山梨県

山梨県における4パーミル・イニシアチブによる二酸化炭素低減の取組~果樹園で取り組む地球温暖化対策~

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4パーミル・イニシアチブとは、世界の土壌の表層(30~40cm)の炭素量を年間0.4%(4パーミル)の増加させれば、人間の経済活動によって増加する大気中の二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにすることができるという考え方に基づく国際的な取り組みです。

2015年12月のCOP21(国連気象変動枠組条約締結国会議)でフランス政府が提案し、2020年6月現在、日本国を含む623の国や国際機関が参画しています。2020年4月に、日本の都道府県でははじめて山梨県が参加しました。

果物の産地である山梨県では、果樹園の8割が草生栽培で果物を育てています。これは、果樹園の土地を耕耘しない(不耕起)、そして1年間に300~500kg/10aの有機物(草生)を投入することで、土壌に炭素を貯留し、さらに生物多様性も確保できるというメリットがあります。

この土壌炭素貯留をさらに増やすための取り組みが「剪定枝のバイオ炭化」です。

果樹の剪定枝には光合成よって多くの炭素が蓄積しています。チップ化や堆肥化して土壌施用しても炭素を貯留できるのですが、いずれ土が分解して炭素をまた空気中に放出してしまいます。炭化することで、多くの炭素を⻑期間、土壌中に貯留することが可能なのです。



バイオ炭(Biochar)とは、生物資源を材料とした、生物の活性化及び環境の改善に効果のある炭化物のことです。古くは、1697年の農業全書に「もみ殻燻炭」の利用について記載もあります。土壌を改良する効果とともに、分解しにくい炭素が含まれていることから、炭素を貯留できる資材として注目を集めています。



山梨県ではこれまで、以下のような取り組みを行ってきました。



1.試験研究

・効率的な炭化方法、炭素貯留量の推定、バイオ炭投入による土壌改良効果、果樹の生育への影響などを検討



2.現地実証および研修会などを開催

・現地で剪定枝量などのデータを収集するために現地実証試験を実施。

・4パーミル・イニシアチブの重要性や実践方法への理解を深め、農家に普及するため、JA営農指導員や生産者に対する研修会や実演会を開催



3.4パーミル・イニシアチブ推進全国協議会

・「4パーミル・イニシアチブ」を農業分野で全国に展開・波及させるとともに、優れた取組を国内外に発信するため、全国協議会を発足



4.やまなし4パーミル・イニシアチブ認証制度

・地球温暖化対策に貢献した果実を新たなブラントとして有利販売するために2つの認証基準を策定。



5.農業高校での特別授業の開催

・将来を担う若い世代に地球温暖化の現状や4パーミル・イニシアチブなどの取組が重要であることを示すために、高等学校などで特別授業を実施

4パーミルイニシアチブの実践は「農業サイドから脱炭素化に貢献できる」新たな取り組みです。今後、消費者への浸透も図りながら、「環境に優しいくだもの」として新たな価値を創造できるブランドを目指していきます。

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