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2016.10.24

ヤフーと京都の小学校をつないでオンライン授業を実施

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「家康、手紙を利用し戦に挑む」
「関ヶ原 秀秋の裏切りの背景」

13文字の見出しが続々と発表されます。

これは「関ヶ原の戦いを当時の人に伝えるとしたら?」というお題の元、立命館小学校の児童が社会科の時間に考えた、ニュースの「見出し」です。

「背景を見出しに表現できると、もっと良いね」
「事実がきちんと入っていて分かりやすいね」

Yahoo!ニュース担当の田中から、児童の見出しに対しコメントを伝えていきます。

ニュースの見出しをつける作業は、その出来事に対しての正しい理解と、要約するスキルが重要です。児童たちはそれを実践的に体験することで、歴史への理解を深め、人へ伝えるスキルを学びます。(写真:オンライン授業で、児童の見出しを確認する田中)


9月にそんなユニークな授業を、東京のヤフー本社と京都にある立命館小学校を、スカイプでつなぎ実施しました。

この授業は、「NPOプロフェッショナルをすべての学校に(以下、プロ学)」と「静岡大学教育学部塩田研究室(以下、塩田研究室)」が企画、コーディネートするタブレット(ICT)を活用したオンライン授業の一環です。プロ学と塩田研究室は、企業や社会のプロフェッショナルたちと、場所を問わず全ての学校をつなげることをミッションに活動されています。今回Yahoo!ニュースにお声がけいただき、取り組みが実現しました。

今回の授業は全3回。小学6年生を対象に行いました。

9月8日、第1回の授業。
まずはYahoo!ニュース担当者の田中から、13文字の見出しのつけ方についてコツをレクチャーしました。

「一目で何が言いたいか分かる見出し」

Yahoo!ニュースでは、記事の内容が一目でわかる見出しにしています。

例えば毎年発表される「今年の漢字」。それを伝える見出しとして、Yahoo!ニュースでは……

×【今年の漢字は何だった?】→これだけでは伝わらない

○【今年の漢字は「安」に決定】→ニュースの中身が一目でわかる
こちらを採用!

「言葉を短くしてみよう」

見出しは13文字と、文字数に制限があります。その文字数内で言いたいことを伝えるために、例えばサッカーワールドカップは「W杯」のように略します。

「誰に何を伝えたいのか考えよう」

ニュースを見る人は誰なのか、なにを見出しで伝えるべきなのかなど、最近のニュースをもちいて説明します。

こういったコツを生徒にレクチャーしていきます。

Yahoo!ニュースが授業内で参加する時間は「15分」。短いように思えますが、小学校の1コマの時間のなかで、授業中行われる「導入」や「まとめ」などの指導構成を考慮したうえで、指導のプロである先生方が設定した最適な長さなのだとか。

児童たちはそれらのコツを学び、見出し作りに挑戦します。どんな見出しが出てくるのか楽しみです。

いよいよ児童にフィードバック!

9月15日、17日の授業では、いよいよ児童がつけた見出しを田中が閲覧、講評します。

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(田中も児童も笑顔でやりとり。とても和やかな雰囲気です)

6つの班に分かれて、それぞれ班で出し合った案をまとめます。リアルタイムで、児童が入力する内容を確認します。どの見出しも個性が光ります。

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思わず、「うまい!」と田中が感心する場面も。 

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講評を真剣に聞く児童たち。1位に選ばれた班からは歓声が!
1位に選ばれなかった班にも、それぞれ改善点がフィードバックされたので、児童は納得した表情に。

授業を終えて、児童たちからは、
「自分が作った見出しがびっくりするくらい高評価でうれしかった」
「Yahoo!ニュースを何気なくみていたけど、工夫されているということがわかった」
「見出しを考えることで、その歴史の内容に関して理解が深まった」
などの感想がよせられました。

今回、田中が授業に参加するにあたっての所要時間は、各回1時間ほど。双方のコミュニケーションもスムーズにとれて、とても有意義な授業となりました。

今回この授業を企画した塩田准教授とプロ学の谷山さん、また、実際に立命館小学校で授業を行った小池先生に、取組みについて話をうかがいました。

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(左から、塩田研究室の塩田准教授、プロ学の谷山さん、立命館小学校の小池先生)

- この取組みを企画したきっかけは?

塩田准教授(以下、塩田):

僻地(へきち)からのキャリア教育について相談を受けたことがきっかけです。もともと、出張授業のコーディネートをしていたのですが、エリアが限定されることがネックでした。
企業の教育貢献をしたい「プロフェッショナル」と、「プロの話を聞きたい子ども」。この双方をテレビ電話でつなげば、企業の負担を減らしつつ、継続的に実施ができるのではないかと考えました。

- ヤフーを選んでいただいたのはなぜですか?

谷山さん(以下、谷山):

キャリア教育には、間接的、直接的なものの2種類があります。間接的なものは、「どのような仕事をしているか」を教える方法。間接的なものは、例えば教科書に載っている事柄を、身近に感じさせるよう社会人(プロフェッショナル)が、教える方法。
ヤフーさんへは、Yahoo!ニュースを通じて間接的なキャリア教育に携わってもらえるのではないか、と考えました。日頃からYahoo!ニュースの見出しにこだわりを感じていたので、それを社会科の単元につなげて、要約する面白さや、それを通じて歴史の出来事について学びを深めることができるのは? と考えました。

- 実際やってみていかがでしたか?

塩田:

やはりプロ(Yahoo!ニュース担当者)の力はすごい、と感じました。子どもにとって、とても良い経験ですし、プロに評価してもらうのはとてもうれしいことです。やはりその道のプロの話は、子どもたちに説得力を持って受け入れられていると感じました。1位に選ばれなかった児童も、プロの選定理由に納得していました。

谷山:

「プロに見てもらうんだ」という事で、児童たちのモチベーションがかなり上がったのを感じました。ふだん触れ合っている先生とのやりとりでは、なかなか生まれない盛り上がりだと思います。

- 学校での反応はどうでしたか?

小池先生:
子どもたちは東京とつながっていることにまず興奮していました。そして教師と異なる第三者の大人から、授業で作った成果物について評価してもらえるという点は大変説得力があり、ありがたかったです。
そしてYahoo!ニュースの人に褒めてもらえたことがうれしそうな児童もいました。また、普段は教師や両親以外の大人との接点はなかなかない児童が多いため、「キャリア教育」の側面からも大変良い取組みだと感じました。

- 今後の展開について教えてください

塩田:

まずは今回、モデルケースとして東京と京都をつなぐ授業を実施しましたが、今後は全国の僻地(へきち)、離島などで、いろいろな企業と取組みを進めていきたいです。

谷山:

技術面、インフラを整えることは学校側の課題でもありますが、この活動がそれを打破する「きっかけ」になるといいなと思っています。この活動が特別なことではなく、学校側が日常的にプログラムに入れていくような学びの環境を実現したいです。


後日、田中に児童たちからお礼の手紙が届きました。「宝物にします」とうれしそうな田中でした。

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