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CSR

つなぐ・伝える・広げる
Yahoo!ネット募金で「誰もが寄付をする世界」を目指す

Yahoo!ネット募金担当者、子ども食堂の画像

2018年11月で15年目を迎える「Yahoo!ネット募金」。

募金といえば災害・復興支援を思い浮かべますが、「Yahoo!ネット募金」では子どもや動物などへの身近な支援にまでプロジェクトが広がっています。さらに、Tポイントで寄付ができたり、くじ付き募金があったりと、手軽に社会貢献できる仕組みを構築しています。「誰もが寄付をする世界」を目指している「Yahoo!ネット募金」の担当者は、どんな思いで関わっているのでしょうか。

そして、実際に「Yahoo!ネット募金」がどのように社会とつながっているのか、中央共同募金会・赤い羽根福祉基金とNPO法人プレーパークせたがやの皆さんにもお話をうかがってきました。

1ポイントから気軽に寄付! 寄付の「見える化」と発信力で支援を引き寄せる

2004年11月の発足時には1団体・1プロジェクトでスタートした「Yahoo!ネット募金」。現在は災害・復興支援から子どもや動物の支援、医療や研究費など、400を超えるさまざまな分野のプロジェクトがずらり。今回はチームの皆さんの思いやビジョンをうかがいました。

Yahoo!ネット募金担当者が話している様子

PROFILE

顔写真:高橋知子

企画・高橋知子
ヤフー株式会社 SR推進統括本部 社会貢献事業本部 ネット募金・ボランティア
2004年10月にヤフーに入社後、官公庁オークション、公金決済、Yahoo!きっずなどの企画・運用業務を担当。2017年7月よりYahoo!ネット募金を担当。

顔写真:小駒知美

デザイナー・小駒知美
ヤフー株式会社 SR推進統括本部 社会貢献事業本部 ネット募金・ボランティア
2015年4月に新卒入社。社会貢献デザインチームに所属し、Yahoo!ネット募金、Yahoo!ボランティアを中心にページ制作を担当。

顔写真:五十嵐詩織

エンジニア・五十嵐詩織
ヤフー株式会社 SR推進統括本部 社会貢献事業本部 ネット募金・ボランティア
2013年4月に新卒入社。入社後みんなの政治を担当。2014年からYahoo!ネット募金、Yahoo!ボランティアを担当。

肩書、部署名は掲載時のものです。

INDEX

  1. Yahoo!ネット募金
  2. 子どもたちの「環境」を整えるための支援を

「Yahoo!ネット募金」は2004年からサービスを開始したそうですね。

高橋の写真

高橋

「Yahoo!ネット募金」は、Yahoo! JAPANの月間ページビューが100億を超えたときの記念事業として始まりました。利益に直接つながることでなくてもいいから、社会貢献活動として何かしようということで、「Yahoo!ネット募金」の前身である「Yahoo!ボランティア インターネット募金」が立ち上がったんです。

高橋が話している様子

「Yahoo!ネット募金」はどのようにサービスが発展していったのですか?

高橋の写真

高橋

立ち上げた当初は、寄付額年間1,000万円くらいの規模を目指して実施していました。今は350以上の団体で400を超えるプロジェクトが動いています。寄付金額も想定規模を大きく超え、2017年度は1年間で5億円を超える寄付金が集まりました。

「Yahoo!ネット募金」は、団体の情報や活動報告をしっかりと掲載しているのが強みです。寄付をしてくださる方にとっても、どんな団体がどのような活動をしていて、寄付したお金をどう使うのかという情報がしっかり書かれていると、納得して寄付をしていただけるのではないかと思います。

小駒の写真

小駒

2015年にウェブサイトのリニューアルをした際、デザインについても大きく変更しました。スマートフォンでも見やすいようなUIに変更し、サイトのテーマカラーについても写真映えしやすいように白を基調としたシンプルなデザインに変更しました。

