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2017.07.27

小学生向けプログラミング教室「Hack Kids Caravan」

長野県・白馬で行われたHack Kids Caravanの様子

ヤフーでは、今年5月から6月にかけて、拠点のある全国6地点(北九州、大分、宮城県・石巻、長野県・白馬、青森県・八戸、高知)で、小学生向けのプログラミング教室「Hack Kids Caravan(ハックキッズキャラバン)」(※1)を開催。ヤフーの現役エンジニアを始めとする有志のメンバーや、地元の企業の方などが講師となって、各回とも2日間かけてそれぞれの地域に住む小学生(4~6年生)98名(※2)にプログラミングを教えました。

初めてプログラミングを学ぶ小学生たちに、2日間でどのように教えていくのか、そのプログラムの内容をご紹介します!

プログラム内容

プログラム内容

1)まずはリラックス:自己紹介&レクリエーションタイム

まず、子どもたちにプログラミングを教えるチューター(講師)の自己紹介を行ってから、子どもたち同士も自己紹介をしあいます。周りは知らない人ばかりなので、みんな最初は少し緊張気味・・・。 簡単なゲームをしたり、体を動かしたりすることで、場の空気を暖めていきます。

プログラミングを学ぶ小学生たち プログラミングを学ぶ小学生たち

2)パソコンってこんなに小さいの?:コンピューターの組み立て

緊張がほぐれたところで、いよいよコンピューターの組み立てです。 プログラミングは、小型コンピューター「Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)」上で行います。小さな透明な箱を目の当たりにして、子どもたちからは「何これ、かっこいい!」「これがパソコンなの!?」という驚きの声が上がっていました。

箱から取り出した「Raspberry Pi」に、マウス、キーボードとモニターをつないで電源を入れたら、プログラミングの準備は完了です。

プログラミングを学ぶ小学生たち プログラミングを学ぶ小学生たち

3)プログラミングって何?:初めてのプログラミング体験

プログラミングを始める前に、まず「プログラミングとは何か」「プログラミングでどのようなことができるようになるのか」という説明を受けてから、いよいよプログラミング体験が始まります! 「Hour of Code(アワー・オブ・コード)」というウェブ教材を使って、小学生にはおなじみ「マインクラフト」のステージを1時間かけて進めていきました。

ステージの操作は、「まえにすすむ」「みぎにまがる」などの命令が書かれたブロックを、マウスでドラッグして組み合わせるだけ。 画面上のキャラクターを動かしてステージをクリアしていくことで、プログラムの組み立て方をゲーム感覚で学べます。

スクラッチの画面

1時間かからずに終えてしまう子も多く、中には約30分でクリアしてしまう子も! 他のステージも用意されているので、そちらにもチャレンジしてもらいました。

プログラミングを学ぶ小学生

4)自由に作れる:「Scratch」の使い方

「Hour of Code」でプログラムの組み方をイメージできるようになったら、次は「Scratch(スクラッチ)」の使い方を学んでいきます。 「Scratch」は「ビジュアルプログラミング言語」と呼ばれるもので、世界中の子どもたちにも人気が高いプログラミングツールです。命令ブロックを組み合わせるという基本的な操作方法は、「Hour of Code」と共通している部分があるため、プログラミングの経験がない子どもでも取り組みやすいと思います。

スクラッチの画面

ですが、「Hour of Code」は用意された問題をクリアしていくものであるのに対し、「Scratch」は自分が作りたいものを自由に作れる、という大きな違いがあります。自由度が高い分、子ども達にとっては何から手を付けたらいいのかわからない状態になってしまうことも・・・。そのため、まずは画面や命令ブロックなどについて丁寧に説明します。

ただ、一方的な講義が続くと、子どもたちは途中で飽きてしまい、集中して話を聞くことが難しくなってしまいがち。わたしたちは、「Hack Kids」オリジナルのクイズを解いてもらうことで、「Scratch」の操作を楽しく学べるよう工夫をしています。

説明している様子

5)何を作るか決めよう!:アイデアワーク

ここまでのプログラムを終え、「Scratch」の使い方が理解できた後は、自由制作に入っていくのですが、作りたいものがなかなか思い浮かばなかったり、制作途中で何を作ろうとしていたのかわからなくなってしまったりする子も。 そのため「Hack Kids」のプログラムでは、何を作るのかを決める前に、まずアイデアワークを行って自分の考えを整理し、これから何を作るのかを可視化しています。

まず、名詞が書かれた赤いカードと動詞が書かれた青いカードの中から、好きなものを1枚ずつ選びます。

名詞と動詞が書かれたカード アイデアワークの様子

そこから、自分の作りたい作品のイメージを膨らませ、文字や絵で表現していきます。書き終わったら、その内容をみんなの前で発表したり、近くの子同士で見せ合ったりしてもらいます。 そうやって他の人の考えに触れることで、新しい発見や気付きが生まれることもあるため、自分の考えを共有したり他の人の考えを聞いたりすることは、とても大切なプロセスだとわたしたちは考えています。

アイデアワークの様子 アイデアワークの様子

6)自分で考えたものを作るから楽しい!:自由制作

作りたいものが決まったら、そこからは各自でプログラミングを進めます。わからないところがあれば、いつでもチューターに聞けるので安心です。 ですが、チューターは1から10まで全て教えてしまうのではなく、子どもたち自身でも考えてもらうように心がけてアドバイスをしています。 「チューターに教えてもらってできた」というよりも、「自分で考えてできた!」と思える方が、子どもたちの達成感と自信にもつながると思っているからです。 また、チューターが一方的に教えるだけでなく、子どもたち同士で教え合えるような声がけをすることもあります。

