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プレスリリース

2020.11.10

「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」の 受賞作品は佐々涼子さんの 「エンド・オブ・ライフ」に決定!

本屋大賞実行委員会
ヤフー株式会社

〜 「理想の死の迎え方」に、真っ正面から向き合ったノンフィクション 〜

「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」

ヤフー株式会社が運営する日本最大級のインターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」と、書店員が「面白かった」、「お客様に勧めたい」と思った本への投票で決定する「本屋大賞」が連携した「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」は、全国の書店員の投票によるノミネート6作品の選出と、さらなる書店員の投票を経て、大賞受賞作品を佐々涼子さんの「エンド・オブ・ライフ」(集英社インターナショナル)に決定しました。

◆「エンド・オブ・ライフ」について
「看取りのプロフェッショナル」である看護師の友人が病を得た。最期の日々を共に過ごす著者に見せた、友人の死への向き合い方は、意外なものだった。著者の難病の母、そして彼女を献身的に介護する父の話を交え、7年間見つめた在宅での終末医療の現場を綴る。

【著者プロフィール】佐々涼子
ノンフィクション作家。1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。日本語教師を経て、フリーライターに。2012年、「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(集英社)で第10回開高健ノンフィクション賞を受賞。2014年に上梓した「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」(早川書房)は、紀伊國屋書店キノベス第1位、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位、新風賞特別賞など数々の栄誉に輝いた。

◆佐々涼子さんからのコメント
7年前、在宅での終末医療の取材をするため私は京都の医療チームに同行しました。そこで見たのは、家で最期の時を過ごす人々の、奇跡のような命の輝きでした。

しかし、同時に戸惑います。私にも寝たきりの母を献身的に介護する父がいましたが、私に父のような介護ができるとは思えない。できないものを安易に称賛していいものだろうか。ノンフィクション作家として悩み、筆が止まります。

転機が訪れたのは今から2年前のこと。取材に協力してくれた訪問看護師の友人ががんに侵されたのです。彼が迷い、揺れつつも、運命と折り合いをつけ、すべてを受け入れる過程を見せてもらいながら、私は人生の本質に触れたような気がしました。彼が命がけで残してくれた言葉は、きっと誰に対しても大切な命のレッスンとなるでしょう。

書店員のみなさん、このたびはすばらしい賞をありがとうございました。読者を誰よりもご存じのみなさんに選ばれたことを誇りに思います。

◆書店員さんからの推薦コメント
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この本に出会えて本当に良かったと思う。
家族や自分が病気などで亡くなるとき、一体どんな最期を迎えられるだろうか、と考えずにいられない。
一つとして同じではないたくさんの方の死が描かれ、その一つ一つに考えさせられ涙する。
最期を拍手で送るって本当に素敵だな、と思っても、一体どうすればいいのか、医療に携わっていなければ見当もつかないし、そもそも選択肢があるということも知らずに終わってしまうかもしれない。
最期を迎えるにあたり、自分で選択していくこともできるかもしれないという一つの希望が、この本には書かれていると思う。
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「死を受け入れる」ということが自分にできるだろうか。
自分の死はもちろん、人の死に対しても、受け入れ、向き合うことができるだろうか。
歳をとるごとに考えなければいけなくなる、できれば目を背けたいテーマですが、様々な人生の終焉を知り、私のなかで「死に対する不確かな怯え」が少し形を変えたような気がします。
著者の丁寧な取材内容と、それを見つめる著者の優しいまなざしが、最後まで私に寄り添ってくれたおかげです。
読むことができて、よかった。
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※他の書店員さんからの推薦コメントや、読者の声を特設サイトに掲載しています。ぜひご覧ください。

「Yahoo!ニュース」は、世の中の重要なニュースをいち早くお届けするだけでなく、長期的な視点で事象を深掘りする記事や、さまざまな分野の有識者や専門家による記事を掲載する「Yahoo!ニュース 個人」などのコーナーを拡充し、ニュースを通して世の中の課題を解決していくことを目指しています。

世界で起きている事象をさまざまな視点から切り取るノンフィクション作品も、事象への知識や考えを深めていただくきっかけになるものと考え、「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」を実施しています。また、特設サイトでは、授賞式の映像や佐々涼子さんのインタビュー記事なども掲載しています。

「Yahoo!ニュース」は本賞を通して、より多くの方に良質なノンフィクション作品の魅力を伝え、作品に親しんでいただくことを目指すとともに、受賞者をはじめとする優良な書き手や出版社、書店とのつながりを深め、その活動を支援していきます。


授賞式の様子(写真:高橋宗正)

<ご参考>
【「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」ノミネート作品(著者/出版社)】
※作品名五十音順
◆「エンド・オブ・ライフ」 佐々涼子/集英社インターナショナル
◆「サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する」 梯久美子/KADOKAWA
◆「女帝 小池百合子」 石井妙子/文藝春秋
◆「聖なるズー」 濱野ちひろ/集英社
◆「つけびの村 噂が5人を殺したのか?」 高橋ユキ/晶文社
◆「ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち」 ブレイディみかこ/筑摩書房

【「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2020年 ノンフィクション本大賞」概要】
◆実施スケジュール
2020年5月20日 一次選考(書店員による投票)スタート
2020年6月30日 一次選考締め切り
2020年7月20日 ノミネート作品発表、二次選考(書店員による投票)スタート
2020年9月20日 二次選考締め切り
2020年11月10日 大賞作品発表

◆対象作品
2019年7月1日から2020年6月30日の間に、日本語で出版されているノンフィクション作品全般
(※海外作品の翻訳本は除く)

◆副賞
取材支援費:100万円

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