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2021.03.25

「新しい働き方」に対応できるオフィスとは? ヤフーの「実験オフィス」

「新しい働き方」に対応できるオフィスとは? ヤフーの「実験オフィス」

新型コロナウイルス大感染症対策として、昨年から急激に浸透したリモートワーク。
1人で集中して行う業務には適していますが、その一方でリアルなコミュニケーションも大事だと改めて感じた方も多いのではないでしょうか。アイデア出しやブレーンストーミングなどは、対面でのコミュニケーションの方がスムーズな場合もあります。また、社内外の人々との「ちょっとした会話」が、業務によい効果をもたらすことも。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、私たちの働き方が大きく変化したことに伴い、「オフィス」のあるべき姿も変化しています。
ヤフーでは、新型コロナウイルス以前からリモートワークを実施しており、2020年3月ごろから新型コロナウイルス感染症対策として全社的にリモートワークへ移行。同年10月からは「新しい働き方」として取得可能な日数に制限のないリモートワークに踏み切りました。
もちろん、家庭の事情や、業務内容的にオフィスに出社して集中したい、チームメンバーと顔を合わせてブレストをしたい、などの理由があれば出社することも可能です。

ヤフーの東京・紀尾井町オフィスでは、「1人で集中」「みんなで会議やコミュニケーション」などさまざまな目的で利用できるエリアを用意した「実験オフィス」の取り組みを2021年から開始。社員の利用結果をもとに、これからのオフィスを検討しています。
今回は、この取り組みや、これからのオフィスに求められるものなどについて担当者に聞きました。

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江副 友美(えぞえ ゆみ)
総合デベロッパーでテナントオフィスの内装設計業務を主に担当後、2019年3月に入社。働き方に合わせたオフィスレイアウト・施策の企画や、新規オフィス設立のプロジェクトマネージャーなどを担当。

新型コロナウイルスの影響による働き方の変化で感じたこと
「ほとんどの社員がリモートワークとなった1カ月後の2020年5月に実施したアンケートでは、オフィスの椅子やモニター、ネットワーク環境に対するありがたさを改めて感じたという声や、通勤時間を有意義に使えるようになりストレスが減ったという声が多く上がりました。最も多かったのは、日々の何気ない雑談やコミュニケーションの大切さに気づいた、というものでした。 私も約1カ月オフィスに行かなかった期間があったのですが、その後出社して同僚と顔を合わせた日は、まるで夏休み明けの小学生のようにテンションが上がったのを今でも覚えています。毎日オンラインで会話はしていましたが、直接会ってそれまで考えていたことを話すと、違った角度での気づきがあることを実感しました。1年近くたった今はオンラインでのコミュニケーションが当たり前になり、問題なく業務を行えている人がほとんどですが、ただただシンプルに『オフィスに行って人に会いたい』という気持ちは、おそらくみなさん共通で持っているのではないかと思っています」

ヤフーの「実験オフィス」とは?

今回の「実験オフィス」は、まだ新型コロナウイルスの影響を受ける前から検討してきた内容です。ヤフーのオフィスが東京・紀尾井町に移転して3年以上たったこともあり、オフィスをアップデートする目的でスタートしました。毎年実施しているアンケート結果から見えてきた課題を解決するためにプランを練っていたタイミングで、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大が起きました。社員全員が同時に働き方を変化させざるを得ない状況になったことで、これからの働く環境についてそれぞれが考えるきっかけとなり、今後のオフィスのあり方についての検討も急速に進んだと感じています。

これまでのオフィスについてのアンケート結果では、
「集中して業務をしたいのに、周囲でミーティングをされると集中できない」
「周りが静かだと、ミーティングする際に気兼ねをしてしまう」
など、違う業務を行う社員同士が近くにいることがストレスだという声が多く寄せられていました。
ヤフーのように社員数が多い会社にとって、同じ配置のフロアが複数あってどのフロアも同じように使えることは非常に効率的ですが、一方で1フロアの中にさまざまな要素を入れる必要があり、それぞれのスペースに十分な距離を保ちつつ配置する難しさがあります。そのため、上記のような声が上がるのは自然なことです。この課題を解決するため、実験オフィスではまず「集中フロア」と「コミュニケーションフロア」に完全に切り分け、さらにそれぞれのフロアのテーマや用途を明確にしました。各フロアの一部をご紹介します。

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1)集中フロア

このフロアでは、半分はオンライン会議以外の会話は基本的に禁止、残り半分はオンライン会議も禁止されています。そのため、「1人でとにかく集中したい!」というときに働きやすいフロアです。一言で「集中」と言ってもさまざまな集中の形があると思いますので、集中の度合いに応じたデスク、椅子、ソファー、テーブルなどを用意しています。

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予備校や図書館のような程よく遮られたエリア。

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体勢を変えられる椅子のエリア。

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周囲の環境から遮断されて業務に没頭したい人向けのブース。

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机の高さを変えられ、立って仕事することも可能な昇降デスク。

2)コミュニケーションフロア

仲間と顔を合わせて情報交換をしたり、ホワイトボードも使ってリアルな場で議論を白熱させたりといった、オンラインコミュニケーションでは物足りない要素を補完する、リアルコミュニケーションに特化したフロアです。現状はface to faceを重視した構成としていますが、今後はオンラインコミュニケーションとの融合も図っていきたいと考えています。