五十嵐の写真

五十嵐

リニューアル前後では情報量が全然違います。それまではタイトルと簡単な概要、それに写真は小さい画像を2枚しか掲載できなかったんです。プロジェクトの経緯などの情報が全くわからない仕様になっていたので、伝えたい情報をちゃんと入れられるようなページになるよう、意識しながら作りました。

今まで寄付をしたことがない人にも、気軽に寄付をしてもらえる仕組み作りが重要だと思いますが、そのひとつが、Tポイントでの寄付だそうですね。

高橋の写真

高橋

クレジットカードは100円からの寄付になりますが、Tポイントは「1ポイント=1円」として1ポイントから寄付できるんですよ。Tポイントなら、より気軽に寄付していただけるのではないかと思っています。実際に、寄付件数の半数以上がTポイントです。寄付金額ではクレジットカードのほうが多いのですが、1ポイントでも社会貢献できたと思っていただける方が1人でも増えればと。

五十嵐が話している様子

メールマガジンなどで、Tポイントでも寄付できるというお知らせを載せているということもうかがいました。寄付をしたことのない人へのアプローチについては、他にどのようなものがあるのでしょうか。

高橋の写真

高橋

例えば「くじ付き募金」ですね。団体の活動を応援しているパートナー企業から提供していただいた商品が抽選でもらえる仕組みです。今回は、こども食堂の活動を支援されている中央共同募金会様と子ども関連の支援をしたいというアサヒ飲料様をお引き合わせしてカルピスを景品とした「くじ付き募金」を行いました。日本にはまだ寄付文化が根付いていないように感じていますので、「くじ付き募金」で興味を持ってもらえればと思っています。

小駒の写真

小駒

他にも、あらかじめ寄付金額が決まっていて、必ず返礼品をもらえる「返礼品付き募金」があります。過去には、5,000円の寄付で石巻のさんまカレーを返礼品にした東北支援のプロジェクトがありました。

寄付のページに書かれた情報がきちんと伝わること、それから決済が複雑ではないということも大切ではないかと思います。決済ページについてはどのような工夫をしているのでしょうか。

小駒が話している様子
小駒の写真

小駒

決済ページは、なるべく難しいステップを挟まないようにという思いがあるので、シンプルなデザインにしています。それと、金額を選んでから継続寄付をするかどうかチェックを入れられるようにしていて、簡単に継続的な寄付もできるようになっています。

高橋の写真

高橋

プロジェクトにもよりますが、特に子どもや動物・ペットへの支援は、継続寄付をしてくださる方が多いですね。

小駒の写真

小駒

あとは、iPS細胞などの医療・研究のプロジェクトについては、社会からの注目度が高い一方で、研究費が不足しているというケースもあるので、「継続的な支援をお願いします」というメッセージや、「現在の継続人数」の表示を出すような仕組みにしています。

また、Facebookのコメント欄を表示してユーザーの声が見えるような工夫もしているんです。オーナーとコメントのやり取りができることもありますし、継続的な支援の一助になればと思っています。

Yahoo!ネット募金 プロジェクトページのキャプチャ

皆さんのそれぞれの思いと今後の展望について聞かせてください。

小駒の写真

小駒

災害の場合などは、被災地の方々に役立つ手助けができればと迅速に動くことを心がけています。緊急時はどうしても情報が錯綜しがちですが、情報をきちんと整理した的確な見せ方をこれからも意識したいと思っています。

五十嵐の写真

五十嵐

ネット募金を利用してよかった、と1人でも多くの方に感じていただきたいです。このシステムは使いにくいとか、伝えたいことが伝わらないといったことにならないように。
これからも支援する側、される側の気持ちを大切にしていきたいと思っています。

高橋の写真

高橋

社会課題への関心が高い人以外にも、寄付の経験をしてほしいと思っています。日本の状況をみると、山積する課題に対応するための公費が充分に足りている状況ではありません。民間の寄付の力も合わせて未来をつくっていきたいという思いで、「誰もが寄付をする世界」というビジョンを掲げました。また、寄付する人数と寄付金額の最大化が私たちのミッションですし、加えて今の社会課題をしっかり伝えていきたいですね。

