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企業情報

2018.11.21

「社会人や働くことのイメージを変えるきっかけに」ヤフーの会社見学

「社会人や働くことのイメージを変えるきっかけに」ヤフーの会社見学

ヤフーでは、インターネット業界に親しんでいただくため、中学生・高校生のみなさんに向けて2007年から会社見学を行っています。見学の申し込みは首都圏以外の学校の割合が約8割となっており、年間130校、1,200人以上の中高生のみなさんをお迎えしています。

今回は、会社見学に対するニーズや学生たちの職業観の変化、今後の展望などを会社見学のプロジェクトマネージャーの水上と、前プロジェクトマネージャーで現在は、運営サポートの萩原に聞きました。また、これまでの会社見学の内容も一部ご紹介します!

- 会社見学に対するニーズについて教えてください

水上:
近年では、キャリア・職業教育の目的で会社見学を積極的に進めなさい、という文科省の指針があり、それを受けて学校側も会社見学を積極的に実施しているようです。
事前にヤフーについて勉強してくださったり、「理想の職場環境」「働き方」というテーマをあらかじめ持っていたりと、目的を持って見学を申し込んでくださる学校が増えていると感じています。

萩原:
女子中高生からは、女性の働き方について事前に質問をいただくこともあります。産休・育休、時短勤務などの制度についてや、子どもがいる社員がどのように育児と両立しながら働いているのか、といった具体的な質問も多いです。そのような質問をいただいたときは、育休を取得した経験がある社員を呼んで話をしてもらったり、生徒さんからのインタビューを直接受けてもらったりと、できるだけニーズにおこたえすることを心がけています。

- 生徒さんたちと接して感じることは?

水上:
生徒さんたちにとってインターネットは生まれたときから存在しているものなので、ヤフーがサービスを開始した1996年ごろの話も生まれる前のことです。
たとえば2011年の東日本大震災もほとんど記憶にないという中学生もいて、世代間の違いは感じます。

また、世代間ギャップだけでなく、地域間の違いに驚くことも多いです。インターネットの普及によって、都市部と地方の違いがなくなってきたといわれています。スマートフォンも地域に関係なくほとんどの高校生が所有していますが、たとえばYahoo!乗換案内(アプリ)の話をすると、「駅が遠いので電車に乗る機会がほとんどない」と言われることもあります。

萩原:
会社見学では社内の話だけでなく、窓から見える建物などの話をすることもあります。たとえば現在建設中の新国立競技場とか、生徒さんたちがよく知っている施設や時事ネタなどを織り交ぜると盛り上がります。
また、会社説明の座学では、生徒さんにクイズを出すなどもしながら双方向のコミュニケーションをするよう心がけています。

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(座学でも双方向のコミュニケーションをとるようにしています)

- 会社見学のプログラムはどのように決めているのでしょうか

水上:
まず、中高生の利用率が高いサービス、中高生の興味がありそうな取り組みにアンテナを張ることを心がけています。事前に生徒さんたちからいただいた質問や住んでいる地域、学校の特色などを考慮してプログラムを決めています。
たとえば、Yahoo!ニュース関係の事前質問が多いときには、ニュースサービスの担当者が登壇するプログラムにしたり、当日の見学フォローを担当するボランティアメンバーも事前に質問を把握して回答を準備しておいたり。できるだけその時間の中で生徒さんからのニーズにこたえられるようにしています。

また、生徒さんたちがインターネットやヤフーを身近に感じ、自分が働くことを「自分ごと」としてイメージできるプログラムにしたいと思っています。
たとえば、ニュースの担当者が登壇したときは「今ここに来る直前に、このニュースを私が(サイトに)出してきました」ということがあり、その時は生徒さんたちも盛り上がりましたね。「今まさにこの仕事をしてきた」という話をすると、よりリアルに現場を感じられるようです。

最近始めた新しい試みは、ヤフーで働く卒業生との交流です。
通信制の高校が来訪した際、その高校を卒業した社員が登壇してくれたことがありました。
学校の先輩がヤフーで働いていることに驚いた生徒さんたちからは「通信制出身ということが就職で不利になったりはしませんでしたか?」「大学で通信制の高校出身であることについて友達や先生に聞かれることはなかったですか?」など、通信制の高校に進学したことがその後にどう影響したのかをたずねる質問が次々にあがりました。

登壇した社員は「就職活動では学歴よりも何かアピールできることが重要だと感じました。この学校に入ったころ、何かしなければと思って絵を書き始めたのが、美大に入ってデザイナーになったきっかけです。その時間がなかったらヤフーには入っていなかったと思います」と自身の体験を入学した経緯なども交えて語ってくれました。
この学校はその後も定期的に来訪し、この社員が生徒さんにあたたかいメッセージを送り続けています。
また、ほかの学校でも来訪した生徒さんと卒業生との交流は数多く実現し、生徒さんにも引率の先生にも喜ばれています。

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(さまざまな社員が登壇して、生徒さんたちからの質問に直接こたえます)

- 会社見学を担当していてうれしいときは?

