企業情報

2020.03.19

「一人ひとりの違いを知ることからはじまる」企業間のダイバーシティ

「ひとり一人の違いを知ることからはじまる」企業間のダイバーシティ

2020年2月17日~21日、「ダイバーシティウイーク」として、ダイバーシティ推進を目的とした講演やイベントを行いました。
今回は、そのなかからグループ企業セッション「多彩な企業文化のダイバーシティで広がる 無限の可能性」の内容をご紹介します。

このセッションにはソフトバンク、ZOZO、PayPay、ヤフーの社員が参加。各社の社員の服装や仕事の進め方など、身近な観点で違いを共有し、相互理解を深める目的で開催しました。
新型肺炎の影響を考慮しZoomでのオンライン開催となったため、画面越しではありましたが、4社それぞれの個性を感じる1時間となりました。

お話いただいた方:
ソフトバンク 木戸(きど)さん:人事本部でダイバーシティ推進を担当。
ZOZO 三原(みはら)さん:人事部で採用などを担当。
PayPay 早川さん:ヤフーからPayPayへ出向し、主にエンジニア採用を担当。
ヤフー 武居:クリエイターとの関係性を構築するDeveloper Relations部長。

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Zoomを使ったセッションとなりました

ソフトバンク、ZOZO、PayPay、ヤフーについて

木戸さん(ソフトバンク):
ソフトバンクは携帯電話の会社として名前を知られていると思いますが、これまでの歴史のなか では、ソフトウェアの卸売から始まり、出版や流通、インターネット回線などのいろいろな事業を経て、今に至っている会社です。 これまでに合併や統合をしてきた経験がたくさんあるので、いろいろな人がいますし、さまざまな企業文化が混じり合って、現在の規模になったと実感しています。
ダイバーシティを推進する上で社内のいろいろな人に会う機会があるのですが、部門によって仕事の内容はもちろんですが、働くスタイルや大切にしていることなどかなり違うことがわかります。一人ひとりが考えをぶつけ合い、時には摩擦を生みながらも、常にいい方向へ進めていこうとしていると感じています。

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ソフトバンクの木戸さん

三原さん(ZOZO):
私たちの会社にはZOZOTOWNという大きな柱があり、ブランド営業、サポート、物流、カスタマーサポート、マーケティングなどのいろいろな部門で一つのサービスをつくっています。そのため、みんなが同じ方向を向いているのが特徴で、「競争」より「協調性」を大切にしている会社だと思います。
それが大きくあらわれているのが、ボーナスが現場の社員から本部長まで一律で同じ額だということです。その点については、外部の方からよく驚かれますね。
また、社員みんな「好きなことを仕事にする」と思っていて、「誰かを驚かせたい」「他の人や会社がやらないことを率先してやる」というのが、企業文化として一番重んじているところだと思います。

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ZOZOの三原さん

早川さん(PayPay):
PayPayは、外国籍の社員、ソフトバンクとヤフーからの出向者も多く、いろいろな人が集まっている会社です。昨年からは採用も本格的に開始して、PayPay原籍の社員も900名強います。
ソフトバンクの社員が多い営業組織と、外国籍の社員が多いプロダクト組織では、文化がかなり違いますし、さらに事業部ごとでも考え方が違います。社内で誰かと知り合うたびに、まったく考えもつかなかった考え方や文化に出会うような感覚です。

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PayPayの早川さん

武居(ヤフー):
ヤフーは、多様性がある自由な会社だと感じています。また、エンジニア、デザイナーなどクリエイター系の社員が約3200人(2020年2月現在)いることもあり、エンジニア色が濃い会社なのかなとも思います。
(いい意味で)変な人がいたり、まともな人も面白い人もいたりするので、人との出会いによる変化も楽しんでいますね。

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ヤフーの武居

仕事中の「ドレスコード」はありますか?

木戸さん(ソフトバンク):
半分くらいの社員が営業職でスーツを着ていて、残り半分のエンジニアとバックオフィスの社員は割とカジュアルです。
スーツを着ずにカジュアルな服装で働く際のドレスコードは「お客様・近隣他社の皆様・一緒に働く同僚に不快感を与えない服装・身だしなみをすること」。また、来客のためのフロアなどお客様に会うときには、社内用のサンダルはNGというルールもあります。

三原さん(ZOZO):
社員の99%が私服で、決算説明会や株主総会などではスーツを着ています。また、毎年12月に行っている「ZOZO CAMP」という大忘年会では、全員がドレスアップして集まります。
自分の好きなブランドとファストファッションを組み合わせて着こなしている人も多いです。以前は、自分と全く違うジャンルの服装を受け入れられなかった自分がいましたが、だんだん「いろいろな人がいろいろな服装をしていてもいいよね」というZOZOの雰囲気に染まっていました。ファッションECということもあり、相手が着ている服のブランドを聞いてコミュニケーションが生まれることで仲良くなることが多いです。

早川さん(PayPay):
営業職はスーツでビシッと決めていて、人数でいうとスーツの社員が多いと思います。
プロダクト部門は外国籍の社員が多いこともあり、かなりカジュアルな服装です。「襟がついているポロシャツを着ていれば正装」という感じの雰囲気です(笑)

武居(ヤフー):
営業担当の社員にはスーツの人も多いのですが、そのほかは圧倒的にスーツを着ていない社員の方が多いです。
前社長も基本Tシャツでしたし、カジュアルな服装の社員が多いです。

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ZOZOの大忘年会「ZOZO CAMP」の様子。みんなドレスアップして集まります

仕事の進め方のルールはありますか?