子どもたちの「環境」を整えるための支援を

「Yahoo!ネット募金」で2年前に始まった中央共同募金会・赤い羽根福祉基金が支援する「広がれ!こども食堂の輪!」プロジェクトには多くの反響があったそうですが、実際に子どもたちを支える現場はどうなっているのでしょうか。子どもたちの「夕食会」を実施している東京都世田谷区の烏山プレーパークで、NPO法人プレーパークせたがやの皆さんと中央共同募金会の秋貞さんにお話をうかがいました。

左からプレーパークせたがやの齊藤、高橋、岩崎 中央共同募金会の秋貞

PROFILE

顔写真:齊藤何奈

齊藤何奈
プレーパークせたがや 思春期事業担当理事

顔写真:岩崎さち子

岩崎さち子
烏山プレーパーク代表
1997年より烏山プレーパーク世話人となる。

顔写真:高橋裕美子

高橋裕美子
烏山プレーパーク副代表
世話人歴7年目。

顔写真:秋貞由美子

秋貞由美子
社会福祉法人中央共同募金会 基金事業部長
全国社会福祉協議会職員、大学講師を経て、2017年に中央共同募金会に入局。2018年4月より現職。

所属や肩書は2018年11月現在のものです。

烏山プレーパークでは毎週金曜日の夜、中高生世代を中心とした「夕食会」が開催されているそうですね。

齊藤さんの写真

齊藤

プレーパークは、子どもたちがやりたいことを自由にできる場所なんです。プレーワーカーという常駐職員がこどもたちに寄り添いながら、なるべく禁止事項を設けずに子どもたちがやってみたいことに挑戦できる環境を整えています。

プレーパークの主役はあくまで子どもたちで、「夕食会」でも大人は一切手伝わないとか。

齊藤さんの写真

齊藤

「夕食会」も、子どもたちの「やりたいこと」の流れで始まったんです。ただ、時間が遅いので、「夕食会」の参加は中学生以上。毎週金曜日の18時頃から始まって、21時には完全撤収です。大人が必ず2名常駐することなど、しっかりと取り決めをして近隣住民や区にも許可を得て行っています。

「夕食会」は、メニューを決めて買い出しにいくところから調理や片付けまで、全て子どもたちが自力で行っているんですよ。こども食堂は全国にたくさんあると思いますが、子どもが自分で作って食べるというのはここだけではないでしょうか。プレーワーカーも指示したりはせずに、子どもたちと一緒に作ることを楽しんでいます。

今は世田谷区の公認を取り付けて週1回は夕食会ができているそうですね。公園のかまどで火をおこして夕食を作ることが最近難しくなっているとのことですが、なぜでしょうか。

岩崎さんの写真

岩崎

やっぱりたき火の煙が気になるという話があります。かまどの場所を動かして毎回同じ方向に煙が行かないようにして工夫はしているのですが、折り合いをつけるのが難しいこともあります。たき火って、煮炊きするためだけのものじゃないんですよ。火をたいている時の子どもの顔って普段とは違うんです。火を囲んで話をしていると、不思議とポロッと心が開くんですよね。モヤモヤしていたり、悩みを抱え込んでいる子が、「実はさあ……」なんて話し出したりするんですよ。そういう大切な時間にたき火は不可欠なんです。

子どもたちが調理をしている様子

プレーパーク事業は近隣住民の理解や協力がないと継続できませんよね。人手不足、財政面など山積する課題があるのではないでしょうか。

齊藤さんの写真

齊藤

そうですね。運営面の課題はたくさんありますが、中高生になると、自分の居場所がほしいんですよね。自分を本当に認めてくれる場所は、本当に必要だと思います。自分が誰かの役に立つとか、必要とされたり、認められたりという機会は子どもたちの根っこを支えると思いますし、一緒にその場で面白いことをやって「楽しかった、そこに一緒にいて良いんだ」という経験だけでもいいんです。

