嶽山噴火を受けて新設された噴火速報は、気象庁とヤフーが情報交換をしながら2015年8月の提供開始に合わせて機能追加しました。

柏木:
実際に災害が起こるたびに、チーム内でも機能の見直しや検討をしています。被害の大きさなどで扱う優先順位が変わることはありますが、あくまで基本は「行動の判断になるもの」を重視して届けられるよう、実装してきました。

image

(例:震度5弱の地震が発生した場合のYahoo! JAPANアプリ通知画面)

- Yahoo! JAPANアプリの災害通知機能では、ユーザーが地域設定をできるそうですね。

倉持:
はい、お住まいの地域を設定をすることで、その地域の災害情報をより詳しく受け取れるようになっています。たとえば、震度4レベルの地震情報や豪雨情報などですね。しかし、震度5弱以上の地震や、津波、噴火速報などについては影響度が大きいと判断し、地域設定をしていないユーザーにもお届けしています。

奈須川:
災害情報だけではなく、通常のニュースや生活に役立つ情報などを幅広く扱うYahoo! JAPANアプリでは「身を守るための最低限の災害情報を厳選して届ける」ことを重視しています。なので、地震も震度3以下は通知せず、豪雨情報も一時間の雨量で30ミリ以上からお送りしています。

柏木:
30ミリレベルだと車の運転にも大きな支障が出ますからね。

-「このレベルが命を守る最低限のライン」と決めるのは容易なことではないですね。

柏木:
はい、正直悩むところではあります。たとえば、避難情報に関していうと、2014年8月の広島土砂災害の前は「避難指示」からの通知でしたが、広島での大きな被害を受けて「避難勧告」からも通知できるように見直しました。そのあたりの基準は、都度実際に起こった災害などと照らし合わせ、チーム内でも検討し、アップデートしています。

「避難指示」と「避難勧告」 何が違う? (THE PAGE)

image

(Yahoo! JAPANアプリ 災害/検索サービスマネジャー奈須川)

当初の20倍のスピードを実現――災害通知を支える技術とは


- 災害通知機能の技術面について教えてください。「すばやく災害通知を届ける」ために、どのような技術的工夫がされているのでしょうか?

柏木:
通知の高速化に関しては、ヤフー全体のアプリ通知機能のプラットフォームを支えるチームと一緒に開発を進めました。プラットフォームのチームが速度に特化して開発を進め、わたしたちYahoo! JAPANアプリのチームは、災害通知を送った際の膨大なアクセスによる負荷に対処する開発を進めました。
その結果、現在は、2013年のYahoo! JAPANアプリの災害通知機能の開始時期と比べ、約20倍のスピードで通知をお届けすることが出来ています。

倉持:
災害通知を受信するユーザーが増えると、それだけどうしても全ユーザーへ通知が完了するまでに時間がかかる、というジレンマはあります。より早く安定してお届けできるよう、基盤を支えるプラットフォームのチームと調整しながら日々取り組んでいます。

- 多くのユーザーが利用するYahoo! JAPANアプリですが、負荷などの安定面に関してほかに気に掛けていることはありますか?

柏木:
当たり前のことですが、開発チームとしては、発生した災害をしっかりとキャッチして、すぐにユーザーに通知し、ユーザーがその情報を問題なく見られるようにする、という三段階のステップには常に目を配っていますね。

倉持:
また、災害通知を受けてニュース記事などを見たユーザーが、Yahoo! JAPANアプリのホーム画面に戻ったときにちゃんと最新情報をキャッチできるかどうか、そして、その負荷にも耐えられるような設計を心がけています。
現在、東日本と西日本にサーバーを分けており、システムの冗長化は常に進めています。

image

(Yahoo! JAPANアプリ開発チームの柏木)

Yahoo! JAPANアプリひとつで、防災が生活の一部に

- システムの冗長化の話が出ましたが、人員体制はどのようになっているのでしょうか?

奈須川:
Yahoo! JAPANアプリの災害情報は、Yahoo!天気・災害やYahoo!ニュースのメンバーと協力して発信しています。ヤフーには、八戸、大阪、北九州など全国数カ所に拠点があり、エンジニアと編集者が各地で勤務しています。
もし仮に首都圏が混乱する状況になっても、必要な情報を24時間送り続けることができるよう、システムだけではなく人員も冗長化しています。

柏木:
大きな地震が発生したとき、単に「いま震度6弱の地震がありました」と自動で知らせて終わるだけではなく、その先の避難や生活に関する情報までを提供できる体制にしています。

- 防災情報を扱うアプリはほかにもありますが、その中においてYahoo! JAPANアプリの特徴や強みは何だと思いますか?