萩原:
見学の時間内に生徒さんたちから質問があがるなどの反応があったり、後日「アテンドしてくれてありがとうございました」と手書きのメッセージをいただいたりしたときです。

水上:
見学後に実施しているアンケートで「見学する前と後で、仕事に対するイメージが変わった」「インターネットに対するイメージが変わった」というコメントをいただくと、私たちの会社見学をきっかけに何らかの変化があったというのを感じられ、とてもうれしいですね。
「(ヤフーの会社見学での経験について)学校でこういう発表をしました」と壁新聞を送ってきてくれた学校もあり、生徒さんたちが1時間半のなかでいろいろなことを感じてくれたのかなと思います。

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(学生さんからいただいたお礼のお手紙、手書きの新聞)

- 見学を希望される学校関係者の方に伝えたいことはありますか?

水上:
先生方が生徒に対して何を学んでほしいかイメージし、それに沿って事前学習をするなど、生徒さんたちが主体的な姿勢で見学に来られるようしていただけると、より実りのある会社見学となるのではないかと思います。
また、見学後に事後学習を行った成果などを私たちに共有していただけると、今後の会社見学のプログラムを検討していく上でとても参考になりますので、ありがたいです。

- 今後やっていきたいことを教えてください

水上:
「キャリア教育」という言葉が世の中に登場し、その必要性が提唱されるようになってから20年ぐらいだといわれています。特に昨今では、若年層における「完全失業率」「非正規雇用率」「無業者人口」「早期離職率」の高さが社会問題となっており、この問題の解決のため、文科省はキャリア教育、職業教育を推進し、その取り組みのひとつとして「会社見学」「職場体験」を推奨しています。

一方で、ソニー生命保険が行った「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」では、大人に対して 「疲れている」「楽しくなさそう」「暗い」など、ネガティブなイメージを持つ中高生が7割近くいることがわかっています。
キャリア教育を一生懸命やろうとしても、中高生たちからの働いている大人に対するイメージがよくなければ、自分の将来をそこに重ね合わせることは難しいのではないかと思います。

ヤフーは製造業のように工場もないですし、製品もないので、いわゆる工場見学のようなリアルな体験は提供できません。ですが、私たちがイキイキと働く姿を見ていただくことで、働く大人に対するネガティブなイメージを少しでも変えられれば、中高生の職業意識がもっと高まるのではないかと考えています。

もしかしたら、中高生たちは「仕事」というものを今自分たちがしている「勉強」のイメージの延長で「あまりやりたくないもの」ととらえているのかもしれません。
ですが、 ヤフーに来社してくださった生徒さんたちからは「仕事を楽しんでいるように感じた」「使命感を持って仕事に取り組んでいると思った」といった感想を多くいただいています。
みんなでモノづくりをする。それをお客様に使ってもらったり楽しんでもらったりして、生活を豊かにする。ヤフーに来社した生徒さんたちには、そんな雰囲気を感じてもらえたらうれしいです。

ヤフーの会社見学をきっかけに、社会人や働くことに対するイメージを少しでも変えられるよう、これからも若者の就業に対する課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

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(左から、現プロジェクトマネージャーの水上、前プロジェクトマネージャーで現運営サポートの萩原)

【これまでに実施した会社見学プログラム】※一部をご紹介しています

1)高校生ジョブシャドウイング(3校合同)
神奈川県の私立高校3校の代表10名を迎え、特別プログラムとして「ジョブシャドウイング」(※)を実施。通常の会社見学に加え、ヤフオク!を題材としたアイデアソンを行いました。
※ジョブシャドウイング
学生・生徒が企業・組織の社員に一日同行し、どのような仕事をしているかを体感することで将来の働き方・生き方を考える機会を提供する取り組み

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2)北海道滝上高等学校
北海道の滝上町唯一の高校が、閉校記念事業としてのスタディーツアーでヤフーの会社見学に来訪されました。
来訪した生徒の多くは卒業後、滝上町を離れ、道内で比較的人口の多い地域に就職、進学するそうです。滝上町周辺の地域出身の社員をゲストに招き、故郷を離れて働く先輩として、生徒さんの質問に答えてもらいました。
また、「いつか、滝上町に戻って町の再興を志す子が出てきてくれたらうれしい」という教頭先生の思いをうかがって、エールマーケットの担当者が地域の課題にインターネットを使って取り組む事例をご紹介しました。

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3)日比谷高等学校
生徒さんたちから、「『理想のオフィスと働き方』を研究しているのでインタビューをさせてほしい」という要望をいただきました。
育児休暇や女性の働き方、ダイバーシティに関する事前の質問もあったため、育児をしながら働く女性社員、男性で育児休暇を取得した社員、車椅子の社員に参加してもらい、生徒さんからのインタビューに答えました。

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