異なる年齢でのコミュニケーションもあるでしょうし、プレーパークは子どもたちの関係性を地域に根付かせる居場所でもあるんですね。

齊藤さんの写真

齊藤

はい。子どもは大きくなるに従って地域から離れていくんですけど、何か地域とつながっていられるものがあればと。「夕食会」もそういう思いで続けています。みんなで食べるとおいしいんですよ、すごく。実は、中高生の孤食はかなり多いようです。もう大きいから大丈夫だろうと思うんですけど、意外と中高生って外ですごく傷ついてきたりするし。やっぱり誰かと食べたいんですよね。

高橋さんの写真

高橋

問題がない子どもなんていないですよね。それぞれが大なり小なり悩んでいたりします。それをどう考えるかだと思います。

秋貞さんの写真

秋貞

子どもたちは、たとえいろいろな課題を抱えていたとしても、自ら助けてとはあまり言わないんですよ。ですから、子どもたちがこういう場で交流できると、ポロッと悩みをこぼして、家庭の様子がわかることって多いと思うんです。

「赤い羽根福祉基金」ではこども食堂の活動について、どのような点を評価されたのでしょうか?

秋貞さんの写真

秋貞

「赤い羽根福祉基金」は2年前、制度だけでは救えない課題に取り組む活動を応援するために設立し、上限1000万円で3年間、全国的、先駆的なプロジェクトに助成しています。そのひとつとして、「広がれ、こども食堂の輪! 全国ツアー開催支援およびネットワーク推進事業」に助成しています。こども食堂の活動を広げるため、こども食堂の運営者や推進する団体等が自らネットワークをつくり、こども食堂を実施する上での課題や知恵を共有する場を全国で開催している点を評価しています。

2016年1月から「Yahoo!ネット募金」でも、子どもたちを支援するプロジェクトの寄付を集めていますね。

秋貞さんの写真

秋貞

「Yahoo!ネット募金」ではいくつかプロジェクトを進めていますが、こども食堂のプロジェクトへの募金が一番多いですね。あとは、アサヒ飲料さんにご提供いただいたカルピスがもらえるくじ付き募金で金額がグッと伸びました。このプロジェクトで集めたお金の一部で、食品衛生に関する基本的なルールなどを記載した「こども食堂あんしん手帖」を作成し、全国のこども食堂に配布しました。

企業とキャンペーンを組むことで、寄付者の関心を引きやすくなり、社会課題をより周知できそうですね。企業からも注目が集まり大きな支援につながるケースもあったとうかがいました。

秋貞さんの写真

秋貞

実は今年、このプロジェクトをきっかけに、アサヒ飲料さんが行っている全社運動で販売した売上の一部を、赤い羽根福祉基金を通じてこども食堂へ寄付していただいたんです。これで、全国147カ所のこども食堂に対して助成をさせていただきました。「Yahoo!ネット募金」をきっかけに、支援の輪が広がっていることを実感しています。

岩崎さんの写真

岩崎

そうですね、支援が広がるのはありがたいことです。ただ、本当に現場は常に厳しい状況。こうした夕食会など、区のプレーパーク事業には含まれていないことも、子どもにとって必要だという判断から実施していますので、プレーパークの資金は区の運営費だけで全て賄うことはできません。精神的にも肉体的にも負担の大きいプレーワーカーにその労力に見合ったお給料が払えないのが実情です。地域ボランティアの皆さんの協力も得ながら、バザーや寄付を募ったりしています。この記事を機会に、地域や社会一般のみなさんの子どもや若者に対する理解が深まることを願っています。

秋貞さんの写真

秋貞

こども食堂への助成期間は3年ですが、社会課題は3年間ではなかなか解決しないと思います。災害や社会的関心が高い課題は寄付が集まりやすいですが、理解が得られにくい課題もたくさんあります。そんな課題も私たちは応援していきたいですね。発信力のあるYahoo! JAPANさんと、課題が見えている私たちとで、必要性をアピールできるようにしたいと思います。

プレーパークの風景

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