木戸さん(ソフトバンク):
孫さんへのプレゼンを意識している社員が多いからか、長い資料や事前の確認が多いと「ちょっと多いね」「(資料は)シンプルに、1枚にまとめて」などと指摘されますね。中途入社の社員が入社直後に言われることが多いようです。

三原さん(ZOZO):
明確なルールは無いです。フェイストゥフェイスを意識しているスタッフが多いので、SlackやLINEなどのツールのみで連絡を済ませたり仕事を進めたりすることはあまりない印象です。
拠点も少しずつ多くなってきましたが、直接デスクに行きコミュニケーションを取る文化は現在も継続していると思います。

早川さん(PayPay):
出向前にいたヤフーでは、資料をしっかり作りこみ、事前に準備をするのが一般的なやり方でしたが、PayPayではスピード重視。資料をしっかり準備をするよりも、資料は未完成でもコミュニケーションを取りながらどんどん進めていくことが優先されます。
社内での承認を得たり、上長に報告したりする際も、簡単な資料を先に出したりまず口頭で報告したり、ということが多いです。

武居(ヤフー):
ヤフーでは、上司などから怒られるより、社員がお互いをチェックする意識が強いと感じています。
たとえば、朝の出勤時にエレベーターに並ぶ順路が決まっているのですが、そのルールを守らない人がいると、社内チャットで話題になることも…(笑)。エンジニアが多いからかもしれないですが、ロジックを守らない人がいると気になる、ということなのかもしれませんね。

また、エンジニアは特に、Slackなどを使ったテキストコミュニケーションが主体です。エンジニアが集まっているフロアでは、電話している声はほとんど聞こえません。

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PayPayの社内イベントにて

どんなことをすると喜ばれたり、評価されたりしますか?

木戸さん(ソフトバンク):
ソフトバンクでは、ITを駆使して社員がよりスマートに仕事を楽しむ「Smart & Fun!(スマートアンドファン)」という社内スローガンを掲げ「業務効率化して時間を作り、新しいことをはじめる」ことを推奨しています。全社員が⽣産性をあげるところに意識が向いているので、たとえば「システムやRPAなどを導⼊してやりやすくなった」など主にテクノロジーを用いた効率化が、賞賛されることが多いです。
また、バックオフィス部門では「データ・AI」「顔認証」「行動や音声」「スケジュール」などのデータを使った新しい働き方について考えています。

三原さん(ZOZO):
基本的に1つのものをみんなで作っているという意識なので、誰か一人を称えるということは少なく、みんなで分かち合うことが多いです。
ZOZOTOWNでいうと、営業がブランドさんの在庫を確保してきて、それをプロモーションして売る人もいれば、購入された商品を配送する物流があり、みんなでサービスを作っているので、誰か一人が偉い、という風土はないんです。 目標を達成したらみんなで喜びあって、お互いを称え合う、という文化だと思います。

早川さん(PayPay):
新しい機能やサービスは、もちろんセキュリティなど、押さえておくべきポイントは押さえてという前提ですが、一度世に出してみて、みんなで手を加えてプロダクトを磨いていくという文化が根強いので、スピード感を持って活動すると評価されることが多いです。
もし失敗しても、その人のせいにしたり、責めたりは絶対しません。
失敗から学んで必ず次に生かす、という考え方なので、やりたいことを進めやすい雰囲気だと思います。

武居(ヤフー):
ヤフーでは、社内開発イベント「Hack Day」をきっかけに生まれた、社員同士が感謝を送り合う社内システムが あります。
このツールのような、自発的な作業によって生まれたもの、ちょっとした便利なツール、改善は感謝されることが多いですね。

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開発イベント「Hack Day」

会社の中でダイバーシティを意識する瞬間は?

