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2020.09.07

ビッグデータで見る新型コロナとお財布事情

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こんにちは、Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームです。
新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が解除されて3カ月がたち、徐々に私たちの生活も変わりつつあります。明るいニュースが増える一方、いまだ多くの面で課題も生じており、さまざまな支援を必要とする人が多数います。また温かい支援の輪も広がっています。
そこで今回は私たちのお財布事情に直結する「お金」に関する関心の変化をYahoo!検索から調査してみました。
調査対象は以下8カテゴリーとしました。各カテゴリーの関連ワードの検索数から、関心量の変化を追っていきます。

  • 給付金
  • 助成金・補助金
  • 資金・貸付・融資
  • クラウドファンディング
  • 支援
  • 手当
  • 生活保護
  • 募金・寄付・投げ銭

時系列の関心事の変化は

2019年12月以降のカテゴリー別の検索量の変化を見てみましょう。「給付金」が大きく伸びており、5/24週をピークに減りつつあるものの、いまだ大きな関心が寄せられています(図1)。12月から3月の週次平均と4月から8月の週次平均の比率を見たところ「給付金」は17.9倍の伸びでした。

図1 カテゴリー別関心量の週次推移

カテゴリー別関心量の週次折れ線グラフ
(期間中の最小値を100とした指数)
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

変化をわかりやすくするために、各カテゴリーの12月第1週目を基準とした指数で確認してみます(図2)。「給付金」は伸び率が大きいため、他のカテゴリーとY軸のスケールが異なります。他のカテゴリーを見ても「助成金・補助金」をはじめ各種の補助や支援への関心は4月から5月にピークを迎え、その後減りつつありますが依然コロナ前より高い水準にあるようです。なお「手当」「生活保護」はほぼコロナ前と同水準に戻っています。
また、「募金・寄付・投げ銭」は4月と5月に2つの山があったことが伺えます。

図2 カテゴリー別関心量の変化

12/1週を基準とした各カテゴリー関心量の変化を表した折れ線グラフ
(12月1週目を100とした指数)
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

「給付金」への関心は都市部で高い?

地域による傾向の差はあるでしょうか。ここからは、変化が大きかった上位カテゴリー4つを深掘りしていきます。図3は各カテゴリーのエリア別の指数と、各週の関心量を100%とした場合の構成比の変化を表しています。「給付金」「助成金・補助金」では関西エリアの伸びが大きい様子が見られます。「クラウドファンディング」は北海道や関西、中部でも山があるなど、時期によって関心量の変動が大きいようです。

図3 カテゴリー別のエリア構成

カテゴリー別の週次関心量のエリア構成比の変遷を表した折れ線グラフ
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

都道府県別に見るとどうでしょうか。図4は、12月から3月の週次平均と4月から8月の週次平均の前後比です。横線はそれぞれの全国平均を表しています。「給付金」は首都圏や近畿圏を中心に伸びが大きく、「クラウドファンディング」「募金・寄付・投げ銭」は大きな差はないもののさまざまな地方に広がりがあるようです。

図4 カテゴリー別 都道府県別の週次平均の前後比

カテゴリー別の週次関心量のコロナ前後での伸びを都道府県別に表した棒グラフ
(12月~3月平均と4月~8月平均の比較)
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

男女比が逆転した「給付金」、女性比が伸びた「クラウドファンディング」

性別ではどうでしょうか。「給付金」は大きく男性が伸びた結果、性別構成比が4月を境に逆転しています(図5)。「助成金・補助金」もやや男性の伸びが上回っており、「クラウドファンディング」「募金・寄付・投げ銭」は女性の伸びが大きかったようです。