チームビルディングエリアは、チームでコミュニケーションを取りながら業務を進めたり 後輩育成など教育を行ったりするのに向いています。少し区切られたスペースで、いろいろなスタイルでみんなで一緒に働けます。

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クリエイティブエリアは、アイデアを出したり長時間膝を突き合わせながら議論をする場所です。フレキシブルに動かせる家具などで、人数・用途に合わせて自由に空間を作ることが可能です。可動式の家具を使いこなして最適な空間を作り、クリエイティブな時間を過ごせます。

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ここは、アイデアを詰めたり複雑な内容の認識合わせをしたり、共同作業を行うブラッシュアップエリア。
みんなでアイデアをまとめられるように、一つのモニターをみながら腰を据えて話ができます。少し囲まれているので集中して作業に取り組めます。OJT(On the Job Training)などで長時間一緒に過ごす場所としてもオススメです。 

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これからは、オフィスを働く場所の一つの選択肢として活用してほしい

これまでは、全社員に満遍なく満足してもらえるオフィスを作ることが大事でしたし、ここ数年はオフィスでも家と同じようにリラックスできるリビングライクな家具がトレンドということもあり、ヤフーでもそうしたものを取り入れてきました。ですが、働く環境を選択できるようになった今、「オフィスだからこそ実現できる環境」というものをよりブラッシュアップしていく必要があると思っています。
それを明確にしていく意味でも、今回の実験オフィスについてできるだけ多くの社員からフィードバックをしてほしいと考えているので、デスクにQRコードを貼り、読み込むとすぐアンケートに回答できるようにしています。その結果をもとに今後のヤフーのオフィスに残すべきものを見極め、オフィスサイズの最適化も行っていく予定です。

ヤフーでは、今回のリモートワークへの移行で、オフィス以外でも問題なく仕事ができるということに気づいた社員が多いので、これまでと同じ数の社員がオフィスに戻ってくることはないと思っています。一方で、リモートワークだけに限定した働き方は、もしかしたら自由ではないともいえるかもしれません。柔軟な働き方を可能にするオフィスという選択肢があることで、社員のみなさんがより充実した働き方ができるのではないかと考えています。
久しぶりにオフィスを使ってみたら、「スタックしていた業務が進んだ!」「良い気分転換になって家での生産性が上がった!」など、今だからこそわかる新たなメリットを発見できるかもしれません。たとえば、午前中は家で集中して業務を行い、午後はオフィスで同僚と対面でブレスト、というような使い方もぜひ試してみてほしいですね。
自分らしく働くための一つの選択肢として、オフィスをよりどころにしてもらえるとうれしいです。

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変化していく働き方に合わせた、柔軟なオフィスづくりに取り組んでいきたい

私たちの働き方が大きく変化した今、どのような環境なら自身やチームがパフォーマンス高く働くことができるのか、日々の業務はどんな環境でするのがベストなのかを、実験オフィスを利用することで改めて見つめなおすきっかけになればと考えています。
このコロナ禍で、「自宅で働くときに何か工夫してる?」「気分的にどう?」「やっぱりオフィスは必要だった?」など、働く環境や働き方についての会話が自然に交わされるようになりました。オフィスを提供する側だけでなく、使用する社員のみなさんの意識が働く場所や働き方に向いたことはとても大きな変化だと感じています。社員のみなさんと一緒に今後のオフィスを含めた働く環境について考えていきたい、というのが一番の思いです。

これからは、その業務内容に適した場所を都度選択して働く、というあり方が主流になっていくのかもしれません。また、今後も当面の間は、オンラインコミュニケーションを活用したり、3密を避けたりしながら業務を行う必要があります。
このように変化していく働き方に合わせて、柔軟なオフィスづくりに引き続き取り組んでいきます。また、実験オフィスはもともとオンラインへのシフトをメインに検討を進めていたわけではないので、オンラインとオフラインをITの力でシームレスにつなげていくということにもチャレンジしていきたいです。

さらに、今後は今あるオフィスだけではなく、働く場所の選択肢の拡張と個々のパーソナライズを図り、「どこでもオフィス」の効果を最大化していきたいです。既にオフィスチェアの社員への販売を行っていますが、自宅環境の改善のお手伝いもできたらと思っています。それぞれが自身の業務内容やライフスタイルによって働く環境を使い分けていくことは理想的なことではありますが、実際にはその必要性を感じなかったり面倒くさかったり、いざやってみようとなると意外と難しいことだとも感じています。社員のみなさんに選択肢を効果的に活用してもらえるような施策や運用面でのフォローについても検討を重ねていきたいと思っています。

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ヤフーのどこでもオフィスについて

ヤフーでは2014年にオフィス以外の好きな場所で働ける「どこでもオフィス」というリモートワークの制度を設けました。2020年、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、2月より段階的に、月5回を上限としていたリモートワークの制限を解除し原則在宅勤務の導入、および社内外における会議や採用活動、社内研修などすべてをオンラインで実施するなど、従業員や関係者の安全を最優先とする取り組みを行ってきました。さらに2020年10月からは、リモートワークの回数制限を解除し、「無限リモートワーク」としています。
※1:個人情報などを扱う高度セキュリティレベルの業務はオフィスにて実施 ※2:働く場所は自宅の他にも個人の創造性が発揮される場所とし、制限は設けない

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