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2018.06.20

「『学ぶ人』から『つくる人』へのきっかけに」学生向け開発イベント Hack U

「『学ぶ人』から『つくる人』へのきっかけに」学生向け開発イベント Hack U

2012年から開催しているHack U(ハック・ユー)は、ヤフーと大学などの教育機関が共同開催している、学生が自由に「ものづくり」をして「発表」まで行う開発イベント。
このイベントでは、ヤフーの現役のエンジニア、デザイナー、プランナーたちが直接開発をサポートし、すべての作品へのフィードバックを行うことが特徴です。

「『Hackといえば、ヤフー』『新しいことや面白いことをやってみたいから、ヤフーのHack Uに参加しよう』と思ってもらいたい」という、サービスマネージャーの小野澤。
Hack U立ち上げのきっかけや目的、これまで開催してきたなかで印象に残っているエピソード、サービスマネージャーとして心がけていることなどを聞きました。

  • 「学ぶ人」から「つくる人」となるきっかけの場に
  • Hack Uは、 つくったものへの「フィードバック」を大事にしているイベント
  • 大学生、中高生、ゆくゆくは小学生まで Hack Uの展望

「学ぶ人」から「つくる人」となるきっかけの場に

-Hack U立ち上げのきっかけを教えてください

ヤフーでは「Hack Day」というクリエイター向けのものづくりイベントを実施していますが、このイベントは、すでに社会人として働いている方、エンジニアとしてものづくりの経験を積んでいる方が主な参加者です。
そのため「学生にも、ITを活用したものづくりの楽しさを体験してもらいたい!」という思いから「Hack Day」を学生向けにアレンジした形で「Hack U」はスタート。
学生たちが自由な発想を形にして作り上げた作品に、ヤフーの現役社員がフィードバックして、さらに彼らの次のものづくりにつながるようなプログラムを各学校とも検討しながらつくっていきました。

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(発表時間3分でプレゼンします)

-Hack Uの目的と、Hack Dayとの違いはどんなところですか?

Hack Uは「学ぶ人」から「つくる人」となるきっかけの場の提供を目的として活動しています。このイベントに参加したことで「ものづくりって面白い」「もっとものづくりを深めたい」と思ってもらえることを目的に、特にITやプログラミングに関する領域で展開しています。

大人のクリエイター向けであるHack Day(のハッカソン)は、出場者の作りたいものが明確で、それを実現できるスキルも持ったプロフェッショナルたちが開発、プレゼンテーションする場です。そのため、私たちは彼らが最大限、腕をふるえる環境と発表するステージさえ用意すればよいと考えています。

その一方で、Hack U の参加者は大学生がメイン。ものづくりのコンセプト作成、企画立案、それらを実現するための開発スキルはまだ学習成長課程なので、そのサポートをしっかりすることを特に意識しています。

たとえば、企画段階では、ブレインストーミングのやり方をワークショップ形式でヤフーの社員が教えたり、開発段階ではオンラインサポートを中心にアドバイスしたりします。
また、彼らの作品づくりにおいて、他者の権利を侵害しないようなアドバイスも行っています。

たとえば、プレゼンテーションのスライドをより印象的にするために既存のキャラクターのイラストを引用してしまったり、写真を無断盗用したりすることも、まだ経験の少ない学生たちにはあり得ます。そのようなときは、使用する画像の権利をクリアにするか、自分が作ったオリジナルの画像で勝負しましょう、と指導しています。

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(Hack Uサービスマネージャーの小野澤)

Hack Uは、 つくったものへの「フィードバック」を大事にしているイベント

-Hack Uの運営をする上で、特にこだわっていることは何ですか?

つくったものへの「フィードバック」をもらうことを大事にしているイベントなので、その点は強く意識しています。

いわゆるプログラミング教室は増えていますし、学生たちが知識を得る機会は多くなっていますが、自分が考えたものを自由に作って、それに対して現役のエンジニアたちからフィードバックをもらえる場はまだそれほど多くないのではないでしょうか。
イベント終了後も、学生が自分の作品を外部に披露できる機会を設けたり、さらに磨きこんでレベルアップできるような仕組みまでを含めて「Hack U」だと私たちは考えています。

-Hack Uに参加する学生たちと関わることで、社内のエンジニアにどんな影響がありましたか?