図5 カテゴリー別性別変化

カテゴリー別の週次関心量の指数と性別構成比の変遷を表した折れ線グラフ

資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

30代以下と40代以上で傾向の差が

年代別構成でも動きが見られます(図6)。「給付金」は3月までは30代が最も関心が高かったのに対し、4月以降に40代50代の伸びが大きく、構成比が上がっています。「助成金・補助金」も似た傾向にあり、この2カテゴリーでは30代以下と40代50代で傾向に違いが見られます。なお60代以上のシニア層は両者の中間くらいの動きを見せています。
「給付金」への関心度合いに何が起こったのでしょうか。図5の性別変化と合わせると、以前は「女性・30代中心」だったところに「男性・40代50代」が増加してきているということが読み取れます。ここで「給付金」を含む関連検索キーワードランキングを、1月と7月で比較してみましょう(図7)。1月はすまい給付金や育児休業給付金に関するニーズが高かったのに対し、7月は持続化給付金や医療関連などが上位となっており、この半年で給付金に関するニーズはコロナ影響を大きく受け、関心層が変化したことがわかります。

図6 カテゴリー別世代別変化

カテゴリー別の週次関心量の指数と世代構成比の変遷を表した折れ線グラフ
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

図7 「給付金」を含む関連検索キーワードトップ5

「給付金」を含む関連検索キーワードランキングの上位5つを2020年1月と7月で比較した表
資料:Yahoo!検索

広がる支援の輪

さまざまな支援が必要とされる一方で、自分に出来ることを探す動きもあるようです。次に支援したい側の深掘りのため「募金・寄付・投げ銭」カテゴリーの詳細を見てみましょう(図8)。個別に見ると、それぞれ関心が高まった時期が異なります。図中の吹き出しは、各週の検索量トップ5ワードです。「寄付」の関心がピークだった4/26週は、マスクの寄付と有名人の大口寄付が話題になっていました。「募金」と「投げ銭」は同じく5/17週に山があります。この時期にはYahoo!ネット募金とヒカキンさんとのコラボ企画が関心を集めました。また、Jリーグが投げ銭システム導入を検討しているとの報道があったのもこの頃です。YouTubeなど多くのコンテンツで投げ銭システムが一般化しつつあり、投げ銭のやり方について調べる方も多く見られました。なお、7月には新型コロナ以外の災害系募金への関心、8/16週には24時間テレビの募金への関心も高まっています。

図8 募金、寄付、投げ銭の関心量の週次推移

募金、寄付、投げ銭の週次関心量の折れ線グラフ
(期間中の最小値を100とした指数)
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

それぞれの性別と年代別の変化はどうでしょうか(図9,図10)。「募金」「寄付」は女性比高めの傾向です。「投げ銭」は男性比高めでしたが、4月以降女性比が高まり、ほぼ半々に近づいています。世代別では、「募金」で7月に60代以上の比率が高まっていました。比較的新しい寄付システムである「投げ銭」も、若い世代だけでなく幅広い世代の関心を集めている様子が伺えます。20代以下の若年層は「募金」「投げ銭」への関心の高さに比べると「寄付」は低めです。図8で見たとおり、「寄付」はマスクなどの現物寄付や寄付金控除に関するキーワードが多かったため、若年層にとってはネット募金や投げ銭のほうがより身近な社会貢献として浸透しているのかもしれません。

図9 募金、寄付、投げ銭の性別構成

募金、寄付、投げ銭の週次関心量の指数と性別構成の変遷を表した折れ線グラフ
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

図10 募金、寄付、投げ銭の世代別変化

募金、寄付、投げ銭の週次関心量の指数と世代別構成の変遷を表した折れ線グラフ
資料:Yahoo!検索、2019/12/1~2020/8/22

まとめ

  • 新型コロナ以降「給付金」をはじめお金に関連する関心度合いや課題感は高まっている
  • 都市部で「給付金」への関心度合いの伸びが大きい
  • 30代以下と40代以上で公的支援に関する関心度合いに差
  • 支援方法への関心も伸びており、新しい寄付形態の「投げ銭」も幅広い層で関心を集めている
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Yahoo! JAPANビッグデータレポートでは、今後もwithコロナ時代の変化をデータで見ていく予定です。よろしくお願いいたします。

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