プログラミングを行う小学生 プログラミングを行う小学生とヤフー社員

「Hack Kids」のチューターは、エンジニアやデザイナーなどの、ヤフーのものづくりの現場にいる社員が多く、「子どもたちがつくりたいもの」を理解した上でアドバイスすることを心がけています。 チューターもグループに分かれているので、子どもたちがいろいろなチューターからアドバイスを受けられることも、このプログラミング教室の特長です。

プログラミングを行う小学生とヤフー社員

7)作品完成!:発表会

2日目の午前中までに作品を仕上げ、午後からは発表会。作った作品の紹介や、難しかったところ、頑張ったところなどを発表します。保護者の方も見学にいらっしゃるので、たくさんの人に注目されてドキドキしている子も…。

発表会の様子

発表後は、チューターから子どもたち一人ひとりに「どんなところを頑張っていたか」などの講評があります。2日間一緒にいたチューターからのコメントを、みんなどこか照れくさそうに、でも、うれしそうに聞いていました。

発表会の様子

8)2日間やりきった!:修了式

2日間頑張った証の修了証を受け取った子どもたちは、とても誇らしげな表情。 イベントは2日間という短い時間ではありますが、みんな1日目に比べて成長したな、と感じる瞬間です!

修了式の様子 修了式の様子 修了式の様子

2日間、おつかれさまでした!

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今回、子どもたちによるアンケート結果では、プログラミングが難しいと感じた子は6割ほどでしたが、難しいことでも諦めずに頑張れば必ずできるようになる、ということにも気付いてもらえたのではないかと思っています。

最後に、各拠点の子どもたちからの感想をご紹介します。

「やってみたら意外と楽しかった。次同じようなイベントがあったらやってみたい」(北九州/小学6年生)

北九州の小学生たち

「はじめて自分でゲームを作ったりできて良かった。パソコンを使うことはめったにないので、これからはもっとパソコンに興味をもとうと思った。また次があったらやりたいと思うぐらいとっても楽しかったです。ありがとうございました」(大分/小学5年生)

大分の小学生たち

「家でプログラミングをしたことがあるけど、みんなでやると、もっと面白かった」(石巻/小学5年生)

石巻の小学生たち

「パソコンのやり方を、一から教えてもらって、とてもうれしかったです。また、このイベントがあって応募できたらぜひ行きたいです」(白馬/小学4年生)

白馬の小学生たち

「ちょっと難しいところもあったけど、すごく楽しかった。将来プログラマーになってもいいかなーと思いました」(八戸/小学5年生)

八戸の小学生たち

「全て作れたときの達成感がなんともいえないうれしさです。友達に見せてびっくりさせたいです」(高知/小学5年生)

高知の小学生たち

「難しかったけど楽しかった」「次回もまた参加したい」という声が多く見られ、「Hack Kids Caravan」を通してプログラミングの楽しさを子どもたちに伝えることができたのではないかと思います。

保護者の方々からは、「こんな田舎でやってくれてありがとう」「他に学べる場所が近くにはないので、助かりました」「次はいつ来てくれるのですか?」というようなありがたいお言葉をたくさん頂戴しました。 地元の方々にも多大なご協力、ご支援をいただき、「また次回もぜひやりましょう!」という前向きなお言葉をいただいております。

しかし、この取り組みの目的である「プログラミング学習機会の地域格差解消」を達成するには、まだまだ道のりは長いと感じています。

文部科学省は、2020年度からの新学習指導要領に、小学校でのプログラミング教育の必修化を決定しました。必修化に先駆け、各地でプログラミング教室や講座が開催されていますが、まだ、その多くは関東に集中しています。 わたしたちは、今後「Hack Kids Caravan」をヤフーの拠点以外の日本全国に展開し、もっとたくさんの子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えていきたいと考えています。

また、「プログラミングを学ぶと、どんないいことがあるの?」「自宅で学習するにはどう進めていったらいい?」などについても、このブログでお伝えしていきたいと思っています。

次回の「Hack Kids Caravan」は、2017年11月~12月頃に開催予定です。(開催地は未定です) 次はあなたの住む地域で開催するかもしれません。楽しみに待っていてくださいね!

Hack Kids Caravanのメンバー

(※1)Hack Kids Caravan: 2017年4月に発足した、日本全国の子どもたちへプログラミング体験を推進するプロジェクト。 ヤフーの地方拠点などへキャラバン形式で訪問し、その地域の子どもたちにプログラミングの楽しさを体験してもらう取り組み。

(※2)イベント参加者の内訳:

会場の広さなどによって人数制限があるため、参加人数にはバラつきがありますが、合計で98名の子どもたちが参加してくれました。男女比で見ると、どの拠点も男子の参加者が多く、全体では7割以上が男子という結果でした。

参加者は市内・町内の複数の小学校から集まっており、合計で61校の小学校から参加しました。中には、わざわざ市外・町外から参加してくれている子もいます。

また、4年生以上を対象としているのは、小学校にも慣れ、自分の意見をきちんと説明できる年齢であること、2日間集中する力が身についていることなどが理由です。

各拠点の参加人数のグラフ

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