まだ入社して数年の若手エンジニアが、参加者の学生にアドバイスを送る立場であるサポーターになることが多いのですが、彼らを見ていると「ヤフーの顔」の立場を通じて成長したな、と感じます。
サポーター社員は参加した学生たちと一番多く接するので「技術的にも人間的にも良い先輩エンジニアでありたい」という気持ちが自然と芽生えているようです。
また、自分の担当サービスのユーザーと直接接する体験も、彼らの業務にもいい影響を与えているように感じています。

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(学生をヤフー社員がサポート)

-印象的だったエピソードがあれば教えてください

小学生が保護者と一緒に参加してくれたり、先週パソコンを購入したばかりでプログラミングどころかパソコン初心者、という子がチャレンジしてくれたりしたときは、サポーター社員が「なんとかして学生たちの力になりたい!」と助け合い、奮闘する姿が印象に残っています。 ときには、ヤフーの業務ではあまり取り扱わない技術に関する質問が学生から来ることもあります。
運営側としては正直なところ、非常にドキッとする瞬間でもあるのですが、そんなときは、担当サポート社員を中心に、メンバーが一致団結。イベントを担当している社員だけではサポートしきれない内容だったときは、過去のHackイベント参加者が数千人見ている社内のチャットでアドバイスを求めることも。

また、インドの大学で開催したときは、スライドを使わず黒板に書いてプレゼンしたチームがあったのが印象的でした。
話す役の学生と、それを聞きながら板書していく役の学生がいて、これは日本ではまだ見たことがない光景でした。
発表時間3分という限られた時間の中で板書しきれるということは、普段からこのような説明の仕方に慣れていて、さらに自分の設計図を瞬時にアウトプットできるんだろうと思いましたね。

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(板書のプレゼン。インドの大学にて)

-Hack Uのサービスマネージャーとして心がけていることを教えてください

Hack Uのメンバーは、現在約40人。そのほぼ全員が、期初に兼務メンバーを社内公募し、立候補した社員です。
みんな、主務として他サービスに従事しながらも、さらにHack Uを通じて何かやりたいことがあって立候補しているので、なにを提供したいのか、自分がどう成長したいかを全員に聞いて、なるべく彼らがやりたいことに近い業務に関わってもらっています。

その理由は、Hack Uのサポーターとして学生と直接関わる立場になるメンバーが楽しく働いていないと学生に伝わってしまうから。 ものづくりの楽しさを伝えたくて提供している場のはずなのに、そこに従事する社員がつまらない、やらされ感で存在していてはダメだなと。メンバーが「やりたい」と思って取り組めるような環境づくりが大事だと思っています。

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(ときには図解しながら説明します)

大学生、中高生、ゆくゆくは小学生まで Hack Uの展望

-今後の展望を教えてください

もっと多くの学生さんに参加してほしいですし「ハックイベントといえば、ヤフーのHack Uだよね」と思ってほしい。新しいこと、面白いことをやりたいと思ったときに、Hack Uに参加してもらえることを目指しています。

そのため、今後はさらに気軽に参加していただけるようにしたいと考えています。昨年(2017年)度からは非ハッカソンのイベント、ハンズオンやワークショップ、講演などのコンテンツも提供しており、今後も増やしていきたいです。
小学校でのプログラミング教育必修化に向け、そこでヤフーが担うべき役割は何かということも引き続き考えていきます。

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(Hack Uの発表の様子)

- (小学校でプログラミング学習が必修化される)2020年は、学生やエンジニアにとってどんな世界になっていると思いますか?

ITが解決できる領域がさらに増えて人々の生活をもっと便利にしていると思います。しかし、私たちが直面する課題も変わっていると思います。
ITでのものづくりの面白さは「作って」「世に問うて」「フィードバックを得る」という経験が個人レベルで手軽に積める点です。たとえばマインクラフトでもYouTuberでも、スマートフォンアプリ開発でもいい。それぞれが取り組める領域で、「何かをつくって世に出す」活動にどんどんチャレンジしてほしいですね。
その経験を積むことで、今後どんな世界になったとしても、世の中の変化とうまく向き合いながら、しなやかに活躍できるのではないでしょうか。
Hack Uが、そのための一歩となってくれれば幸いです。

-最後に、今年の夏休みシーズンに開催するオープンHack Uについて教えてください

今年2018年の夏も、全国4会場でHack U 2018を開催します。今年のテーマは「UPDATE インタラクション ~すごいコール&レスポンスをつくろう~」。学生の自由な発想で、びっくり、ワクワクするようなすごい作品が生まれることを期待しています。

各地の優秀チームは2018年冬開催のHack Dayにご招待いたします。腕に覚えのある学生はもちろん、「何かをつくりたい!」というものづくりマインドさえあれば、技術レベル、年齢、地域問わず参加大歓迎です。ヤフー社員が全力でサポート、フィードバックしますので、多くのみなさんに参加していただきたいです!

【関連リンク】

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(大阪で開催したHack Uにて)

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