倉持:
普段の生活の中で最低限身を守る情報を得たい、という人にはぜひYahoo! JAPANアプリをおすすめしたいです。主要ニュースや楽しい生活情報も扱いながら、命を守る情報もカバーしています。アイコンひとつならスマホのホーム画面でもそんなに邪魔にはならないですし(笑)、 「とりあえずYahoo! JAPANアプリがひとつあれば安心」と思っていただけるようになれれば。
特に防災に対しては意識を高く取り組んでいるアプリなので、いざというときにも安心して使えるものになっていると思います。

柏木:
災害通知に関して言えば、災害などの重要なニュースが飛び込んできたときは、通常のニュースや生活情報などの配信途中でも、それを止めて、号外ニュースを優先的に届けるようにしています。

奈須川:
また、災害が起こった際は、通知のみならず、Yahoo! JAPANアプリのホーム画面でも臨時の災害情報枠を掲出して発信しています。スマホの電源をオフにして通知をリアルタイムで受け取れなかった場合でも、アプリのホーム画面で常に最新の情報をキャッチできます。
ちなみに、ヤフーでは災害情報に特化したYahoo!防災速報というアプリも提供しており、こちらは地震の震度や雨量など、より細かく通知条件を設定することができます。災害情報をより詳しく知りたいという人には同じくおすすめしたいアプリです。

image

(Yahoo! JAPANアプリ開発チームの倉持)

防災情報を伝えることは「課題解決エンジン」としての使命


- 最後に、Yahoo! JAPANアプリで災害情報を発信するみなさんの今後の抱負をお聞かせください。

倉持:
3.11のとき、僕は学生でした。そのとき利用していたSNSのタイムラインには、一般の人が投稿する津波の画像がひたすら流れていました。尋常じゃないことが起こっているという感覚はなんとなくあったのですが、半分現実味を感じられなかったのも事実で……。しかし、家に帰ってテレビをつけたら、本当に大変な事態になっている、ということが分かりました。
すぐに情報が入ってくるのはインターネットの良いところですが、情報を早く、正しく伝えることにはこだわっていきたいと思います。

柏木:
以前サッカーの試合を見に行ったときに、震度5レベルの地震がありました。急にゆれてすごくびっくりしたのですが、スタジアムにいる周りの人たちを見渡したら、多くの人がスマホでYahoo! JAPANのホーム画面を開いていました。「頑張らないと」とあらためて気が引き締まった瞬間でした。
災害通知でも、「避難指示が出ました、避難してください」で終わらせるのではなく、さらに次のアクションを技術的にも提案できるよう、目指していきたいですね。

奈須川:
3.11のときはYahoo!ニュースの編集部に所属しており、人の手で災害情報を届ける仕事をしていました。今は、機械の力を借りて自動で効率的に災害情報を早く届ける業務に携わっています。
人間と機械、それぞれ得意不得意はあり、どちらが欠けてもだめなこと。二つの力を合わせて必要な災害情報を届けていきたいと思っています。

災害が起こると、「何があったのか」「どうしたら身を守れるのか」「周りの人は無事か」とみなさん心配されます。多くのインターネットユーザーにご利用いただいており、また、情報技術で人々や社会の課題を解決する「課題解決エンジン」を目指すYahoo! JAPANのサービスとして、災害発生時に一刻も早く防災情報を伝えていくことは使命だと思っています。

「Yahoo! JAPANアプリ」 iOS版
「Yahoo! JAPANアプリ」 Android版<
「Yahoo! JAPANアプリ」 新テレビCM 俳優の本木雅弘さんが、「備える」大切さを訴える 「災害通知」篇、「避難情報通知」篇、「警戒情報」篇の3本を一挙公開
【3.11から5年 〈2〉】 東北・石巻の支社社員に聞く、現地からみた被災地の「いま」と「これから」
【3.11から5年 〈3〉】「非常事態だったからできた」ヤフー社員の働き方を変えた大震災

このページの先頭へ