木戸さん(ソフトバンク):
今は通信がメイン事業ですが、ロボットや自動運転、フィンテックなどのような新しい領域の事業に挑戦しています。 これまで通信事業一筋でやってきた社員も、別の企業(そのうえ海外の企業であることもよくある)と一緒に新しいことを学び、同じ方向を目指しながら事業を進めていく機会が増えてきています。このように社外から違う文化が入ってくるとき、ダイバーシティの考え方が必要だと感じます。

三原さん(ZOZO):
一昨年くらいに、PB(プライベートブランド)事業推進のため、ものづくりのプロフェッショナルを中途採用で一気に増やしました。彼らはそれぞれのバックグラウンドを持つプロフェッショナルなので、もともといた社員の価値観や業務の進め方、意識の違いが発生したことがあります。そのときは、異なる企業文化が一気に混じり合ったことによる、考え方の違う人同士が理解し合うことの難しさを実感しましたが、ZOZOが今後更に仲間を増やしていくにあたって何が必要か、良い学びとなりました。

早川さん(PayPay):
プロダクトの担当者の過半数が外国籍の社員なので、現場では英語でコミュニケーションをとるのが当たり前になっていますが、他の部署はほぼ日本人なので、制度や会社としてのアナウンスなど、英語化が一部追いついていないところも多いです。
また、プロダクトの中では英語でのコミュニケーションがメインになるので、日本語しか話せない社員の研修に英語クラスを追加するなどのフォローを行っています。

武居(ヤフー):
私は「English Lunch」を主宰していることもありグローバル社員との関わりも多いのですが、現状、社内チャットのやりとりなどでは、日本語が話せないとどうしてもマイノリティーになりがちです。
マイノリティー側の社員から、カバーされていない部分について声をあげてもらったときなどには、一見いろんな人がいて多様性があるように思える社内ですが、実際は日本国籍の社員が多いこともあり、観点がまだまだ偏っているんだなと気づかされますね。

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PayPayのみなさん

飲みニケーション、ありますか?

木戸さん(ソフトバンク):
飲み会はやっている⽅なのではないかなと思います。営業部⾨などは特に多いという話も聞きます。

三原さん(ZOZO):
年1回、社員全員が集まって行う大忘年会や、各本部で集まる忘年会や納会があります。また、業務外のコミュニケーションをきっかけに仲良くなることも多い風土なので、「飲みニケーション」は活発ですね。
会社の近くである千葉県・幕張付近に住んでる社員が多いので、飲み屋でばったり会って、そのままテーブルをくっつけて一緒に飲むこともあります。

早川さん(PayPay):
営業の社員は飲み会が好きな人が多いですし、プロダクトをつくっている外国籍の社員も忙しい中でも時間を見つけて行っているようです。
PayPayは全国に20拠点くらいあるため、全社員が集まるのは難しくなっていますが、納会を遠隔でやることもあるのですが、それでも盛り上がります!

武居(ヤフー):
四半期に1回、半期に1回くらい公式な飲み会があります。また、私の部署には時短勤務や小さい子どもがいる社員が多いので、飲みに行くのではなくランチのあとにケーキを買ってきて「お茶会」をすることもあります。

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ZOZOの大忘年会「ZOZO CAMP」

多様な企業文化のなかで、どんな風にシナジーを生んでいけると思いますか?

武居(ヤフー):
今回、4社で集まっただけでも、それぞれ会社の違いが聞けて興味深かったです。会社同士としての事業のシナジーを考えるだけでなく、個人間でも交流できる場があるといいですね。ヤフーにももっと多様性が必要なので、今後はさらに広い範囲で会社同士、個人同士が交わっていけるといいなと思います。

早川さん(PayPay):
この4社のなかでは、まだはじまったばかりの会社です。また、外国籍の社員の比率が多い会社でもあるので、これから成長していくためにも、3社のみなさんがこれまでの苦悩を乗り越えた経験からも学んでいきたいです。
また、日本のグローバル化はさらに進んでいくので、PayPayが経験した「(外国籍が多い会社において)こういうところについて考えていなかった!」という面もお伝えして、みなさんのグローバライズにお役に立つような苦労話も共有していければと思います。

三原さん(ZOZO):
ZOZOは、競争よりも協調していく風土なので、誰かを受け入れる文化はできているとは思っていました。
ただ、ダイバーシティを細分化したときのことは、まだきちんと考えたことがなかったですし、社員ひとり一人が考えているステージにはいないかもしれないとも感じたので、各社の成功、失敗例を共有しあうことで今後につなげていきたいです。

木戸さん(ソフトバンク):
いわゆる「ダイバーシティ」というと、女性の活躍推進や、グローバルの異文化交流など、それぞれが難しいテーマだったり、「本当にそうなの?」と疑問を生んだりすることが多いように感じていました。
ですが、今回のように「企業文化」の切り口で、ひとり一人の違いで話すと実際はとても楽しくて、次につなげたい、とワクワクしました。こういう気持ちになることのほうが大事だし、違う文化や考えを持つ会社や人と一緒にやっていくときに役立つのだろうなと思います。社内に向けても、今回のセッションの内容のような難しくない表現でダイバーシティ&インクルージョンを進めることを考えていきたいです。

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対面ではなく、画面越しで1時間話しただけなのに、終了後は「今回のメンバーでぜひ飲みましょう!」とさっそく盛り上がっていたのが印象的でした。
知らない文化と交流し、お互いの違いを知るのは実は楽しいこと。そして、相手を「もっと知りたい、もっと話してみたい」と思うことが、今回のテーマ「多彩な企業文化のダイバーシティで広がる 無限の可能性」へとつながっていくのかもしれません。

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