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プレスリリース

2018.11.30

ヤフオク!、偽物出品対策を強化 従来の機械学習に加えて、スパコン・ディープラーニングを活用開始

~ 検知精度が約3.1倍に向上、偽物が並ばない安全安心な売り場を目指す ~

ヤフー株式会社は、ネットオークション・フリマサービス「ヤフオク!」の偽物出品対策を強化し、従来の機械学習に加えて、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)を活用したディープラーニングを11月より導入しました。これにより偽物出品の検知精度が約3.1倍に向上することが見込まれ、偽物の出品物が並ばない安全安心な売り場を目指します。

「ヤフオク!」において、偽物出品対策は重点的に取り組む課題の一つです。これまでも2005年より機械学習を用いた不正出品検知システムを導入していたほか、ユーザーからの通報機能も活用した人手による「24時間365日パトロール」の実施や、知的財産権の権利者との連携制度「知的財産権保護プログラム」の運用などを行ってきました。この度新たに、1000万件以上の膨大な取引データと、独自に開発したディープラーニング特化型スパコン「kukai」(※)を活用し、検知精度の大幅な向上が見込めるディープラーニングを用いた「偽物出品検知AI」を開発しました。

出品物および出品者に関するあらゆる情報を活用した「偽物出品検知AI」は、出品完了後数秒以内に、その出品物が偽物である確率を判定します。偽物である確率が高いと判定した場合、優先的に人手による削除検討に移ります。そのため偽物の削除率が上昇し、削除までの時間も短縮されます。
実際の出品情報50万件を用いて「偽物出品検知AI」による判定を行ったところ、従来の機械学習を用いた不正出品検知システムと比較して、検知精度が約3.1倍に向上しました。
なお、これまでサービスで活用していたGPUサーバで行うと約110時間かかる想定の新たな検知モデル構築が、スパコン「kukai」を用いることで約70倍の処理速度となり、約1時間半で完了しました。これにより、検知モデルの更新頻度を飛躍的に向上できるため、たとえ新たなパターンの偽物出品が発生しても、迅速に対策を進められます。
今後も「ヤフオク!」において、「偽物出品検知AI」の更なる検知精度の向上を目指すとともに、安全安心な売り場を提供するため、多角的な不正対策を強化していきます。

ヤフーは、2015年に行った独自の音声認識エンジン「YJVOICE」へのディープラーニング実装を皮切りに、「Yahoo! JAPAN」アプリ、「Yahoo!知恵袋」などのサービスの裏側にディープラーニングの実装を進めてきました。さらに、2017年6月にディープラーニング活用に特化したスパコン「kukai」を開発し、2018年9月に2基目を増設しました。ディープラーニングの力を最大限活用できる環境を整えるとともに、サービス活用を進めることで、利便性の高いサービス提供を実現していきます。



※ディープラーニング特化型スパコン「kukai」とは
ヤフー株式会社が開発した、ディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ。スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得(2017年6月発表)。GPUを使用した従来の社内環境と比較して、演算処理性能が理論上約225倍となり、消費電力あたりの処理性能も世界トップクラスの値を記録しており(2017年6月時点)、より大規模なディープラーニング処理を短時間かつ低コストに行える利点があります。

■参考:Yahoo! JAPAN、ディープラーニングに特化したスパコンを開発 スパコンの省エネランキング「GREEN500」にて世界第2位を獲得

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