三重県尾鷲市

尾鷲市「みんなの森」プロジェクト

寄付額: 2,600万円

脱炭素社会の実現と尾鷲ヒノキ林業の再興

「尾鷲ヒノキ林業」は、江戸時代、1624年に人口造林がはじめて行われた地として有名で、尾鷲市の急峻でやせた花崗岩の岩山と、降水量日本一を誇る雨という環境を逆手にとった「密植・多間伐」という独特の手法で、柱材としてのブランドを確立し、農林水産省が制定した「日本農業遺産」に第一号認定されています。その歴史と伝統に裏付けされた技術には、どの産地にも劣らないという品質という誇りがあります。



尾鷲市が管理する尾鷲市有林では、全国の市町村のなかで一番早く森林国際認証であるFSC認証を取得し、世界的な林業の不当労働、違法伐採を阻止し、合法性と生物多様性などの持続可能な林業に日本で一番先に取り組み、実践してきました。



現状のままでは、尾鷲ヒノキ林業はもとより、日本の林業は崩壊の危機にあり、代々の山の境界が不明瞭、所有者が引き継がれないまま放置されるという状況が年々進んでいます。林業が成立しないことは、国土保全にとって重大な危機であり、今、「脱炭素」という新たなアプローチで歴史と伝統ある尾鷲ヒノキ林業を再興させ、日本各地の林業再興モデルをつくりたいと考えています。



また、こうした状況において、これまでの日本の経済をけん引する象徴的な企業である中部電力尾鷲三田火力発電所が撤退するなど、尾鷲市が、「日本の経済と環境の転換期の縮図」を示す舞台となっていると言え、この取り組みは、こうした転換期のモデルとしても注目されていくものとなるでしょう。



尾鷲市が管理所有する市有林の一部(約91ha)を「みんなの森(仮称)」として位置づけ、その森林内で、持続可能、生物多様性、かつ、尾鷲ヒノキの歴史と伝統、誇りを次世代につなぐ仕組みを構築していきます。

・具体的取組1.

尾鷲ヒノキ林業対象地91haのうち、7.25haを伐採~植林することで、森林の高齢化により二酸化炭素吸収量が低下している森林の若返りを図ります。

また、エリア内において残りの山林についても毎年、随時、計画に基づいた森林の更新をしていきます。



・具体的取組2.

対象森林では、年間、811t-co2/年の二酸化炭素が森林に吸収されており、さらに、この対象地での間伐による木材利用を行うことで、初年度では12tの炭素固定化(木造建築物化)が見込まれます。この木質化に併せて年々、森林更新が図られます。



・具体的取組3.

森林には、環境面だけでなく、あらゆる側面での重要で貴重な効果を生み出す力があります。教育と連動させたアクティビティ体験などを行い、子どもたちにとって重要な自己肯定感、主体性、危機管理能力を身につけていく仕組みを、自然体験のプロガイド、全国協会の公認インストラクターや、三重大学をはじめとする教育機関と連動し構築していきます。

・具体的取組4.

尾鷲市の自然の大きな特徴である山と海の近さを活かして、対象森林のふもとに位置する九鬼湾において、山からのミネラル豊富な湧き水が九鬼湾に流れ込み、豊かな漁場を造成していくなかで、害となっているガンガゼ駆除を進め、海底での藻場を造成し、ブルーカーボンの取り組みを推進します。

<数値目標>

初年度においては、811t/年の二酸化炭素吸収量が見込まれており、対象森林から603㎥(炭素固定量12t)を利用間伐により搬出することで、木材利用を行う。また、市内小学生約50名を対象に森林整備及び木育活動を行う。

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